平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

北陸線近江塩津止まり普通列車の敦賀側接続ダイヤの改善を

米原敦賀普通列車所要時間を短縮すると「しらさぎ」に影響?

ゴールデンウィーク期間中の北陸線米原敦賀の「しらさぎ」利用が対前年比51%と公表されました。

しらさぎ」の利用低迷は、主に東京-福井の移動が東海道新幹線から北陸新幹線に変わったためと考えられますが、普通列車を含めた北陸線列車全体の利用はどうだったでしょうか。

名古屋-福井の高速バスの盛況さの情報も伝えられています。

今回は、北陸線米原-福井の普通列車ダイヤについてみてみました。

 

日中の普通列車近江塩津での敦賀接続時間の長さについて

日中の湖西線京都-敦賀の移動では、特急「サンダーバード」と新快速があり、いずれも大阪、京都から直通します。

一方、米原敦賀の日中においては、姫路方面から米原への新快速がそのまま普通列車になって近江塩津まで行くダイヤとなっています。

近江塩津から敦賀へは湖西線経由の新快速(近江舞子敦賀普通列車)に乗り換えとなります。

 

北陸線近江塩津での乗り換え時間をみてみると、下り(米原敦賀)では10時台から16時台までの6時間の間は24分、上り(敦賀米原)では9時台から16時台までの7時間の間は30分待ちが標準となっています。

その結果、普通列車による米原敦賀45.9キロの所要時間は下り1時間12分、上り1時間21分を要します。

しらさぎ」の最速所要時間は下り30分、上り33分です。

所要時間を比較すると普通列車は「しらさぎ」に対し、上下列車とも約2.5倍の時間を要しています。

なお、米原敦賀間で後続の「しらさぎ」に追い抜かれることはなく、約2.5倍の数値は近江塩津接続の長さによるものです。

 

米原敦賀の直通普通列車の所要時間は短い

近江塩津乗り換えでない、米原敦賀の直通普通列車の所要時間はどうでしょうか。

下りでは所要45分の列車が最短で、最長でも所要49分でした。

上りでは所要49分が最短で、最長は所要52分でした。

近江塩津乗り換えであっても、同駅での接続時間さえ短ければ、普通列車でも米原敦賀の所要時間も同時間分が短縮される状況でした。

 

近江塩津での接続時間が長い理由とは?

近江塩津での待ち時間が長い理由は、京都-姫路間15分間隔の新快速ダイヤにあります。

京都→米原近江塩津東海道線新快速は、京都を毎時00分に発車します。

京都→敦賀湖西線新快速は、その45分後、京都を毎時45分発に発車します。

京都00分発の米原経由近江塩津行きが終着駅に着いた後、京都を45分遅く発車した湖西線経由敦賀行きが近江塩津が接続するダイヤです。

このパターンである限りは、近江塩津での接続時間を短縮することはできないダイヤとなっています。

 

京都発時刻でみれば、米原経由列車を毎時00分発から15分発に繰り下げるか、あるいは湖西線経由列車を毎時45分発から30分発に繰り上げれば、近江塩津での接続時間は15分短縮されます。

ただし、近江塩津駅の構内配線はやや特殊(湖西線下り普通列車は、北陸線下り本線に入線する)なのでそれを考慮する必要はあります。

一番望ましいのは北陸線近江塩津行き列車を敦賀行きにすることですが、その前の段階として近江塩津の接続時刻改善が先決と考えます。

 

普通列車を便利にすると「しらさぎ」利用に影響する?

もう一つ、うがった見方ではありますが、北陸線普通列車を便利にしすぎると「しらさぎ」の利用減につながりかねないという事情がJR西日本にあるのではないでしょうか。

米原敦賀45.9キロで特急30分、普通列車42分、わずか12分差のダイヤを終日組んだとすると、「しらさぎ」利用者が普通列車に転移し、「しらさぎ」の利用者が減るという懸念があるのではないかと思われます。

 

しらさぎ」を特急から新快速に変更すれば、その新快速の利用は伸びるでしょうが、特急がないことでの北陸線イメージダウンや、大阪-敦賀の特急設定に対する米原側の特急廃止によるイメージ低下、特急車両の更なる余剰、特急料金の減収などの課題が生じます。

また、683系使用による新快速「しらさぎ」の全車指定席化は、JR西日本では想定外と思われます。

そのこともあって、「しらさぎ」の全列車名古屋発着を提言しますが米原止まりの「しらさぎ」はそのままとなっています。

 

しらさぎ」の対前年比51%の数値は、敦賀米原乗り換えの手間と特急料金負担の結果とも思われます。

米原敦賀45.9キロ、所要30分でも、特急では料金が高く、乗車時間が短すぎ、日中の普通列車では遅すぎるので名古屋-福井の高速バスが盛況となったとみるのは飛躍しすぎでしょうか。

いずれにしても近江塩津普通列車接続時間の長さは今後、改善の余地はあると思われます。

 

(※ 記載にあたり、旅行総合研究所タビリス、2024年5月9日付け「在来線特急、全車指定席化の影響は? JR特急利用者数ランキング2024年GW版」を参考にさせていただきました。)

 

※ 写真は本文と無関係です。