平行普通列車

常磐線と京成松戸線に魅せられた者のブログです

庄内~東京を山形新幹線・陸羽西線経由の直通構想と、上越新幹線・羽越線新潟経由とで比較する

庄内~東京を山形新幹線陸羽西線の新庄・山形・福島経由と、上越新幹線羽越線の新潟経由とで比較してみました

旅行総合研究所タビリス、2026年1月17日付け、「陸羽西線ミニ新幹線化」構想が再浮上。山形新幹線庄内延伸は実現するか」を拝読しました。

山形新幹線を現在の新庄から陸羽西線経由で庄内方面まで乗り入れて、庄内~東京を山形新幹線列車が直通する構想内容を要約した、丁寧で分かりやすい記事です。

記事の一部を引用させていただきます。

 

(以下引用)

2025年6月23日の山形県議会で、吉村美栄子知事は「山形新幹線の庄内延伸が実現すれば、庄内~東京間が乗換えなしで結ばれるとともに、県の内陸地域と庄内地域が新幹線でつながる」などと述べ、実現に前向きな姿勢を見せました。

~中略~

山形新幹線の庄内延伸については過去にも議論されたことがあります。20年前の2006年には、羽越本線の高速化と比較して、どちらが優位か、山形県が実際に調査もおこないました。

このときは、「費用対効果で、山形新幹線庄内延伸より羽越本線高速化が優位」という結論が出て、羽越本線の利便性向上策がおこなわれることになり、陸羽西線ミニ新幹線化構想は棚上げとなっています。

(以上引用)

 

今回は、「費用対効果で、山形新幹線庄内延伸より羽越本線高速化が優位」の部分で、庄内~東京は上越新幹線羽越線新潟経由と、新庄までの山形新幹線陸羽西線経由で延長が有利か、状況を比較してみました。

以下、ここでは庄内を酒田と置き換え、便宜上、東京を起点に酒田までの表記とさせていただきます。

また、羽越線については、在来線での高速化が前提ですが、比較の都合上、羽越線ミニ新幹線化と仮定して比較した項目が一部にありますので、予めご了承ください。

 

〇東京~酒田間の距離比較

陸羽西線経由:476.6㎞(東京~福島~新庄~酒田)

羽越線経由 :502.1㎞(東京~新潟~酒田)

【補足】

山形新幹線陸羽西線経由の方が、上越新幹線羽越線経由よりも25.5㎞短い距離状況でした。

東京~酒田は上越新幹線新潟経由の先入観があったので、意外でした。

 

〇東京~酒田間のうち、高速新幹線区間の距離比較

陸羽西線経由:272.8㎞(東北新幹線東京~福島)

羽越線経由 :333.9㎞(上越新幹線東京~新潟)

【補足】

新幹線が本来の高速で走る区間としては、上越新幹線東京~新潟間333.9㎞の方が新幹線高速運転距離が長い分、時間節約はできます。

 

〇東京~酒田間のうち、実質在来線区間の距離比較

陸羽西線経由:203.8㎞(福島~新庄~酒田間)

羽越線経由 :168.2㎞(新潟~酒田間)

【補足】

山形新幹線は新幹線とはいっても、福島~新庄間では時速200㎞/h以上の高速新幹線ではなく、新幹線車両が在来線に直通する、ミニ新幹線としての路線名です。

盛岡~秋田の秋田新幹線も同様です。

 

〇列車運行の比較

陸羽西線経由:山形新幹線新庄止まりの列車を陸羽西線経由で酒田まで乗り入れ、東京~酒田間を直通

羽越線経由 :同一ホームではあるが、新潟で乗り換えが必要

【補足】

乗り換えずに東京~酒田を直通する山形新幹線陸羽西線経由が有利です。

羽越線経由も新潟駅では同一ホームにはなりましたが、乗り換えは伴います。

羽越線ミニ新幹線化とした場合は、東京~酒田は上越新幹線列車での直通となります。

 

余談ですが、西九州新幹線長崎発「かもめ」が博多行きと謳っていても、武雄温泉で同一ホームではありますが在来線特急「リレーかもめ」に乗り換える形です。

 

〇東京~酒田間の所要時間比較

陸羽西線経由:予測として最速3時間45分前後(※福島~米沢の新トンネル経由での10分短縮を見込んでの時間)

羽越線経由 :現在、最速3時間45分(※酒田6:59発「いなほ4号」→9:06新潟9:13発「とき312号」→10:44東京着)

【補足】

陸羽西線経由は、山形新幹線福島~米沢に今後、新たな米沢トンネルが完成しての、同区間での本来の新幹線並みの高速運転による10分前後の時間短縮を見込んだ時間です。

乗り換えのない山形新幹線経由が有利になってきます。

 

陸羽西線羽越線都道府県関係

陸羽西線経由:山形県のみ

羽越線経由 :山形県及び新潟県

【補足】

陸羽西線は、山形県のみの走行のため、山形県は他県との調整が不要の分、進展はしやすい状況です。

羽越線は、新潟県も経由するため、山形県単独では進められず、新潟県との調整が伴います。

 

狭軌から標準軌への改軌工事対象区間

(★以下は、羽越線ミニ新幹線化を仮定しての比較ですのでご了承ください)

陸羽西線経由:新庄~酒田間  55.2㎞

羽越線経由 :新潟~酒田間168.2㎞

【補足】

陸羽西線の方が、工事距離としては羽越線の3分の1で済みます。

仮に、上越新幹線新潟から羽越線に、ミニ新幹線として乗り入れる場合、複線区間では片側だけ標準軌への改軌、単線区間では三線軌条となります。

陸羽西線での酒田直通の場合、余目~酒田間は複線のため、片側だけ標準軌への改軌と想定されます。

 

〇電化工事

陸羽西線経由:新庄~余目間43.0㎞の電化工事が必要

羽越線経由 :電化済みのため、不要

【補足】

電化済みの羽越線の方が有利です。

仮に羽越線ミニ新幹線化の場合は、新潟~村上の直流電化区間が絡み、ミニ新幹線列車としては交直両用電車が必要となってきます。

 

標準軌化工事の際の通過列車

陸羽西線経由:普通列車のみの運行で、特急列車、貨物列車がない分、工事がしやすい。

また、全線単線であり、部分複線区間がない分でも工事がしやすい。

羽越線経由 :普通列車のほかに特急列車、貨物列車が通過する分、羽越新幹線工事とすると定期列車への影響が伴う。

また、部分複線区間がある点も同様。

【補足】

ミニ新幹線化の場合、標準軌化工事中の影響度は、普通列車9往復のみで羽越線より工事距離の短い陸羽西線が有利です。

余目~酒田の複線は、陸羽西線の配線上、山側を標準軌化しての山形新幹線用、海側を羽越線用と使い分けるようになるでしょうか。

 

総括

こうして見ると、庄内~東京の高速化は、都道府県としては山形県のみを走る陸羽西線の方が、新潟県にもまたがる羽越線より話は進めやすく、新庄まで山形新幹線列車が来ていて庄内(酒田)~東京直通の点も有利です。

今後の山形県の動きを注視したいと思います。

 

※ 筆記にあたり、旅行総合研究所タビリス、2026年1月17日付け、「陸羽西線ミニ新幹線化」構想が再浮上。山形新幹線庄内延伸は実現するか」から一部を引用及び参考にさせていただきました。