平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

木次線 あめつち投入後の変化は?

奥出雲おろちの後、あめつち投入でどう変わるか?
 

木次線トロッコ列車「奥出雲おろち」により利用促進を図ってきましたが、機関車と客車の老朽化により2023年度で運行を終了します。

JR西日本が2024年度から観光列車「あめつち」の木次線乗り入れを沿線自治体に提案し、受け入れられたものです。

 

「奥出雲おろち」は人気の高い列車で乗車実績もありましたが、「あめつち」に代わった後もそのまま利用は伸びていくでしょうか。

「奥出雲おろち」から「あめつち」への変更箇所を整理してみます。

1.木次(又は出雲市)-備後落合の設定が、宍道(米子)-出雲横田に変わる

2.機関車と客車の列車が、気動車に変わる

3.トロッコ列車が、デラックス列車に変わる

4.普通列車の普通車指定席が、グリーン車指定席に変わる

5.青春18きっぷで乗車できなくなる

 

「奥出雲おろち」の乗客が出雲横田までに下車するなら、「あめつち」でも引き続き乗車が期待できるとも言えます。

ただ、木次線トロッコ列車の雰囲気が似合い、デラックスなグリーン車に違和感を持つ人は再考する可能性があります。

 

「奥出雲おろち」に乗る人の過半数は、木次から備後落合までの不便な区間への乗車が主眼ではないかと思います。

すなわち、出雲坂根の延命水と2段(3段という人もいます)スイッチバック体験、出雲坂根三井野原の峠越え、おろちループ道路の展望、芸備線接続、備後落合駅の風情を体感しにきているのではないでしょうか。

 

「奥出雲おろち」が「あめつち」に変わると出雲横田-備後落合の光景が見られなくなります。

「あめつち」のキハ47形気動車では出雲坂根側30‰の急勾配を越えられないため、出雲横田折り返しとなったものです。

出雲横田では60分以内の停車時間で宍道側へで折り返すようです。

そうなると「あめつち」が出雲横田到着後、仮に備後落合行き列車を設定しても、備後落合折り返しで出雲横田から「あめつち」再乗車での帰路は成り立ちません。

 

「あめつち」の投入は木次線にとって歓迎されることですが、出雲横田折り返しが難点です。

やはり「あめつち」接続の備後落合行きを設定し、備後落合ではそのまま折り返し出雲横田行きとして、出雲横田から「あめつち」で宍道へ戻れるダイヤにしてほしいものです。

 

むしろ木次線全線乗車を楽しむ方法としては「あめつち」よりも、定期列車の宍道11時19分発備後落合行き(14時33分着)と、備後落合14時41分発宍道行き(17時37分着)に、木次線の車窓を楽しむキハ120形車両1両を増結する方が効果的ではないでしょうか。

 

峠越えのできない「あめつち」をあえて出雲横田止まりで設定する背景には、出雲横田-備後落合の区間について、将来の方向性議論を別に進めようとしているのではないかと、うがった見方をしてしまいますが考えすぎでしょうか。

キハ120形であってもよいので、峠越え可能な車両による木次線全線運転列車を「あめつち」の代わりに設定する方が望ましいと考えます。

 

※写真は本文と無関係です。