平行普通列車

常磐線と京成松戸線に魅せられた者のブログです

京急電車が手動の字幕式行き先表示器で「逗子」「文庫」「八景」「新町」と表記していた時代を振り返って

京急で、「逗子海岸」行きを「逗子」と表示していた時代を中心とした、京急字幕式行き先表示の思い出話です

鉄道コらム、2026年5月17日付け、「あえて「正しくない名前」を表示⁉ 「省略した」「追加した」駅名を表示する鉄道車両たち」を拝読しました。

列車の行き先表示において、省略した表記情報を集めた興味深い内容です。

この記事の中で、京急に関する一部分を引用させていただきます。

 

(以下引用)

かつての京急も、神奈川新町駅を「新町」、金沢文庫駅を「文庫」、金沢八景駅を「八景」などと省略していました。

(以上引用)

 

今回は、この記事を見て、1960年台までの京急の電車行き先表示器で思い起こしたことを書かせていただきたいと思います。

 

京急では1960年台まで、乗務員室内の字幕式行き先表示器を手動で回転操作していました。

手動操作において、乗務員室側から字幕の行き先表示器を見る際に、左端(外側から見ると右端)に小窓があって、行き先表示器の末端の1~2文字だけが見える構造でした。

 

「三浦海岸」行きと「逗子」海岸行きの行き先表示の違い

京急本線・久里浜線での終着駅は三浦海岸で、電車の行き先は三浦海岸行きでした。

乗務員が三浦海岸の行き先表示を手動で操作し、乗務員室から確認すると、「三浦」の文字は見えず、末尾の「岸」の1文字、あるいは「海岸」の2文字だけが見えます。

 

一方、京急逗子線は1984年まで、京浜逗子駅と逗子海岸駅があり、終着駅は逗子海岸駅でした。

乗務員室内で、行き先表示器幕を手動で回転させ、逗子海岸行きの行き先文字を乗務員室側から見ると、「逗子」の文字は見えず、末尾の「岸」の1文字、あるいは「海岸」の2文字だけが見える形となります。

 

「三浦海岸」「逗子海岸」とも、乗務員室側からは「岸」または「海岸」までしか見えないのでは具合が悪く、どちらの表示になっているかは、ホーム上からでないと確認できないことになります。

 

そのため、主流となる「三浦海岸」行きはそのまま4文字で表示し、「逗子海岸」行きは「海岸」を省略して「逗子」のみの表示としたと思われます。

 

「逗子」だけの表示の一方で、京浜逗子駅があるため、「逗子」の行き先表示を見ると、逗子海岸駅まで行かず、手前の京浜逗子止まりの電車かという誤解を与えかねない表記と思われました。

実際には、駅構内や電車内では「逗子海岸行き」と放送案内しており、ほとんどの利用者は「逗子」表示なら逗子海岸まで行くのだろうと受けとめられ、とくに問題にはならなかったようでした。

 

1985年に、京浜逗子駅と逗子海岸駅を統合し、中間地点に新逗子駅が設置されました。

乗務員室からの字幕表示確認の際、末尾の文字が新逗子行きの「子」となり、「子」で終わる行き先駅はないため、三浦海岸や他の行き先との字幕手動操作時での混同はなくなりました。

もっとも、新逗子行きに変更された頃には、字幕表示器の操作は手動から自動へと変わっている時代になっていました。

 

1987年に京浜蒲田、京浜川崎など、頭文字が「京浜」の駅名は一斉に「京急」に変更されました。
また、新逗子駅の駅名は、2020年に逗子・葉山駅に改称されています。

 

金沢文庫・金沢八景・神奈川新町行きの簡略表記

鉄道コらムの記事にあった、「金沢文庫」行き、「金沢八景」行きの「文庫」「八景」のみの簡略表示については、乗務員室内の小窓からは末尾文字の「庫」または「文庫」、「景」または「八景」の文字のみの視認でしたが、これだけでも識別はできました。

「金沢文庫」「金沢八景」の表示でも問題はなかったが、簡略表記の方が分かりやすいという判断でしょうか。

 

「神奈川新町」行きの「新町」表示では、乗務員室小窓からは「町」だけの1文字だけが見えます。

「神奈川新町」の表示でも問題ないはずですが、5文字で長すぎることを避けたかと思われます。

 

手動字幕式行き先表示器の、自動LED行き先表示器にはない演出力

当時の京急電車の手動式字幕行き先表示器の簡略行き先を振り返ってみますと、手動の字幕式行き先表示の方が味があり、鉄道への関心を高めてくれる演出力がありました。

現在のLEⅮ行き先表示器のような、一瞬にして自動的に変わる表示方法では、京急の行き先表示にさほどの関心は抱かなかったかもしれません。

 

京急に限りませんが、車両基地内で、パンタグラフを下ろしている状態の電車を見ても同様です。

LED行き先表示器は単なる黒地面だけですが、字幕式行き先表示器は様々な行き先や、回送等の表示が見える演出力がありました。

列車走行中でも、側面行き先表示器が一瞬にして消灯するLED表示器に対し、各車両で蛍光灯の光が行き先表示を照らす字幕式の連続光景は、どの行き先、どの種別の列車だろうかという関心を抱かせます。

また、夜間走行中の字幕表示器を沿線で見るのも味がありました。

単なる過去の者のノスタルジーでしょうか。

 

今回の内容はかなり以前の、当てにならない?記憶によるもので、事実とは異なるかもしれません。

その際はご容赦ください。

 

※ 筆記にあたり、2026年5月17日付け、鉄道コらム「あえて「正しくない名前」を表示⁉ 「省略した」「追加した」駅名を表示する鉄道車両たち」から一部を引用及び参考にさせていただきました。

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