利用促進に限度がある新小岩-高砂-新宿の部分開業
総武線新小岩-常磐線金町を結ぶ新金貨物線に旅客電車を走らせようと、葛飾区が検討を進めています。
現在のところ、とりあえず新小岩側から京成本線と交差し、国道6号線手前の新宿(にいじゅく)まで部分開業の計画です。
渋滞する国道6号線との平面交差が鉄道、道路のどちらを高架化、地下化しようにも経費や工期で難があるためです。
新小岩-新宿の部分開業でどれほど効果が出るでしょうか。
京成高砂付近から見れば、新小岩への新たな鉄道ルートができます。
京成高砂駅から新金線交差部分の新駅(仮称:高砂)まで200~300メートルほど距離があります。
京成小岩、柴又、北総線新柴又側の乗客が、京成高砂から新金線高砂駅まで歩いて、新小岩まで乗るケースが普及できるかどうか。
移動距離がありますし、京成高砂-青砥間に新金線接続新駅を造ることは想定できません。
金町からは、新宿までバス利用で新金線電車に乗り換えるとも思えません。
新宿開業で常磐線松戸側の沿線需要を取り込むことは困難です。
国道6号線交差の道路渋滞の課題はありますが、部分開業ではなく、金町まで全線を一挙に開業するほうが賢明と考えます。
新小岩から松戸へ、錦糸町で半蔵門線経由、総武線秋葉原経由、武蔵野線経由はいずれも迂回しすぎで非効率だからです。
6号線踏切は、道路信号の方向性の様子です。
路面電車同様、道路信号に従い、電車側の信号が赤なら停止で、鉄道優先にはなりません。
クルマの交通量から、電車の信号待ち時間は長くなるでしょう。
電車が通る本数も倍増しますので、道路はさらに渋滞します。
経費はかかりますが、鉄道側の高架化を推奨します。
道路側4車線に比べ高架幅の面積は単線ゆえ、少なくてすみます。
勾配対応上、高架橋は長くなりますが、複線用地があり、工事期間中の貨物列車本数が少ないことは鉄道高架工事に有利です。
道路の高架化は勾配には強いものの道幅が広く、工事中の渋滞影響は一層多大になります。
新金貨物線には時折、団体臨時列車が設定され、隠れた人気があります。
新金線旅客化完成の日を待っています。