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京葉線ダイヤ再改正に猛反対の習志野市長と、反発に対する千葉市長の話を拝見して

京葉線ダイヤ再改正に猛反対の習志野市長と、反発に対する千葉市長の両方の話を読んでの感想です

産経新聞、2024年6月3日付け、「京葉線ダイヤ再改正に猛反対、宮本泰介・習志野市長に聞く『利用者にマイナス』な理由」を拝見しました。

9月からの京葉線新習志野駅停車列車の本数削減となるダイヤ再改正に対する、反対の理由を習志野市長にインタビューした内容です。

そのあと、千葉市長の定例会見が同新聞の「京葉線ダイヤ再改正 千葉・習志野の反発に神谷千葉市長『駅でメリットデメリット異なる』」で別途、掲載されました。

今回は、この2人の市長の話の感想を、習志野市長の話の後、千葉市長の話の順に分けてそれぞれ書きたいと思います。

 

◆ 習志野市長関係

9月からの新習志野駅の停車列車本数削減に対する私案を、6月2日付け、拙「習志野市からJR東日本への京葉線ダイヤ変更の反対意見表明について考える」で書かせていただきました。

以下、太字は新聞記事での市長の話の一部分を引用させていただいたものです。

→は、読ませていただいての感想です。

感想部分の一部は、6月2日の拙意見・感想内容と重複する箇所がありますが、予めご了承ください。

 

(以下引用)

「今回は、各駅停車しか止まらない新習志野駅のある市としては停車本数が減る。利用者にはマイナスで、駅を中心に街づくりをする市としても、ネガティブな情報はイメージの低下になる」

~中略~

「そもそも3月の改正で各駅停車を増やしたのはJRだ。改正理由に当初、各駅停車の利便性向上を前面に掲げたが、今度は速達性重視みたいになっている」

→ 新習志野駅の停車列車本数を増やしたのはJR東日本が行なったことであって、習志野市は別にJR東日本に対して停車列車を増やしてとお願いしたわけではない、停車列車を増やすのはいいが、減らすのを勝手に行なうな、ということかと受けとめます。

 

新習志野駅の停車列車本数が増えた際の利用者の声や、2024年3月改正前と改正以降それぞれの同駅の乗車人員データはあるでしょうか。

利用者が徐々に増えていった手応えはあるでしょうか。

また、「駅を中心に街づくりをする市としても、ネガティブな情報はイメージの低下になる」という中で、停車列車増加に対する習志野市側の新たな構想、夢はあったのでしょうか。

新習志野駅を中心とする街づくりは、どのような構想をお持ちでしょうか。

それとも、これから新習志野駅を中心とする街づくりを考えていくにあたって、という未来的な話でしょうか。

 

(以下引用)

---9月の再改正で減便になっても、3月改正前よりは多い

「9月に減便予定の各駅停車を3月から利用している人たちがいるが、短期間でその列車がなくなる。利用者を粗末にする対応だ。快速が増えた代わりに各駅停車が減らされ、不利益になっており、各駅停車の本数が多いとかは関係ない」

→ 9月の再改正で減便になっても、3月改正前よりは多いとフォローする聞き手側に対し、「各駅停車の本数が多いとかは関係ない」と一刀両断しているのが印象的であり、また象徴的です。

あくまで、一度増やした列車本数を半年足らずで勝手に減らされたことに対しての視点です。

別にJR東日本を弁護するわけではありませんが、「たしかに、9月の再改正で減便になっても3月改正前よりは多いが」という前置きのフォローがあってもよいのではないかと感じますが、まさにそんなことは「関係ない」のでしょう。

「利用者を粗末にする対応だ」と発言されていますが、自治体においてもやむを得ず事業を縮小、補助金の減額、他事業との統合、事業の廃止等をすることはあると思います。

その影響を受ける市民や事業者から「市民や事業者を粗末にする対応だ」と言われたら自治体としては心外ではないでしょうか。

今回、声明文書上の主旨文面で「粗末」と表現をするのはいかがかと思いましたが、口頭でも改めて粗末と言われることは、よほどの怒りがあるにしても、JR東日本だけでなく、他方面からもかえって共感が得られにくい結果を招かないでしょうか。

 

全体の話としては理解できるとしても、冷静沈着さを失った「関係ない」「粗末」といった熱い言葉の連続によって、かえって共感を失っていくことはないでしょうか。

 

(以下引用)

「JRは、考え抜いた改正内容を責任を持って発表していると思う。(千葉市などから改正見直しを求める)大きな声が出たから変更するというものではないはずだ」

→ 「大きな声が出たから変更するというものではないはずだ」という、声の大きいところが得をしたかどうかは別として、千葉市のほか、外房線内房線沿線市町からの声、千葉県もそれに賛同する声、利用者からの声を総合すると、JR東日本は1年間は様子を見てという悠長さは許されなかった現実は受けとめるしかないと思います。

「考え抜いた改正内容を責任を持って発表している」JR東日本であっても快速、通勤快速の各駅停車化による都心への所要時間増の影響、苦情の大きさは想定できなかったと認めての結果です。

だからと言って、各駅停車を快速に変えただけの改正ということについて、筆者は前回、各駅停車列車の編成両数減で対応してはどうかと、折衷案、両立案として提案させていただいたものです。

 

--今後、周辺の沿線自治体と連携するのか

「いや、現時点では強い反対表明で十分に伝わっているはずだ。まずはJR側の反応を待つ。誰も声を上げなかったら、このまま終わる。しっかりと反対意見を表明しなければもっと減便されるかもしれず、正式に要望書を出すつもりだ」

→ 「強い反対表明で十分に伝わっているはず」かもしれませんが、二俣新町市川塩浜の2駅を持つ市川市等は今後、どのような声を上げるでしょうか。

はたして、習志野市の意見に同調の声により、正式な要望書の時点では習志野市以外の複数の市区での連名となるでしょうか。

 

◆ 千葉市長関係

「駅でメリットデメリット異なる」のコメントを読んで

続いて、産経新聞、2024年6月3日付け、「京葉線ダイヤ再改正 千葉・習志野の反発に神谷千葉市長『駅でメリットデメリット異なる』」を拝見しました。

以下の太字は新聞記事の一部を引用させていただいたものです。

→は、読ませていただいての感想です。

 

(以下引用)

一部の各駅停車を快速に戻すJR京葉線のダイヤ再改正を巡り、千葉県習志野市の宮本泰介市長が猛反発していることについて、立場の異なる千葉市の神谷俊一市長は3日の定例会見で「誰もが100%納得することがないのが、ダイヤ改正の難しさだ」と述べるにとどめた。

→ 「誰もが100%納得することがないのが、ダイヤ改正の難しさ」以上の発言のことを語ると議論に発展するので、ここで話をとどめたと思われます。

千葉市が快速通過の幕張豊砂駅も抱えることを考えれば、習志野市に同調する部分もあるでしょうが、海浜幕張-東京、蘇我-東京の速達ダイヤの充実、復活が第一である以上、千葉市側で両者を同時に立てることは難しかったことが感じられます。

習志野市内の京葉線駅は快速通過の新習志野駅だけですが、快速停車の海浜幕張駅南船橋駅のような駅も抱えていたら、どのようにコメントするのだろうかと思います。

仮定の話をしても仕方ないかもしれませんが、「誰もが100%納得することがない」悩みを抱える中、快速は復活充実させよ、各駅停車は現状本数を維持せよと両方を立てるコメントをするでしょうか。

 

誰もが100%納得するのは困難であっても、それに近づけようとする代案がないまま、各自治体が京葉線の路線全体という総論でなく、自身の自治体の駅だけの各論に終始し、JR東日本に投げ返すだけでは前に進んでいかないと思われます。

繰り返しで恐縮ですが、筆者の拙案で自治体のたたき台にしていただける部分があれば幸いです。

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(※ 筆記にあたり、産経新聞、2024年6月3日付け、「京葉線ダイヤ再改正に猛反対、宮本泰介・習志野市長に聞く『利用者にマイナス』な理由」及び同「京葉線ダイヤ再改正 千葉・習志野の反発に神谷千葉市長『駅でメリットデメリット異なる』」から一部を引用及び参考にさせていただきました。)