独断 常磐線上野-水戸間の見どころ10カ所の紹介です
幹線ではありますが常磐本線とは言わず、東北本線の支線の位置づけです。
日暮里-岩沼は常磐線343.7km、東北本線328.4kmで、常磐線の方が15.3km長い距離があります。
日暮里で東北本線から分岐し、再び岩沼で同線と合流します。
長距離輸送的には東北本線を補助する役割です。
東北新幹線開通前まで、上野-青森間の寝台特急は東北本線経由の「はくつる」1往復に対して、常磐線経由の「ゆうづる」は最大7往復もありました。
今回は上野-水戸間117.5kmから独断の見どころ10カ所の紹介です。
1 取手-藤代間のデッドセクション(交流・直流切替)
常磐線取手以北の交流電化は、石岡付近にある地磁気観測所の測定が直流電化では影響を与えるが、交流であれば影響しないためと言われます。
その結果、取手-藤代にデッドセクションが設置され、首都圏の直流電車は取手までしか入れません。
直流電車が土浦側まで入線できないことは常磐線にとって不利でした。
特急485系、E651系、急行455系、普通電車415系の時代は、デッドセクションで車内の電気が一瞬消えるのが名物でした。
2 下り線ホームだけの偕楽園駅
上り線にホームがないことで有名な臨時駅です。
東京側の乗客は、偕楽園で観光後、東京に戻る際は水戸まで乗り、上り電車で先程の偕楽園駅を横目に通過する経路です。
勝田側の乗客は逆で、赤塚まで乗り越し、水戸方面電車で偕楽園駅へ。
その代わりに帰りの水戸折り返しはありません。
2023年2月11日から偕楽園駅にも営業キロ数が設定され、乗車駅によっては現在よりも安くなります。
ただし上り線には引き続きホームはありません。
3 友部-内原の上下別線複線
上下線の間に内原操車場があった名残です。
近年は電車の留置線としても使われています。
4 馬橋・新松戸・北小金の3方向からそれぞれ武蔵野線南流山へ行く高架橋
新松戸駅は武蔵野線乗り換え駅ですが、馬橋と北小金の両方からの貨物線が武蔵野線の左右に寄ってきて、3路線が一緒に南流山で合流します。
下り快速線に乗ると、馬橋貨物支線、武蔵野線、北小金貨物支線の3線の下を走ります。
この光景は流鉄流山線でも見られますが、常磐下り快速線の方が南流山に向かう高架橋と寄り添う分、味わいはあります。
三河島ホームでは急勾配と戦って機器室がうなる電気機関車の音が聞きどころです。
三河島-南千住では快速電車と貨物列車の併走もあり、隅田川駅に向かう貨物列車を見ると一瞬、逆走していないかと錯覚します。
6 綾瀬-取手間の複々線と、東京メトロ千代田線との相互乗り入れ
快速は時速100km/hで難なく走ります。
複々線完成当時の国鉄103系が常磐快速になった時の轟音は迫力がありました。
緩行線はJR東日本223系のほか、東京メトロ16000系、小田急4000形も多く見られ、乗る時間によってどの電車が来るのか、楽しみがあります。
7 特急「ひたち」E657系
「スーパーひたち」651系、「フレッシュひたち」E653系両方の後継車です。
当初は上野-いわきの運用で、いわきー仙台はE653系乗り継ぎの計画でしたが、E657系のみに統一されました。
時速130km/hでも余裕で走っている印象です。
8 普通電車E531系
首都圏の路線ではE231系・E233系主力の中で、常磐線だけがE531系です。
415系の後継車で、首都圏近郊型電車にグリーン車連結の方針からE531系となりました。
日中の利用が伸びず、土浦折り返しとなるのは残念ですが、東京から石岡、友部への乗客は普通電車のグリーン車で行くよりも特急「ときわ」で行くことを選んだ結果でしょう。
特急「ときわ」は今でこそ柏停車ですが、かつての急行「ときわ」時代は我孫子の停車でした。
成田線の乗り換えを重要視していました。
我孫子まで複々線だったのに、成田線が単線で孤独そうに成田方向へ分岐していく光景に哀愁を感じます。
しかし混むことが多いので、天王台の「唐揚げそば」が穴場です。
複線電化の常磐線で水戸へ着くと、単線非電化の水郡線が接続しています。