平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

臨時特急「まほろば」はどこまで利用が伸びるか?

大阪-新大阪-奈良の臨時特急「まほろば」について検証してみました

 

2023年春のJR西日本の臨時列車の一つに、おおさか東線経由で大阪-奈良を結ぶ特急「まほろば」があります。

まほろば」は山陽新幹線から奈良への乗り継ぎ利便を図る趣旨で2019年、2020年にも臨時列車として設定した経過があります。

今回を含め、いずれも287系3両編成で1往復の運転です。

今春の運転時刻は、

大阪発が9:58-新大阪10:04-奈良10:56着で、所要58分。

奈良発が17:41-新大阪18:36-大阪18:43着で、所要63分。

全車指定席、まほろチケットレス特急券で860円(通常の特急券は1,730円)です。

 

もともと山陽新幹線からの乗り継ぎ想定列車なのですが、ここで大阪周辺の人も奈良までの往復又は片道に「まほろば」を選ぶかを見てみます。

2023年1月現在のダイヤ比較します。

大阪環状線、関西線(大和路線)経由、大和路快速では、

大阪発9:57-奈良10:48着、所要51分。

奈良発17:45-大阪18:39着、所要54分。

大和路快速は途中12駅停車ですが、新大阪-奈良間ノンストップの「まほろば」よりも所要時間は短く、15分間隔運転で、221系電車の転換クロスシートも快適です。

大阪-奈良の距離数は大阪環状線、関西線経由48.5km、おおさか東線経由54.4kmです。

おおさか東線の方が5.9km長いこと、途中駅に待避線がなく、先行列車の追い抜きができないことも関連しますが、「まほろば」が快速なら納得するものの、特急の設定では時間がかかり過ぎて不満を抱きます。

さらに2023年3月ダイヤ改正からおおさか東線は全列車を221系で揃える予定のため、大和路快速と同様、快適性が一層向上します。

 

次に、新大阪-奈良の区間で見た場合です。

おおさか東線経由は久宝寺乗り換え、大和路快速は大阪乗り換えが必要です。

その意味で直通「まほろば」に価値はありますが、おおさか東線経由の「直通快速」4往復の設定はあります。

287系車両がリクライニングシート、全車指定席で着席保証があっても、本数や特急料金を考え合わせると特急に足が向く人には限度があります。

現状のままでの増発や定期列車化は困難と考えます。

直通快速」の増強の方が適当と言えるでしょう。

 

では、「まほろば」の設定は意義が薄いのでしょうか。

仮に「まほろば」を毎時1時間間隔で運転しても、221系の独擅場に入り込むの難しいと思います。

そこで、山陰線187系車両等の充当による、奈良から「忍者の里」の伊賀上野までの延長運転で「まほろば」を気動車特急により設定するのはどうでしょうか。

山陽新幹線から奈良への連絡だけに終わらせず、忍者の里の観光も兼ねた列車にするものです。

近鉄の牙城に入り込むのは容易ではありませんが、伊賀上野ならば近鉄伊賀鉄道の乗り継ぎよりも、新大阪から伊賀上野直通の「まほろば」の強みが発揮できます。

少なくとも新大阪から奈良折り返しの設定よりは伊賀上野延伸の方が効果はあると考えます。

※写真は本文と無関係です。