平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

往復割引だけではない 国鉄時代からの制度や切符は最終的に廃止方向へ?

往復割引だけでは終わらない国鉄時代からの制度や切符の最終姿を想定してみました

JR6社の、2026年3月からの往復・連続乗車券廃止、往復割引廃止が大きな話題になっています。

これまでにも、新幹線から在来線特急乗り継ぎの割引廃止や、青春18きっぷ「改悪」などの国鉄時代からの制度見直しの経緯から、往復割引にも手が付けられたかという印象です。

往復割引の措置は、飛行機への対抗の意味もあったはずですが、現在ではそこまでの配慮は不要であり、東京-新大阪の乗車を、東京-西明石の往復割引切符で乗車されるのは本来の趣旨ではない、本末転倒という見識が強くなってきたのも一因かと感じます。

 

筆者は、今回の往復割引で一段落するとは思えません。

JRを旅客6社に分割した以上、自社のみでの運賃・料金・企画切符類の完結を目指し、他社との按分精算はなくす方向に進むと考えます。

国鉄時代から引き継いだ制度や切符類はまだ残っていますが、これらも段階を経て制度内容の見直し、最終的には廃止に向かうのではないかと想定しています。

以下、今後、制度内容の見直し、廃止に進むであろうと想定する順に書かせていただきたいと思います。

毎回のことですが、何の根拠もない、単なる勝手な想像ですので予めご了承ください。

 

〇 特急自由席の指定席化による収入確保

今回の「のぞみ」自由席1両減もその一策と考えます。

 

〇 普通乗車券で未使用区間が100キロを超えによる払い戻しの見直しまたは廃止

 

〇 特急が2時間以上遅延による払い戻しの廃止

飛行機で言えば、何時間遅れようと、空港から空港への輸送に対する航空運賃という解釈で払い戻しをしない考え方を特急にも当てはめます。

 

〇 「レール&レンタカーきっぷ」の廃止

運賃2割引、特急料金1割引ですが、「のぞみ」「みずほ」は割引にならず、東海道・山陽新幹線で「のぞみ」に乗れないのは実用性に欠けます。

今更、「のぞみ」乗車を可能にする前に、このきっぷ自体を見直すと考えます。

 

〇 「ジパング俱楽部」の見直しまたは廃止

65歳以上を対象に年会費3,840円、一年に最大20回まで、うち最初の3回までは運賃・料金が2割引、4回目以降は3割引、2年目以降は1回目から3割引です。

 

青春18きっぷが、名称とは裏腹に高齢者に愛用されていながら、2024年冬季からの使用方法が変えられたことから、ジパング俱楽部も手が加えられていくと思われます。

仮に廃止でなく継続するとしても、JR東日本の「大人の休日俱楽部」の考え方を、他のJRでも採り入れ、各社管内での乗車範囲になるのではないかと考えます。

 

〇 「青春18きっぷ」の廃止

2024年冬季の発売実績、そして2025年春季、夏季の実績を見て存廃を考えるのではないかと思われます。

仮に継続するとしても、JR各社単独、自社管内のみ有効となっていくと考えます。

 

〇 東京・大阪の電車特定区間の普通運賃制度の廃止

並行私鉄、地下鉄等との競合はありますが、大都市の収入財源確保の観点から、運賃を見直しながらも、最終的には制度廃止の方向になるのではないかと思われます。

東京、名古屋、京阪神地区に数多く定めた特定区間に普通運賃、定期運賃の設定も、並行私鉄への流れの影響も見ながら改変されていくかと思われます。

 

〇 特定の都区市内駅を発着する制度の廃止

札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、北九州、福岡の各市内(区内)が該当します。

一例として、京浜東北線川口から東海道新幹線乗車の際、乗車券が東京都区内発となっていて、川口駅Suicaで入場すると、東京駅の東海道新幹線用自動改札機の通過に支障をきたします。

川口-赤羽の切符を購入して、新幹線東京駅自動改札機で、新幹線特急券、東京都区内発の乗車券とともに3枚同時に入れれば通過できるのですが、なかなかそこまで知れ渡っていません。

東京都区内発がなくなって、最初から川口発、東海道新幹線下車駅までの乗車券であれば、この東京駅自動改札機トラブルもなくなります。

 

〇 途中下車制度の廃止

「切符は目的地まで買いましょう」とのキャンペーンが以前、あったように思いましたが、その当時は「最終」目的地までという捉え方でした。

現在では、最初に下車する駅が、最初の目的地という解釈で、途中下車かどうかは無関係という風潮に感じられます。

 

長距離切符であっても、予め乗車列車を計画した中で、最初に下車するまでの効力となり、下車後は前途無効となっていくと思われます。

それにより、新幹線による連続乗り継ぎを除き、長距離切符の存在自体がなくなります。

鹿児島中央から旭川までが、一日の最長切符と思います。

鹿児島中央6:35発-九州新幹線「みずほ600号」-博多7:51着、8:00発-東海道・山陽新幹線「のぞみ10号」-東京12:57着、13:20発-東北・北海道新幹線「はやぶさ25号」-新函館北斗17:47着、18:14発-函館・室蘭・千歳線特急「北斗19号」-札幌21:41着、22:00発-函館線特急「カムイ45号」-旭川23:25着が最長となります。

博多、東京、新函館北斗、札幌での途中下車はできません。

下車した場合は、前途が無効になります。

 

〇 学生割引乗車券の見直しまたは廃止

〇 団体割引乗車券の見直しまたは廃止

 

〇 乗車券における、新幹線と並行在来線の利用路線の明確

東京-熱海、米原-新大阪、新下関-博多の、新幹線と在来線が、同じJRでも会社を分けたことが、どちらに乗ったのか、運賃配分はどうかと、精算の問題をややこしくしています。

乗車券購入の際、上記3区間では、新幹線に乗るのか、在来線に乗るのか、予め決めてからの乗車、切符購入をすることが条件になってきます。

 

〇 新幹線乗車区間の運賃計算の単独化(在来線運賃と通算しない

上記の第二段階として、東京-博多間で新幹線乗車と決めたら、乗車券を新幹線区間で独立させ、在来線と通算しない方法が考えられます。

 

〇 東海道新幹線山陽新幹線の、新大阪での特急料金・グリーン料金の別計算化

東京-博多の新幹線特急料金は、国鉄時代からの名残りのおかげで、全区間を同一路線として設定しています。

現在ではJR西日本にとって、東京-新神戸の特急料金が東京-新大阪と同額であることはあまり愉快でないようです。

「ひかり」の場合、東京-新大阪と東京-新神戸の特急料金は5,490円で同額です。

「のぞみ」は料金を見直して、東京-新大阪は5,810円、東京-新神戸は6,030円に設定しました。

現在は、山陽区間での「のぞみ」料金を上げていますが、最終的には北陸新幹線上越妙高駅のように、JR西日本JR東日本との別料金体系による合算方式にもっていきたいのではないでしょうか。

 

〇 JR2社以上にまたがる区間での、運賃・料金の別計算化

最終的には、JRは6社分割されたのだから、切符は1枚であっても、運賃は会社ごとの別計算による合計額であり、並行私鉄や飛行機との競合は別問題という方向性を目指しているように思われます。

実際に、東京-高松を在来線で移動する際、現在は11,650円ですが、JR4社で別計算とすると、JR東日本・東京-熱海1,980円、JR東海・熱海-米原6,050円、JR西日本米原-児島5,500円、JR四国・児島-高松1,090円の4社合計額で14,620円で、2,970円高くなります。

 

国鉄時代の名残の引き継ぎから脱却して、JRは一体協調ながらも基本はそれぞれ単独、独立採算の観点から、これまで親しんできた国鉄制度や商品は時代や環境の変化も鑑みて変えていくという姿勢になっていくでしょうか。

今後ともJR共通制度の変革には目が離せないところです。

 

(※ 筆記にあたり、旅行総合研究所「タビリス」、2024年12月4日付け、「JR運賃制度はどこへ向かうのか。往復割引廃止。通算運賃はどうなる?」を参考にさせていただきました。)