往路は小田原→熱海を東海道新幹線、帰路は御殿場線沼津→国府津経由が交通費最少と思われます
JR東海版の青春18きっぷともいえる「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」(以下、「JR東海夏きっぷ」)が話題を呼んでいます。
この切符は、EXサービスで熱海~米原を着駅とする東海道新幹線を予約することを発売条件としているのが特徴です。
これは、東京~熱海と新大阪~米原の在来線はJR所管でないため、この2区間をJR東海が所管する東海道新幹線に乗ってきてもらって、新幹線下車駅で「JR東海夏きっぷ」を発券することにより、東京~熱海の在来線を受け持つJR東日本、同じく新大阪~米原のJR西日本から、JR東海の自社収入にしようとする計算が感じられます。
今回は、東京から「JR東海夏きっぷ」を使ってJR東海の在来線旅行をするにあたり、東京~熱海間の往路の新幹線乗車区間と、帰路の在来線または新幹線での乗車区間の経費を比較してみたいと思います。
以下の内容で、東京〜国府津〜小田原〜熱海の在来線(東海道線)運賃は全て別払いです。
(1)新幹線で東京~熱海を往復利用のコース
往路:新幹線で東京→熱海
帰路:新幹線で熱海→東京
【コース再掲】
東京→新幹線「こだま」自由席→熱海→「JR東海夏きっぷ」で周遊→熱海→新幹線「こだま」自由席→東京 (※東京~熱海は、熱海停車の「ひかり」自由席を含みます。以下、同。)
【交通費】
「JR東海夏きっぷ」3,900円
東京→熱海の新幹線自由席運賃・料金3,740円(※EXサービス予約)
熱海→東京の新幹線自由席運賃・料金3,740円
計11,380円
【コースの特徴】
東京~熱海を往復新幹線のため、フリー区間内を最大限の時間幅で乗車可能であり、フリー区間の末端までも行きやすいコースです。
帰路は熱海→東京の新幹線で普通列車乗り継ぎの疲れを癒やすという考え方もあります。
いずれにしても、東京~熱海の新幹線運賃・料金往復7,480円との費用対効果の考え方次第です。
(2)新幹線は東京→熱海、帰路は東海道線コース
往路:新幹線で東京→熱海
帰路:東海道線で熱海→東京
【コース再掲】
東京→新幹線「こだま」自由席→熱海→「JR東海夏きっぷ」で周遊→熱海→東海道線→東京
【交通費】
「JR東海夏きっぷ」3,900円
東京→熱海の新幹線自由席運賃・料金3,740円(※EXサービス予約)
熱海→東京の運賃1,980円
計9,620円
【コースの特徴】
往路は東京→熱海を新幹線ですが、帰路の熱海→東京は在来線(東海道線)という、今回のJR東海の新幹線乗車条件と、帰路は全区間普通列車による、もっとも青春18きっぷに近い利用方法です。
なお、熱海→東京の所要時間は、新幹線で約40分前後、在来線で約1時間40分です。
また、新幹線自由席料金は1,760円、普通列車グリーン車は1,550円(Suicaグリーン料金)です。
所要時間短縮と普通列車グリーン車の快適度のどちらを取るかの選択もあります。
(3)新幹線は東京→熱海、帰路は御殿場線コース
往路:新幹線で東京→熱海
【コース再掲】
東京→新幹線「こだま」自由席→熱海→「JR東海夏きっぷ」で周遊→沼津→御殿場線→国府津→東海道線→東京
【交通費】
「JR東海夏きっぷ」3,900円
東京→熱海の新幹線自由席運賃・料金3,740円(※EXサービス予約)
国府津→東京の運賃1,342円
計8,982円
【コースの特徴】
往路は東京→熱海を新幹線ですが、帰路は沼津から御殿場線に乗り換え、終点の国府津でフリー区間を終え、国府津→東京は東海道線というコースです。
熱海からの東海道線でなく、沼津から国府津まで御殿場線全線に乗るのは、熱海→東京よりも、国府津→東京の方が運賃負担が少ないこともありますが、御殿場線からの富士山車窓や、旧東海道線だった御殿場線の栄光時代の名残りのトンネルや鉄橋跡を楽しむ趣旨もあります。
(4)新幹線は小田原→熱海、帰路は東海道線コース
往路:東海道線で東京→小田原、新幹線で小田原→熱海
帰路:東海道線で熱海→東京
【コース再掲】
東京→東海道線→小田原→新幹線「こだま」自由席→熱海→「JR東海夏きっぷ」で周遊→熱海→東海道線→東京
【交通費】
「JR東海夏きっぷ」3,900円
東京→小田原の運賃1,518円
小田原→熱海の新幹線自由席運賃・料金1,290円(※EXサービス予約)
熱海→東京の運賃1,980円
計8,688円
【コースの特徴】
往路は東京→小田原を在来線、小田原→熱海を新幹線とするコースで、小田原と熱海の2回乗り換えが伴います。
これにより、(1)のコースよりも所要時間は要しますが、新幹線料金負担は減ります。
帰路は、熱海→東京を東海道線の一般的コースです。
(5)新幹線は小田原→熱海、帰路は御殿場線コース
往路:東海道線で東京-小田原、新幹線で小田原→熱海
【コース再掲】
東京→東海道線→小田原→新幹線「こだま」自由席→熱海→「JR東海夏きっぷ」で周遊→沼津→御殿場線→国府津→東海道線→東京
【交通費】
「JR東海夏きっぷ」3,900円
東京→小田原の運賃1,518円
小田原→熱海の新幹線自由席運賃・料金1,290円(※EXサービス予約)
国府津→東京の運賃1,342円
計8,050円
【コースの特徴】
往路は東京→小田原を在来線、小田原→熱海を新幹線とするコースです。
帰路は、御殿場線経由である点が(4)と異なります。
結論としては、この(5)がもっとも交通費の安価なコースです。
(6)新幹線は熱海→三島、帰路は東海道線コース
往路:東海道線で東京→熱海、新幹線で熱海→三島
帰路:東海道線で熱海→東京
【コース再掲】
東京→東海道線→熱海→新幹線「こだま」自由席→三島→「JR東海夏きっぷ」で周遊→熱海→東海道線→東京
【交通費】
「JR東海夏きっぷ」3,900円
東京→熱海の運賃1,980円
熱海→三島の新幹線自由席運賃・料金1,200円(※EXサービス予約)
熱海→東京の運賃1,980円
計9,060円
【コースの特徴】
往路は東京→熱海を在来線、熱海→三島を新幹線とするコースです。
帰路は東海道線です。
新幹線乗車距離はもっとも短いコースですが、東京→熱海の在来線運賃負担が全体の交通経費を押し上げて、(5)の小田原→熱海の新幹線よりも大きくなっており、お薦めはしません。
(7)新幹線は熱海→三島、帰路は御殿場線コース
往路:東海道線で東京→熱海、新幹線で熱海→三島
【コース再掲】
東京→東海道線→熱海→新幹線「こだま」自由席→三島→「JR東海夏きっぷ」で周遊→沼津→御殿場→線国府津→東海道線→東京
「JR東海夏きっぷ」3,900円
東京→熱海の運賃1,980円
熱海→三島の新幹線自由席運賃・料金1,200円(※EXサービス予約)
国府津→東京の運賃1,342円
計8,422円
【コースの特徴】
(6)のコースの帰路を御殿場線に変えた内容ですが、(6)同様、お薦めできるコースではありません。
(8)東京から静岡や名古屋方面まで新幹線乗車後、「JR東海夏きっぷ」を使用開始する方法
一例として、東京から紀勢線の末端、新宮まで「JR東海夏きっぷ」行くとして、有効2日間の中での乗車効率性等から、往路をEXサービス予約により、東京→名古屋の「のぞみ」自由席で移動するような方法もあります。
ただし、東京→名古屋での新幹線経費だけですでに1万円を超えており、「JR東海夏きっぷ」自体は安価ではあっても、そもそも「JR東海夏きっぷ」と組み合わせての普通列車旅行を楽しむ趣旨とは異なるため、ここではお薦めしません。
結論
(5)新幹線は小田原→熱海、帰路は御殿場線国府津コースの8,050円がもっとも安価となりました。
これは、在来線での東京→小田原と東京→熱海との運賃差に比べて、新幹線での小田原→熱海と熱海→三島との運賃・料金合計額の差が小さいことによるものです。
帰路の、東海道線熱海→東京の運賃1,980円に比べ、御殿場線回りによる国府津→東京の運賃1,342円は638円差です。
前記しましたが、この機会に御殿場線経由で富士山や、旧東海道線の栄光時代の名残り跡を見ながらの旅は「JR東海夏きっぷ」の締めくくりに相応しいと考えます。
沼津→国府津は、東海道線経由で約50分、御殿場線経由で約1時間30分です。
なお、安さを追求するならば御殿場線を途中の松田で降りて、小田急で新松田から新宿に行けば運賃は796円で済みます。
しかしながら「JR東海夏きっぷ」によるJR東海の普通列車を満喫する趣旨なので、国府津→東京の運賃1,342円、差額546円負担増があっても、御殿場線沼津→国府津の全線乗車、東海道線経由で東京へ向かう列車旅にこだわりたいと思います。
