N700系に変わる「こだま」の楽しみは元グリーン車の車両が3両に増えること
山陽「こだま」で活躍している500系が、2027年中に終了することが話題になっています。
鉄道に無関心の人でも、先頭車の顔で500系ほど話題を集めた車両はないでしょう。
500系は全列車、全車両同一仕様、同一定員にこだわるJR東海の考え方に合わず、東海道新幹線から締め出されてしまったのは残念なことです。
500系「こだま」でも博多下車でなく博多南線で博多南まで乗り続けたい
先般、拙ブログで500系と700系「ウエストひかり」、JR九州415系の3列車乗車のコース提示をさせていただきましたが、500系に乗るなら博多到着後、そのまま博多南線で博多南まで乗らなければ心残りという話を聞きました。
たしかに、博多到着後、回送列車で基地へ向かうならともかく、そのまま博多南行きになって博多南まで行くなら、博多で降りるのは後ろ髪を引かれそうです。
補足になりますが、前回の新大阪11時37分発「こだま849号」の場合、大阪だけでなく東京からでも乗り継げることを考慮した含みがありました。
しかし最初から大阪発に特定すれば、新大阪7時40分発「こだま841号」で博多南まで乗車後、下関-小倉の415系に存分に乗ることが出来ます。
500系「こだま」時刻表
500系「こだま」と、博多南線直通列車時刻は下記の状況となっています。
なお、新大阪発着列車の岡山発時刻及び各時刻の「:」は略させていただきます。
【下り】
新大阪始発 → 岡山始発 → 博多着 → 博多発 → 博多南着
- 719 → 1000 → 1009 → 1017「こだま835号」
740 → → 1204 → 1209 → 1217「こだま841号」
1137 → → 1551 → 1609 → 1617「こだま849号」※
- 1350 → 1651 → 1653 → 1701「こだま851号」
- 1650 → 1951 → 1953 → 2001「こだま857号」
1737 → → 2151 → 2212 → 2220「こだま861号」
【上り】
博多南始発 → 博多着 → 博多発 → 岡山着 → 新大阪着
652 → 700 → 704 → → → 1125「こだま842号」
739 → 747 → 748 → 1055 - - 「こだま844号」※
1042 → 1050 → 1052 → 1355 - - 「こだま850号」
1242 → 1250 → 1254 → → → 1725「こだま854号」
- - - - 2139 → 2242 「こだま868号」
- - 2032 → 2321 - - 「こだま874号」
※の「こだま849・844号」は「ハローキティ新幹線」車両です
快適で安価な元グリーン車席は、500系は6号車、N700系は4~6号車
500系に乗るなら、元グリーン車を普通車に格下げした6号車が一番というのはよく知られているところです。
4号車から8号車まで同じ2&2席ではありますが、最初からグリーン車座席の6号車の方が椅子の座り心地や座席間隔の点で一層な気分に浸れます。
通常は20列の普通車に対し、元グリーン車ゆえの17列配置の分、ゆったり感が高まりです。
今後のN700系の「こだま」転用に際しては、元16両編成の1~3号車、8~11号車、16号車で「こだま」用8両編成を組みます。
8~10号車の3両が、「こだま」8両編成化にあたり、4~6号車に位置することになります。
500系では6号車の1両だけだった元グリーン車が、N700系の「こだま」転用にあたり、4~6号車の3両へと、500系に比べて倍加するのは嬉しいことです。
500系運用の「こだま」が徐々にN700系に置き換わっていく際は、じこくひょうをみなくてもひとまず6号車を選べば500系、N700系のどちらにあたっても元グリーン車座席に座れます。
なお、700系「こだま」には元グリーン車座席の普通車転用パターンはありません。
N700系「こだま」化後のお薦め座席の順序
N700系の「こだま」8両編成化にあたり、7号車(現11号車)と8号車(現16号車)は九州新幹線「さくら」のような2&2席に変わると思われます。
現N700系16両編成の16号車は座席間隔が狭いタイプです。
「さくら」の両方の先頭車、1号車と8号車は、N700系16両編成の先頭、1・16号車より一列少なくなっており、その分、座席の前後間隔は他の号車同様の広さが配慮されています。
N700系の「こだま」転用にあたり、8号車指定席だけでも一列分減らして2&2席にしてくれれば座席間隔としては他の中間車同様に広くなるのですが、経費のほか、座席と窓割が一致しなくなることもあって、そこまでは行なわないと思われます。
N700系「こだま」化後の、8両編成のお薦め号車は下記のとおりです。
推薦1:4~6号車の指定席
推薦2:7号車の指定席
「さくら」指定席に近いイメージです。
推薦3:8号車の指定席
2&2席になるのはよいとして、座席間隔が劣ります。
4~7号車が満席の時以外は、4~6号車、次に7号車にしましょう。
推薦4:自由席の2・3号車
3&2席ですが、座席間隔が広いタイプです。
最後に:お薦めしない1号車
先頭車の定員を300系に合わせたため、座席間隔が8号車同様に座席間隔が狭く、しかも3&2席なのでA席の出入りはしにくくなります。
前席の人が座席をリクライニングすると、なおさら狭く感じます。
山陽「こだま」が全列車N700系になった時の期待
500系置き換えが完了してから700系置き換えに進みますが、700系の1・8号車の座席間隔はN700系よりも広い点では優れています。
N700系に全車置き換え後の期待としては、「こだま」の高速運転による時間短縮ですが、岡山-小倉間では駅数が国鉄時代より増えている分、速度が上げられず、東海道新幹線でいえば熱海-三島のようなイメージです。
駅間距離が短いから無理とはいっても、相生-岡山、小倉-博多のように60キロ以上離れた駅間もあります。
「こだま」とはいえ、N700系化による高速化で、「のぞみ」待避駅が変わり、多少であっても新大阪-博多の所要時間短縮を期待したいものです。
また、岡山-博多の「こだま」は、岡山での「ひかり」接続がよくないため極力、新大阪-博多の設定とすることが望まれます。
500系の活躍に先が見えてきてはいますが、500系を引き継ぐN700系「こだま」の元グリーン車の車両が500系の1両から3両に増える点は楽しみといえるでしょう。