新幹線の全形式で一番の人気をもっと活かしましょう
新幹線には様々な形式がありますが、山陽新幹線500系に勝る列車はないでしょう。
先頭車正面の顔、車体色、丸まった車体、編成全体の美観など、他の新幹線にはない強烈な個性があります。
500系がホームに進入すると鉄道に関心のない人からも注目を集め、先頭車を眺めて写真撮影をします。
ビジネス列車でこれほど話題を集めたことはないと思われます。
東海道新幹線で東京に乗り入れていた当時は500系「のぞみ」に時間を合わせて乗る人もいました。
登場時の山陽区間時速300km/h、東京-博多4時間49分は画期的であり、とくに新大阪-博多2時間17分の記録は今も超えられていません。
その後、JR東海は東海道新幹線の全列車を同一定員にする方針により、号車定員が他形式と異なり、運転士背後の乗降ドアがない500系は締め出されました。
山陽区間だけ運転の「のぞみ」16両編成では輸送力過剰のため、8両編成に半減して「こだま」で細々と脇役に徹することになりました。
元グリーン車の6号車と、8号車の模擬運転台は人気があります。
新大阪駅ではなるべく長く停車し、東海道新幹線側の利用者の人目を引き寄せたいものです。
2023年3月18日ダイヤ改正後、新大阪-博多直通の500系「こだま」に絞ると3.5往復運転で、運転時間は以下のとおりです。
【下り】
新大阪7:40発「こだま841号」→博多12:04着、12:09発→博多南12:17
新大阪10:37「こだま847号」→博多14:51着、15:09発→博多南15:17
新大阪11:37「こだま847号」→博多15:51着、16:09発→博多南16:17
新大阪17:37「こだま861号」→博多21:51着、22:12発→博多南22:20
【上り】
博多南6:01→博多6:09着、6:21発「こだま840号」→新大阪10:25
博多南6:33→博多6:41着、7:04発「こだま842号」→新大阪11:26
博多南12:42→博多12:50着、12:54発「こだま854号」→新大阪17:25
現在の500系は1997年の製造ですが、近年は行先表示器のフルカラーLED化改造もあって、まだしばらく活躍が期待されます。
新製後26年を経過していますが、「こだま」のみの運用であり、JR西日本でも人気ぶりは把握しているのでしょう。
しかし500系とは言え、列車は利用者があってこそです。
山陽「こだま」で地味に走るだけではもったいないと思いますが、自由席は「のぞみ」と同価格ですから、500系「こだま」に積極的には乗らないのも無理はありません。
本質的には価格の見直し、料金値下げが望まれます。
値下げができないなら、新大阪-博多の全区間乗車で割り引く企画を考えてほしいものです。
東海道新幹線「ぷらっとこだま」の山陽版として博多南線も加え、新大阪-博多-博多南を500系「こだま」でこだわりの往復(又は片道)乗車切符(又は旅行商品)を企画してはどうでしょうか。
以前、新大阪-博多の「こだま」割引切符は8,500円でした。
博多南線を加えた新大阪-博多南の「こだま」往復割引切符17,000円前後が適価と考えます。
500系の外観や走行写真など、500系のデッキや車内に掲示したり、500系の宣伝案内放送なども行なってみるのも一方法です。
トンネルの多い山陽区間で、しかも「こだま」なら苦情はさほど出ないと思います。
片道を700系にした比較乗車もよいでしょう。
500系と700系それぞれの良さが比較体感できます。
500系を外から見るだけでなく積極的に乗ってもらうには「こだま」で移動時間を要する分、価格を下げる見直しは要件と考えます。