上野東京ライン開通後、東京始発と上野始発がなくなって座れず不便になったか等に対する感想です
MSN、プレジデントオンライン、2025年11月21日付け「羽田空港への"ドル箱路線"が JR東日本に奪われる…東急・京急の"直通構想"がモタモタしているあいだに」を拝読しました。
2031年度開業を目指すJR東日本の羽田空港アクセス線参戦の真意に触れた、興味深い内容です。
今回は、この記事を拝読しての感想を書かせていただきたいと思います。
記事の中から、一部を引用させていただきます。
(以下引用)
上野東京ラインの開業時には、宇都宮線・高崎線から東京駅・品川駅間が乗り換えなしで便利に利用できることが盛んに喧伝されていた。結果はどうなったか。以前は上野駅や、東京駅で始発電車に座れていた利用者が、立ちっぱなしで利用する羽目になった。
そして今度は、この混雑した車内に、スーツケースを抱えた外国人観光客まで乗り込んでくることになるだろう。朝の通勤ラッシュの車内で、巨大なキャリーケースが転がる光景を想像してみてほしい。これが「利便性の向上」なのだろうか。
~中略~
それは本当に利用者のためになるのだろうか。結局のところ、この2800億円の巨大プロジェクトで一番得をするのは、JR東日本の株主だけになるだろう。
(以上引用)
平日17時以降の上野・東京始発普通列車のダイヤ状況を見る
上野東京ライン開業時に宇都宮線・高崎線から東京駅・品川駅間が乗り換えなしで便利に利用できることを謳い、「上野駅や、東京駅で始発電車に座れていた利用者が、立ちっぱなし」になったことは事実ではありますが、実際の列車ダイヤはどうでしょうか。
ここで、平日17時以降、東京・上野からの帰路の通勤時間帯の始発電車ダイヤを見てみてみたいと思います。
具体的には、上野東京ライン関係の、東海道線東京始発、東北・高崎・常磐快速各線の上野始発列車ダイヤの状況です。
併せて、総武快速線と横須賀線の東京始発ダイヤも見てみました。
なお、特急列車については、総武線「成田エクスプレス」は新宿・大船始発、常磐線「ひたち」「ときわ」は品川始発ではありますが、東海道線「湘南」、総武線「しおさい」は東京始発、高崎線「あかぎ」は上野始発です。
特急ダイヤの状況については、ここでは略させていただきます。
平日の17時以降の普通列車で、東京または上野始発ダイヤは以下の状況でした。
〇東海道線:17時台以降、22時台まで東京始発なし。23時台に東京始発あり。
〇東北線:17・19・22時台に各2本、18時台に3本、20・23時台に1本、上野始発あり。
〇高崎線:17・18・19・22時台に各2本、20時台に3本、21時台に1本、上野始発あり。
〇常磐快速線:17・20・23時台に各4本、18時台に5本、19時台に6本、21・22時台に各2本、上野始発あり。
〇総武快速線:17・18・19時台に各4本、20時台に3本、21・23時台に各2本、22時台に1本、東京始発あり。
〇横須賀線:17時台以降、東京始発なし。
以上のことから、平日夕方以降の通勤帰宅時において、全般的には東京または上野から始発の普通電車で座って帰ろうとする場合、東海道・横須賀線には、東京始発はありませんでしたが、東北(宇都宮線)・高崎・常磐快速の各線においては、始発電車はある程度設定されています。
帰路がこれらの時間帯と合えば、以前とは始発本数は比較にならないものの、残存した始発電車で座って帰ることは、ある程度早い時間に並ぶ前提で、着席可能と思われます。
上野東京ライン開通による便利さよりも始発駅での着席優先?
上野東京ラインが開通して東京・上野から座れなくなったのはそのとおりとしても、上野東京ラインが東京~上野でつながって、直通運転で乗り換えがない点では楽になり、速くなって便利になったという面もあります。
上野東京ラインがなかった時、夕方17時以降の帰宅時、東海道線普通電車で東京を降りて、山手線・京浜東北線の各駅停車で4駅目の上野で再び降りて、上野始発の東北・高崎・常磐快速線電車に乗り換えるには少なくとも約20分、上野始発で座っていくには30分ほどの余裕時間が必要です。
日中の場合、10時から15時まで京浜東北線は快速運転といっても東京と上野の2回乗り換えには変わりなく、今では東京~上野間で御徒町を通過するだけで、各駅停車の山手線と大差はありません。
2回乗り換えがゼロになった利点よりも、2回乗り換えてでも座れる方がよいでしょうか。
「立ちっぱなしで利用する羽目になった」と、デメリットの部分の方を強調するのはどうかと感じます。
東海道線名古屋駅と大阪駅の平日17時以降の始発ダイヤ状況を見る
ここで話は逸れますが、東海道線でのJR東海の名古屋駅、JR西日本の大阪駅など、始発列車で座る快速・新快速列車などを想定しない場面が浮かんできます。
平日17時以降で、大阪発下り東海道線(JR神戸線)は17時・18時台に新快速が各1本ありますが、そこまでの始発設定です。
同じく名古屋では、武豊線直通の区間快速に乗車すれば大府までは始発が多くありますが、大府から先、東海道線豊橋側への名古屋始発はありません。
東京の場合、同じ東海道線ではなく、東海道線から東北線へと変わりますが、名古屋・大阪と、上野東京ライン開業後の東京の前後直通運転列車ダイヤ状況は類似しています。
始発で座れなくても仕方ない、大阪、名古屋、東京で座れれば運がいい、途中駅からでも座れればまだ運がいい方と割り切るしかないと思います。
どうしても座りたい人は、東京では普通列車グリーン車または特急、関西ではAシート、うれしートという方向性になろうかと考えます。
羽田空港アクセス線で誰が得をする?
東北・高崎・常磐線からの羽田空港直通電車設定により、「朝の通勤ラッシュの車内で、巨大なキャリーケースが転がる光景」が生まれることはやむを得ないと考えます。
今でもすでに浜松町や品川まで、普通列車や通勤電車はキャリーケースの人を含めて混雑しています。
それらの電車の混雑が、新設される羽田空港行き電車の混雑に移動するということですが、羽田空港行きではない電車の混雑が、上野~品川間で緩和されるという面もあると思われます。
上野東京ライン開通以前の羽田空港へ、上野~浜松町を山手線・京浜東北線各駅停車乗り換えで7駅停車、京急品川乗り換えは9駅停車を思えば、上野東京ラインによる京急品川乗り換えは楽であり、それがさらに羽田空港アクセス線で小山や熊谷から直通で行ける利点は、着席率低下やキャリーケースによる混雑デメリット以上のものがあると考えます。
この新線で「誰が得をするのか」「本当に利用者のためになるのだろうか」という時、「一番得をするのは、JR東日本の株主だけになるだろう」という結びですが、東京・大宮・柏からの羽田空港への直通、さらには小山・宇都宮、熊谷・高崎、土浦・水戸方面からの羽田空港直通の利便性の面は評価されてもよいのではないかと感じました。
※ 筆記にあたり、MSN、プレジデントオンライン、2025年11月21日付け「羽田空港への"ドル箱路線"が JR東日本に奪われる…東急・京急の"直通構想"がモタモタしているあいだに」から一部を引用及び参考にさせていただきました。
