全区間普通列車で日帰りは無理。新幹線を合理的に組み合わせるのが日帰りポイント
夏の旅行シーズン前に問い合わせをいただく中で多いのは、青春18きっぷ(以下、「青春18」)による東京からの只見線日帰り周遊です。
2024年夏の只見線臨時列車が公表されましたので、臨時列車を含めて東京からの日帰りコース内容を整理したいと思います。
なお、現時点で2024年夏の青春18の発売情報はまだありませんが、ここでは従来どおり発売されることを前提に記載します。
今後の青春18の動きによっては内容が変わることもあり得ますので、予めご了承ください。
只見線乗車の前提要件
〇 東京-東北線-郡山-磐越西線-会津若松-只見線-小出-上越線・高崎線-東京の一筆書き一周コースを基本とします。
逆コースも同様です。
〇 会津若松から只見線に乗車し、途中の会津川口や只見まで乗車後、会津若松に戻るプランを見かけますが、ここでは只見線全線乗車を基本とします。
〇 東京からの只見線を含めた全区間を普通列車だけで往復することはできません。
東京-郡山または東京-浦佐で新幹線乗車となります。
〇 出発日が月曜~金曜の平日か、土日・祝日かによって列車計画が異なります。
「只見線満喫号」の土日・祝日運転日と一致する場合は、同列車の利用が可能になります。
〇 青春18活用とは別の話として、東京-会津若松は、JR磐越西線郡山経由のほかに、東武・野岩鉄道・会津鉄道のコースもあります。
JR線でないので、運賃・料金は別になります。
日帰り可能の7コース(一部区間は新幹線または東武・会津鉄道経由)
8コースありますが、日帰り不可のコースが一つあったため、7コースになります。
以下、時刻の「:」は略させていただきます。
なお、コース内訳の中の下線は新幹線乗車区間で、別に運賃・料金が必要な区間です。
◆ 平日のコース(土日・祝日も利用可)
① 東京→郡山→会津若松-只見線→小出→浦佐→上越新幹線→東京
東京707発→宇都宮858着、912発→黒磯1004着、1022発→新白河1045着、1051発→郡山1031着、1115発→会津若松1231着、会津若松1305発-只見線-小出1747着、1831発→浦佐1841着、1853発「とき338号」→東京2012着
【補足】
東北線の乗り継ぎ列車が多いのが特徴のコースです。
宇都宮、黒磯、新白河と3回乗り換えが伴います。
東京829発→高崎1012着、1024発→水上1131着、1139発→小出1256着、小出1312発-只見線-会津若松1724着、1730発→郡山1836着、郡山1900発「やまびこ218号」→東京2044着
【補足】
①と逆回りのコースです。
高崎と水上の乗り換えで只見線始発の小出に出られるのは①より楽です。
新幹線乗車が東北新幹線郡山-東京になる分、東北線普通列車の乗り継ぎの多さもなく、お薦めできるコースです。
◆ 8月の土日・祝日「只見線満喫号」乗車のコース
運転日は8月3・4・10~12・.17・18・24・25です。
指定席と自由席があります。
なお、7月20・21・27・28日は「風っこ只見線満喫号」としてトロッコ列車が全車指定席で運転されます。
7月の「風っこ只見線満喫号」の場合は、以下の④のコースで乗車できます。
③のコースは会津若松付近での前泊になります。
③ 東京→東北新幹線→郡山→会津若松-只見線「只見線満喫号」→小出→上越線・高崎線→東京
東京640発「やまびこ203号」→郡山820着、郡山829発→会津若松941着、会津若松950発→只見1207着、1327発→只見線「只見線満喫号」→小出1440着、1513発→越後湯沢1555着、1752発→水上1834着、1844発→高崎1948着、2007発→東京2201着
【補足】
先に東北新幹線で郡山まで向かうコースです。
7月運転の「風っこ只見線満喫号」は会津若松発時刻が9:12発となって、上記よりも早まるため、同日中の郡山での東北新幹線接続で乗ることはできず、乗車の場合は前泊となります。
只見駅では1時間20分の滞在時間があります。
昼食、駅前周辺観光などで過ごします。
越後湯沢で約2時間の待ち時間があります。
越後湯沢-高崎を新幹線乗車の場合、16:03発「たにがわ412号」で高崎16:32着後、16:40発普通列車で東京18:39着になります。
④ 東京→上越新幹線→浦佐→小出→只見線「只見線満喫号」→会津若松→郡山→東北線→東京
東京704「とき303号」→浦佐822着、浦佐835発→小出844着、915発→只見線→只見1029着、只見1248発「只見線満喫号」→会津若松1542着、1620発→郡山1736着、1749発→新白河1828着、1832発→黒磯1855着、1900発→宇都宮1952着、1958発→東京2151着
【補足】
このコースでは、7月20・21・27・28日運転の「風っこ只見線満喫号」にも乗車できます。
只見12:48発は上記と同じで、会津若松着は15:55着ですが、磐越西線乗り継ぎは上記と同じです。
「風っこ只見線満喫号」の場合は、全車指定席のため事前に指定券購入が必要で、立席乗車はできません。
只見駅で2時間19分の滞在時間があります。
レンタサイクルで只見湖や博物館見学などで過ごします。
郡山-東京は①同様、新白河、黒磯、宇都宮の3回乗り換えです。
東京-会津若松を東北線、磐越西線でなく、東武・野岩・会津鉄道の私鉄、第三セクター路線に乗車するコースです。
私鉄、第三セクター路線区間では青春18での乗車はできませんが、参考までにご覧ください。
⑤ 東京→北千住→東武・野岩・会津鉄道→会津若松→只見線→小出→浦佐→上越新幹線→東京
東京712発→日暮里→北千住734着、743発「リバティきぬ105号」→鬼怒川温泉935着、937発→会津若松1157着、1305発-(以下、①と同)
【補足】
上記区間のうち東京-北千住と、西若松-会津若松はJR区間で、キロ数はわずかですが青春18を活用できます。
⑥ 東京→小出→只見線→西若松→東武・野岩・会津鉄道→北千住→東京
東京829発→高崎1012着、1024発→水上1131着、1139発→小出1256着、小出1312発-只見線-西若松1711着、西若松1716発→会津田島1819着、1822発→会津高原尾瀬口1843着、1943発→野岩鉄道・東武(中略)→北千住2313着、2324発→日暮里→東京2346着
【補足】
西若松乗り換えです。
会津若松までの乗車で乗り換えた場合、このコースで同日中に北千住に着くことはできませんのでご注意ください。
また、東武特急の最終列車には間に合わず、上記普通列車となります。
⑦ 東京→上越新幹線→浦佐→小出→只見線「只見線満喫号」→会津若松→東武・野岩・会津鉄道→北千住→東京
東京704「とき303号」→浦佐822着、835発→小出844着、小出915発→只見線→只見1029着、1248発「只見線満喫号」→会津若松1555着、1624発→会津田島1735着、1748発「リバティ会津154号」→北千住2051着、2103発→東京2121着
【補足】
⑧ 東京→北千住→東武・野岩・会津鉄道→会津若松-只見線「只見線満喫号」→小出→上越線・高崎線→東京
※このコースで、会津若松発「只見線満喫号」の当日乗車はできませんでしたが、参考までにお知らせします。
【総括】
只見線全線乗車の推薦コースは、②東京→小出→只見線→会津若松→郡山→東北新幹線→東京です
在来線の乗り換えが少なく、日帰りとして効率的です。
なお、磐梯山、猪苗代湖畔、スイッチバック駅跡のある中山宿、翁島-磐梯町のS字カーブのある磐越西線も、只見線とは別の見どころがあります。
安価な切符は?
やはり青春18に勝るものはありません。
2024年夏の青春18きっぷはまだ公表されていませんが、公表までじっと待つこととしましょう。
JRへの問い合わせはしないようお願いします。
青春18きっぷがない時の運賃は
東京-東北線-郡山-磐越西線-会津若松-只見線-小出-上越線・高崎線-大宮の一周一筆書き乗車券(10,010円)と、大宮-東京重複分の乗車券の別購入(571円)での乗車になります。
また、新幹線特急券は別料金です。
8月の最繁忙期以外の土日・祝日の連続2日間なら週末パス(8,880円)を使うこともできます。
新幹線特急券は別料金ですが、運賃的には安くなります。
参考までに、北千住-会津若松を東武特急・野岩・会津鉄道経由時の運賃、特急料金は合計6,930円です。
東北・上越新幹線で東京-大宮は在来線普通列車で移動し、大宮-郡山または大宮-浦佐を新幹線乗車にすると、運転・料金が節約できます。
特急料金で見ると、東京-郡山、東京-浦佐の新幹線指定席料金は4,270円ですが、大宮-郡山・浦佐の乗車とすると3,170円になります。
これは東京からの場合200キロを超えますが、大宮からでは200キロ以内になり、料金差が生じるためです。
東京-大宮の運賃571円も同様に節減になります。
東京-大宮は新幹線の低速運転より在来線の高速運転で?
それに加えて、東京-大宮の新幹線は時速320km/hの「はやぶさ」でも130km/hまでしか出せません。
東京-大宮は新幹線で25分、在来線普通電車で31分で、その差は6分です。
大宮での乗り換え時間を含めて東京-大宮は40分見当です。
在来線の方が高速運転をしている感もあり、新幹線では高速性能を持て余す奇妙な気分になる区間です。
品川・横浜方面からは上野東京ラインで、新宿からは埼京線快速、湘南新宿ラインで、いずれも大宮乗車をお薦めします。
今夏の只見線旅行計画の参考になれば幸いです。
※ 写真は本文と無関係です。