新庄行きが「山形・新庄」の表示では一部車両が山形止まりと錯覚しないか?
今回は、列車の行き先表示器についてのささやかな話です。
山形新幹線下り列車は、新庄行きまたは山形行きとなっています。
新庄行きについては、山形経由をわかりやすく伝えるため、駅ホームや車両の行き先表示器は「山形・新庄」という表示になっています。
これは「山形経由新庄」行きという意味です。
国鉄時代の話ですが、一列車として3方向の行き先を同時に組んだ気動車急行もありました。
鉄道ファンの間では多層建て列車ともいわれました。
筆者は国鉄時代型主体で過ごしてきたため、「山形・新庄」という行き先表示を見ると、7両編成のうち前側の号車は新庄まで行く車両、後ろ側の号車は途中の山形止まり野車両と一瞬、錯覚してしまう人がいるのではないかと気になります。
山形新幹線「つばさ」は、東北新幹線仙台行き「やまびこ」を併結するパターンがほとんどです。
その時の駅ホームの行き先表示器が、列車愛称「やまびこ・つばさ」、行き先「仙台・山形」のように表示しているケースなら、行き先が福島から分かれているのですから理解できます。
「山形・新庄」の場合は同一方向という点で「仙台・山形」の表示とは性格が異なります。
山形新幹線の場合、同じ方向だけの新庄行き列車で「山形・新庄」という行き先表示は紛らわしいように感じます。
「山形経由・新庄」「(山形経由)新庄」のように、経由の文字を含めた方が誤解がないと思います。
「山形・新庄」の行き先表示器と類似のケースで京急の例ですが、京急泉岳寺行きは「品川経由泉岳寺」と表記しています。
「経由」の文字サイズを意図的に小さくして、品川止まりではないこと、品川を経由しての泉岳寺行きであることを間接的に伝えているのは乗客への配慮といえます。
山形新幹線でも「山形経由新庄」の表示にしてはどうかと思います。
単に「新庄」の表示でも十分では?
山形新幹線新庄開業は1999年12月4日です。
2023年度の平均乗車人員は新庄駅で1,058人、山形駅は9,652人となっています。
新庄市の推計人口は2024年7月1日現在で33,374人です。
山形新幹線の列車本数は16往復で、下りは新庄行きと山形行きが各8本、上りは新庄発が9本、山形始発が7本となっています。
行き先表示器で山形を強調したい意図もあるのかもしれませんが、単に「新庄」では山形経由かどうかわからない、伝わらないという人はどれだけいるでしょうか。
山形新幹線新庄開業からまもなく25年周年を迎える年数の長さと実績からすれば、単に「新庄」の行き先表示でもよいのではないかと感じました。