平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

「飯田線秘境駅号」の発展を期待しての提案

豊橋-飯田日帰り往復可能ダイヤ、岡谷延長、4両化、運転日増などの提案です

飯田線の楽しみ方と言えば全線直通、全94駅停車の普通列車(完全各駅停車)に乗ることです。

豊橋-辰野の全線運転、全駅停車列車(正確には船町と下地は通過)は上下線とも3本ずつありますが、日中の車窓を見る場合、下記の1往復になります。

豊橋10時42分発岡谷行きで、岡谷17時33分着、6時間51分乗車。

上諏訪9時22分発豊橋行きで、豊橋16時16分着、6時間56分乗車。

走ってはすぐ停まる駅間距離平均2kmの路線ゆえ、車窓のほか、駅や列車交換の観察、飯田線の前身である豊川鉄道(豊橋-大海)、鳳来寺鉄道(大海-三河川合)、三信鉄道(三河川合天竜峡)、伊奈電気鉄道(天竜峡-辰野)の4鉄道の個性や違いの面影があるかなどを観察します。

 

とはいえ、全線各駅停車列車を楽しめるのはかなりの鉄道ファンです。

一般的には全駅を仮眠せず観察するのは難しいと思われ、長いトンネルの暗さが睡魔を誘います。

そこに、2010年の臨時急行「飯田線秘境駅号」(以下、「秘境駅号」)運転以降、飯田線に乗る楽しみが変化してきました。

駅周辺に人家と道路がなく、鉄道以外では訪問が困難な秘境駅の訪問が全国的な人気になりました。

飯田線には秘境駅が多いため、秘境駅を目指して効率よく回ることには限度がありました。

それを解決したのが「秘境駅号」で、秘境駅に絞って停車し、一定時間、駅周辺を見学して再び同じ列車で次の秘境駅を見学できる、鉄道ファンにはありがたい列車です。

 

秘境駅号」は373系3両編成、179席ですが人気は高く、満席が多いようです。

運転日は多いとは言えず、春と秋の休日のうちの数日間に絞って運転されています。

2023年3月ダイヤ改正後、豊橋発下りは9時50分発で停車駅は新城、柿平東栄、大嵐、小和田、中井侍伊那小沢、平岡、為栗、田本、金野、千代、天竜峡で、終着の飯田に15時30分着、乗車時間5時間40分です。

飯田発上りは13時5分発上り列車は天竜峡、千代、金野、田本、為栗、平岡、伊那小沢中井侍、小和田、浦川で、終着の豊橋に17時54分着、乗車時間4時間49分です。

途中駅での見どころ案内や徐行運転もしています。

 

今回、2023年5月4日に限り「ディスカバー飯田線号」の愛称で運転し、途中の廃線区間などを特別に説明されたとのことです。

所要時間は「秘境駅号」とほとんど同じですが、途中停車駅は「秘境駅号」13駅に対して8駅と、かなり少なくしました。

 

◆一層の飛躍を願っての提案

① 下り発車時刻を早めて豊橋-飯田の「秘境駅号」往復日帰りダイヤの企画

秘境駅号」の利用者の半数は豊橋からの下り列車に乗車し、飯田から同じ編成の特急「伊那路4号」で豊橋に戻ると思われます。

または豊橋から特急「伊那路1号」で飯田まで行き、同編成の上り「秘境駅号」で豊橋に戻ると想定します。

373系列車の運用もそのようになっています。

飯田周辺で宿泊の人もいるにせよ、いずれにしても豊橋-飯田往復が多いと思われます。

現在の「秘境駅号」ダイヤは下りが飯田駅到着前に上り列車がすでに発車しています。

往復乗車したければ為栗下車になりますが、為栗-飯田はあきらめることになります。

飯田までの乗車後、豊橋への帰路は特急「伊那路」とするのもJR東海の一種の特急誘導施策ですが、「秘境駅号」での日帰り往復ダイヤを組むことは一層、同列車の人気が高まるのではないかと考えます。

秘境駅号」で豊橋-飯田の往復日帰りのダイヤ設定はどうでしょうか。

豊橋を7時00分発とし、飯田12時40分着、飯田からの帰路は現在と同じ13時54分発、豊橋17時54分着とするものです。

往路と復路の停車駅を変え、他の秘境駅を追加すればさらに人気が高まるのは確実です。

または、通過駅が増える分、停車駅での周辺観察時間を長くするのも相乗効果になります。

 

② 飯田から岡谷まで飯田線全線運転列車の企画

秘境駅号」は豊橋から飯田までの列車です。

飯田-辰野は普通列車のみの運行で、急行列車は1988年に廃止されているため、豊橋-飯田に比べると列車の話題の少ない区間となっています。

秘境を感じさせる駅はほとんどなくなりますが、「秘境駅号」乗車を機に、飯田線全線に乗ってみようかという気持ちを起こさせるのも有意義なことです。

秘境駅でなくとも、利用者数の少ない駅や特殊な線路配置体験を企画するのも一方法と思います。

具体的には、赤木-沢渡の40‰急勾配の体験、大沢信号場の一時停車。

駅前のローカル風情から伊那田島高遠原伊那本郷田切大田切、下島、田畑などへの停車です。

 

秘境駅号」を年に数日、飯田から岡谷まで延長運転するのはどうでしょうか。

下りは飯田15時30分到着後、そのまま岡谷まで運転します。

岡谷は途中の一定時間停車駅を含めて18時30分頃の到着で、上り「あずさ」乗り継ぎ可能なダイヤとします。

岡谷滞泊後の翌日は、新宿7時00分発「あずさ1号」を受け、岡谷を9時25分頃発車し、飯田13時05分発上り「秘境駅号」に接続するものです。

 

③ 383系4両編成で座席定員増を図る

飯田線は4両までは入線できます。

秘境駅号」は373系3両固定編成のため、179人定員をこれ以上増やすことはできませんが、人気に博して373系中間車を他編成から転用し、洗面所、トイレを併設して4両化することはできないでしょうか。

または383系普通車2両編成2組で4両編成を組成し、「秘境駅号」に充当して定員増を図るのはどうでしょうか。

383系2両2組で4両編成の定員は224人で、373系よりも定員が45人増やせます。

なお、383系の振り子装置は使用しません。

振り子不使用の飯田線383系は無駄という話になりますが、「しなの」の大阪乗り入れの時、名古屋-大阪の東海道区間では振り子装置を使わなかったのと同じ割り切りです。

 

④ 運転日の追加

運転日が少ない故、なおさら人気が出ていますが、夏の期間の運転も望まれます。

373系の運用全体を見直し、「秘境駅号」に充てる日数を増やすのは費用対効果に見合うと考えます。

 

以上ですが、飯田線と「秘境駅号」の更なる繁栄を願っています。

 

※写真は本文と無関係です。