平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

北陸新幹線新大阪延伸と米原ルート

もしも北陸新幹線米原ルートだったら

 

北陸新幹線は2024年春の金沢-敦賀開業後、新大阪延伸に向け、新たな局面を迎えます。

ルートは敦賀東小浜-京都-松井山手-新大阪。

京都、新大阪に発着することから利便性は十分見込めます。

しかし京都駅付近を中心に大深度地下になるようで、難工事が予想されます。

本格的な工事着工は2030年度予定の北海道新幹線札幌開業後と思われ、2046年度前後開業との情報も聞こえます。

北海道新幹線開業が遅れると、北陸新幹線開業も遅れる可能性があります。

 

ただ、その前にリニア新幹線名古屋暫定開業と、新大阪全線開業という、もう一つの大きな命題があります。

この命題が完了する前の、北陸新幹線工事本格化は国の財源上も厳しく、北陸新幹線新大阪開業は早くても2050年代ではないかと想定します。

 

北陸新幹線のルートが決まったので別ルートの話をしても仕方ないのですが、ここで米原ルートによる東海道新幹線乗り継ぎと、東海道新幹線乗り入れによる新大阪直通について再考してみたいと思います。

 

米原ルートの利点は建設距離の短さと建設費が安価なことです。

欠点は米原東海道新幹線に乗り換えることです。

乗客側としては、米原乗り換えの手間だけでなく、北陸各地と新大阪間との時間短縮効果が小さいこと、特急料金の負担増があります。

「こだま」「ひかり」毎時各1往復の米原停車新幹線に乗り継ぐなら、湖西線経由の在来線特急に乗り敦賀通過で大阪へ行く方が良い印象を抱きます。

一方、名古屋側にとっては米原ルートは便利になりますが、北陸新幹線の趣旨は大阪側速達であり、声を大にしては言えません。

 

では、米原-新大阪の東海道新幹線乗り入れはどうでしょうか。

JR西日本は、東海道新幹線を運営するJR東海との調整が必要になります。

いつもながら東海道新幹線の線路容量不足を筆頭に、全列車16両編成、定員1,323人、号車別定員統一等をJR東海に主張されたら、12両編成「かがやき」(サンダーバード?)のJR西日本は何も言えません。

そもそも米原ルートでは、JR西日本には米原-新大阪の鉄道収入がありません。

JR東海との調整も億劫です。

その結果、全区間JR西日本の営業区間となる今回のルートになったようです。

 

極論の想定ですが、もしも米原-新大阪がJR西日本の営業区間だったとしてもJR東海と同じく、線路容量から新大阪乗り入れは無理という結論になるでしょうか。

東海道新幹線ダイヤでは、かつての新大阪発着「こだま」2往復は1往復に削減されており、岐阜羽島米原停車の新大阪「ひかり」が補っています。

その分、名古屋-新大阪は毎時1往復分の線路容量が空きました。

また、岡山「ひかり」は米原を通過しますが、仮に新大阪「こだま」を名古屋止まりにして、岡山「ひかり」も岐阜羽島米原停車にすれば、さらに1往復分の線路容量を生み出せます。

それにより、米原経由新大阪乗り入れの北陸新幹線は2往復設定できます。

 

さらに、名古屋「こだま」2往復の空きを利用して、名古屋-金沢方面にも北陸新幹線は設定できます。

新大阪発着だけでなく、名古屋発着の新幹線も設定できるのも利点でした。

いずれにしても、北陸新幹線米原の手前から東海道新幹線下り線に入る立体交差橋の建設が要件です。

 

今回の北陸新幹線新大阪ルートで、新大阪駅は地下になります。

この地下ホームに新大阪止まりの山陽新幹線列車が一部乗り入れて、山陽新幹線から北陸新幹線に乗れば、JR西日本は京都目的の山陽新幹線客も自社収入にすることができます。

京都-新大阪はJR東海東海道新幹線と、JR西日本北陸新幹線が新たなサービスの競合を迎えるわけです。

それが乗客にとって良い意味でのサービス向上となることを期待します。

 

※写真は本文と無関係です。