本州JR3社が歩調を合わせた共同企画を
2022年10月14日の鉄道開業150周年を記念して、鉄道各社が様々な企画を実施しています。
JR各社の企画を見ると、そのほとんどは自社管内の路線乗車のみを対象としています。
JRグループ全体の企画切符の一つに「秋の乗り放題パス」がありますが、これは従来からの「鉄道の日記念 JR全線乗り放題きっぷ」の2022年度版であり、とくに目新しいものではありません。
ここでは、150年を記念し、JR各社が歩調を合わせ、JRは一つ、JRは一体という、鉄道全体での協調姿勢を見せた企画を提案します。
JRは分割民営化されましたが、自社完結輸送だけで完結するものではないからです。
(1)東京-鹿児島中央新幹線日帰り体験きっぷ
東京-鹿児島中央は片道約6時間30分、3万円、往復13時間です。鹿児島に限らず、東京-九州はほとんど航空機の独擅場ですが、150年記念として土曜・休日に日帰り、下車不可を条件に大幅に割り引くものです。鹿児島中央だけ下車可能とします。
価格は29,800円が適当と考えます。
万一、鹿児島中央下車後、仮に帰路を航空機に変更されたとしても、鉄道側の金額的損失はないでしょう。
また、関西・中京版として、新大阪(名古屋)-東京-新函館北斗の往復企画も同内容と価格で設定します。
(2)新幹線北陸一周きっぷ
東京-米原-金沢-長野-東京の経路で、JR本州3社、東海道新幹線(JR東海)、北陸新幹線(JR西日本・東日本)の日帰り外周です。
米原、金沢のみ下車可能。19,800円。
(3)東海道線東京-神戸(又は大阪)日中直通体験列車
東海道線は本州JR3社にまたがり、JR3社の協調姿勢を体感するには絶好の区間です。
車両はJR東日本E655系「なごみ」、JR西日本「WEST EXPRESS銀河」、JR東海HC85系又は373系。
価格は「なごみ」「WEST EXPRESS銀河」25,000円、HC85系又は373系15,000円。
(4)中央線全線直通列車
東京-塩尻-名古屋の中央線全線を直通体験するものです。
車両はJR東日本E353系又はE257系、JR東海373系。
不仲?とも囁かれるJR東日本、JR東海が中央線は元来東京―名古屋で一路線という原点復帰の名目で、団体直通列車を設定し、相互に協調するものです。
(3)(4)は国鉄時代の車両ではありませんので、他社での運転訓練
リスクは伴います。
以上4案いずれも思い付きの域を出ませんが、これらの協調のカギはJR東海が握っています。
JR東海には特別な割引や企画などしなくても、毎時最大片道12本の満席「のぞみ」で十分、精一杯であり、余計な企画など不要という空気が漂います。
そのJR東海に、150年記念だから「まあいいか」「たまにはいいか」という柔軟な、余裕ある考え方はあるでしょうか。
隣のJR2社の垣根を超えて、それらができる前向きさをJR東海に
願っています。