平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

水戸へ行かない水戸線列車ダイヤの状況をみる

小山方面から友部で折り返しても「水戸線」の状況をみてみました

水戸線は、東北線小山-常磐線友部間50.2キロの路線で、水戸へ行かない水戸線とも言われています。

なぜ、小山-友部の区間なのに水戸線なのかといえば、1889(明治22)年に水戸鉄道により小山-水戸間が開業したからです。

1895(明治28)年に海岸線(現在の常磐線)が土浦から友部まで延伸され、友部-水戸は実質的に海岸線(常磐線)の一部となった経過があります。

1909(明治42)年の線路名称制定時に友部-水戸は常磐線編入され、小山-友部は水戸鉄道の名を取って水戸線となったということです。


水戸線の水戸直通と友部止まりの列車ダイヤの状況

下りの、小山・下館→友部・水戸方面列車は、水戸方面直通9本、友部止まり13本で、比率は直通41%、友部止まり59%で、友部止まりの方が多くなっています。

上りの、水戸・友部→下館・小山方面列車は、水戸からの直通13本、友部始発11本で、比率は直通54%、友部止まり46%で、下り列車とは異なり、水戸からの直通の方が多くなっています。

車両はE531系5両編成のみで、415系時代の4連2組での8両編成は過去の話になりました。

 

友部止まり列車の水戸方面接続ダイヤ状況は

下りの友部止まり13本、上りの友部始発11本、計24本のいずれも常磐線水戸方面列車との接続は最短3分、最長7分、平均5分の接続となっており、乗り換えの手間は伴うものの、待ち時間としては短く、良好といえます。

 

水戸直通列車でも友部の時間調整で常磐線列車待避があると直通意義は弱まる

小山10:36発の勝田行きは、友部に11:42着、11:50発で、友部に8分停車し、水戸には12:12着、勝田12:25着です。

その8分停車の間に、常磐線土浦11:12発勝田行きが11:46到着後、11:47に、先に発車して、水戸に12:01着、勝田12:08着です。

小山10:36発の勝田行きに乗り続けると、直通なのはよいのですが、常磐線土浦発の列車に比べて水戸で11分、勝田で17分、到着が遅れます。

逆に言えば、水戸・勝田へ急ぐ人は友部で乗り換え、急がない人はそのまま水戸線直通電車でという使い分けはできるのですが、現実的には常磐線列車に乗り換える人の方が多いと思われます。

 

上り列車の場合は、このようなケースがもっと多くなります。

勝田15:02発小山行きは友部15:30着、15:49発で、友部19分停車です。

友部19分停車の間に、勝田15:24発常磐線上野行きが友部15:45着で接続します。

これも直通列車ではあっても、後続の常磐線列車で友部乗り換えの方が時間は節約できるケースです。

 

水戸21:10発小山行きは友部21:26着、21:40発で、友部14分停車ですが、その間、後続の常磐線上り列車初めて到着しません。

この場合は、友部21:38着の下り特急「ときわ77号」の到着、接続を図っている形となっています。

 

水戸線のダイヤ状況をみてきましたが、友部止まり列車が友部での時間調整をせずに水戸まで直通運転してくれることが利用者にとっては理想ではあります。

しかしながらJR東日本では、交直流両用電車が必要な路線であり、E531系の付属5両固定編成を充てるしかないため、友部-水戸間の輸送力が過剰になるとの考えがあるかと思われます。

 

近年、東京-水戸の常磐線普通列車が日中は土浦で打ち切られています。

土浦-水戸はグリーン車付き基本10両編成を、普通車のみの付属5両編成に変えた状況をみると、友部-水戸で常磐線水戸線それぞれの列車で同区間の本数が増えるほどの輸送需要ではないという捉え方と思います。

 

水戸線の乗車人員の状況

JR東日本の路線別利用状況(2019~2023年度)で、小山~水戸の1日平均の乗車人員をみてみます。

小山~友部は、2019年度6,730 人、2020年度4,679人、2021年度 5,002人、2022年度 5,636人、2023年度5,978人です。

常磐線土浦~勝田は、2019年度46,355人、2020年度26,382人、2021年度29,450人、2022年度36,045人、2023年度40,651人です。

この数字からは、友部~水戸及び小山~下館の区間だけの数値を見ることはできません。

 

水戸線は全列車E531系5両編成のみの運用

現在の水戸線E531系5両編成のみです。

415系時代の日中は4両、混雑時は8りょうという芸当はできなくなりました。

終日5両編成ということでの、日中の輸送力過剰の面が、ある意味では水戸線の昼間の増発を抑制した結果ともなっています。

E531系5両編成を3両編成化して、日中は3両、混雑時は6両という、E131系直流電車の交直流版があれば水戸直通が可能かとも思います。

現在の交直両用普通電車は、実質的にE531系の10両または5両編成に限られています。

JR東日本東北線黒磯-新白河や、常磐線原ノ町方面も含めて、E531系5両固定編成一本化の方が扱いやすいという考えかと思います。

 

水戸線及び東北線黒磯-新白河常磐線原ノ町方面のE531系5両編成の全般的な輸送力状況を見ると、同形式の3両編成版を別に造って充当し、水戸線東北線では1時間間隔のダイヤにする余地はあるのではないかとも感じました。

 

(※ 筆記にあたり、Wikipedia水戸線」及びJR東日本「路線別ご利用状況(2019~2023年度)を参考にさせていただきました。)