大阪-白馬の北陸新幹線経由の列車時間と併せ、中央線コースと比較してみました
昨日の拙「大糸線『本格的な利用促進・利便性向上』に関連して 糸魚川-白馬の列車ダイヤをみる」の続編です。
JR西日本のニュースリリースから、「北陸新幹線敦賀開業で利便性が高まる大糸線沿線へ、より多くのお客様にお越しいただくこと」「バスによる増便を行うことで利便性を高め、大糸線の利用促進及び沿線地域の活性化」の気概、意気込みが伝わってきます。
今回は、大糸線の糸魚川発着時刻を基準として、関西から白馬への列車接続ダイヤを見てみたいと思います。
列車の号数及び時刻の「:」は省略します。
1 大阪→糸魚川→白馬の場合
〇 大阪630発「サンダーバード」(以下、大阪→敦賀は同特急)→敦賀754着、806発「つるぎ」→金沢848着、917発「はくたか」→糸魚川1007着、1031発→大糸線→白馬1221着(所要5時間51分)
〇 大阪810発→敦賀937着、958発「はくたか」→糸魚川1148着、1155発→臨時増便バス→白馬1311着(所要5時間01分)
〇 大阪912発→敦賀1035着、1058発「はくたか」→糸魚川1249着、1323発→大糸線→白馬1548着(所要6時間36分)
〇 大阪1112発→敦賀1233着、1258発「はくたか」→糸魚川1448着、1513発→大糸線→白馬1637着(所要5時間25分)
〇 大阪1212発→敦賀1333着、1348発「はくたか」→糸魚川1538着、1545発→臨時増便バス→白馬1701着(所要4時間49分)
※大糸線の場合、「はくたか」糸魚川1538着後、1649発→大糸線→白馬1824着(所要6時間12分)
〇 大阪1412発→敦賀1533着、1604発「かがやき」→金沢1646着、1653発「はくたか」→糸魚川1743着、1755発→臨時増便バス→白馬1911着(所要4時間59分)
白馬着20時以降の列車・バスは略させていただきます。
2 白馬→糸魚川→大阪の場合
〇 白馬 657発→大糸線→糸魚川 833着、841発「はくたか」→金沢932着、947発「かがやき」→敦賀1028着、1044発→「サンダーバード」(以下、敦賀→大阪は同特急)→大阪1206(所要5時間09分)
〇 白馬830発→臨時増便バス→糸魚川 946着、1011発「はくたか」→金沢1101着、1105発「つるぎ」→敦賀1202着、1214発→大阪1336(所要5時間06分)
〇 白馬1004発→大糸線→糸魚川 1103着、1137発「はくたか」→金沢1227着、1251発「かがやき」→敦賀1339着、1414発→大阪1536(所要5時間32分)
〇 白馬1123→大糸線→ 糸魚川 1306着、1327発「はくたか」→敦賀1516着、1544発→大阪1706(所要5時間43分)
〇 白馬1301→大糸線→糸魚川 1545着、1628発「はくたか」→敦賀1817着、1844発→大阪2009(所要7時間08分)
〇 白馬1340→臨時増便バス→糸魚川1456着、1527発「はくたか」→敦賀1717着、1744発→大阪1907(所要5時間27分)
〇 白馬1551→大糸線→糸魚川 1721着、1729発「はくたか」→敦賀1918着、1944発→大阪2109(所要5時間18分)
〇 白馬1710→臨時増便バス→糸魚川1826着、1845発「はくたか」→金沢1935着、2003発「つるぎ」→敦賀2100着、2108発→大阪2231(所要5時間21分)
白馬発18時以降の列車・バスは略させていただきます。
速いのは糸魚川-白馬の臨時増便バス乗車
大阪-白馬の最短所要時間は、臨時増便バスによる4時間49分で、全般的には臨時増便バスの方が所要時間は短い結果でした。
南小谷での乗り換え待ちがないのは大きいと言えます。
その意味で、敦賀と糸魚川の2回乗り換えだけで行ける敦賀「はくたか」と臨時増便バスの乗り継ぎは推薦できます。
北陸新幹線糸魚川コースで残念なのは、敦賀まで来ない金沢止まりの「はくたか」があることと、「つるぎ」が敦賀から富山までの運転で、糸魚川まで行かないことです。
大阪から敦賀、金沢、糸魚川、南小谷の4回乗り換えでは、一般の人には推薦しづらいものがあります。
大阪-白馬の北陸新幹線経由と中央線経由がほぼ同距離の偶然性
大阪-白馬の移動と言えば中央線名古屋経由の方が先に思いつきます。
大阪-白馬の距離は、北陸新幹線敦賀・糸魚川経由の実キロ数が439.3キロ、東海道新幹線・中央線名古屋経由の実キロが438.2キロで、1.1キロ差であり、ほとんど同距離となる、偶然にも珍しい区間です。
運賃は同額、北陸新幹線回りの「サンダーバード」と「はくたか」、東海道新幹線・中央線回りの「のぞみ」と「しなの」の特急料金合計額もほぼ同額です。
大阪-白馬の鉄道利便性は中央線名古屋経由?
では、中央線名古屋経由の所要時間はどうでしょうか。
ここでは便宜上、新大阪を起点として記載します。
一例として、新大阪6:00発で白馬11:22着、所要5時間22分です。
同じく、新大阪6:57発で白馬11:42着、所要4時間45分ですが、これは塩尻-白馬を特急「あずさ」乗車による時間です。
新大阪11:06発は白馬14:50着、所要4時間44分の速達乗り継ぎもあります。
また、運転期日は限られますが、名古屋-白馬直通の臨時「しなの51号」では、新大阪7:30発→名古屋8:19着、8:27発で白馬11:57着で、所要4時間27分、名古屋での1回だけの乗り換えです。
総体的に見ると、新大阪-名古屋の東海道新幹線、名古屋-松本「しなの」の60分間隔運転は時刻表無しでも計画できる便利さがあります。
松本-白馬の大糸線は、途中停車駅は多いものの糸魚川発着と比べると本数が多く、安心して利用できるとは言えます。
北陸新幹線糸魚川経由は、事前の綿密な乗り継ぎ計画が重要です。
最大4回の乗換回数と、乗換待ち時間の長さに改善余地
大阪から北陸新幹線糸魚川経由で白馬へ誘導するには敦賀、糸魚川の2回乗り換えで所要4時間台を前面に出すことです。
臨時増便バスは効果的ですが、金沢止まりの「はくたか」が弱みです。
「はくたか」の敦賀延長、もしくは「つるぎ」の糸魚川延長が望まれます。
糸魚川では構内配線の関係もあり、臨時延長運転するなら上越妙高までの方が折り返し運転は容易です。
ただ、大糸線利用促進を趣旨に、上越妙高まで現実に延長設定するかどうかはまた別の話です。
また、時間帯によりますが敦賀、金沢、糸魚川、南小谷の4回乗り換えに加えて、金沢、糸魚川、南小谷の3駅での待ち時間は全般的に長すぎます。
北陸新幹線往復よりも中央線との循環コースでの相乗効果
以上のことから、大阪-白馬を往復とも北陸新幹線、糸魚川経由は臨時増便バスで補強しても利用促進には限りがありそうです。
大糸線南小谷-糸魚川と北陸新幹線の車窓、沿線の魅力を、臨時増便バス運転と併せてPRしていくとともに、JR東海と協調して、大阪-白馬の往復は北陸新幹線と中央線の循環コースの方向性としてもよいのではないでしょうか。