東京-空港第2ビルの最速時間は千葉通過型も停車型も50分同一の状況
昨日の「E259系デザイン変更に込められたJR東日本の趣旨を読む」の続編です。
総武線経由の房総特急は県庁所在地の代表駅、千葉に1990年まで全列車が停車していました。
ところが1991年に「成田エクスプレス」設定後、東京-空港第2ビル間はノンストップとなり、千葉も通過となりました。
翌1992年4月から千葉市は政令指定都市になりましたが、JR東日本の「成田エクスプレス」の意義が東京-成田空港速達との考えに対して、千葉では停車を半ば諦めていた時代でした。
その後、時の経過とともに一部列車が千葉に停車するようになりました。
2023年3月18日ダイヤ改正後の、「成田エクスプレス」の千葉停車状況を見ると下りは6時台から20時台まで毎時1本、1日計16本が停車します。
上りは8時台から19時台まで毎時1本停車し、1日計13本停車ですが、20時台から22時台は千葉を通過します。
上りの千葉停車が下りより3本少ないのは、上り20時台以降の3列車が通過のためです。
東京-空港第2ビル間、千葉通過(ノンストップ)型列車は最速50分(17号他)です。
千葉停車型列車も最速50分(19号他)です。
もちろん全列車50分ではないものの、千葉停車であっても所要時間は通過型と同じ所要時間の列車があります。
千葉駅の総武本線ホームはカーブしていて高速通過できないことも一因で、千葉停車でも通過型と同所要時間になったと見ることもできなくはありません。
一方、東京-成田空港の直通快速の本数は減り、千葉から普通電車乗り継ぎが必要な時間帯が発生しました。
錦糸町-稲毛の快速停車駅から成田空港への速達、利便性向上を図る意味でも「成田エクスプレス」の千葉停車はそれを補います。
「成田エクスプレス」全列車の千葉停車によって高速性、時間短縮性のイメージを損なうというマイナス面を見すぎていないでしょうか。
昨日の内容と重なりますが、JR東日本は3月24日付けプレスリリース「成田エクスプレスの車両デザインリニューアル」で、「成田エクスプレス」が通勤やレジャー等でも利用されるなど、時代と共に利用の目的が多様化していることに触れています。
「成田エクスプレス」が今後、通勤、レジャー、都市間輸送も担うなら全列車の千葉停車は必須と考えます。
現在の「成田エクスプレス」の60分毎停車と、1日6~7往復の「しおさい」でそれを果たすには限度があります。
千葉停車列車の30分間隔運転によって、東京-千葉相互間の利用はもとより、外房線、内房線、千葉都市モノレールへのビジネス等の輸送も果たす要件が整います。
参考までに、JR東日本のデータで千葉駅の1日平均乗車人員は2021年度86,911人、政府の統計データで2019年度1日平均乗降人員は216,242人です。
また、千葉市の常住人口は2023年3月1日現在977,063人(住民基本台帳人口は同2月28日現在976,085人)の人口規模です。
最後に、空港輸送専従を脱却する方向性ならば、「成田エクスプレス」のA特急料金とグリーン料金一律の設定は見直す余地があるのではないでしょうか。