平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

鉄道駅名の回文・川柳集 北陸線沿線編

北陸線と、それに接続する路線の駅名にまつわるジョーク集です

昨日の「鉄道駅名の回文・川柳集 東海道線沿線編」の北陸線沿線版です。

米原直江津の旧北陸線全線を中心とした内容です。

引き続き気軽にお読みください。

 

回文

◆ 北陸線(ハピラインふくい、IRいしかわ鉄道を含みます)

〇 石川か、若々しい

〇 富山、津山と

〇 坂田の高さ

〇 木ノ本、友の木

〇 余呉、孫よ

〇 敦賀がルーツ

〇 湯尾(ゆのお)の湯

〇 武生、老けた?

〇 福井に行く夫(ふ)

〇 芦原、フラワー(フラワア)

〇 大聖寺、自称、井田

〇 加賀、滋賀か

〇 小松の妻子(つまこ)

〇 小舞子、今、子

〇 美川、川上

 

湖西線

〇 堅田、したたか

〇 今津住(ず)まい(※駅は近江今津

 

七尾線のと鉄道

〇 能登と殿

〇 能瀬、瀬野(※瀬野は山陽線

〇 免田、宣伝、め(※「め」は字余り)

〇 千路の自治

〇 金丸、真似か

〇 徳田、ダクト

〇 七尾、青菜な

〇 能登中島、間近な殿

 

あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道

〇 富山、今やと

〇 高岡(の)お方

〇 呉羽レク(※レクチャー)

〇 水橋、弾(はず)み

〇 黒部録(※黒部の記録の略)

〇 泊、有馬と

〇 糸魚川、我が厭(いと)い

〇 梶屋敷、安芸市、ヤジか

〇 能生、宇野

〇 筒石、五つ

〇 名立だな

 

越美北線氷見線城端線

〇 美山、闇

〇 市波な地位

〇 能町、舞うの

〇 伏木、敷布ふしき

〇 戸出、デート(デイト)

〇 砺波、港(みなと)

 

富山地方鉄道えちぜん鉄道

〇 立山、やってた

〇 宇奈月の絆(う)

〇 榎町、粽(ちまき)の絵

〇 寺田だ、ラテ(※ラテは牛乳・ミルクのラテ)

〇 水居の泉(※えちぜん鉄道

〇 花堂、うどん、那覇(※同上)

 

列車

〇 「しらゆき」揺らし

〇 サンダーバードドーバー(※海峡)ダンサー

 

川柳

〇 芦原温泉細呂木牛ノ谷大聖寺

〇 大聖寺加賀温泉、動橋(いぶりはし)

〇 能美根上、小舞子・美川、加賀笠間

〇 加賀笠間、松任野々市西金沢

〇 堅田・小野、和邇・蓬莱、志賀・比良

〇 新旭、近江今津近江中庄

〇 糸魚川、えちご押上、ひすい海岸

〇 越前田野、越前富田、下唯野(※越美北線

〇 二塚、林・戸出(といで)、油田(あぶらでん)(※城端線

〇 たけふ新、北府(きたご)・スポーツ公園、家久(福井鉄道

〇 東藤島、越前島橋、観音町(えちぜん鉄道

〇 志比堺、永平寺口、下志比(※同上)

〇 福井口、まつもと町屋、西別院(※同上)

〇 大河端、北間・蚊爪、粟ヶ崎(※北陸鉄道

〇 鐘ヶ淵、沢中山、岩峅寺(※富山地方鉄道

〇 電鉄富山、富山田地方(とやまでんじがた)、稲荷町(※同上)

〇 五百石、越中泉、相ノ木(※同上)

〇 西魚津、電鉄魚津、新魚津(※同上)

〇 新黒部、長屋・荻生、東三日市(※同上)

 

その他

〇 かがやきで加賀やき 

〇 北陸線小松の西に、湖西線北小松

〇 滋賀の志賀は湖西線

〇 高岡、高尾か?(高尾は中央線駅)

〇 北陸新幹線、駅は敦賀、列車はつるぎ、北陸鉄道に鶴来(つるぎ)駅

〇 北陸線敦賀(つるが)、青森県津軽(つがる)

〇 北陸線坂田から羽越線酒田へ

〇 北陸線高月から東海道線高槻へ

〇 七尾線高松から予讃線高松へ

〇 (あいの風とやま鉄道)福岡から博多へ

 

総括

北陸の私鉄も紹介したかったので無理矢理感は否めませんがご了承ください。

北陸のローカル駅名は、他の有名地区と同じケースが多くあります。

インターネット時代ゆえ、駅名の回文や川柳で入力すればいくらでも出てくるかもしれません。

テレビ番組でのクイズ等でも駅名の回文・川柳の内容を見ることがあります。

それらと重複があるにせよ、ネット検索ですぐに結論が出て終わりにしては鉄道趣味になりません。

自分でひねり出すことに意義があると思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

 

※写真は本文と無関係です。

鉄道駅名の回文・川柳集 東海道線沿線編

東海道線と、東海道線に接続する路線にまつわる駅名ジョーク集です
今回は、遊びの内容です。
2023年8月21日付けの拙「鉄道連続駅名の川柳集 JR四国編」の東海道線版と、回文等の東海道版で、いずれも言葉遊びです。
一部、逆から読むと違っていたり、5・7・5になっていないものや、地域に対して失礼な言い方のものもあるかもしれませんが、ジョークで受け流してください。
 
回文
〇 戸塚で勝つと
〇 富士の自負
〇 由比、いい湯
〇 清水、和泉市(※和泉市大阪府
〇 静岡、赤尾、逗子
〇 焼津、いや
〇 島田、騙し(※だまし)
〇 金谷と谷中(※谷中は東京都台東区
〇 菊川、我が茎
〇 掛川、崖か
〇 浜松、ママは?
〇 高塚、勝つ方
〇 舞阪さ、今
〇 刈谷、理科
〇 岐阜で付議
〇 穂積、みずほ(山陽・九州新幹線
〇 米原、さらば、今
〇 米原、ララバイ(ま)
〇 野洲い椅子や(※野洲いは「安い」の当て字)
〇 野洲や、スヤスヤ
〇 栗東、うっとり
〇 草津、いつ咲く?
〇 瀬田、立たせ
〇 膳所だ、膳所(※膳所は「ぜぜ」)
〇 津、大津(※津は三重県
〇 高槻、きつかった
〇 住吉よ、ミス
 
〇 東海、買うと?
〇 滋賀、和菓子
 
東海道線の分岐路線(JR線)
〇 鎌倉、熊か?
〇 田浦、空歌
〇 衣笠、佐賀抜き
◆ 相模線
〇 香川、画家
◆ 伊東線
〇 伊東、疎い
〇 谷峨が、ヤ
◆ 身延線
〇 身延の身
〇 稲子、来ない
〇 久那土、泣く
〇 小井川、若い子
◆ 武豊線
〇 亀崎で刻め、か
〇 半田んは?(判断は?)
〇 武豊、溶けた
◆ 関西線
〇 関西線、精算か?
〇 桑名、沸く
〇 富田、水戸
〇 河曲(かわの)の和歌
◆ 草津線
〇 甲賀、向かう子
〇 貴生川、歌舞伎
〇 手原?はて?
 
東海道線の分岐路線(私鉄、第三セクター路線等)
〇 飯田岡、顔だ、いい
〇 宮ノ下、他市の闇
〇 須津(すど)、戻す
〇 神谷、闇か
〇 地名、うなじ
〇 井川、若い
〇 円田、田園(※円田駅。最後の「ん」は字余り)
〇 気賀、ハガキ
〇 気賀、手書き
〇 寸座(で)ござんす
〇 尾奈、七尾
〇 小池、稽古
〇 高師の仕方
〇 神戸(かんべ)んか(※勘弁か)
〇 愛知川(えちがわ)、我が知恵
〇 八日市、地位買うよ
〇 桜川、我が落差
〇 日野、あの日
〇 水口(みなくち)、地区並み
〇 市辺(いちのべ)の地位
〇 武佐、͡挟む
 
川柳
〇 西品川、武蔵小杉、新川崎
〇 東戸塚、戸塚・大船、北鎌倉
〇 由比・興津、清水・草彅、東静(岡)
〇 新所原、二川・豊橋西小坂井
〇 関ヶ原、垂井・大垣、穂積・岐阜(※正確には西岐阜
〇 南草津、瀬田・石山、膳所・大津
〇 膳所・大津、山科・京都、西大路
〇 須磨・兵庫、神戸・元町、三ノ宮
◆ 路線名、特急愛称
〇 東海道、御殿場・身延、飯田線
〇 (列島縦断線)東海道、山陽・鹿児島、東北線
〇 (JR東海特急)ひだ・南紀、ふじかわ・伊那路、しなの・みえ(※「みえ」は快速)
 
その他
〇 東海道、十日移動
〇 中央線鶴舞から舞鶴線舞鶴
〇 住宅ローンはまだ関西線(完済せん)
〇 草津線甲賀(こうか)駅は地平駅
〇 武豊(たけとよ)に武豊(たけ・ゆたか)
〇 豊橋鉄道 植田(うえた)で田植え
〇 伊豆急行 川奈(い)、河津(※買わない?買わず)
〇 静岡、お静か?
〇 和やか、名古屋か
〇 伊那、いいな
〇 駿河、何する(が)
〇 近江八幡、近江は自慢
 
総括
東海道線は4文字の読み仮名駅が多く、回文には無理矢理感があります。
川柳は字余りばかりでした。
毎回、お粗末な出来栄えで自己満足的世界ですが、気分転換の役に立てれば幸いです。
 

※写真は本文と無関係です。

「のぞみ」「みずほ」 今後の全車指定席通年化の可能性を考える

「のぞみ」の全車指定席化は3大ピーク期(最繁忙期)の限定措置か、「みずほ」は今後「のぞみ」と同じ方向性か?

2023年9月13日付けで、JR東海JR西日本の連名で、「この冬、年末年始は『のぞみ』号を全席指定席として運行します― 3大ピーク期に『のぞみ』号の指定席を増やし、ご予約いただきやすくします ―」とのニュースリリースがありました。

この内容の中の一部を引用させていただきます。

※自由席特急券等をお持ちのお客様は、普通車のデッキ等に立席でご利用いただく場合に限り、「のぞみ」号にご乗車いただけます。(「のぞみ」号の指定席に着席された場合は、所定の指定席特急料金が必要となります。)

(以上引用)

 

「のぞみ」に3両の自由席があることが、とくに3大ピーク期には列車が遅れる原因となり、他の列車運行全体に影響することは東海道・山陽新幹線にとって深刻な課題での一つでした。

今回は、「のぞみ」「みずほ」の全車指定席化への今後の方向性について考えてみました。

 

立席特急券でなく、自由席特急券でどの「のぞみ」にも乗れる選択

3大ピーク期において「のぞみ」を全車指定席化し、満席時は自由席特急券により全部の普通車指定席を対象にデッキ乗車可能としました。

3大ピーク期に「のぞみ」全列車、普通車全車両に乗車を分散させ、列車の乗降を円滑にし、遅延を防止することは順当な判断と考えます。

 

全車指定席列車が満席の際、立ってでもいいから乗りたいという需要、欲求に応える対応で、ここが飛行機と異なるところです。

満席なら「のぞみ」は乗車不可、「ひかり」「さくら」「こだま」へという措置であったら、「のぞみ」に比べて少ない本数から多くの利用者を輸送できなくなるという事情があります。

 

ここで、JR東日本のような立席特急券を選択しなかったのはなぜでしょうか。

「のぞみ」は利用者数の多さ、最大12往復の運転本数、16両編成の輸送力とデッキ数の多さから、事前に乗車列車を指定する必要がある立席特急券方式では、立席特急券購入までにさらに混雑、混乱が生じることが予想されます。

自由席特急券ならば乗車列車を事前に考える必要がなくなり、精神的にも立席特急券よりも気軽になります。

次々に発車する「のぞみ」の、どの列車でもよいからデッキに立つ前提での対応は正しい判断と考えます。

また、指定席に空席があろうとも着席は不可、着席の場合は指定席特急料金を徴収するという措置は分かりやすく明快な姿勢です。

空席ならいいだろうと、とりあえず座ってしない、やがては眠ってしまって、後から来た指定席券所持者とトラブルや混乱の原因になることがあります。

その意味で、たとえ空席があっても着席不可の毅然とした鉄道側の姿勢は正しいと考えます。

 

「のぞみ」全車指定席は3大ピーク期だけの限定措置となるか?

「のぞみ」は1992年3月14日に全車指定席として登場、2003年10月1日の品川駅開業に合わせて1~3号車を自由席としました。

「のぞみ」には固有の指定席料金を設定していますが、自由席特急料金は「ひかり」「こだま」と同額のため「のぞみ」自由席は割安感があり、乗車列車を事前に指定しないゆえの行動の自由さから、3両の自由席は混雑の傾向も見られます。

 

筆者は今後の「のぞみ」は通年、全車指定席になっていくと予想します。

今回のリリースにより、ひとまず今後1年間の3大ピーク期における「のぞみ」全車指定席による遅延防止効果、利用者の円滑な乗降効果の状況を見ることになりますが、東海道間を中心とする「のぞみ」の通年混雑傾向から、全車指定席の通年実施に踏み切ると予測します。

利用者にとっては「のぞみ」の指定席が確保しやすくなるほか、鉄道側にとっては「のぞみ」の指定席料金による収入の安定性、自由席との料金差額によってそれが直接的な理由ではなくとも、結果的に増収にもつながる面があります。

 

「みずほ」も3大ピーク期は全車指定席化するか?

「みずほ」は山陽・九州新幹線の速達列車ですが、「のぞみ」の半分の8両編成で、グリーン車は6号車の半室で6列24名、普通車指定席は4~8号車で2&2席、計282名、自由席は1~3号車で計240名、編成定員は546名です。

「のぞみ」の1,232名と比べると44%相当の輸送力です。

 

「みずほ」は指定席が2&2席、自由席は3&2席のため、全車指定席化すると3&2席利用者からの不満は予想されます。

しかしながら「のぞみ」と同じ高速・速達列車であり、3大ピーク期に限っては割り切って全車指定席にしていくと考えます。

2&2席でなくても3大ピーク期だから3&2席でも着席できればよいとする案内方法です。

3大ピーク期の2&2席に限り、最繁忙期料金をさらに100円上げる等の方法もありますが、別の議論が起きるリスクが伴います。

ただし「のぞみ」のような将来においての、終日全車指定席の選択肢はないと思われます。

 

「みずほ」は当初のような列車への意気込みはなくなり、定期列車3.5往復、定期列車に近い毎日運転の臨時列車5往復しかなく、日中の運行はなく、時間帯が偏っているのが特徴です。

毎日運転の臨時「みずほ」は、利用状況の様子を見て、成果がなければ今後設定しないようにできる列車設定です。

「のぞみ」「さくら」優先の山陽区間のダイヤによる設定の困難さ、山陽・熊本・鹿児島方面の速達需要の厳しさを感じさせます。

「さくら」には準「みずほ」的な、準速達列車もあります。

「みずほ」は「リレーのぞみ」的な列車として、博多での同一ホームにより博多-鹿児島中央での速達に徹する方向性も今後の課題として考えられます。

 

(※記載にあたり、「タビリス」2023年9月14日付け、「新幹線『全車指定席化』はどこまで広まるか。『のぞみ』ピーク期に導入へ」を参考にさせていただきました。)

 

「トキてつ×ほくほく×大糸線コラボスタンプラリー2023」で完全制覇賞を目指せるか?

列車本数と駅員配置時間制約の中で、計20駅下車でのスタンプ押印の至難さ

えちごトキめき鉄道(以下、「トキ鉄」)、北越急行では、2023 年9 月 15 日(金)から11 月5 日(日)まで計52 日間、「トキてつ×ほくほく×大糸線 コラボスタンプラリー2023」(以下、「スタンプラリー」)を開催します。

グッズ購入や指定された駅を回ってスタンプを集めると、オリジナル缶バッジがプレゼントされるイベントです。

えちごトキめき鉄道活性化協議会、ほくほく線沿線地域振興連絡協議会、大糸線活性化協議会の3つの協議会が協力団体となっています。

企画の中で、JR西日本所管の大糸線糸魚川南小谷を組み入れているのが特徴で、同線の利用促進や将来に関心を持ってもらいたい意味でも大糸線を加えたことには意義があります。

今回は、このスタンプラリーについて考えてみました。

毎回のことですがイベント開始直前に意見をするのもどうかとは思いますが、なにとぞご寛容ください。

 

スタンプラリーの内容を見る

トキ鉄、北越急行大糸線に親しんでもらうアイデアとしては興味深いものがあり、列車利用促進の点でも関心を抱きますが、実際にこの企画にどの程度参加する人はいるでしょうか。

トキ鉄と北越急行それぞれ当日限り有効のフリー切符購入を前提であるほか、記念品進呈も先着順または抽選で人数に限りがあるなど、どうかなと思うところがありました。

以下、具体的な内容を見てみます。

 

駅員が台紙にスタンプを押す方式のトキ鉄

チラシを見ると、「トキ鉄線では、駅スタンプピンバッジ(各 100 円)を買うと、スタンプを押してもらえます。」「ほくほく線大糸線では駅に設置のスタンプを押してください。」とあります。

 

トキ鉄では、指定された全9駅(春日山、高田、上越妙高、新井、二本木、関山、妙高高原、能生、糸魚川の各駅)で、販売箇所の係員が台紙にスタンプを押す方式です。

チラシには、「ピンバッジの各発売箇所の営業時間」という項目がありますが、これは駅員の配置時間と同じなのか、あくまでピンバッジ発売の営業時間だけの話なのかは判別できませんでした。

各駅での駅員配置時間と一致したものとすれば、自分でスタンプ押印できない以上、日中の下車に限られることになり、注意が必要です。

とくに二本木は10時から16時に限られます。

この場合、駅係員の配置時間外については、利用者が押印する方式にもしてほしいところです。

それとも駅員は列車運行時間中は在中し、スタンプを押印できる体制なのでしょうか。

 

また、チラシで「直江津D51レールパークは入園料(※)がかかりますがグッズショップで全ての駅スタンプピンバッジを買い集められます!(※大人1,000円 こども700円)」とありますが、同レールパークでトキ鉄のスタンプ全9駅分も完了するのでしょうか。

それともピンバッジの話であって、スタンプは別でしょうか。

 

北越急行は、指定の10駅(くびき、うらがわら虫川大杉ほくほく大島、まつだい、十日町、しんざ、美佐島、魚沼丘陵、六日町の各駅)でスタンプを押す方法ですが、大糸線南小谷とともに、利用者が任意に押す方式で時間は気にせず押印できます。

 

4駅特定の商品交換駅

商品交換駅は直江津糸魚川、二本木、十日町の4駅のみで、受付時間7時から18時の間になります。

二本木は前記同様、10時から16時に限られます。

妙高高原上越妙高、六日町、南小谷など、他路線の入口・出口駅でも扱ってほしいところです。

 

この商品交換時間と、駅係員がスタンプ押印するトキ鉄の制約により、20駅完全制覇するには、トキ鉄の妙高高原直江津糸魚川で1日、北越急行六日町-直江津で1日、大糸線で1日、計3日を要し、少なくとも2日間では制覇困難と思われます。

トキ鉄のスタンプ押印が終日可能としても2日間は要します。

 

普通列車本数が限られる中での20駅スタンプ達成ができるか

賞は3種類あり、スタンプ3個でわくわく賞、トキ鉄と北越急行各3個でチャレンジ賞、全20駅で完全制覇賞となっています。

このうち、完全制覇賞を目指す人はどのくらいいるでしょうか。

制約された列車ダイヤの中で、ただ同じ方向に進むのではなく、2駅先に行ってから1駅戻って、再度前に進むことにより、列車待ち時間とスタンプ押印時間を効率化するのも鉄道ファンには知恵の一つです。

筆者も効率よい駅の乗降を計画してみましたが、なかなかうまくいきませんでした。

 

北越急行普通列車は19往復、大糸線糸魚川南小谷は7往復です。

トキ鉄の妙高高原発着の普通列車は16往復ですが、駅員スタンプ押印が前記「ピンバッジの各発売箇所の営業時間」と同じとすれば、7時から17時では11往復に制約されてきます。

完全制覇の意欲に水を差さないか、気になります。

 

トキ鉄と北越急行のフリーパスのお得感は

チラシでは、「コラボラリーにピッタリな、おトクな乗車券を販売中です。」 「トキ鉄…じもパス、トキ鉄ツアーパス、ホリデーツアーパス ほくほく線…ほくほくワンデーパス」とあります。

上記のパスはいずれも当日1日限りの有効期間です。

20駅の完全制覇用としてトキ鉄、北越急行それぞれのフリー切符購入ではお得感がありません。

今回の企画用として、南小谷糸魚川直江津妙高高原・六日町間のフリー切符が望まるところです。

3日間有効、4,000円が適当と考えます。

 

「鉄道お楽しみ袋」5名の狭き門

チラシでは完全制覇後、先着150名へのオリジナル缶バッジプレゼントとは別に、

「抽選で5名様に『鉄道お楽しみ袋』をプレゼント!!」

「『Wチャンス賞応募券』を、①コラボスタンプラリー台紙、②トキ鉄フリーパス、③ほくほく線フリーパスと一緒に、トキ鉄の各駅窓口か十日町駅に提出してください。」

とあります。

鉄道お楽しみ袋の内容は、当選者だけの後日の楽しみですが、全20駅を回ってのスタンプラリーで5名の数は、オリジナル缶バッジ先着150名進呈が別にあるとはいえ、いささか寂しい数の印象を受けます。

当選者数をもう少し増やして、トキ鉄または北越急行のフリー切符を進呈するとか、直江津D51レールパーク入場券とトキ鉄フリー切符セットでの次回割引券進呈等も検討されたらいかがかと感じました。

 

最後に、当スタンプラリーの盛況を期待しています。

 

※写真は本文と無関係です。

スマホ時代でも駅の改札外に時刻表掲示の配慮は必要では?

スマホ全盛だから駅の時刻表は不要と割り切れるか?

今回は、駅の時刻表掲示についての話です。

近年、各駅において、改札口の外にあった列車の発車時刻表が廃止の方向にあります。

理由として、以下のような点が考えられます。

〇 年に一度のダイヤ改正の都度、貼り換える経費と手間を要する

〇 平日と土曜・休日と分けての掲示が必要

〇 路線が多いほど掲示面積の確保が必要

〇 スマホの定着により、列車時刻情報が必要な人は駅の時刻表掲示に頼らず、自分のスマホで発車時刻を調べる

〇 スマホで列車時刻を見ることで、下車駅の到着時刻や乗り換え路線の時刻も分かる

〇 改札内やホームにLED発車標があり、次の列車の発車時刻、列車種別、行き先、編成両数、停車駅等も表示される

以上のようなことから、駅での時刻表掲示を廃止してきています。

剥がされた時刻表の壁は、広告等で使われていますが、壁のままにしているケースもあり、剥がされた跡は痛々しく映ります。

 

改札口を入る前に、事前に発車時刻を知りたければ、スマホで鉄道会社のWebサイトや様々な列車時刻のサイト、アプリのQRコードを自分でかざして調べるしかない時代になりました。

スマホを持っていない人、スマホがあってもサイトやアプリの苦手な人、スマホを忘れた人などは困ってしまいます。

改札外にあった時刻表だけでなく、ポケット時刻表の配布、みどりの窓口や時計などの設置もなくなってきています。

駅員がいれば聞くことはできますが、手が空いている場合の話で、応対中は聞くことがためらわれます。

無人駅、駅員が不在の時間帯、他に列車利用者がいないなど、周囲に聞ける人がいない状態の時や、駅に次の発車時刻表示(発車標)がない時など、路頭に迷ってしまうといったら大げさでしょうか。

列車に乗る時はスマホを持つことと、使いこなして列車時刻を調べることくらいは当たり前ということでしょうか。

 

改札外の時刻表の意義

改札を入れば中に発車標があるからと言っても通常、改札前にそれを見ることはできません。

改札外にも発車標設置が望まれますが、行なわないのは駆け込み乗車防止の意味もあるのでしょうか。

 

改札を入ってから列車時刻を知ることになりますが、山手線や大都市の地下鉄のように、5分待てば列車が来て、列車の行き先も同じ路線では、改札外の列車時刻表は不要という考え方はできます。

地下鉄で言えば、乗り入れ先の路線や行き先はさておき、自社地下鉄路線内は全区間移動できる、一定間隔で列車が来るということです。

京浜東北線で言えば、少なくとも蒲田-南浦和(正確には東十条)相互間ではどの列車でも行けるという割り切った考え方です。

 

改札内に店舗等が充実していれば別だが例外的な事例

東京駅のように改札内で店舗等が充実しているなら長い待ち時間でも過ごせますが、それは例外です。

ほとんどの駅は改札内に特別、何もないのが通常であり、売店等もなくなってきています。

改札内に入ってじっと列車を待つ際、時間が長いほど改札内に早く入ったことを後悔することになります。

改札外なら店舗や広い空間で時間を過ごすことも可能だったからです。

 

常磐線上野-取手の日中ダイヤを見る

ここで常磐線を例に見てみます。

常磐緩行線

東京メトロ千代田線を含めて代々木上原-北千住(綾瀬)-我孫子は日中10分間隔で、分かりやすくなっています。

日中の常磐緩行線下り列車はすべて我孫子行きです。

上り列車の場合は代々木上原行きと小田急向ヶ丘遊園行きの交互運転が基本で、常磐緩行線内と千代田線内の相互移動ならば10分待てば乗れます。

さらに、千代田線代々木上原-綾瀬相互間なら5分間隔です。

その意味では代々木上原-北千住-我孫子では、発車時刻の1の位の数字さえ覚えておけば、2・12・22・32・42・52というように、列車が来る時間に合わせての行動も身に着き、全般的に時刻表がなくても利用しやすいダイヤと言えます。

 

常磐快速線 上野-我孫子は上野基準では10分間隔

上野発の日中ダイヤを見ると、00分発は特急「ひたち、30分発は同「ときわ」、我孫子までは毎時2・12・22・32・42・52分発で、こちらも分かりやすいダイヤで、時刻表は基本的に不要といえます。

このうち12・32・52分発は土浦方面行き、2・22分発は取手行きです。

上野-取手相互間も使いやすいダイヤです。

正確には、上野42分発は我孫子から成田線経由成田行きのため、天王台と取手だけは無縁の時間帯となります。

ちなみに、成田行きでは我孫子緩行線に取手までフォローする列車があればよいのですが、その設定はありません。

 

常磐快速線 特急の通過待ちでパターン時刻が開くことがある

常磐快速線も10分間隔だから時刻表不要と言っても、上野基準という条件付きです。

快速は時間帯によっては北千住、松戸、我孫子の3駅のいずれかで特急通過待ちをするため、特急運転時刻の直前の列車は上野-取手で追い抜かれずに逃げ切ることはできません。

上野発22・52分発は松戸で特急を退避します。

上りは我孫子または北千住で後続の特急に追い抜かれます。

特急通過で退避した列車は、使待ちの駅から先の駅では、快速全体の運転時刻の均等化から外れてしまいます。

最大13分待つ時間帯が発生します。

逆に8分待ちで列車が来る時間帯も生じます。

13分待つとなると、10分待ちになれた身には長く、無駄に感じ、だからこそ時刻表による運転時間の全体像が知りたくなってきます。

なお、下り快速が松戸、上り快速が北千住で通過待ちの際、上下線の中間にある待避線は、松戸駅は下り本線と共用、北千住は上り本線と共用の構造です。

特急退避により違うホームに移動する手間を避けて、本線と同一配置の駅で退避するのはJR東日本の配慮と言えます。

 

時刻表で一日の運転時間の全体像を知ることの意義

改札外の時刻表の役目は、直近の発車時刻を知るためだけではありません。

別の時間帯の列車に乗る際の発車時刻が知りたい時に役立ちます。

一日全体の列車の発車時刻を知りたい時もあります。

一日の時刻で全体像を知ってから、自分の乗る時刻の状況を知るのも列車利用には必要な要素です。

毎日決まった時刻の列車に乗るなら時刻表は不要でも、残業や付き合いで帰りの時刻が不確定の時、いつもよりも遅い時刻での運転間隔の開きなどを知ることができます。

繰り返しになりますが、一日全体の時刻が知りたいならスマホで鉄道会社のサイトや、アプリのQRコード、発車時刻を案内する各種のサイトなどを見ればよいということで割り切る前に、A3の紙1枚を駅の改札口付近に掲示することはできないでしょうか。

改札外の時刻表は従来のような、大きく立派な物でなくてもよいと思います。

A3版の大きさの紙1枚、カラーでなく白黒でよいと考えます。

それを改札入口付近に貼っておけば十分です。

利用者は必要に応じて、自分のスマホのカメラ機能を使って、A3版で貼付された時刻表を写真に撮り、後でスクロールしながら画面を拡大し、発車時刻を確認できます。

ホーム上の時刻表も同様です。

時刻表の用紙や文字は大きいに越したことはありませんが、時刻表がないよりは良いことであり、スマホでの撮影写真は自らスラッシュ拡大して大きな文字で見られる点でも優れています。

 

スマホ時代でも乗客配慮が大事

森と木に例えれば、一日の時刻表は森であり、次の発車時刻を案内する発車標は木になります。

自然界は木が集まって森を構成しますが、時刻表と乗車時間の場合は、森という全体像が先にあって、自分の乗る時間帯の木がある位置づけです。

木のごく一部分だけでは利用者全体の利用便宜は満たせません。

森を見せることが大事です。

 

スマホ全盛・万能時代であっても、簡素であっても、瞬時に見られる駅の時刻表の掲示は望まれます。

自分のスマホで事前に発車時刻を調べて乗ればよいというのはある意味では強引な論法です。

駅の外にたとえ簡素であってもA3・A4版の1枚であっても、一日の時刻表を掲示することが鉄道側の配慮というものではないでしょうか。

 

新京成で気になる連日短距離運用(その2) 元気がない?N818編成

2023年4月以降、8928編成と同様に連日短距離運用のN818の状況を見る

2023年9月5日付け、拙「新京成8900形 デビュー30周年で気になる8928編成の連日短距離運用」の続編です。

8928編成と同じ、もう一つの連日短距離運用の編成にN818があります。

新京成運用情報によれば、元気だったのは2023年3月21日までで、同年4月に入ってからは8928編成同様、松戸-新津田沼で平日朝のラッシュ時1~2往復にとどまり、後は翌日までくぬぎ山車両基地で過ごす日々が多くなっています。

今回は、新京成N818編成の近況について見てみたいと思います。

 

N818編成とフルカラー行き先表示器

N800形はN818編成からN858まで6両編成5本があり、N818編成は一番目の新製です。

N800形は2006年12月10日に開始した京成千葉線への片乗り入れに伴って、京成の新3000形を基本とした新京成版の形式です。

N818編成は2005年4月新製、2022年1月から行き先表示器が3色LEDからフルカラーLEDに変わりました。

フルカラーLED行き先表示器は、最終編成のN858で当初から装備されたものの、他の4編成は3色LEDのままでした。

その後、N818編成が突然、2022年1月にフルカラーLED行き先表示器を装備していた姿には驚きましたが、他の3編成(N828・N838・N848)にも順次装備されていくと思われたものの、まだ装備はされていません。

N818編成だけが先行してフルカラー表示器になり、元気なところを見せていると思った矢先、2023年4月からは元気がなくなってきました。

 

N818編成の運用状況

N818編成について新京成運用情報から、2023年4月以降の松戸-京成津田沼全線を終日走行する運用と、京成千葉線直通の運用状況について見てみました。

終日運用された日は、4月25・26日、6月5日、7月19・20・26日、8月15・16・30日の計9日間で、京成線直通は8月15日の一日だけです。

5月の全日と、9月に入ってからの上旬に限っては終日運用には就いていませんでした。

実際には運用されていても新京成運用情報に反映しなかったケースもありますので、一概には言えませんが日々、同運用情報を見る限りは、松戸-京成津田沼の終日運用に関しては盛り込まれていると思われます。

運用情報に反映しなかったのは、朝ラッシュ時の松戸-新津田沼1~2往復のみの運用が多く、走行時間が短かったため機会を捉えきれなかったからと受け止めています。

N818は、2023年3月21日まではほとんど京成にも直通していました。

3月22日以降、4月22日までの1か月間、運用情報の中では空白です。

それとも深い事情はなく、こちらの単なる憶測の短距離運用なのでしょうか。

 

N818の運用状況を分析する

8928編成の時にも書かせていただきましたが、調子のよくなさそうな編成には以下の特徴があり、再掲させていただきます。

〇 土曜・休日は全く運用に就かない、平日だけの運用

〇 くぬぎ山起点で、朝の1~2往復だけ運用し、日中以降は翌日朝まで休む

〇 加速が滑らかでない時があることを乗車中に何度か体感する

〇 ラッピングを施したことがない

〇 休車にすることが比較的多く、休車期間も長い

 

8900形は京成乗り入れ非対応ですが、N800形は乗り入れ対応です。

ゆえに、N800形の場合、上記に1項目追加があります。

それは、

〇 京成乗り入れ対応でありながら、京成に乗り入れない運用、です。

朝ラッシュ時のみの運用ですから、京成に直通しないのは当然の帰結ではありますが、N800形に関してはあえて追加させていただきます。

 

N828が以前、上記に当てはまる状況と感じましたが、検査終了後の現在は元気です。

ところがN828と入れ替わるかのように、N818に元気が感じられなくなりました。

2023年3月22日以降、4月22日までの1か月間に何か不具合があったかと感じますが、8928や最近の8800形8804編成も元気がなく感じます。

全部寝かせるわけにもいかず、朝の1~2往復運用なら大丈夫ということでしょうか。

逆に言えば朝だけであっても動いていて、休車中でないのは救いがあると見ることもできそうです。

次回の検査時まで朝1~2往復運用中心のままなのか、急に元気を取り戻すか注意していきたいと思います。

また、10月7日の「サンクスフェスタ」での見学ポイントで8928、8804、8805編成に触れましたが、今回のN818も追加させていただきたいと思います。

 

※写真はN818編成とは異なります。

北陸新幹線敦賀開業後 「しらさぎ」グリーン車の半室化を考える

米原敦賀しらさぎ」28分でもグリーン車需要は見込めるか?

2023年9月7日付け、拙「北陸新幹線敦賀開業後 名古屋『しらさぎ』と米原止まり列車との状況を比較する」の続編です。

現在の「しらさぎ」の車両は681系または683系で、編成内容は1号車がグリーン車、2号車から4号車が普通車指定席、5号車と6号車が普通車自由席となっています。

北陸新幹線敦賀開業後の「しらさぎ」で気になることの一つに、米原止まりの「しらさぎ」(以下、「米原しらさぎ」)のグリーン車の乗車率があります。

現在の米原しらさぎ」は金沢まで約2時間、福井まで約1時間で運行しているため、走行区間や乗車時間の長さからグリーン車の一定需要は見込めます。

それが新幹線敦賀開業後の米原しらさぎ」は米原敦賀のみの運行に変わり、最速28分の乗車時間になります。

果たしてどの程度グリーン車の利用が見込めるでしょうか。

28分しか乗らないなら、グリーン車でなく普通車という選択に変わっていかないでしょうか。

今回は、「しらさぎ」のグリーン車について考えます。

 

しらさぎ」の列車定員

しらさぎ」の基本は6両編成で、多客期は9両編成になることもあります。

各号車の基本的な定員は以下のとおりです。

1号車(グリーン車指定席):36人、2号車(普通車指定席):68人、3号車(同前):72人、4号車(同前):46人、5号車(普通車自由席):68人、6号車(同前):64人

以上で1編成合計354人です。

 

なお、多客期増結の7~9号車は、

7号車(普通車指定席):56人、8号車(同前):72人、9号車(同前):56人

7~9号車3両の合計は184人、1~9号車の9両編成としては総計538人となります。

(以上、「JR編成表、配置表」より)

 

しらさぎ」の6両基本編成の定員354人のうちのグリーン車定員は36人(2&1席が12列)で、1編成におけるグリーン車の座席比率は10%となっています。

 

今後、米原しらさぎグリーン車利用に変化はあるか?

グリーン車は通常、一般的には長時間乗車を中心として楽に、優雅に、快適にする座席の提供、静かで落ち着いた車内環境の提供が趣旨と思われます。

また、普通車が満席で、どうしても着席したい時にもグリーン車を選択することがあります。

その意味では、米原しらさぎ」は米原敦賀28分の短時間乗車で、グリーン車36人の需要は見込めるでしょうか。

乗車時間的には普通車に移行していくケースもあるように感じます。

 

東京-米原を「ひかり」グリーン車で2時間14分乗車してきた人は、米原敦賀28分であってもグリーン車に乗り継ぎ、敦賀から「つるぎ」「かがやき」等もグリーン車で福井方面へ乗り継いで行くでしょうか。

それとも米原敦賀は、今後の敦賀-福井も含め、両列車とも乗車時間が短いので普通車に選択が変化していくでしょうか。

北陸新幹線の場合は、少なくとも「つるぎ」として富山までの運行はあるので、グリーン車の需要は見込めますが、米原しらさぎ」の場合は同区間に限定されるため、従来同様の利用は見込めないように思います。

そうなると半室グリーン車にしてはどうかということになってきます。

ただし、米原しらさぎ」と共通運用の、名古屋-敦賀約1時間40分の「しらさぎ」(以下、「名古屋しらさぎ」)を考慮する必要があります。

 

名古屋「しらさぎ」の利用状況

2021年12月28日~2022年1月5日まで9日間の統計では、「しらさぎ」における米原敦賀乗車は全国第13位、6.3万人、同じく名古屋-大垣は第31位、2.1万人でした。

(※「タビリス」2022年1月9日記事、「『コロナ前』の水準遠く。JR特急利用者数ランキング2022年新春版」より)

 

この数値割合で見ると、名古屋-米原の相互間だけの「しらさぎ」利用はないと特定した場合、米原からの乗車が4.2万人、米原敦賀が合計6.3万人と読むこともできそうです。

割合としては名古屋からの乗車が33%、米原からの乗車が67%、米原から先が100%とも読めそうです。

 

名古屋「しらさぎ」のグリーン車需要

名古屋-敦賀は最速でも1時間36分を要するため、時間的にはグリーン車需要が見込める長さです。

ただし名古屋「しらさぎ」の列車自体の利用としては、半数以上が2時間間隔ということから名古屋需要の多さをあまり感じさせないダイヤとなっています。

 

東京から敦賀方面への列車選択は「のぞみ」と名古屋「しらさぎ」よりも、「ひかり」と米原しらさぎ」、名古屋「しらさぎ」の方が多いのでしょうか。

米原での方向転換、座席転換も意外に名古屋乗り換えを億劫に感じさせる間接要因かもしれません。

かといって「ひだ」の名古屋-岐阜のような後ろ向き座席も、名古屋-米原は1時間と長いため、できません。

むしろ米原敦賀の28分の方が逆向きには適当ですが、米原しらさぎ」は前向き配置であり、これもできません。

名古屋「しらさぎ」ならば名古屋-敦賀全体を通して、名古屋や岐阜からの乗車が多いか、グリーン車にも一定の利用実績があるかにもよると思われますが、グリーン車としての利用データは見当たりませんでした。

 

JR西日本の半室グリーン車状況

JR西日本の289系(683系の改造車)または287系で運用している特急を見ると、山陰線京都発着の「きのさき」「はしだて」、福知山線新大阪発着の「こうのとり」、阪和線紀勢線の京都・新大阪発着「くろしお」は、いずれも289系または287系で運用されており、グリーン車と普通車がそれぞれ半室構造になっています。

しらさぎ」「サンダーバード」のような1両全室グリーン車の定員36人に対し、半室グリーン車の定員は15人(2&1席が5列)、同号車の半室普通車は20人(2&2席5列)または24人(2&2席6列)です。

 

しらさぎ」のグリーン車は半室化か、1両全室継続か?

米原しらさぎ」は名古屋「しらさぎ」との共通運用です。

米原しらさぎ」は1号車の半室、名古屋「しらさぎ」と1号車の全室が望ましいかと思われますが、共通運用なのでできません。

それができるとすれば米原しらさぎ」と名古屋「しらさぎ」運用を分離して、名古屋「しらさぎ」は「サンダーバード」基本編成との共通運用にすることです。

それにより名古屋「しらさぎ」は「サンダーバード」と共通で基本編成6両、グリーン車は1号車の全室になります。

米原しらさぎ」は単独運用でグリーン車は1号車の半室となります。

しかし米原しらさぎ」だけの単独運用は、いかにも非効率です。

 

したがって、米原しらさぎ」の半室グリーン車を名古屋「しらさぎ」にも拡大するか、現状のまま米原しらさぎ」の全室グリーン車で継続かになります。

グリーン車を半室にしたために名古屋「しらさぎ」のグリーン車席が確保しづらくなるか、米原しらさぎ」と合わせた上でのグリーン車平均利用状況を見るかということになります。

状況を見る限りは、将来的に前者の方が得策のように思われますがどうでしょうか。

 

蛇足ですが、周辺のJR他社に倣って、半室グリーン車としながらも定員確保のためグリーン車の2&2席化逆戻りだけは、JR西日本にはしてほしくないことを付け加えさせていただきたいと思います。

 

(※今回の筆記にあたり、「JR編成表、配置表」及び「タビリス」2022年1月9日記事「『コロナ前』の水準遠く。JR特急利用者数ランキング2022年新春版」を参考にさせていただきました。)

 

※写真は本文と無関係です。

「しらさぎ」に今後、JR東海の383系・373系を充当する可能性はあるか?

走行キロ数調整の前に683系の余剰車対策が先決

昨日の拙「JR西日本の681系・683系は交直両用電車としては何両残るか?」の続編です。

北陸新幹線敦賀開業以降、特急「しらさぎ」は名古屋-敦賀8往復、米原敦賀7往復に変わりますが、いずれもJR西日本の681系または683系(ここでは以下、総称して「683系」)交直流電車です。

敦賀までの運用となれば683系の直流化改造されるのではないかというのが昨日の論点でした。

名古屋「しらさぎ」は、東海道線名古屋-米原管轄のJR東海にとっては、JR西日本に対し名古屋乗り入れ分の列車走行キロを調整する必要があるため、直流区間のみの走行を機に一部または半数をJR東海383系または373系(ここでは以下、総称して「383系」)に置き換えようかという考えが出てくるのは自然なこととも言えます。

今回は、「しらさぎ」の一部をJR東海の編成で置き換える可能性について考えてみました。

 

JR東海JR西日本との乗り入れ列車とキロ数の状況を見る

東海道・山陽新幹線寝台特急サンライズ出雲・瀬戸」は別として、JR西日本車両がJR東海区間に乗り入れるケースと、その逆の、JR東海車両がJR西日本区間に乗り入れるケースとを見てみます。

 

現在の「しらさぎ」はJR西日本車両で、米原-名古屋79.9kmに8往復(片道延べ639.2km。以下、同)乗り入れます。

JR西日本からJR東海への乗り入れは、東海道・山陽新幹線と「サンライズ出雲・瀬戸」を除くと名古屋「しらさぎ」が唯一です。

 

JR東海からJR西日本へは、「ひだ」の東海道線米原-大阪110.5kmに1往復、同じく「ひだ」で高山線猪谷-富山36.6kmに4往復(同146.4km)、「南紀」が新宮-紀伊勝浦14.9kmに3往復(同44.7km)乗り入れます。

すなわち列車としては「ひだ」「南紀」の2列車、乗り入れ区間としては3区間になります。

 

JR西日本からJR東海への乗り入れキロ数は8往復計639,2km、JR東海からJR西日本への乗り入れも延べ8往復ですが合計距離は301.6kmの状況です。

机上の細かな計算式はここでは省略しますが、仮に名古屋「しらさぎ」8往復のうち2往復をJR東海383系等で置き換えたとすると、JR西日本JR東海への乗り入れ走行キロの差は縮まります。

これはJR東海にとって、米原-名古屋79.9km分がなくなり、米原敦賀45.9kmが加わることでの距離相殺によるものです。

なお、所属基地への回送関係計算は略します。

 

仮に名古屋「しらさぎ」の一部をJR東海383系で置き換えた場合

走行キロ数調整策として、机上計算上では名古屋「しらさぎ」2往復をJR東海編成で置き換える方法はありますが、同一数値にはできません。

臨時列車では、紀伊勝浦乗り入れの「南紀」で増発しますが、米原しらさぎ」を名古屋まで延ばす臨時運転は見られない状況も加味する必要があります。

 

列車設備的には、373系にはグリーン車がないこと、383系グリーン車は2&2席で、683系の2&1席よりも居住性は低下します。

JR西日本にとって、JR東海383系グリーン車座席の違い、横幅が狭くなる座席配置は、かつての「しなの」大阪乗り入れでも経験済みとはいえ、歓迎される座席配置かどうか。

また、373系では普通車のみでグリーン車がないので、案内が複雑にもなります。

そもそも米原敦賀45.9km、28分乗車でグリーン車自体の連結や、座席居住性議論などあるかということになりますが、それは別の機会とします。

一方、東海道新幹線では全編成の乗降ドア位置、座席配置の同一化に執拗にこだわるJR東海は、名古屋「しらさぎ」ではそれらが異なっても別に構わないのでしょうか。

 

681系・683系の余剰車対策が先決

しかしJR東海編成での一部置き換えの前に一つ、肝心なことがあります。

敦賀-富山を走行しなくなった683系の余剰車両の対策です。

JR西日本の電化区間で683系の新たな走行路線は容易には見つかりません。

昨日はおおさか東線奈良線、関西(大和路)線、関西空港線瀬戸大橋線北陸新幹線並行の第三セクター路線、団体列車等を提案させていただきました。

ほかにも山陽線全線をはじめ小浜線、桜井線、和歌山線赤穂線宇野線福塩線可部線宇部線などがありますが、いずれも683系の余剰車両数と列車需要との関係で、根本的な解決策にはなり得ません。

 

結論として、「しらさぎ」はJR西日本683系での継続が有効活用策になります。

383系の「しらさぎ」充当は683系の余剰車を一層多くする要因となり、JR西日本では行なわないと考えられます。

また、JR東海JR西日本との経営状況の違いも考慮する必要があります。

 

山陽線下関-門司を挟んだ山陽・日豊・鹿児島線団体列車はどうか?

話は戻りますが、683系交直両用設備を活かす一案として、JR九州の了承が必要ですが、下関-門司の交直切替区間を活かして、山陽線から日豊線鹿児島線への団体列車企画はどうでしょうか。

一例として下関-門司-門司港や、新山口-大分の団体列車設定です。

下関-門司は、七尾線北陸新幹線並行第三セクター路線以外で、683系の交直両用機能が活用出来る唯一の区間です。

JR九州415系との交直流切り替え比較を企画するのも一興と思います。

 

(余談)鉄道コムに入る時と入らない時

以下は、鉄道コム関連の余談です。

筆者は自らのブログランキングには参加していませんが、鉄道コムでは拙ブログも拾ってくれることがあります。

それが多くの人の目に触れる機会になるのはありがたいことです。

鉄道コムでは、拾われる時と拾われない時とがあり、違いは明確には分かりませんが、昨日の内容は拾われない結果でした。

それが鉄道コムのアクセス数に差が出てくる事実はありますが、現在は大きな差がなくなった印象もあります。

鉄道コム経由でなくても拙ブログを見てくれるケースが多くなったのはうれしいことです。

自らランキングに参加していないのは、偉そうに聞こえるかもしれませんが、ランキングを意識して書きたくはないからです。

 

鉄道コムで拝見するブログの多くは写真または模型で、筆者のような文章型は割合としては少ないようです。

更に、旅行記や鉄道界の動きの紹介でなく、私見を中心としたものになるとさらに少なくなってきます。

理屈よりも楽しむことが趣味の鉄道趣味のほとんどと感じます。

 

主観的か客観的か、面白いか面白くないか、役に立ったか立たなかったか、理解・共感は得られているかどうかなど、判断は人それぞれですが冷静、客観的な視点、たとえ独りよがりであっても社会、鉄道界の役に立ちたい意識だけは心掛けたいと思います。

軌道を外してしまうこともありますが、年齢を重ねてもまだまだ勉強が足りないと感じます。

多くの人に見ていただけることや、日々見ている励ましをいただけることにこの場を借りてあらためて感謝する次第です。

今後ともよろしくお願いします。

 

※写真は本文と無関係です。

JR西日本の681系・683系は交直両用電車としては何両残るか?

七尾線特急以外は289系直流化改造するか、どこに転用していくか?

北陸新幹線敦賀開業後の681系・683系(ここでは以下、総称して「683系」)の今後が話題になっています。

金沢-和倉温泉の「能登かがり火」、大阪-敦賀の「サンダーバード」、米原・名古屋-敦賀の「しらさぎ」の運用だけとなるためです。

サンダーバード」「しらさぎ」は直流電化区間だけの走行です。

JR西日本は交流電化区間を受け持たなくなり、七尾線津幡-和倉温泉の直流電化の所管に際し、IRいしかわ鉄道の金沢-津幡の交流電化区間に乗り入れるためだけに、交直両用683系を所有することになります。

683系の交直両用性能が活かせる列車は「能登かがり火」5往復のみとなります。

このほかは直流区間のみの走行となります。

 

JR西日本は「能登かがり火」として何両保有するか?

現在の能登線特急は「能登かがり火」4往復と、大阪からの「サンダーバード」1往復で、編成両数としては6両編成2往復、3両編成3往復となっています。

大阪-和倉温泉の「サンダーバード」は七尾線では6両編成ですが、これがなくなり、「能登かがり火」だけの運用となると6両編成では輸送力過剰になり、5往復とも普通車のみの3両編成になると思われます。

また、今後の「能登かがり火」5往復の運用自体は2編成で賄えます。

3両編成2組、計6両に加えて、どの程度余剰車を持つかですが、全般検査等を考慮して1編成、多客期の臨時列車増発又は定期編成の増結用(3両×2本で6両編成の組成化)として2編成、計3両編成6組、18両ではないかと想定します。

 

JR東日本では直流区間だけを走る特急に交直流電車を走らせているか?

ここで参考までに、JR東日本の状況を見てみたいと思います。

直流区間だけを走る交直流電車特急として新井-新潟のE653系「しらゆき」があります。

E653系の場合は、新潟を基準として羽越線村上以北の交流区間に入る「いなほ」にも充当できる名目があります。

最近、羽越線「いなほ」用だったE653系1編成が常磐線勝田に転属したことが話題になっています。

これと同様、「しらゆき」の交直流E653系の充当は、将来の常磐線東北線等の交流区間転用もできる可能性を含んでいると思われます。

「しらゆき」の直流電車置き換えはE257系により、理論上はいつでもできるからです。

一方、かつての常磐線特急651系交直流車は、交流区間走行がなくなった時点で直流化改造し、東海道線高崎線吾妻線で晩年を過ごしました。

その時点で651系の余生をわかってはいたものの、交直流では無駄、不経済であり、保守・維持管理面等の総合判断で直流化改造をしたと想定されます。

 

能登かがり火」用以外の683系を直流化改造するか?

681系は1995年から1997年、683系は2001年から2011年の製造です。

681系は別として、683系は今後多くの車両が直流化改造、289系化されるのではないかとの話題を耳にするようになりました。

683系はまだしばらくは活躍すると思われますが、交直流車のまま直流区間を走行するかどうかをJR西日本は選択することになります。

能登かがり火」の特急運用と、金沢から大阪まで、第三セクター路線を走行しながら回送による大阪への検査入場を除けば、交流区間走行の可能性がなくなるため、今後の長期運用、交流機能の保守・維持管理を考えれば289系直流化改造されていくと考えられます。

最終的に交直流車の683系で残るのは「能登かがり火」だけになりそうです。

 

289系直流化改造後の転用先は?

伯備線「やくも」381系の置き換えは振り子式の273系になり、683系の転属の可能性はなくなりました。

ただし臨時列車としては、振子機能はなくとも289系を充当する可能性はあると思われます。

JR東日本の「あずさ」E353系に対する、臨時列車用E257系と同じ考え方です。

 

紀勢線オーシャンアロー283系18両の置き換え充当が一番の候補です。

289系の改造を待たなくても、683系交直流車のままでとりあえず置き換えることも考えられます。

 

それ以外では関西空港「はるか」増発用としての683系(289系)充当が考えられます。

海外旅行の復活は「はるか」にとって追い風です。

281系、271系に加えて289系を投入してくるのではないかと思われます。

「はるか」は関西空港-京都だけでなく、北陸新幹線敦賀接続を考慮しての関西空港-京都-敦賀の設定や、関西空港-京都-野洲草津米原への設定、あるいは関西空港-新大阪-神戸-姫路なども考えられます。

「はるか」の増発が阪和線の線路容量等で困難ならば、289系投入により「はるか」と「くろしお」を日根野まで併結する方法も考えられます。

 

おおさか東線大阪-奈良の「まほろば」、関西線(大和路線)、奈良線経由で大阪-天王寺-奈良-京都の特急設定も余剰車活用として可能性はあるかと思われます。

 

瀬戸大橋線岡山-多度津・琴平の臨時列車充当、団体列車への改造充当、117系「WEST EXPRESS」第2段の列車充当の可能性も皆無ではないと思います。

 

北陸の第三セクター4路線一体で683系1編成を購入する可能性は?

あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道JR西日本521系を受け継いでいます。

敦賀大聖寺を受け持つハピラインふくいも521系を引き継ぎます。

 

えちごトキめき鉄道は、直流区間妙高高原直江津妙高はねうまライン)ではJR東日本E127系を引き継いでいますが、交流区間直江津-市振(日本海ひすいライン)はET122形気動車を新製投入しました。

ET122形にしたのは、521系2両編成では輸送力過剰であり、気動車1両の方が身軽で経済的であり、輸送実態とも一致しているためです。

また、糸魚川-梶屋敷の交直流切り替え地点に新駅を設けた、えちご押上ひすい海岸駅なども、521系では成し得なかいET122形ならではの芸当です。

 

えちごトキめき鉄道413系・455系、あいの風とやま鉄道の413系といった国鉄型交直流電車の話題と集客力効果は広く知られているところです。

その効果は国鉄型車両だからこそではありますが、683系自体も交直流特急電車として貴重な文化財と考えれば、敦賀直江津の北陸4社の第三セクター路線共同で683系1編成を購入し、イベントで5社路線を走り回ることは考えられないでしょうか。

 

また、その4社にかつて、681系で時速160km/h運転の栄光列車として走行していた北越急行を加え、計5社で683系3両1編成を購入するのはどうでしょうか。

敦賀直江津十日町で団体列車企画を立て、富山、直江津での413系・455系と同じ成果を期待するものです。

必ずしも敦賀十日町の5社全区間でなく、敦賀-金沢、富山-直江津、市振-十日町など2社での設定も考えられます。

北陸新幹線と在来線との相乗効果として、5社間で検討されてはいかがでしょうか。

 

683系がどのような動きをしていくか、「サンダーバード」「しらさぎ」は683系のままか、289系化されるか、他の路線にどのように転配、改造されるか、今後の状況を注視していきたいと思います。

 

※写真は本文と無関係です。

新快速の一部組み換えにより北陸線近江塩津駅の接続を改善する方法

近江塩津の乗り継ぎ待ち時間が長すぎる北陸線米原敦賀普通列車の改善策を考えます

昨日の拙「北陸新幹線敦賀開業後 名古屋「しらさぎ」と米原止まり列車との状況を比較する」の関連編です。

今回は、北陸線米原敦賀普通列車ダイヤを見てみます。

 

普通列車の所要時間は?

普通列車による米原敦賀の所要時間は、直通列車では下り米原発で約47分、上り敦賀発で約50分です。

米原発下りで10時台から16時台までは、近江塩津湖西線からの敦賀行きに乗り換えとなり、待ち時間は27分で、所要1時間14分を要します。

上りも同様で、近江塩津湖西線直通列車と分かれ、米原行きに乗り換えますが、9時台から16時台まで近江塩津で28分の待ち時間を経て、所要1時間19分です。

米原敦賀を早く移動したいなら下り所要28分、上り同32分の「しらさぎ」でというダイヤです。

 

上り列車の方が5分ほど時間がかかるのは、敦賀新疋田の上り線で、上り急勾配での貨物列車対策として鳩原ループ線により走行距離を長くすることにより、機関車補機の連結を省略するのが主眼です。

東海道線大垣→関ヶ原の(旧)新垂井駅経由専用線と類似した、貨物列車の急勾配補機連結省略のための迂回線です。

 

実際の米原敦賀の列車ダイヤを見る

一例として、北陸線米原12時01分発近江塩津行きで見てみます。

この列車は米原始発ではなく、姫路9時26分発(土曜・休日は網干発9時14分発)の新快速の、北陸線直通列車です。

京都は11時00分発で、米原に11時55分着後、米原を12時01分に近江塩津に向けて発車します。

米原までは新快速、米原近江塩津普通列車です。

近江塩津に12時34分到着後、湖西線経由の13時01分発敦賀行きまで27分待ちます。

 

この湖西線経由13時01分発敦賀行きは、姫路10時11分発(土曜・休日は網干発9時58分発)新快速の、湖西線経由敦賀直通列車です。

京都は11時45分発で、近江舞子までは新快速、近江舞子敦賀普通列車です。

 

京都発を基準に、上りの東海道線湖西線の新快速だけで見てみます。

京都00分発が米原経由近江塩津行き、15分発が東海道線野洲行き、30分発が草津行き、45分発が湖西線経由敦賀行きです。

 

上り新快速の行き先パターンを組み替えれば近江塩津待ち時間は12分に縮められる

あくまで机上の理論ではありますが、京都15分発野洲行きを米原経由近江塩津行きと入れ替えれば、近江塩津の接続待ち時間27分は12分へと縮まります。

または京都45分発湖西線経由敦賀行きを30分発にして草津行きと入れ替えれば、同様に近江塩津の待ち時間が27分から12分に短縮できます。

 

京都を毎時45分発の新快速敦賀行きを30分発にするのが最良?

この新快速ダイヤパターンの変更は、あくまで北陸線米原敦賀普通列車の全線移動効率を向上するのが主眼であり、他の路線との接続の影響は考慮していない案です。

この変更によって、とくに米原での東海道線大垣方面、敦賀での福井方面の接続はどうなるでしょうか。

東海道線米原-大垣はJR東海区間になりますが、30分間隔の設定です。

現ダイヤは、米原経由近江塩津行き新快速は米原55分着後、大垣行きが00分発なので理想的になっています。

下りも大垣発普通列車米原47分着後、下り新快速は50分発で、これも理想的です。

その意味で、米原経由の新快速は上下列車とも時間を変更しない方がよいということになります。

 

近江塩津接続は改善できても、福井方面接続に別の課題

そうなると結論は、湖西線経由の新快速の時間設定を15分繰り上げるのがよいということになります。

ただしこれも米原での東海道線相互接続重視の視点であり、敦賀での福井方面接続の影響までは考慮していない案です。

敦賀普通列車は毎時1往復、下りは40分前後の発車時間です。

現ダイヤは湖西線経由新快速が敦賀に毎時15分着後、40分頃に福井方面に向けて発車していくパターンで、敦賀で25分程度待つダイヤです。

これが37分待ちになってしまうのが難点です。

 

福井側からの列車は敦賀に毎時05分頃に到着し、敦賀始発の新快速は毎時23分発で、18分前後の待ち時間です。

敦賀始発の新快速を毎時38分発にすると、近江塩津での米原方面接続時間は短縮されますが、敦賀での相互接続が33分発に延び、これも難点です。

 

北陸新幹線敦賀開業後のハピラインふくいの敦賀発着ダイヤに注目

北陸新幹線敦賀開業後、敦賀以北の北陸線第三セクター化され、敦賀大聖寺は「ハピラインふくい」に変わります。

敦賀-福井の列車ダイヤはどのように変わるでしょうか。

仮に現状ダイヤをそのまま踏襲すると、大阪「サンダーバード」、米原・名古屋「しらさぎ」の接続は別として、福井方面行きは毎時37分待ち、福井発敦賀行きは毎時33分待ちへと、いずれも逆に待ち時間が拡大してしまうのが痛手です。

ちなみに現在の福井での北陸線下り普通列車乗り継ぎは、毎時1往復設定ではありますが、40分以上待つ時間帯が多くあります。

 

こうしてみると、ダイヤ改正とは接続の利害を考えると、彼方(あちら)立てれば此方(こちら)が立たずの世界で、両方を満足させることは難しいこと、ダイヤ作成の至難をあらためて感じます。

 

現状では米原敦賀方面の場合、9時30分発までと16時27分発以降は敦賀直通または長浜、近江塩津乗り換えがあるが接続は良好であること、急ぐなら「しらさぎ」があることで受け止めていくしかないでしょうか。

ハピラインふくいとJR西日本との今後の連携ダイヤに期待したいところです。

 

なお、19時以降の湖西線普通列車近江塩津止まりや永原止まりの傾向が高まっていきます。

湖西線列車から北陸線米原発列車への乗り継ぎとなり、昼間と逆の現象になるのが興味深いところです。

また、永原止まりの列車では近江塩津までの残1駅間がつながらず、北陸線接続の役目は果たしていません。

 

2024年3月16日以降の北陸新幹線開業後の、米原敦賀の列車利用状況について、昨日の米原しらさぎ」とともに、普通列車の状況も着目していきたいと思います。

 

※写真は本文と無関係です。

北陸新幹線敦賀開業後 名古屋「しらさぎ」と米原止まり列車との状況を比較する

東海道新幹線米原乗り換えより米原止まり「しらさぎ」の名古屋延伸を図れないか?

今回は、北陸新幹線敦賀開業後の「しらさぎ」の話です。

北陸新幹線敦賀開業後、名古屋・米原発着の特急「しらさぎ」は大阪「サンダーバード」と同じく、敦賀までの運転となります。

サンダーバード」は全列車大阪発着ですが、「しらさぎ」は名古屋発着と米原止まりとが半々、各8往復運転で、名古屋基準で見るとほぼ2時間間隔となっています。

名古屋「しらさぎ」のない時間帯は、名古屋-米原で「ひかり」利用となり、米原始発の「しらさぎ」乗り換えになります。

また、名古屋からの利用でも米原までの時間が長いという人は、名古屋-米原で「ひかり」に乗れば約35分の時間節約はできます。

名古屋-敦賀直通と、新幹線米原乗り換えとの特急料金差は、自由席で280円、指定席で約500円程度となっています。

 

2023年1月13日付け、拙「北陸新幹線敦賀開業後、『しらさぎ』全列車名古屋発着予測」で触れましたが、「しらさぎ」全列車を名古屋まで延伸すると想定しましたが、外れてしまいました。

名古屋「しらさぎ」8往復、米原しらさぎ」8往復は、米原止まり列車の1往復減以外は、北陸新幹線敦賀開業後もそのままで、米原しらさぎ」の名古屋延長はありませんでした。

米原始発の「しらさぎ」で敦賀までノンストップ28分であっても、名古屋延長運転は全くしませんでした。

予想が外れたことに対し、この場面を借りて見通しの甘さをお詫びします。

 

東海道新幹線「ひかり」米原停車で情勢が変わった

東京-北陸を東海道新幹線名古屋経由が自然だった頃の話ですが、1972年10月に米原停車の「ひかり」が設定されてからは状況が変わりました。

1975年3月からは米原発着の「加越」が設定され、乗り換え駅が名古屋から米原に変化していきました。

 

現在のダイヤで見てみます。

一例として、名古屋13時48分発「しらさぎ9号」に乗るには、東京12時00分発の「のぞみ227号」で名古屋13時39分着から乗り継ぎます。

これが東京12時33分発「ひかり643号」ならば米原14時47分着で、同「しらさぎ9号」米原14時56分発に乗り継げます。

名古屋基準で見れば13時39分発の直通「しらさぎ」か、14時14分発の「ひかり643号」で35分の時間節約をとるかということになります。

35分節約の対価として「ひかり」「しらさぎ」の自由席と、直通「しらさぎ」自由席の特急料金差は250円、指定席は時期や乗車日にもよりますが平均500円前後の差が生じます。

また、米原乗り換えの手間をいとわないかどうかです。

降雪時期は東海道新幹線の徐行運転による遅延も考慮する必要はあります。

 

名古屋-北陸は新幹線米原乗り換えでも35分節約に意義を見い出すか?

東京から北陸への利用はさておき、名古屋の利用者は北陸へ行く際、米原止まりの「しらさぎ」の名古屋発着の声がさほど出ていないのでしょうか。

その声や需要が多ければ、北陸特急で余剰が生じる分、米原しらさぎ」の名古屋延伸増が図られていたとも感じます。

となると、名古屋からの直通は2時間間隔でもよい、あるいは仕方ない、名古屋「しらさぎ」に時間が合えば乗る、時間が合わなければ「ひかり」で米原乗り継ぎというだけのことと、現状を受け止めているのでしょうか。

また、名古屋「しらさぎ」には岐阜経由、岐阜から北陸直通の意義もあります。

岐阜から北陸へ、名古屋「しらさぎ」と時間が一致しない時は、新幹線が使える名古屋とは異なり、岐阜-米原の在来線普通列車移動となり、これも非効率です。

岐阜-米原相互間の在来線特急需要や、岐阜から米原は「しらさぎ」、米原からは東海道線新快速で滋賀、京都方面に乗り継ぐという需要もないでしょうか。

 

北陸新幹線開業後、681系・683系に余剰が生じる分、「しらさぎ」は全列車名古屋発着にしてもまだ両数的には余剰が生じます。

名古屋発着を毎時1往復化すれば、名古屋・岐阜からの北陸需要は増えていかないでしょうか。

空気を運ぶだけでしょうか。

少なくとも現状ダイヤを見る限りJR東海は、名古屋-米原東海道新幹線があるから名古屋「しらさぎ」は2時間間隔が適当との認識かと思われます。

名古屋-米原の乗車率が米原敦賀と比較してどの程度、差があるのか、今後とも状況変化を見守っていきたいと思います。

 

京成・北総・新京成・東武「4社合同ウォーク」に3路線3駅訪問コースを

駅から駅までのコースの途中に他の路線駅を組み入れるのはどうか?

「4社合同ウォーク」は、千葉県の東葛地域を走る京成・北総・新京成東武の4社が合同するイベントで、ウォーキングを楽しみながら沿線の見所や地域の魅力を再発見し、日頃利用している鉄道路線以外の新たな街へ足を伸ばす企画です。

京成・北総・新京成京成グループなので連携は自然なことですが、東武野田線東武アーバンパークライン)を管理する東武が加わっているのが画期的で、会社の垣根を越えて東葛地域の鉄道として一丸となって同地域全体の鉄道利用促進を図ろうとする姿勢は素晴らしいことです。

以前には、西武・京王・小田急・東急の4社合同ウォーキングイベントもありました。

事前申し込みと参加費は不要で、途中に1か所のチェックポイントがあり、完歩した人には先着順で一定数のオリジナル特製記念缶バッジがプレゼントされます。

 

今年度で第15回目を数え、2023年9月 16 日(土)に「初秋の香りを求めて、白井から三咲へ続く緑の道」のテーマで開催されます。

コースは、北総線白井駅(スタート)→白幡神社→千葉県立船橋県民の森→ふなばしアンデルセン公園須賀神社業務スーパー三咲店(ゴール)→新京成線三咲駅

全長約8kmです。

 

今回は、この4社合同ウォークについて見てみたいと思います。

 

4社合同ウォークのこれまでの経過は?

ここで、過去のコース内容を直近で5回ほど見てみます。

 

◆第10回【2015年9月19日(土)「初秋の印旛沼ウォーキング」】

京成本線うすい駅→徒歩5分→御伊勢公園(スタート)→佐倉ふるさと広場→印旛沼サンセットヒルズ→双子公園→徳性院→印西市役所印旛支所(ゴール)→徒歩約20分→北総線印旛日本医大駅

全長約14km、所要約3時間。

 

◆第11回【2016年 9月18日(日) 「松戸市内の名所を巡る ~仲秋の松戸ウォーキング」】 

北総線秋山駅(スタート)→昭和の杜博物館→日枝神社→ 松戸南部市場→戸定が丘歴史公園→岩瀬胡録神社→神明神社→ 緑ヶ丘第2公園(ゴール)→新京成線上本郷駅

全長約12km、所要約3時間。

 

◆第12回【2018年9月29日(土)「初秋の香りを求めて、五香から新柏へ続く緑の道」】

新京成線五香駅→ やまぶき公園(スタート)→えんじゅ通り→しょうぶ公園→21世紀の森と広場→小金原公園→酒井根下田の森→中原ふれあい防災公園→みどりの広場→名戸ヶ谷第二公園(ゴール)→東武新柏駅

全長約12km、所要約3時間。

 

◆第13回【2019年9月21日(土)「緑あふれる船橋市内と海老川をめぐるハイキング」】

東武野田線馬込沢駅が最寄り駅の馬込沢公園をスタートし、京成大神宮下駅をゴールとし、コース途中には約12ヘクタールの広さを誇る行田公園、様々な健康器具が設置されている長津川調節池、船橋市中心市街地を流れる海老川などがあります。

東武馬込沢駅→馬込沢公園(スタート)→藤原神明社→藤原観音堂→行田公園⇒長津川調節池→海老川→京成線大神宮下駅(ゴ―ル)。

全長約12km、所要約3時間。

 

◆第14回【2022年9月 23日(金・祝)「~ 佐倉市印西市内の名所を巡る ~」

京成佐倉駅から印旛日本医大駅間の約11.5㎞を歩くコースで、新型コロナ ウイルスの影響により2019年の開催以来、約3年ぶりの開催です。
コース途中には岩名運動公園長嶋茂雄記念岩名球場、願定院などがあります。
京成佐倉駅→内郷街区公園(スタート)→岩名運動公園→双子公園→願定院→中央公園→印旛日本医大駅(ゴール)。

全長約11.5km。

 

第10回から第15回までの全体的な状況

今回の第15回を除いた第10回から第14回の5回平均では12.3km、今回を含めた6回の平均は11.5km、最大は第10回の14km、最少は第15回の8kmでした。

スタートとゴールの駅を順に見ると、⑩京成→北総、⑪北総→新京成、⑫新京成東武、⑬東武→京成、⑭京成→北総、⑮北総→新京成の状況でした。

 

コースの中間に別の鉄道路線駅を経由するコースを組んではどうか?

せっかくの4社合同企画で、路線相互が接近しているならば、スタート駅とゴール駅を違う路線とすることに加えて、コースの途中に別の鉄道路線を訪問する経路でコースも組んでみてはどうでしょうか。

一例として、北総線の駅でスタート → コース途中の東武野田線の駅でチェックポイント → 新京成線の駅でゴール、のようなコースで、鉄道3路線の駅を巡るものです。

 

具体的な3駅巡りコース例

3駅巡り(途中駅巡り)の具体的な例として、下記のようなコース(順不同)が考えられます。

●は、チェックポイント駅です。

 

〇 京成→北総→新京成

京成線京成小岩駅→●北総線新柴又駅→江戸川土手巡り→松戸→新京成線八柱駅

〇 京成→東武新京成

京成線京成西船駅→行田公園→●東武塚田駅船橋市運動公園→新京成線滝不動駅

〇 東武→京成→新京成

東武塚田駅→行田公園→東武新船橋駅→●京成線船橋駅→京成線京成津田沼駅新京成新津田沼駅

〇 東武新京成→京成

東武塚田駅→行田公園→東武新船橋駅→●新京成新津田沼駅→京成線京成大久保駅

〇 新京成→北総→東武

新京成線五香駅海上自衛隊下総基地→●北総線西白井駅→福太郎アリーナ(野球場)→東武線鎌ケ谷駅

〇 東武→北総→新京成

東武高柳駅海上自衛隊下総基地→●北総線西白井駅→福太郎アリーナ(野球場)→新京成線鎌ヶ谷大仏

〇 新京成→北総→東武

新京成線五香駅→八柱霊園→北総線松飛台駅→●北総線大町駅→鎌ヶ谷カントリークラブ→東武線鎌ケ谷駅

〇 新京成東武→北総

新京成線くぬぎ山駅→●東武六実駅海上自衛隊下総基地→北総線西白井駅北総線小室駅

 

※以下の2コースは北総線のみで、3駅巡りとは異なります。

〇 ひたすら北総線並行道路ウォーキング①

北総線西白井駅→白井駅→小室駅→●千葉ニュータウン中央駅印西牧の原駅

〇 ひたすら北総線並行道路ウォーキング②

北総線千葉ニュータウン中央駅→●印西牧の原駅印旛日本医大駅

 

以上、思い付きの内容であり、距離も綿密に計算していませんが、今後の参考になれば幸いです。

 

 

新京成8900形 デビュー30周年で気になる8928編成の連日短距離運用

松戸-新津田沼を平日朝1~2往復のみの8928編成に何らかの事情があるか?

昨日の拙「新京成 車両基地見学会の参加者に対する計らいを見る」の続編です。

10月7日開催予定の「新京成サンクスフェスタ」では、登場後30周年の8900形も見どころであり、全3編成のうちどの編成が見られるかも注目点です。

昨日の「8900形には一部、気になる点」とは8928編成(京成津田沼側8921-8922-8923-8926-8927-8928松戸側)が平日朝のみの1~2往復程度の運用にしか就いていないことです。

日中は走行する姿を見ることがほとんどありません。

どこか具合でも悪いのかと思われるような、短距離運用を繰り返す日々が続いています。

8928編成の新製は1996年2月で、デビュー30周年とは最初の新製車8918編成が1993年9月であることに因むものです。

今回は、8928編成の近況についての内容です。

 

新京成の終日運用と1往復運用との差

新京成は8900形を含め、全車6両組成で計26編成あります。

平日は23運用で、3編成だけくぬぎ山車両基地に残っています。

素人視点ですが、基地に残る3編成の状況は、①車両検査中、②休車、③運用車両に支障があった時などに備えての待機運用とみられます。

 

列車運用としては、朝から晩まで終日、松戸-京成津田沼の全線26.5kmを10往復、約530km走行する運用もあれば、対照的にくぬぎ山→松戸→新津田沼→くぬぎ山、またはくぬぎ山→新津田沼→松戸→くぬぎ山の、くぬぎ山起点で朝1往復50.6kmだけの最短走行運用もあり、その差は1日500km以上になります。

現在の8928編成は後者です。

同じ8900形でも8918と8938編成は元気であり、8938編成は現在、車体側面がラッピングされています。

 

元気のない?短距離運用の特徴とは

1日中走りまくる元気な編成を見ると安心しますが、逆に朝1往復運用だけに充てられる編成を見ると活気がない印象を受け、気になってきます。

今回の8928編成に限らず、その特徴として以下のような状況がみられます。

〇 土曜・休日は全く運用に就かない、平日だけの運用

〇 くぬぎ山起点で、朝の1~2往復だけ運用し、日中以降は翌日朝まで休む

〇 加速が滑らかでない時があることを乗車中に何度か体感する

〇 ラッピングを施したことがない

〇 休車にすることが比較的多く、休車期間も長い

 

この状態に当てはまるのが現在の8928編成と感じています。

新京成運用情報で最近の状況を見てみると、6月は休車状態、7月は下旬の数日間のみ、8月は11日間の稼働でした。

8928編成に限らず、実際には運用していても運用情報に盛り込まれなかったものも多くあるので、運用情報は参考程度にさせていただいていますが、日中走行していないことは確かです。

 

8928編成が終日走行の元気な姿に戻るきっかけがあるとすれば、全般検査をはじめとする車両検査と思われます。

最近の事例ではN800形のN828編成で、検査前までは一時期、現在の8928編成に近い運用状況の時がありました。

検査終了後は別車両かと思わせるほどの、毎日の活躍が続いています。

現在検査中の8800形8814編成のリニューアル終了後、もしも次の検査対象が8928編成であれば検査後の活躍が期待されますが、2019年に検査、機器更新を行なった経過があり、可能性は薄そうです。

次回の検査時まで朝1~2往復運用中心のままかどうか注視したいと思います。

 

10月7日の「サンクスフェスタ」での見学ポイント(昨日の続き)

昨日は、リニューアル完了後の8814編成と8900編成について触れました。

展示車両のうち、8900形が8928編成になるかどうかも注目点です。

もう一点、8804編成と8805編成も注目したいとポイントです。

年度内に新製される80000形80046編成と入れ替わりに廃車される編成が、8804または8805編成、いずれかの可能性が高いと思われるからです。

8805編成の方の可能性が高いと考えており、理由として先に廃車された8801編成(旧8808編成)の次の新製車が現在の8805編成(旧8816編成)であること、乗降扉が8800形唯一の未更新編成であることによります。

 

8804編成廃車の可能性に触れたのは、松戸寄りの2両(8801-5・6)が8両編成時代の8808編成に組み入れられていたことと、8月5日から1カ月間、休車状態が続いているためです。

休車期間が長く、年度内の80046編成登場が近づいているので、休車のまま廃車になるのだろうかと感じさせますが、考えすぎでしょうか。

 

ちなみに8804編成6両のうち、松戸側の5号車8801-5は元の8806にパンタグラフを新たに取り付けた車両であり、松戸側先頭車8804-6は元の中間車8804に運転台を取り付けて先頭車化改造した車両で、いずれも追加装備していることが特徴です。

 

いずれにしても10月7日の「サンクスフェスタ」に行かれるならば、8928・8804・8805の3編成が基地内に停留しているか、見学可能か等も加味しながら見学すると、当見学会が一層興味深くなるかと思います。

 

 

新京成 車両基地見学会の参加者に対する計らいを見る

年間2回開催、参加者抽選と参加自由との組み合わせに感じた配慮

新京成は2023年10月7日(土)10時~15時30分に、くぬぎ山車両基地で「新京成サンクスフェスタ2023inくぬぎ山」(以下、「サンクスフェスタ」)を開催します。

今回で27回目となりますが、同イベントはコロナ禍の影響を考慮し、2020 年と2021 年は中止していました。

2022年はその影響を考慮しつつも、9 時30 分から15 時の入場時間の中で1時間単位で最大2時間、計5回に分け、各回500人(延べ2,500人)の時間と人数単位での入れ替え制及び完全予約制で10月8日に開催した経過があります。

今回は、新京成車両基地見学会についての内容です。

 

2023年5月28日開催「車両基地見学&撮影会ツアー」の経過

2023年は、今回の「サンクスフェスタ」開催の前に、京成トラベルとのコラボ企画により、5月28日(日)に「新京成電鉄車両基地見学&撮影会ツアー」(以下、「貸切臨時列車ツアー」)を開催しています。

ツアー前半は、新津田沼から貸切臨時列車に乗車し、くぬぎ山からそのままくぬぎ山車両基地まで電車で向かいました。

車両洗車機通過体験や車両基地の見学・撮影会等がありました。

車両基地では抽選で廃品(駅備品)販売も行われました。

ツアー後半では、再度貸切臨時列車に乗車し、くぬぎ山から八柱へ向かい、八柱での折り返し運転を体感後、新津田沼到着後、終了しました。

くぬぎ山車両基地への往復乗車は初めてのことと思われます。

140人募集で抽選制でした。

 

事前申し込みによる人数規制のない入場者無制限という新京成側の配慮

5月28日の「貸切臨時列車ツアー」や、2022年10月8日の「サンクスフェスタ」は人数制限があったため、当然ながら当選漏れの人は発生します。

今回、10月7日の「サンクスフェスタ」は、参加申し込み不要、参加費無料、人数制限無しのオープン企画です。

人数制限無しの背景には、5月28日の「貸切臨時列車ツアー」が140人参加のため、参加できなかった人に対する新京成側の配慮、フォローもあると感じられます。

人数と時間の制限なしで混乱しないか逆に心配になってきますが、「混雑状況により入場制限を行う場合がございます。※特に午前中は混み合います。」との注意書きがあります。

混乱しない範囲の中で、新京成側には万全体制で臨む意気込みと準備があってこその実施と考えられます。

 

人数制限付きの「貸切臨時列車ツアー」と、人数制限のない「サンクスフェスタ」との、年2回の車両基地見学の組み合わせは良い配慮と思います。

人数制限企画での当選漏れの人や、当日に都合で来られなかった人に対しても、2回の内容で人数制限の有無で振り分けることに新京成の計らいを感じます。

2024年度以降もこの2つのパターンで行なうことがよいのではないかと考えます。

 

今回の「サンクスフェスタ」での見学ポイントは

チラシを眺めていると、8800形8814編成の写真と、8900形のイラストが2種類添えられ、「8900形デビュー30周年!」とあります。

8814編成は現在、リニューアル化工事中で、新京成線運用情報を見ると2023年5月9日以降は工事中と考えられます。

10月7日の「サンクスフェスタ」までに工事が完了し、基地内で見学できるのかがポイントです。

チラシで同編成の写真を添えているので当日までに工事は完了、8814編成の見学は可能と予想しますが、どうなるでしょうか。

また、8900形デビュー30周年ということで3編成ある同形式の見学も期待されます。

8900形には一部、気になる点もありますが、そのことは別の機会に触れたいと思います。

10月7日の「サンクスフェスタ」の成功を期待します。

 

 

流鉄流山鉄道は鉄道イベントに積極的宣伝を

流鉄流山鉄道の電車に乗って流山に行き、BEER電車を一層楽しむ方法を考えます

流鉄流山鉄道(以下、「流山線」)は常磐線馬橋から流山まで5.7kmを所要12分で結ぶ路線です。

馬橋では15両編成の快速電車が高速通過する脇を、2両編成電車がマイペースで走る流山線電車の対照さが印象に残ります。

流山の鉄道と言えば、つくばエクスプレスが2005年8月24日の開業後、何かと話題が多くなっていますが、流山線の開業は1916年3月14日で歴史の重みがあります。

 

流山線のサイトから最近のお知らせ内容を見ると、8月中旬頃に運行終了のオムライス電車、8月18日運用開始の「さくら」号編成、8月31日運用開始の「あかぎ」号編成の話題などがあります。

 

そんな中で、駅に停車する電車内を舞台に、2015年に流鉄開業100周年を記念してスタートした「流鉄BEER電車」が2023年度、9月2日に開催されました。

 

「2023年流鉄BEER電車」の概要

今回は、「千葉県誕生150周年記念 流鉄BEER電車 今年のテーマはクラフトビール!」と題され、主催は流鉄沿線活性化の活動を行っている「流鉄沿線活性化実行委員会」です。

実行委員会事務局は、流山市経済振興部流山本町利根運河ツーリズム推進課内です。

サイト内容を見ると「普段入ることのできない流鉄流山線車両基地内が会場となり、このイベントでしか体験できない空間で飲食をお楽しみいただけます。」との触れ込みがあります。

事前チケット制でチケットは完売しており、期待の高さがうかがわれます。

16時から21時30分まで、1回当たり1時間30分の3回入れ替えで、1回終了ごとに30分の準備時間を設けています。

飲料等は、入場券の種類別に、停車した電車内座席、ライブステージ近くのテーブル席、屋外のテーブル席や立ち飲み席の3種類に分かれ、別の電車内には休憩スペースも設けられました。

 

冷静沈着な流鉄のサイト

「2023年流鉄BEER電車」の企画は鉄道側、すなわち流山線側ではなく、流山市経済振興部流山本町利根運河ツーリズム推進課内を事務局とする「流鉄沿線活性化実行委員会」です。

流山線を運営する流鉄株式会社のサイトを見ると、7月26日付けの「お知らせ」として、内容がさらりと触れられています。

 

以下、9月1日時点の内容から一部分を引用させていただきます。

(以下引用)

お知らせ

流鉄BEER電車を開催します(事前購入チケット制・チケットは売り切れました)

【チケットはすべて売り切れました。ありがとうございます】

2023年9月2日(土)に、流鉄BEER電車を流山駅構内で開催します。

今年のテーマは「クラフトビール」。流山市松戸市クラフトビールや、名店が作る料理など、このイベントでしか味わえない空間の中で、食・お酒・音楽をお楽しみください。

今年度も、事前に入場券販売し、人数制限を行います。

(中略)

チケットの購入方法等詳しくは⇒流鉄BEER電車を開催(事前チケット制)(流山市のHP)

(以上引用)

 

「流鉄BEER電車」「流山トレインマーケット」のアピールは

流鉄沿線活性化実行委員会が主催する流山線企画では、「流鉄BEER電車」のほかに、2022年から流山駅馬橋駅で「流鉄トレインマーケット」も開催しています。

毎年、これらのイベントの際、流鉄のサイトを見ますが、上記の2つのイベントにおいて、要点のみを掲載し、詳細は自治体のHPにアクセス案内する簡潔に内容となっています。

主催が行政関連団体側とはいえ、きわめてあっさりした冷静沈着な要点表記であり、派手なイベントを行なう熱い空気感とは異なりました。

流鉄のサイトを受けて流山市のHPを経由し、さらにその中にあるteketの外部リンクを開くと、過去の写真とともに、イベント内容の熱さが伝わってくる流れとなっています。

主催ではないからあまり前に出てもいけないのでしょうか。

いささか失礼な言い方ですが、流鉄のサイトやパフレットからは「うちの電車で行事をするのね、どうぞ」という他人事的な印象も感じられます。

 

パンフレットには流山線の電車のイラストはありますが、写真1枚程度は入れたほうがより効果的な感じがします。

同表紙の四隅にマークがありますが、ここに電車編成ごとに車体色の異なる4種の電車の顔または編成の側面車体色をさりげなく入れていたらと感じます。

 

流山線もイベントに積極的に前向きPRを

流山線の利用状況、経営状況はどうでしょうか。

2005年8月開業のつくばエクスプレスの影響を受け、2024年4月1日からの普通運賃を10円~20円値上げするほか、それに先立って2023年7月1日から平日8往復、土曜・休日は5往復の運転本数を減らしており、厳しさを感じさせます。

輸送人員はピークだった1993年の約611万人から、つくばエクスプレス開業翌年の2006年には約349万人、2020年には約225万人になり、また、2005年度の年間乗車人員が2004年度に比べて約16%減少、流山駅では1日の利用客が50%近く減少したとのことです。(※Wikipediaより)

「流鉄BEER電車」「流山トレインマーケット」は流鉄沿線活性化が主目的ではありますが、流山線にとっても貴重なイベントであり、流山線に親しんでもらうきっかけを作り、今後の流山線の利用促進につなげようとする意図も当企画の中に含まれているはずです。

 

流鉄は主催者ではないとはいえ自社の駅、電車、車両基地が会場となるのですから、一例として「流山線流山駅で電車、ホーム、車両基地からクラフトビールと音楽と沿線の飲食を楽しみましょう」的なメッセージをサイトのトップ画面に出してはどうかと思います。

流鉄のサイトにイベント用チラシ、写真等を一部分でも掲載することは出来なかったでしょうか。

流鉄沿線活性化は流鉄自体の繁栄があってこそです。

流山線の利用増に寄与するのも一つの道筋であり、行政と流鉄との一層の連携協調が望まれるところです。

次年度の開催に期待します。