平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

奥羽線福島-米沢の板谷峠4駅連続スイッチバック駅の思い出

(旧)赤岩・板谷・峠・大沢の4連続スイッチバック駅時代の思い出話です

奥羽線といえば、福島-米沢の板谷峠での4駅連続スイッチバックを思い出します。

4駅とは(旧)赤岩、板谷、峠、大沢です。

貴重な4駅連続スイッチバック連続体験ができるのはここだけです。

当時は貨物列車が多く走っていて、急勾配区間上での列車交換にはスイッチバック構造による平坦な駅構造が必要でした。

連続スイッチバック箱根登山鉄道でも味わうことはできます。

箱根登山鉄道と比べるのもどうかとは思いますが、奥羽線板谷峠は重量機関車による重厚感で、演出が異なります。

 

板谷峠のEF71とED78

板谷峠を行くEF71形、ED78形の交流電気機関車には、板谷峠をモノともしない頼もしさ、力強さが感じられました。

EF71形、ED78形の2種が造られたのは、貨物列車が板谷峠を行く際、ED78の重連では牽引力に不足があるが、EF71の重連では力が余るという、帯と襷の世界の話になって、その中間であるED78とEF71の重連の組み合わせになった経過がありました。

 

貨物列車に比べれば軽量の客車普通列車はED78単機でも峠を越えられたでしょうが、ED78は仙山線の旅客・貨物にも充てられていたため、奥羽線専属のEF71牽引の列車が多くありました。

時にはED78とEF71の重連、EF71の重連もありました。

板谷峠でのED78の重連だけは、見たことがありませんでした。

 

板谷峠を行く客車列車に乗る際、機関車がEF71であれば喜びながらも、ED78であったら少しがっかりした思い出があります。

普通客車列車の短編成でも、重厚・重量感のあるEF71に牽いてほしいという、身勝手な思いがありました。

ED78でも東北線の主力ED75より車体が長い分、勇ましいのですが、EF71の存在が大きすぎました。

 

板谷峠スイッチバック駅下車でのこだわり計画の思い出

4駅連続スイッチバックを体感するには、福島発米沢方面行き普通列車、または米沢発福島行き普通列車に乗れば可能です。

板谷峠普通列車は電車、気動車でなく、全列車が客車列車なのも嬉しい演出です。

折角行くならば、4駅で途中下車して、次の列車が来るまで佇んでいたい気持ちが沸いてきます。

 

スイッチバック駅配置が異なる赤岩・板谷と峠・大沢との違い

赤岩と板谷に降りるなら下り列車での下車、峠と大沢に降りるなら上り列車からの下車が希望でした。

赤岩と板谷へは、下り列車ならば一旦待避線に進入し、スイッチバック運転で駅ホームに進入する演出が味わえるからです。

逆に、峠と大沢の駅は、上り列車が一旦待避線に進入し、バック運転で駅ホームに進入していく演出があります。

スイッチバックせずに降りることに心残りがありました。

駅に降りる前に、スイッチバックしてから駅ホームに入っていってほしいという願望でした。

出発の際に、進行方向と一旦逆に進んだあと、正規の方向に進むのだから、結果的には同じなのですが、こちらの気分的な話です。

 

当時、赤岩と大沢だけは下車しておきたかった

当時の事情から、福島で前泊し、翌日に福島-米沢を往復しながら4駅下車を目指しましたが都合上、全4駅下車は無理で、2駅のみの下車となりました。

下車駅に選んだのは、赤岩と大沢でした。

板谷と峠の両駅は、駅前に人が割合多い印象があり、赤岩と大沢の方が孤独さ、ローカル感があると思ったからでした。

 

旅行期日は明確ではありませんが、以下のような内容でした。

・前日福島泊

・福島8:10発列車→米沢9:26着後、米沢で下車。

これにより、下り列車での4駅スイッチバック体験はひとまず完了しました。

・米沢11:27発福島行き→赤岩12:20着で下車し、赤岩でしばらく佇みます。

赤岩は行き止まりホームの先の、複線トンネルが印象的で、トンネルは行き止まりですが、長い編成の貨物列車を想定して、トンネルの奥はかなり深くなっています。

・赤岩13:50発下り列車で再び米沢方面へ向かいます。

・大沢14:26着で下車し、大沢駅周辺を観察します。

・14:55発福島行きで、峠・板谷・赤岩を計4回通りながら、福島15:53着。

・福島16:28発急行「まつしま8号」で上野20:36着で終了です。

 

板谷と峠の果たせぬスイッチバック下車と重なる人生観

板谷と峠の2駅は列車内観察にとどまりましたが、夏場を利用して、朝は早くから、夜は19時頃まで頑張れば板谷と峠にも降りられたのにと悔やみましたが、後の祭りでした。

また行く機会もあるだろうと思いながらスイッチバック体験は結局果たせないまま、山形新幹線開業を迎えました。

スイッチバックがなくても、通年営業の峠に行くことは当面の間はできそうですが、板谷については決して長い保証はありません。

 

ふと、また会いましょうと言って別れた人と、再び会えそうで会えなかった出会いにも似ている感じがしました。

 

(※ 筆記にあたり、JTBのMOOK時刻表復刻版1978年10月号を参考にさせていただきました。)

 

※ 写真は本文と無関係です。