防犯カメラ設置車両の形状と、非常時に窓から避難の際の開口面積について
安心して列車に乗れる車内環境整備、セキュリティの向上、迷惑行為の抑止等を目的に、防犯カメラを設置した列車が増えています。
国土交通省は通勤電車の新製車両等には防犯カメラ設置の考えのようです。
今回は、防犯カメラの設置形状の現況と、窓の開口面積を見てみました。
防犯カメラのタイプは主に、以下の3タイプがありました。
① ドア上部のLCDの脇に設置した型(山手線E235系など)
次に、防犯カメラを乗降ドアの蛍光灯付近に設置の際、片側ドアだけ千鳥状に設置するか、左右両方に設置するかで分かれます。ドアの片側に千鳥状設置が多いようです。
それでも両側に設置するのはなぜでしょう。
映像範囲に死角や限度があるからでしょうか。
多少の死角は割り切っているのでしょうか。
その辺は当然企業秘密でしょうが、普通に考えれば前者と考えられます。
②の場合、防犯カメラと一体でない蛍光灯について、同時にLEDタイプに変えたか、それとも通常蛍光灯タイプのままとしたか、これも分かれるところです。
この場合は、後者が多いようです。
防犯カメラの設置費はかなり高価と思われ、1台当たり百万円とも言われます。
乗務員の目が車内まで届きにくい長編成の混雑列車は防犯カメラの意義もあるでしょうが、全国の列車に同じ網を被せるのは無理があると思われます。
乗務員と対話できる緊急通報ボタンの増設の方が効果的と思われます。
防犯カメラのもう一つの効果は犯罪抑止力でしょう。
カメラがあることで犯罪行為をとどまらせるもので、暗い道路での明るさ確保と合わせ、犯罪抑止にもなる道路照明灯を別名、防犯灯と呼んでいるのも同じです。
一方、車内での犯罪発生時には最悪の場合、窓から身を乗り出して車外に出なければならないこともあり得ます。
その意味で、通勤電車を含む普通列車は固定窓よりも開閉可能な窓の割合を多くし、開口面積も広くする配慮が必要と考えます。
JR東海の最新車315系やJR西日本223系の一部のような、内折れ式の窓構造では緊急時に窓から逃げることはできません。
開口面積が30㎝程度では、京王線事件のようなことが再発した時、窓から出るのは不可能です。
以前、京浜東北線209系が固定窓のため、停電で長時間停車した際、固定窓が問題になったことがありました。
一段下降式窓の場合、窓の高さ全体の3分の1程度は開けられるように設計してほしいと思います。