函館新幹線は「はやぶさ」10両単独編成で東京-函館5往復設定?
旅行総合研究所タビリス、2024年9月10日付け、「函館新幹線『フル規格、分割併合なし』の理由。整備費は上振れへ」を拝読しました。
北海道新幹線東京-札幌の列車に東京-新函館北斗間で函館行き列車を併結せず、単独での東京-函館の列車を運行し、10両の新幹線編成が新函館北斗-函館を走行するという新たな方向性が注目されます。
記事の一部を引用させていただきます。
(以下引用)
【ケース2】東京~函館直通あり、分割併合なし
~中略~
2024年9月9日の函館市議会常任委員会で、市は検討の進捗状況を報告。今後の検討は「ケース2」のフル規格で進めることを明らかにしました。
「ケース2」の場合、東京と札幌の両方面から乗り入れ、新函館北斗駅での分割併合はありません。それをフル規格で走らせるということは、北海道新幹線で使っている車両を、基本的にはそのまま函館駅に乗り入れさせることを意味します。
~中略~
東京方面からは、東京発の10連車両がそのまま「函館行き」となって乗り入れることを想定しているとみられます。
ただし、現実には、北海道新幹線は東京~札幌間の運行が基本となるため、東京~函館間の列車は限られた本数しか設定できないでしょう。
~中略~
フル規格車両がそのまま乗り入れるのであれば、電圧を新幹線規格に変えるか、車両を複電圧対応にする必要がありますが、その費用が含まれていないわけです。
(以上引用)
記事の中で、「新幹線等の函館駅乗り入れに関する調査業務調査報告書」の画像によると、東京-函館は5往復設定となっています。
北海道新幹線札幌開業時のダイヤの考え方としては、東京-新函館北斗の「はやぶさ」がそのまま札幌まで運転することが基本と思われます。
東京-函館の単独列車設定とすれば、新青森止まりの「はやぶさ」を函館に延長することがもっとも容易な策と思われます。
札幌開業の見通しが明確でない中、函館直通新幹線ダイヤの話をするのも早計ではありますが、東京-新函館北斗-函館の直通5往復を想定してみました。
東京-新函館北斗-函館直通列車の想像ダイヤ
東京-函館を独立した列車で直通設定となると、新青森止まりの「はやぶさ」を函館に延長することがもっとも容易と考えられます。
新函館北斗ではスイッチバック運転となり、最少でも5分の停車時間は必要と思われます。
また、奥津軽いまべつと木古内の停車・通過によっても所要時間は変わりますが、ここでは停車することを基本に、新函館北斗5分停車を見込んだ上で、函館の発着時間を想定してみました。
函館-新函館北斗間は所要15分を見込みました。
【下り】
① 東京7:08発「はやぶさ3号」→現在の臨時列車、新函館北斗行きを、函館行きで定期列車に設定
→新函館北斗10:55着、11:00発→函館11:20着
★ 東京-函館直通列車を設定する以上、午前中の函館到着列車設定は地域にとって必須と思われます。
② 東京9:08発「はやぶさ11号」→新青森行きを、函館行きで設定
→新青森12:29→新函館北斗13:31発→函館13:51着
★ 後続の東京9:24発「はやぶさ13号」は速達型であり、新青森の到着時刻が接近しているため、新青森-新函館北斗はノンストップとします。
「はやぶさ」が後続の「はやぶさ」に抜かれるのは、仙台-盛岡でも事例はありますが、東京-函館直通列車での追い抜かれは地域に不満をもたらすため、通過とするものです。
「はやぶさ11号」を速達型にして、「はやぶさ13号」は盛岡以北各駅停車型で入れ替えれば理想的です。
③ 東京11:20発「はやぶさ21号」→新青森行きを、函館行きで設定
→新青森14:43→新函館北斗15:53発→函館16:08着
④ 東京16:20発「はやぶさ35号」→新青森行きを、函館行きで設定
→新青森19:37→新函館北斗20:45発→函館21:00着
⑤ 東京19:20発「はやぶさ43号」→新函館北斗行きを、函館行きで設定
→新函館北斗23:33発→函館23:48着
★ 函館到着がかなり遅い時間帯になりますが、「はやぶさ43号」の前の東京18:20発「はやぶさ41号」は札幌直通の最終列車に充てられると思います。
【上り】
① 函館6:19発「はやぶさ10号」→現在の新函館北斗発を函館発で設定
② 函館8:30発「はやぶさ16号」→新青森発を函館発で設定
③ 函館11:15発「はやぶさ24号」→新青森発を函館発で設定
④ 函館15:20発「はやぶさ38号」→新青森発を函館発で設定
⑤ 函館17:15発「はやぶさ46号」→新青森発を函館発で設定
函館-新函館北斗の電化設備の課題
また、新幹線車両の函館直通にあたっては、タビリスの記事でも指摘されているように、「フル規格車両がそのまま(※函館に)乗り入れるのであれば、電圧を新幹線規格に変えるか、車両を複電圧対応にする必要」という課題もあります。
この場合、電圧を新幹線規格に変更する工事で対応し、新幹線E5系車両の副電圧対応の改造はしないと思われます。
E5系編成の一部の副電圧改造は、これを施こさない編成もあるため、同系全体の車両運用を複雑化させるためです。
現在の「はこだてライナー」は役目を終え、札幌周辺の電化区間に転属すると思われます。
北海道新幹線札幌開業は当初の2030年度末開業は困難との話が伝えられています。
一説には2034年度頃ではとの情報もありますが定かではありません。
いずれにしても北海道新幹線札幌開業があってこその函館直通新幹線函館開業であり、開業見通しの様子を見守りたいと思います。
(※ 筆記にあたり、旅行総合研究所タビリス、2024年9月10日付け、「函館新幹線『フル規格、分割併合なし』の理由。整備費は上振れへ」を一部引用及び参考にさせていただきました。)