週末パスと青春18きっぷ3日間用とを比較してみました
2024年冬季の青春18きっぷが連続3日間1万円ならば、JR東日本管内の「週末パス」土日連続2日間8,880円の方が安価で使いやすいという声が聞こえるようになりました。
今回は、週末パスが青春18きっぷ3日間用と比較しての有利な点をみてみたいと思います。
週末パスの利用要件
〇 土・日曜の連続2日間利用であること
〇 最繁忙期の利用でないこと
〇 東京を起点とすると、JR東日本管内の南東北地区仙台、山形、酒田周辺までの旅行イメージであること
上記の要件を満たしていることが、週末パス利用の前提となります。
週末パスが有利な6点
以下の点が、青春18きっぷ3日間用より優れていると考えます。
① 最初から土・日曜の連続2日間旅行の場合
祝日も含めた土曜・日曜中心の連続2日間での旅行であれば、普通列車だけの乗車であっても青春18きっぷ3日間1万円よりも、週末パス8,880円の方が1,120円安くなります。
② 無理をして3日連続使用をする必要がないこと
①と類似の内容ですが、休暇取得困難等の関係で、連続3日間旅行はどうしても無理だが、土・日曜の連続2日間なら休暇が無関係なので可能という人には、週末パスの方が便利です。
青春18きっぷ3日間用の場合、土・日曜の2日間で旅行した後、3日目の月曜分の未使用はもったいないので、自宅や通勤時の最寄り駅から一駅隣の駅の往復に使うというようなケースが生じます。
無理をして青春18きっぷの平日1日分を使うなら、最初から平日対象外の週末パスの方が、予定のない月曜分または金曜分の無理やり乗車に悩む必要がなくなります。
③ 親子で旅行する場合(大人8,880円、子供2,600円)
親子で青春18きっぷ3日間合計2万円に比べ、週末パスは11,480円で済みます。
その差は8,520円にもなります。
小児用のない青春18きっぷで、親子2人分の連続3日間はさらに高い価格に感じます。
④ 山形鉄道、阿武隈急行、福島交通、会津鉄道(西若松-会津田島)、北越急行、えちごトキめき鉄道(妙高高原-直江津)、上田電鉄、しなの鉄道、長野電鉄、アルピコ交通(松本電鉄)、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道、富士山麓電気鉄道、伊豆急行に乗車する場合
一部の私鉄や第三セクター路線、計14の鉄道路線に乗れることも青春18きっぷにない、週末パスの強みです。
一例として、東京→中央線→小淵沢→小海線→小諸→しなの鉄道→軽井沢→北陸新幹線→東京のような列車乗り継ぎでは、小諸~東京で週末パスが効力を発揮します。
小諸から、小諸→しなの鉄道→妙高高原→えちごトキめき鉄道→上越妙高→北陸新幹線→東京のコースでも同様です。
また、福島-仙台を東北線と阿武隈急行とで、東京-水戸を常磐線と鹿島線・鹿島臨海鉄道とでそれぞれ、往復を乗り分けられることなども週末パスならではの利点です。
⑤ 一部区間で新幹線や特急に乗車したい場合
全区間普通列車の青春18きっぷでも、一部区間だけ、どうしても新幹線に乗った方が速くて便利な時があります。
週末パス、特急券は別購入するものの、乗車券の別購入不要が持ち味です。
普通列車の乗り継ぎ時間帯が限られる東北線黒磯以北や・上越線などでは、新幹線乗車も可能という週末パスのバックアップが強みを発揮します。
⑥ 普通列車のみの移動では1泊2日になるが、新幹線移動なら日帰りで済む場合
青春18きっぷでの普通列車乗り継ぎで移動できる距離には限度があります。
そのため、行き先によっては、新幹線なら日帰りできるが、普通列車往復では1泊が必要というケースがあります。
一例として、只見線は青春18きっぷで乗りたくなる路線の一つですが、東京からの日帰りで計画すると難しくなってきます。
帰路を新幹線乗車とする週末パスでこそ日帰りが可能になります。
週末パスに新幹線特急料金を加えた場合、青春18きっぷの方が安価ではありますが、新幹線日帰りと比べ、青春18きっぷでは1泊となる分の宿泊費も含めると、青春18きっぷの方が安いと言えるかどうかになってきます。
以上ですが、働いている人を中心に、JR東日本の南東北区間の範囲までに限れば、普通列車のみの連続3日間よりも、土・日曜日連続2日間で、特急券別払いで新幹線にも乗れる週末パスの方が無理がなく、魅力的かと考えます。