普通列車の中・長距離乗車ではロングシートと乗換回数の多さの、どちらがポイント?
東洋経済オンライン、2025年2月24日付け「青春18きっぷ改定後、格安移動の『傾向と対策』 移動手段か旅情重視の鉄道旅か分けて考えよう」を拝読しました。
LCC、高速バス、フェリーなど鉄道以外の交通機関の最新情報や、青春18きっぷ以外のJR各社によるフリーきっぷの利便性等に触れた内容です。
今回は、LCC、高速バス、フェリーの移動手段部分はさておき、本線普通列車の短距離運用やロングシートを中心とした一部分を引用させていただきながら、感想を書かせていただきたいと思います。
(以下引用)
LCC、高速バス、フェリーに共通しているのは、どれも青春18きっぷより運賃が高くなるが、移動ははるかに快適になることだ。
JRの普通列車は、座席のロングシート化で設備が年々簡素になり、運行区間を短くして乗り換えが多くなる傾向がある。同じ鉄道会社が新幹線や特急などを運行している手前、普通列車をあまり快適にしたくないという事情がある。
~中略~
「青春18きっぷ」の旅が格安鉄道旅の王道だった頃は、その安さと使い勝手から、日本全国でJRの普通列車が愛用されたわけだが、今後は鉄道の旅向きの地域とそうでない地域がはっきりしていくのではないかと思われる。
大阪から高松、広島への普通列車の旅は、全列車が転換クロスシートの車両なので、普通乗車券を購入しての移動でもそれほどコスパが悪いとは思われない。
いっぽうで、東海道本線の静岡地区、紀伊半島、高山本線などは景色がいいにもかかわらずロングシート主体で、汽車旅旅情には程遠く、休日デートなどを計画してもそのような路線は選ばれないであろう。
(以上引用)
ここで、東海道・山陽・東北の各本線の主要区間で、平均的にどの程度の乗り換え回数かをみてみたいと思います。
東海道線東京-大阪556.4kmでは熱海、浜松、豊橋、大垣、米原の5回乗り換えが平均で、計6列車への乗車、一列車で約93kmの乗車距離です。
短時間乗車の区間は、浜松-豊橋36.5kmと、大垣-米原35.9kmで、約35分間の乗車時間です。
次に山陽線で、ここでは大阪-下関561.2kmでみてみます。
姫路、相生、岡山、三原、岩国の5回乗り換え、6列車乗車、一列車平均94kmで、東海道線に類似していました。
最短乗車区間は姫路-相生20.7km、約20分乗車でした。
続いて東北線で、東京-仙台351.8kmをみてみます。
宇都宮、黒磯、新白河、郡山、福島、白石の6回乗り換えで、一列車平均50km。
最短は黒磯-新白河の22.1km、約25分、続いて福島-白石34.1km、約35分の乗車時間でした。
記事の中では紀伊半島や高山本線にも触れていますので、平均状況結果だけ触れます。
紀伊半島では、JR東海区間の名古屋-新宮231.1kmでみると、津と多気の2駅乗り換え、一列車平均77km走行が平均です。
JR西日本区間の和歌山-新宮200.7kmでは御坊と紀伊田辺の2駅乗り換え、一列車平均67kmが平均で、いずれも乗り換え回数としては普通かと思います。
高山線岐阜-富山225.8kmでは、美濃太田、高山、猪谷の3駅乗り換え、一列車当たり約56kmが平均でした。
岐阜-美濃太田27.3km、35分乗車は短いですが、美濃太田を境に普通列車の乗車人数に差異があるため、美濃太田での列車運用分割は仕方ない面もあります。
なお、岐阜発下り列車の美濃太田乗り換えは少なく、高山直通が多くなっています。
東京-仙台で普通列車6回乗り換えの多さの一原因は、黒磯-高久の交直流の電流切り替えにあります。
そのため、黒磯-新白河に特定して交直両用電車のE531系付属5両編成を充てています。
これを、E531系の交直両用機能を活かして宇都宮-郡山で運用してもらえれば、黒磯と新白河の乗り換えがなくなります。
しかしながらJR東日本は新白河駅において、E531系用の折り返し配線構造にしたため、黒磯-新白河の短区間運用で割り切っています。
また、宇都宮-黒磯で直流のE131系短編成による割り切り運用も同様です。
加えて郡山、福島、白石でも運用を区切っているため、最大6回もの乗り換えを伴います。
少なくとも交流電化区間では、新白河-福島と、福島-仙台の運用として、郡山と白石の乗り換えはさせない配慮がほしいところです。
ロングシートであっても中・長距離、長時間乗り換えなしの方がありがたい?
普通列車で東京-仙台を行く人はほとんどいないでしょうが、列車運用を計7列車の区間に分けたのでは、あまりにも一列車区間の運用が短すぎます。
一列車当たりの乗車時間が短く、乗り換え回数が多くても、転換クロスシート、ボックスシートのほうがいいか。
それとも、ロングシートであっても中・長距離、長時間連続乗車の方がいいか。
どちらかを選ぶとしたら、どちらの方がいいでしょうか。
もちろん転換クロスシートでの長距離乗車が一番がいい訳ですが、現実の東北線には現状以上の設備を望むのは難しい状況です。
無理やりの選択としては、少なくとも東北線東京-仙台の現状ダイヤをみる限りは、ロングシートでも長距離、長時間乗車の方がいいかと考えます。
短時間乗車での乗り換え回数の多さでは、ゆったりできず、仮眠もできないからです。
また、乗り換え列車ですでに座席が埋まっていて、着席率が下がることも挙げられます。
これが長距離直行列車であれば、立席乗車であっても、途中駅での下車で空席ができた際に、駅到着前に座れる可能性が高くなります。
乗り換えさせられると、既に地元の人等が先に座っているため、座れない率が高まることも理由です。
列車の編成も短くなり、座席数が減る上に、ボックス席が4人掛けと2人掛けの列車では、ロングシートよりも座席数は減ってしまいます。
最後に、「鉄道の旅向きの地域とそうでない地域がはっきりしていくのではないか」との思いについては、東北線の事例で言えば後者ではありますが、だからといって在来線自体の魅力を捨てることまではできません。
拙ブログでも、鉄道側の事情も踏まえながら、こうしたらどうかと前向き、建設的提案を心がけつつ、やがては改善につながる希望を抱きます。
乗客が減れば鉄道側も改善するだろうということには、なかなかならないと思います。
以上、普通列車の長時間乗車部分での感想を書かせていただきましたが、隣の芝生は青く見えるとはいえ、同じ東海道・山陽線でも、関西・中京・岡山・広島地区の転換クロスシートが嬉しいという以前に、当然となっている地区はうらやましいと改めて感じました。
(※ 筆記にあたり、東洋経済オンライン、2025年2月24日付け「青春18きっぷ改定後、格安移動の『傾向と対策』 移動手段か旅情重視の鉄道旅か分けて考えよう」から一部を引用及び参考にさせていただきました。)
