全車指定席化は「しおかぜ」「南風」の2特急だけか、それに続く3番目の候補列車はあるか、探ってみました
昨日の「予讃線「しおかぜ」全車指定席化と、併結「いしづち」の自由席継続による混乱はないか?」の関連編です。
2027年春から岡山~松山の「しおかぜ」と、岡山~高知の「南風」が、自由席を廃止して全車指定席化される中で、他の特急も徐々に全車指定席化されていくのか、自由席は存置するのか、一部指定席であってもその座席数割合を増やすのか等が気になっていくところです。
今回は、2026年3月ダイヤ改正時の四国特急について、列車別に指定席と自由席、それぞれの割合状況を見ながら、JR四国の2024年度区間別平均通過人員データを重ね合わせて、「しおかぜ」「南風」以外の全車指定席化の可能性がありそうな列車を探ってみたいと思います。
列車別のグリーン車・指定席・自由席の連結状況
編成内容については、それぞれの特急単位でもっとも標準的な車両編成数で記載しています。
列車時間帯によっては連結両数の増える場合も一部にありますが、ご了承ください。
(1)瀬戸大橋線・予讃線岡山~松山8000系「しおかぜ」
5両編成=グリーン車0.5両+指定席2.5両+自由席2両
【補足】
現在の指定席比率は60%です。
2027年春からは指定席率100%、5両編成=グリーン車0.5両+指定席4.5両の見込みです。
(2)予讃線高松~松山8000系「いしづち」
3両編成=指定席1両+自由席2両
【補足】
指定席比率は33%です。
(1)と(2)の列車は、宇多津~松山間で併結運転です。
(3)瀬戸大橋線・予讃線岡山~松山8600系「しおかぜ」
5両編成=グリーン車0.5両+指定席2.5両+自由席2両
【補足】
現在の指定席比率は60%ですが、2027年春からは指定席率100%、5両編成=グリーン車0.5両+指定席4.5両の見込みです。
(4)予讃線高松~松山8600系「いしづち」
2両編成=指定席0.5両+自由席1.5両
【補足】
指定席比率は25%です。
(3)と(4)の列車は、宇多津~松山間で併結運転です。
(5)瀬戸大橋線・土讃線岡山~高知「南風」
3両編成=グリーン車0.5両+指定席1.5両+自由席1両
【補足】
現在の指定席比率は67%ですが、2027年春からは指定席率100%、3両編成=グリーン車0.5両+指定席2.5両の見込みです。
(6)上記以外の特急
①予讃線松山~宇和島「宇和海」2両編成=指定席0.5両+自由席1.5両
②土讃線高松~高知「しまんと」2両編成=指定席0.5両+自由席1.5両
③土讃線高知~宿毛「あしずり」2両編成=指定席0.5両+自由席1.5両
④高徳線高松~徳島「うずしお」2両編成=指定席0.5両+自由席1.5両
⑤徳島線阿波池田~徳島「剣山」2両編成=指定席0.5両+自由席1.5両
【補足】
この5特急の指定席比率は、いずれも25%です。
(6)瀬戸大橋線快速「マリンライナー」
5両編成=グリーン車0.5両+指定席0.5両+自由席4両
【補足】
指定席比率は20%です。
JR四国の線区別収支と営業係数(2024年度)から、区間別の平均通過人員(人/日)を見る
ここで、JR四国のデータで、線区別収支と営業係数(2024年度)がありますが、その中の、区間別の一日平均通過人員を見てみたいと思います。
なお、定期特急のない路線区間は除きます。
路線・区間 2024年度平均通過人員(単位:人)
本四備讃線児島~宇多津:22,286 (※愛称:瀬戸大橋線)
予讃線高松~多度津 :22,494
多度津~観音寺 : 7,897
観音寺~今治 : 4,892
今治~松山 : 6,226
松山~宇和島 : 2,409(※内子線を含む)
土讃線多度津~琴平 : 4,776
琴平~高知 : 2,400
高知~須崎 : 3,263
須崎~窪川 : 891
高徳線高松~引田 : 4,197
引田~徳島 : 3,200
徳島線佐古~佃 : 2,312
もっとも利用の多い予讃線高松~多度津22,494人、本四備讃線(※愛称:瀬戸大橋線)児島~宇多津22,286人に対し、土讃線須崎~窪川891人の数値には改めて列車状況の厳しさを感じます。
参考までに、上記13区間を単純に平均数値で算出すると、6,711人となります。
2両編成特急の全車指定席化または指定席座席数増加はあるか?
前記(6)で、「宇和海」「しまんと」「あしずり」「うずしお」「剣山」の5特急はいずれも基本は2両編成、指定席0.5両+自由席1.5両で、自由席主体の列車として共通しています。
列車設定区間の平均通過人員数値から見る限りは、「宇和海」「あしずり」「剣山」は全車指定席にするほどではなく、逆に全車指定席により利用減となる懸念を感じます。
指定席1両+自由席1両にしていくかどうかといったところかと思われます。
全車指定席化可能性のある列車は「いしづち」「うずしお」?
「いしづち」は高松~松山間の四国内都市間輸送列車です。
全車指定席化の「しおかぜ」に対して、「しおかぜ」と併結の「いしづち」が自由席主体であるのは、宇多津~松山間での「しおかぜ」に対する自由席へのフォローの意味合いもあるでしょうか。
それとも高松側には岡山側ほどの指定席需要はないのでしょうか。
編成両数で、岡山側「しおかぜ」5両に対し、高松側「いしづち」は2~3両の需要でしょうか。
8000系「いしづち」3両編成に対し、最新8600系が2両編成であるのは気になるところですが、少なくとも予讃線高松~多度津22,494人の平均通過人員は、四国で一番の利用数値です。
その意味で「いしづち」は「しおかぜ」「南風」に続く全車指定席の候補列車と言えるかと思います。
次に、高徳線高松~徳島の「うずしお」です。
2両編成、毎時1往復が基本の列車です。
「うずしお」は2両編成中心の輸送需要ではありますが、上記平均通過人員においては、土讃線多度津~琴平4,776人に次ぐ、高松~引田の4,197人の通過人員実績があります。
また、高徳線引田~徳島3,200人の通過人員は、土讃線琴平~高知の2,400人を上回る数値です。
ちなみに2両編成の特急であっても、JR西日本の岡山~鳥取「スーパーいなば」のように全車指定席の列車もあります。
「うずしお」も全車指定席化可能性の次候補列車かと思われます
「しまんと」と「マリンライナー」は指定席の割合増で対応?
「しまんと」は高松を起点に高知まで、一部は土佐くろしお鉄道の宿毛まで直通します。
宇多津~高知間で「南風」と同区間の点では、全車指定席の可能性が無くはないと思われます。
「しまんと」2往復のうち1往復は土佐くろしお鉄道宿毛、中村発着ですが、全車指定席で割り切るか、指定席1両+自由席1両とするか、「南風」「あしずり」同様に高知で2列車に分けての乗り継ぎとするかの選択となるでしょうか。
全車指定席ではなく、指定席の座席割合を多くする可能性のある列車としては、特急でなく快速列車ですが、瀬戸大橋線「マリンライナー」かと思われます。
岡山~高松の都市間輸送、所要1時間弱の乗車時間の観点から、指定席を1両増やすか、2号車の半車分を「うれしート」化方式で指定席増とするかなど、検討されるでしょうか。
JR四国はひとまず2027年春に「うずしお」「南風」の全車指定席化を定着させ、その次の対象列車として「いしづち」「うずしお」がそれに続く全車指定席列車となるかどうか、また「しまんと」「マリンライナー」の指定席を増やすかどうか、注目したいと思います。
※ 筆記にあたり、JR四国の「【別紙】線区別収支と営業係数(2024年度)」から、平均通過人員の数値を一部引用及び参考にさせていただきました。

※ 写真は本文と無関係です。