平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

上野-青森の寝台特急「ゆうづる」で583系パンタ下中段に乗る思い出話

東北線常磐線上野-青森で「ゆうづる583系寝台電車全盛時代の話です

東北新幹線が開業する前までは、上野-青森の移動は寝台特急の全盛期でした。

青森や北海道旅行では寝台特急に乗る機会が多くありました。

昼間の「はつかり」は所要約9時間を要すため、寝台特急の移動時間は効率的でした。

東北線経由「はくつる」1往復、常磐線経由「ゆうづる」7往復がありました。

このほかに夜行急行列車もありました。

 

上野-青森の東北・常磐線寝台特急ダイヤ

はくつる」と、「ゆうづる」7往復のうちの3往復は583系電車、4往復は当初は20系、後に24系の客車をEF80形機関車が牽引していました。

いずれも寝台は3段式でした。

当時の列車時刻について以下、JTBの時刻表復刻版1978年10月号から転記させていただきました。

時刻の「:」は略させていただきます。

 

【下り 上野→青森 寝台特急

上野発 青森着 列車    車両形式

1950→ 503  ゆうづる1号 583系

1953→ 508  ゆうづる3号 583系

2140→ 705  ゆうづる5号 583系

2153→ 851  ゆうづる7号 24系

2216→ 915  ゆうづる9号 24系

2300→ 950  ゆうづる11号 24系

2305→ 955  ゆうづる13号 24系

2221→ 711  はくつる583系

 

【上り 青森→上野の寝台特急

青森発 上野着 列車    車両形式  

1850→ 524     ゆうづる2号 24系

1854→ 538  ゆうづる4号 24系

1915→ 600  ゆうづる6号 24系

1920→ 608  ゆうづる8号 24系

2110→ 635  ゆうづる10号 583系

2115→ 652  ゆうづる12号 583系

2335→ 901  ゆうづる14号 583系

2358→ 918  はくつる   583系

 

上野-青森は583系ゆうづる」ひと筋

当時、上野-青森の昼間特急は「はつかり」で485系583系は3往復ずつの運用でした。

同じ「ゆうづる」でも24系客車よりも583系電車の方が速く、さらに「はくつる」は「ゆうづる」よりも高速でした。

客車列車は翌日に青森と上野に着くとその日の夜まで動きませんが、583系は「はつかり」で日中も上野-青森を走ります。

日中だけ走る485系も同様です。

昼夜休まずに走り続ける583系に魅せられ、夜は583系ゆうづる」、昼は583系はつかり」にこだわって乗っていました。

 

583系ゆうづる」での希望乗車列車

それほど何度も上野-青森移動をしているわけではありませんが、下りの上野→青森は「ゆうづる1号」または「ゆうづる5号」の選択がほとんどでした。

ゆうづる1号」では万が一、車両故障等での運休があったとしても後続、3分後の「3号」があるので、安心感があったからです。

ゆうづる1号」は翌朝4時30分に起床の車内放送が始まりました。

起床時間が早いため、冬は辛いときもあり、上野21:40発「ゆうづる5号」にした時もありました。

「5号」の青森7:05着は眠るには理想的な時刻です。

もっとも583系好きのため、眠るのはもったいないと、夜が明けるとともに車窓とともに走行音を楽しみました。

東北線経由「はくつる」の方が上野発時刻は遅く、「ゆうづる5号」よりも乗車時間が短くなりますが、逆に少しでも長く583系に乗っていたかった気持ちもありました。

また、常磐線経由の電車寝台「ゆうづる1・5号」ならば、取手-藤代のデッドセクション、交直流電流切り替えによる車内蛍光灯の一時的消灯、床下機器、パンタグラフの切り替え音も味わえます。

はくつる」の場合、デッドセクションの黒磯は0時~0時30分頃の通過となり、睡魔に勝てない思いがありました。

 

帰路の青森→上野は冬を除き、青森23:35発「ゆうづる14号」が多く、これも「ゆうづる1号」と同様に、23:58発の「はくつる」が続行するため、故障時等の安心感がありました。

もっとも、故障等の途中運休で「はくつる」に振り替えられたとしても、「はくつる」が満席だったら寝台列車ゆえに乗車は無理ですが、勝手に安心していました。

ゆうづる14号」の楽しみは、5:55着の平(現:いわき)で、拙ブログの題名にするほど気に入っている駅名でした。

また、藤代→取手のデッドセクションが往路同様に体感できます。

東北線に光が当たって、常磐線にはそれがあまり当たらない日中の特急列車ダイヤでの判官贔屓常磐線応援の気持ちも頭の片隅にありました。

 

583系寝台での我が儘な希望ベッドの号車と席番位置指定

583系寝台では、号車と席番、ベッドの位置にこだわりがありました。

3・5・8・10号車、パンタグラフ付きのモハネ582車両で、パンタグラフ下の1・2・11~14番、それも中段へのこだわりです。

パンタグラフ下の位置は屋根が低いため通常、3段のところ2段しかベッドが設けられず、国鉄はこの位置の上の段を中段と定めていました。

583系では上・中段の天井高さが低すぎ、中央通路式なのでベッド以外に居場所がなく、横になるほかはありません。

高速運転でよく揺れるので、上段への進入と退去はとくに大変でした。

パンタグラフ下中段だけは高さに余裕があって、天国的でした。

 

電動車なのでモーター音が全区間で聞こえます。

この音が楽しいか、うるさいかが583系の鉄道趣味の分かれ目です。

 

希望の寝台位置は、みどりの窓口の人にお願いするしかないので丁重に、窓口が空いている時を見計らって行きます。

さらに欲があって、下りは13番中段、上りは14番中段を希望します。

この位置は、対向列車のすれ違いが見られるほか、全区間でのパンタグラフのすり板の音、電流切り替え音、スパークも見られるからです。

1・2番側のベッド位置での上野側のパンタグラフは直流専用で、水戸-青森ではパンタグラフが降下され、未使用となります。

 

このような、わがままばかりのお願いをするので、駅の担当の人からは億劫がられていました。

窓口が混んでいる時期は細かなお願いはできないため、ベッド幅の広い下段で割り切り、号車も指定しませんでした。

パンタグラフ付き号車が好きだったので、先頭車の1・13号車に当たると、下段の寝台幅はよいとしても残念な気持ちが残りました。

天井が高く圧迫感がないグリーン車にも乗っておきたかったですが、2段式の中段には勝てませんでした。

 

京都の鉄道博物館583系を見ながら、感謝の気持ちでお礼をしました。

 

(※ 筆記にあたり、JTBのMOOK時刻表復刻版1978年10月号を参考にさせていただきました。)