県名、地方名を意図的にひらがなにした路線名と、形容詞付き路線名
昨日の「北陸新幹線開業後の並行在来線 第三セクター4社共同の青春18きっぷ版を」の続編です。
北陸新幹線並行在来線の路線名は、ハピラインふくい、IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道です。
この4つの路線名に共通することが2点あります。
福井、石川、富山、越後の県名・地名をいずれもひらがなにしたこと。
4線とも形容詞付き(ハピライン、IR、あいの風、トキめき)であることです。
列車愛称については国鉄、JR時代からひらがなを使ってきました。
親しみやすい、なじみやすい、分かりやすいのが理由と考えられます。
県名・地名をひらがなにするのは、2000年から2010年頃に市町村合併が多く行なわれ、新市名を考案したときの全国的な傾向です。
理由としては列車名のひらがな理由と類似しますが、それに加えて新鮮さ、話題性、生まれ変わった目新しさを狙ったと思われます。
ひらがなの市名の地域を走る路線ゆえ、ひらがな名称にしたケースも見られます。
路線に形容詞をつけ、それをひらがなにする例もあります。
今回は、各地の主な鉄道路線名の意図的な?ひらがな状況、形容詞状況を見てみました。
表記は順不同で、カッコ内は筆者の漢字補足です。
◆ひらがなの第三セクター路線
えちぜん(越前)鉄道、のと(能登)鉄道、しなの(信濃)鉄道、わたらせ(渡良瀬)渓谷鉄道、ごめん・なはり(御免・奈半利)線、とさでん(土佐電)交通、くま(球磨)川鉄道
◆ひらがなのJR、私鉄路線
おおさか(大阪)東線、近鉄けいはんな(京阪奈)線、阪神なんば(難波)線、えちぜん鉄道、相鉄いずみ(和泉)野線
◆第三セクターで、ひらがなの県・地域名に形容詞も加えた路線
IGR(Iwate Galaxy Railway)いわて(岩手)銀河鉄道、ハピラインふくい(福井)、IR(Ishikawa Railway)いしかわ(石川)鉄道、あい(愛)の風とやま(富山)鉄道、えちご(越後)トキめき(「ときめき」の「とき」を朱鷺と重ねてカタカナ表記)鉄道
◆形容詞部分をひらがなにした第三セクター路線
道南いさりび(漁火)鉄道、土佐くろしお(黒潮)鉄道、肥薩おれんじ(オレンジ)鉄道
◆市名がひらがなのため、それに合わせた路線
つくば(筑波)エクスプレス、いすみ(夷隅)鉄道、ひたちなか(常陸那珂)海浜鉄道
◆ローマ字表記の肩書き
Osaka Metro(大阪メトロ)
以上ですが最後に一言、意見を。
筆者は意図的なひらがな書き路線名はあまり良い傾向とは思いません。
Osaka Metroのようなローマ字だけの表記も疑問です。
北陸4路線の県名、地名の連続的なひらがな名称を見ると妙な感じがします。
全国の市の名称においても埼玉、茨城、群馬、福井、香川、青森等の県で、有名な地名なのに意図的にひらがなにしたケースを見ると、時代の変化とはいえ複雑な心境になります。
地名の漢字にはそれなりの歴史的な経緯、文化があるのであり、まず重んじることが大事と考えるからです。
話は戻りますが、来年春から営業開始のハピラインふくいの「ハピ」とはハピネス、しあわせを表すとのことですが、ハッピーとも受け取れます。
そもそもハピって何だろう?と不可思議に思う人もいるかと思います。
せめて「福井ハピネスライン」にした方が良かったのではと思いました。
※写真は本文と無関係です。