運賃改定の負担軽減はオフピーク定期券より1年定期券で
駅のホームドアなどのバリアフリー設備を促進するため、JR東日本は鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、2023年3月から整備に必要な費用を運賃に上乗せします。
上乗せ額は運賃が10円、定期券は1カ月280円、3カ月790円、6カ月1,420円となっています。
改定運賃の負担軽減のため、JR東日本は新たにオフピーク定期券を発売します。
平日朝のラッシュ時のピーク、約90分間を避けて入場すれば現在の通勤定期代よりも安くなります。
そのかわり、ピーク時に入場すると定期券として機能せず、普通運賃が適用されるリスクがあります。
新たな試みのオフピーク定期券ですが、導入後の混乱はないでしょうか。
企業側では経費節減のため、通常定期券代の支給をオフピーク定期券相当分に切り替えるところも出てくると思われます。
企業がオフピーク定期券相当の通勤費支給に切り替える場合、様々なケースを想定した支給ルールの取り決めが必要になってきます。
企業の都合でピーク時に入場したときの普通運賃は負担するでしょうか。
鉄道側の事情による遅延や人身事故等で、駅の入場規制によりピーク時にずれ込んで入場した時はどうでしょうか。
オフピーク定期券導入後、高速道路での深夜割引料金適用時間まで入口手前でじっと待つ複数のクルマの、鉄道版のケースが発生すると考えられます。
オフピーク定期券客が、ピーク終了時間まで自動改札機入口付近で待っている光景です。
自動改札機入口付近だけでなく、オフピーク開始直後の電車も今より混雑するかもしれません。
ここで1年定期券の導入を提案します。
1年定期券を扱う鉄道会社はごくわずかで、大部分は6カ月定期券が上限期間です。
しかし鉄道会社にとって1年分の収入が先に入ってくることは、悪い話ではないと考えます。
1年定期券の発売額は6カ月定期代の2倍の額から一定率を値引く対応とことになりますが、値引きしたくないなら6カ月の2倍の額とし、フリー切符を交付するなどの方法もあります。
2023年の運賃改定はJR東日本だけでなく、関東では東京メトロ、東急、東武、西武、京王、京急、相模鉄道などでも実施されます。
関西でも複数の鉄道会社で行なわれるようです。
すべての鉄道会社がバリアフリー対応の趣旨ではなく、防犯対策や地上設備又は列車設備への投資、運賃収入減の補填などのケースもあります。
JR東日本以外の鉄道会社でも1年定期券を検討してほしいと思います。