SL・DL牽引の客車列車存続、運転継続は重要な価値
山口線「SLやまぐち号」は大井川鉄道とともに全国的に有名なSL列車です。
「SLやまぐち号」の牽引機D51 200は、2022年5月から炭水車側の台車不具合により運休中で、復帰は今のところ2023年10月以降とされています。
SL復帰まではDL牽引の「DLやまぐち号」として、DD51形またはDE10形の重連になります。
SL列車は各地にありますが、SLとその代替運転、推進運転時のDLはもとより、客車も12系・14系・50系中心でいずれも新製後、一定の年数が経過しています。
客車では、新製されたのは2017年にJR西日本の山口線「SLやまぐち号」の35系のみの状況です。
35系はまだ5~6年の走行なので、山口線では「SL(DL)やまぐち号」を中心とする第一線での活躍が期待されるところです。
そこで気になるのは機関車の方です。
SLのC57形1号機の1937年、D51形200号機1938年の新製はここでは置くとして、DLの年数経過状況はどうでしょうか。
DD51 1043号機は1973年新製、DE10 1076は1969~1973年の間、同1531号機は1970~1978年の間の新製です。
いずれも、少なくとも45年は経過しており、DL本体の老朽化、部品確保、維持管理にも限度があり、SLのような長期運用までは困難と考えられます。
SLがやがて限度を迎えた時、機関車と35系による客車列車を鉄道文化財、鉄道の財産の一つとして動態保存していくことが望まれます。
SLも文化財ですが、DL牽引でも機関車牽引の旅客車自体が文化財です。
先の話ではありますがその際、10年後には「DLやまぐち号」の後継機も必要になってくると思われます。
昨日の拙「JR貨物の貨物船新造による鉄道迂回路の課題を見る」でも触れたところですが、山口線の機関車は軸重等の関係からJR貨物型DF200形入線は困難と思われます。
現在のDL機の状況では同JR貨物のDD200形を後継機とする形で準備しておくことが望ましいと考えます。
今後の技術の進展や社会情勢の変化によっては変化があるかもしれませんが、JR西日本には今後とも山口線客車列車存続の方向で進むことを願います。
東京から「SLやまぐち号」乗車の際は、以前は寝台列車での乗り継ぎでしたが、現在は東海道・山陽新幹線で東京6時15分発「のぞみ3号」、新山口18時11分発「のぞみ56号」で日帰りが可能です。
JR西日本はもっと日帰り可能の身近さを関東側でPRしてもよいのではないでしょうか。
蛇足でさらに一つ欲を言えば上り新幹線接続で、新山口17時49分発「こだま862号」新大阪行きが700系でなく500系であれば、「SLやまぐち号」と東海道・山陽新幹線乗り継ぎは一層人気が出るのではないかと思います。
500系は東京側で見られないゆえ、逆に関東では乗車への憧れや期待が高まる、今でも人気のある形式です。
500系の「こだま862号」で新大阪まで乗車しても東京日帰りは可能です。
関西ならばなおさらです。
JR西日本には合わせてお願いしたい、勝手な希望です。