平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

JR京都線の電車内に最大10時間閉じ込められた件に思うこと

JR西日本はどのような対応をすべきだったかに対する意見です

JR西日本東海道線JR京都線琵琶湖線)高槻-山科間で、1月24日夜から25日朝にかけての大雪による21カ所のポイント故障が発生し、15本の電車、乗客計7,000人が最長10時間、電車内に閉じ込められたことに触れたいと思います。

後からなら何とでも言える結果論であり、すでに各方面の方々が指摘されている内容と重複する箇所がありますが、予めご承知ください。

 

1.私鉄との情報共有を

阪急、京阪、近鉄では降雪対策として、ポイントの雪を解かす装置を事前に作動させていたため、混乱は生じなかったようです。

これに対しJR西日本は積雪8cmの予想から、マニュアルによる10cm以上の積雪予報で行なうポイントの降雪対策(融雪器設置等)をしなかったことが混乱の原因となりました。

JR西日本は京都付近の大手私鉄の降雪対応をどこまで認識、情報共有し、自社路線対応の参考にしていたでしょうか。

私鉄とは路線規模、列車規模が違うということで、最初から土俵が違う、参考にならないと決めつけていないでしょうか。

 

2.1駅間に1列車の設定として、駅間での長時間停車でも最徐行で次の駅まで行けるダイヤを

車両側の故障や、除雪しないと先に進めない規模の雪の場合は別ですが、次の駅まで列車がないことを確認できるダイヤであれば、たとえ途中で停止しても、最低限の速度(時速10km/h台)走行で次駅までは行けるはずです。

 

3.列車内から救急車の要請を

満員電車内で立ち続けたまま1時間以上停車し、先行き、動く見通しがつかないならば体調が悪くなる乗客が次々に発生しても無理はありません。

ましてや今回の場合、車内閉じ込めが最長10時間です。

列車内で倒れたり、気分が悪くなる人も発生します。

その際、列車内から緊急車両(救急車)を呼ぶことはタブーでしょうか。

列車の場合、いつ動くか分からないので、緊急車両が列車に向かうのは対象外なのでしょうか。

長時間停車で運転再開見通しが立たない最中に、乗客が体調不良を乗務員に訴えた場合、乗務員は本部に連絡の上、救急車等の要請対応を検討してほしいものです。

 

4.鉄道側から自治体、警察、消防等への救助・脱出要請を

「歩くなら自己責任で」という考えはいかがなものでしょうか。

鉄道側は歩くことを推奨していない、それでもどうしても歩きたいなら、事故があっても鉄道側に一切責任はないという責任逃れ、責任転嫁を感じます。

また、運賃を収受して目的駅まで輸送する鉄道側の責任回避です。

前項と同じく、長時間停車で運転再開見通しが立たない場合、本部は自治体、警察、消防等に救助、列車内脱出、緊急避難場所の確保等の体制は組めないでしょうか。

列車停止地点が長大なトンネル内や鉄橋上のこともあり得ます。

消防隊員だけでは駅間に停止している列車に向かうことは限度があります。

鉄道側、自治体、地域活動団体、警察、消防、場合によっては自衛隊などと連携して救助協調体制を組んでほしいものです。

 

5.常に危機管理意識を

鉄道に楽観論は禁物です。

何かが起こったらその時に考えればいい、対応すればいいという考えは、事故が起きてからの交通信号機の設置と同じです。

鉄道はいつ、何が起こるか分かりません。

地震は別として、降雪や台風は事前にある程度情報が入るはずです。

今回の8cm降雪予報であっても10cm、15cm、20cmの降雪になるかもしれないという危機管理意識を持つことが必要です。

今回の騒動は8cmの楽観さが招いた結果と言えます。

誤りは起こさないことが大事ですが、二度と同じことを繰り返さないことが、より大事です。

 

※写真は本文と無関係です。