平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

東海道新幹線の個室が持つ、グランクラスにはない強みとは?

東海道新幹線の個室が持つ、グランクラスには出来ない持ち味を列記してみました

東海道新幹線の個室復活が話題となっています。

グリーン車よりもさらに上級の設備として、東北・上越北陸新幹線にはグランクラスがありますが、東海道新幹線を所管するJR東海は個室を選択したとみられます。

東海道新幹線での、グランクラスにはない個室の魅力、強みとは何でしょうか。

総括すれば「他の乗客が気にならない自分だけの自遊空間」ということになりますが、それだけでは話は終わってしまいますので以下、順不同で列記してみました。

一部重複の点はご了承ください。

 

グランクラスにはない個室の強みとは

〇 他の客への気遣いが不要な解放感、自由性

〇 完全独立型、出入口扉を閉めて他の乗客との遮断が可能

〇 部屋の鍵が掛けられることでの、荷物、貴重品の安心感

〇 個室のデラックス感、優越感

〇 他の人と顔を合わせることがない開放感

〇 有名人が一般客から騒がれたくない時の利用

〇 乗務員とも基本的に顔を合わせることがない

〇 リモート会議(Web会議)が可能

〇 スマホによる電話が自由

〇 パソコンに集中できる

〇 音楽、講話、ビデオ、テレビ、ラジオ等でのヘッドホンが不要

〇 姿勢が自由

〇 移動時間中、仮眠がしやすい

〇 仮眠でのいびきが気にならない

〇 飲食、飲酒等での、周囲の客への気遣いが不要

〇 声量や振る舞い(個人の動作)で周囲への気遣いが不要

〇 洗面所への使用回数が多くても周囲への気遣い(通路歩行)が不要

〇 独り言をつぶやける

〇 歌を唄える

〇 2人用個室で移動中、2人だけの世界に浸れる

〇 2人用個室で他の人に聞かれたくない打ち合わせができる

〇 照明を暗くすることもできる

〇 空調(送風)が自由

〇 車内放送の音量調整が自由

〇 着替えができる

 

E5系・E7系(W7系)の後継はグランクラスより個室?

グランクラスは極上のプライベート空間、軽食・茶菓子・ドリンクの提供、専任アテンダントの接客サービス等を売り物とします。

東北・北海道新幹線はやぶさ」と北陸新幹線「かがやき」において、これらのサービス提供が受けられます。

 

一方、「はやぶさ」「かがやき」以外のグランクラス連結列車は、供食や専任アテンダントのない座席設備だけの提供となっています。

上越新幹線は全列車にグランクラス車両がありながら供食等の列車は皆無であり、北陸新幹線も「かがやき」以外の列車ではサービスがありません。

上越北陸新幹線の列車全体を合わせると、サービスのないグランクラスの割合の方がはるかに多くなっています。

 

東北新幹線ではE5系使用列車の「やまびこ」「なすの」のほか、仙台発着「はやぶさ」は座席提供のみです。

元来、グランクラスで座席のみの提供列車は、一部の各駅停車型短区間列車だけの限定だったはずです。

逆に、座席のみ提供列車の方が多い状況では、JR東日本JR西日本JR北海道は、東北・北海道、北陸・上越新幹線グランクラスを設けたこと自体が果たして適切だったのかという議論にさえなってきます。

その意味ではグランクラスよりも、接客サービスが伴わない個室の方が、東北・上越・北陸方面にも望ましかったかと感じます。

今後の北海道新幹線札幌開業を含め、サービスのないグランクラスを連結するよりはE5系・E7系・W7系の後継車については、グランクラスよりも個室設置の方がよいのではないかと感じました。

 

常磐線の特別快速2往復の今後を考える

特別快速2往復は普通列車化を

常磐線の特別快速(以下、「特快」)は、2005年のつくばエクスプレスの開業と同年に設定され、料金不要の時速130km/h運転列車として日中の上野-土浦間に設定されました。

当初、上野-取手間は日暮里、松戸、柏のみの停車で、取手-土浦間は各駅停車でした。

日中の取手-土浦では、普通列車が3往復のほかに1往復の特快が加わった形で、毎時計4往復となっていました。

しかし普通列車3往復のうち1往復は、上野-取手間で後続の特快に抜かれるダイヤでした。

そのため、土浦側から上野への移動では、特快の前の普通列車には乗らず、特快を選ぶ結果を招き、土浦側から上野方面への行き来では実質的に3往復しかない結果を招きました。

2022年以降、特快は2往復だけ残っています。

今回は常磐線の特快の今後について考えてみたいと思います。

なお、土浦側の普通列車も上野-取手間では快速となっていますが、ここでは普通列車として記載しますのでご了承ください。

 

特別快速の意義

前記しましたが、常磐線の特快を2往復残しているのは、つくばエクスプレスに対する速達性、対抗意識と思われます。

常磐線の上野-土浦の速達は特急「ときわ」が通常です。

つくばエクスプレスには別料金が必要な列車はありません。

「ときわ」は特急料金が伴うため、料金不要の速達列車があることのアピールと思われます。

 

 

現在の特快と前後の普通列車のダイヤ

【下り】

種別   上野発→土浦着

普通列車 14:52→15:59

特快   15:11→16:08

普通列車 15:13→16:24

 

普通列車 15:51→16:59

特快   16:11→17:08

普通列車 16:13→17:24

 

【上り】

種別   土浦発→上野着

普通列車  8:42→9:49

特快    9:00→9:57

普通列車  9:09→10:16(土曜・休日は10:21)

 

普通列車    9:44→11:02

特快    10:00→10:58

普通列車  10:13→11:21

 

現在の、特快直前の普通列車

現在の特快2往復のダイヤを見ると、下りの普通列車は特快に追い抜かれることがなくなりました。

このダイヤなら取手-土浦の普通列車は実質的に4本あると言うことはできます。

 

上りの普通列車は、1本は特快に追い抜かれず上野に着きますが、土浦9時44分発普通列車は、10時00分発の特快に以前と同様、北千住で追い抜かれます。

具体的には、土浦9時44分発上野行きは、同10時00分発特快に北千住で追い抜かれます。

したがって10時前後の時間帯だけは、取手-土浦の普通列車は実質的に3本のままということになります。

 

特快の今後の3つの選択肢

日中の常磐線下り列車は、上野発で見ると取手(一部は成田線で成田)までの快速と、普通列車土浦行きとが20分間隔運転のダイヤで、上野-我孫子間は10分間隔となっています。

上野-取手(我孫子)相互間のダイヤは、特急通過待ちがあると発車の時分がずれますが、分かりやすいダイヤと言えます。

 

特快運転の時間帯は、取手-土浦の普通列車20分間隔の中に特快が割り込んだ形のダイヤとなります。

 

今後の特快の方向性については、以下のようなことが考えられます。

① つくばエクスプレスの競合を意識し、特快2往復を継続する方法。

ただし、土浦10時00分発列車で、先行する普通列車の北千住追い抜きダイヤを見直し、土浦発時刻を繰り下げて、先行列車を抜かない並行ダイヤとする。

② 特快といっても三河島、南千住、我孫子、天王台の4駅のみの通過であり、取手-土浦では通過駅がないことから、普通列車化して残存する方法。

③ 取手-土浦の普通列車は毎時3往復が適当ということで、つくばエクスプレスの競合は考えず、単に特快を廃止する方法。

 

土浦側の普通列車が日中、毎時3往復から4往復にできない事情

理想を言えば、日中の上野-土浦の普通列車は15両編成を10両編成に減車し、その分を毎時3往復20分間隔から、毎時4往復15分間隔にするのが望ましく思います。

しかしながら、二つの課題があります。

一つは、上野発着の快速ダイヤが、上野-取手(成田)と、上野-土浦との交互設定で上野-取手(我孫子)では10分間隔ダイヤにしていることです。

上野-土浦の列車を15分間隔にすると、上野-取手で10分間隔ダイヤが組めなくなります。

常磐緩行線も10両編成10分間隔6往復の状況で、快速が15両編成7~8往復では輸送力過大になります。

二つ目として、上野東京ラインの混雑状況からは、品川乗り入れの中距離列車10両編成よりも15両編成の方が望ましいことが挙げられます。

 

土浦側の普通列車増発は、20分間隔の次は10分間隔ということになり、そうなると上野-取手の快速車両の用途がなくなります。

現状、土浦側の10分間隔は輸送力過剰です。

結局、土浦側は毎時3往復、20分間隔ということに帰結します。

 

常磐線特快の今後の方向性とは

筆者は前記私案の②が望ましいと考えます。

土浦側の発着時間を現状の時刻のままとして、特快をそのまま全区間普通列車化するのが望ましいと考えます。

三河島、南千住、我孫子、天王台の、電車特定区間内での4駅の通過だけではあまり意味がないと思われます。

1日当たりの乗車人員が比較的少ない藤代(2022年度1日5,027人)、ひたち野うしく(同5,824人)、荒川沖(同6,542人)も追加で通過することが考えられますが、これまで停車してきた以上、現実には通過は困難と思われます。

 

前記ダイヤを改変すると以下のようになります。

【下り】

種別      上野発→土浦着

普通列車     14:52→15:59

特快→普通列車  15:06→16:17頃

普通列車     15:13→16:24

 

普通列車     15:51→16:59

特快→普通列車  16:06→17:17頃

普通列車     16:13→17:24

 

【上り】

種別   土浦発→上野着

普通列車  8:42→9:49

特快    9:00→10:07頃

普通列車  9:09→10:16(土曜・休日は10:21)

 

普通列車    9:44→10:58頃

特快    10:00→11:07頃

普通列車  10:13→11:21

 

とくに上り、土浦9時44分発列車が、北千住での特快待ち受けをしないことによる運転時間短縮、前後列車との並行ダイヤ化が望ましいと考えます。

少なくとも、特快があるから常磐線にしよう、特快がないからつくばエクスプレスにしようというほど、常磐線の特快誘発効果はないと思われます。

 

「EX 旅パック 行こっか!こだま」と山陽「こだま」新大阪-博多ダイヤをみる

日中、新大阪-博多直通「こだま」のない時間帯は岡山「ひかり」乗継も認めてはどうか?

2024年4月17日付けで、JR西日本日本旅行との連名により、「【JR 西日本×ショッピング×日本旅行】EX 旅パック片道こだま商品『EX 旅パック 行こっか!こだま』を発売いたします」のニュースリリースがありました。

山陽新幹線「こだま」限定で、新大阪-博多の特定区間内乗車を対象とする片道対象の企画切符で、最長距離の発売区間は新大阪-博多となります。

JR東海の「ぷらっとこだま」のJR西日本版と言える内容です。

今回は、「EX 旅パック 行こっか!こだま」(以下、「行こっか!こだま」)の発売内容について意見、感想を書きたいと思います。

 

新大阪-広島8,200 円以外は、設定区間と価格が見えない

JR西日本ニュースリリースで、新大阪-広島8,200 円という一例を掲げていますが、それ以外の区間と金額は見えません。

他の区間はどこをいくらで発売するのでしょうか。

「関西(新大阪・姫路)、山陽(岡山・福山・広島)、九州(博多)の各駅を発着としたこだま号利用限定の商品(片道のみの利用が可能です)」という説明があり、新大阪・姫路・岡山・福山・広島・博多の6駅を発着対象とすることは分かります。

ただし、6駅相互間ならばすべて発売されるという訳ではなく、発売対象区間と価格はリリースからは分かりません。

 

2024年4月23日付けの旅行総合研究所タビリス、「『ぷらっとこだま』が山陽新幹線に進出!?『行こっか!こだま』の価格、買い方、使い方!」を見ると情報がありましたので、引用させていただきます。

なお、当記事は見やすい図表で掲載されていますが、ここでは簡略表示とさせていただきますのでご了承ください。

(以下引用)

「行こっか!こだま」料金表(円)
区間           価格    定価(参考)  割引率
新大阪~岡山      4,970      6,140            19%
新大阪~福山      6,300      8,000               21%
新大阪~広島      8,200    10,420               21%
新大阪~小倉    10,850    14,400               25%
新大阪~博多    11,560    15,280               24%
姫路~広島          6,810      8,440              19%
姫路~博多        11,280    14,070              20%
岡山~広島          4,970      6,140              19%
岡山~博多        10,130    12,630              20%
福山~博多          9,060    11,300              20%
広島~博多          7,340      9,100              19%
※「定価」はJR窓口で購入した場合の通常期の普通車指定席価格。
※子ども価格もあり。
※2024/4/22~の価格。4/27~5/6は設定除外日。

(以上引用)

 

以上の記事内容から、新大阪からは小倉も対象に加わりますが、他は小倉でなく博多となるほか、新大阪-姫路、姫路-岡山、姫路-福山などは対象外となることを理解しました。

このことは、JR西日本のリリースでも触れてほしかったところです。

 

新大阪-博多の「こだま」が少なすぎる

「行こっか!こだま」は「ぷらっとこだま」のJR西日本版と感じますが、東海道新幹線東京-新大阪の毎時1往復の「こだま」ダイヤとは大きく異なります。

山陽新幹線新大阪-博多直通の「こだま」の本数を見てみます。

なお、時刻の「:」は略させていただきます。

 

新大阪-博多直通「こだま」のダイヤ

【下り】

新大阪発→博多着

  740 → 1204「こだま841号」

  932 → 1351「(同)845号」

1037 → 1451「847号」

1137 → 1551「849号」

1737 → 2151「861号」

1837 → 2251「865号」

1937 → 2339「867号」

【上り】

博多発→新大阪着

  621 → 1025「こだま840号」

  704 → 1125「(同)842号」

1254 → 1725「854号」

1354 → 1825「856号」

1454 → 1925「858号」

1554 → 2025「860号」

1654 → 2118「862号」

1755 → 2212「866号」

1925 → 2318「870号」

 

以上のように、新大阪-博多直通「こだま」は下り7本、上り9本に限られます。

下りは新大阪発11時台の次は17時台となるほか、上りは博多発7時04分の次は12時54分発となり、いずれも約6時間「こだま」の空白時間があります。

 

新大阪-岡山間各駅停車の岡山「ひかり」を対象にできないのか?

「行こっか!こだま」は山陽「こだま」の利用促進策ということは理解しますが、現状の「こだま」限定乗車で、新大阪から福山・広島・小倉・博多はどこまで誘発できるでしょうか。

前記のとおり、日中の新大阪発博多行きは、新大阪11時37分発の次は17時37分発であり、同様に博多発新大阪行きは、博多7時04分発の次は12時54分発になっています。

制約された中で利用するのが企画商品というものであることは分かっていても実用性、実効性としてはどうかと考えさせられます。

 

「ひかり」で岡山到着時に「こだま」が約10分前に発車してしまう乗継ダイヤ

今回の「行こっか!こだま」の話とは別に、日中の「こだま」がない新大阪-岡山は東京発着の「ひかり」が山陽「こだま」の役割を担っています。

逆に言えば、東京-岡山の「ひかり」は、山陽「こだま」の役目を兼務するので、新大阪から「こだま」を設定すると二重になり、新大阪「こだま」の必要はないと割り切ったとも言えます。

しかしながら、岡山「ひかり」と、岡山-博多「こだま」の接続が悪く、岡山「ひかり」の岡山到前に岡山発博多行き「こだま」は発車してしまい、下りは48分待ち、上りは41分待ちとなります。

また、新大阪-岡山の各駅停車型「ひかり」の所要時間は、下り1時間03分、上り1時間10分となっています。

現行の列車ダイヤ状況は以下のとおりです。

なお、「ひかり」「こだま」の列車号数は略させていただきます。

 

【下り】

「ひかり」   (乗換)「こだま」

新大阪発→岡山着(乗換)岡山発→博多着

             950 →1251 

844  → 953 →→→ 1050 →1351(※岡山10時50分発「こだま」は新大阪始発)

1159 → 1302 →→→ 1350 →1651

1259 → 1402 →→→ 1450 →1751

1359 → 1502 →→→ 1550 →1851

1459 → 1602 →→→ 1650 →1951

1559 → 1702 →→→ 1750 →2051

1659 → 1802 →→→ 1850 →2151(※岡山18時50分発「こだま」は新大阪始発)

 

【上り】

「こだま」      「ひかり」

博多発→岡山着(乗換)岡山発→新大阪着

749 → 1055 →→→ 1136 →1246

848 → 1155 →→→ 1236 →1346

949 → 1255 →→→ 1336 →1446

1052  → 1355 →→→ 1436 →1546

1148  → 1455 →→→ 1536 →1646

 

こうして見ると、下りは岡山での「ひかり」から「こだま」への接続時間が長い分、新大阪-岡山の所要時間が若干短くなっています。

上りは逆に、岡山での「こだま」から「ひかり」への接続時間が若干短い分、岡山ー新大阪の所要時間が下りよりも長くなっています。

 

岡山「ひかり」と岡山「こだま」の組み合わせ許容が利用促進になるのでは?

「行こっか!こだま」は、山陽「こだま」利用促進策であるにしても、新大阪-博多の利用に際しては直通列車本数が少なく感じます。

少なくとも日中、新大阪発着の山陽「こだま」のない時間帯については、新大阪-岡山での「ひかり」乗車と、岡山からの博多「こだま」乗り継ぎは認めてもよいのではないかと感じます。

その次の話として、岡山での「ひかり」「こだま」の接続時間は、せめて30分以内にしてほしいものです。

現行ダイヤでは、岡山到着直前に乗り継ぎ列車が発車してしまい、1時間待ちに近い印象を持ち、「行こっか!こだま」乗り継ぎゆっくり旅の気分が失せてしまいます。

 

500系からN700系への置き換え後の密かな期待

以下は山陽「こだま」の余談です。

山陽「こだま」500系の6号車は元グリーン車の座席で快適感があります。

今後、500系N700系に置き替えられた時、4~6号車の3両の指定席がそのまま、現在の16両編成での8~10号車のグリーン車を充てるような情報もあります。

そうなると、山陽「こだま」指定席の利用は楽しみが増すと思われます。

 

(※ 記載にあたり、2024年4月23日付け、旅行総合研究所タビリス、「『ぷらっとこだま』が山陽新幹線に進出!?『行こっか!こだま』の価格、買い方、使い方!」、及び2024年4月17日付け、JR西日本ニュースリリース「【JR 西日本×ショッピング×日本旅行】EX 旅パック片道こだま商品『EX 旅パック 行こっか!こだま』を発売いたします」を一部引用及び参考にさせていただきました。)

 

名古屋-福井 北陸新幹線開業前と開業後の時間短縮度をみる

名古屋-福井 北陸新幹線敦賀開業前と開業後の時間短縮を比較します

昨日の「大阪-福井 北陸新幹線で開通前よりも所要3分短縮のダイヤをみる」の名古屋-福井編です。
今回は、北陸新幹線敦賀開業前と開業後の、名古屋-福井のダイヤ状況を検証してみました。

大阪-福井の北陸新幹線3分短縮に対して、名古屋-福井も同じ3分の時間短縮でしょうか。

大阪編同様に、名古屋→福井と福井→名古屋の距離数相違により、上下列車を別々に検証します。

なお、名古屋発着の「しらさぎ」については、新幹線での名古屋-米原利用は考えず、名古屋-敦賀直通利用を前提とします。

米原止まりの「しらさぎ」については、新幹線での名古屋-米原利用を前提とします。

米原しらさぎ」に接続する新幹線列車は名古屋時刻を()で示し、新幹線の名称と号数は記載を略させていただきます。

 

1 北陸新幹線開業前の名古屋・米原-福井「しらさぎ」の最速列車について

(1)名古屋・米原→福井 所要1時間38分

「こだま763号」名古屋7時37分発→「しらさぎ51号」米原9時15分着

※(次点)同9号・33号→1時間45分(日中の米原始発「しらさぎ」の4往復)

・最遅列車→名古屋~福井直通「しらさぎ」の所要2時間13分

(2)福井→米原・名古屋 所要1時間39分

しらさぎ66号」福井20時55分発→「こだま766号」名古屋22時34分着

(次点)同52号、福井6時00分発、米原新幹線乗継、名古屋7時42分着→所要1時間42分

・最遅列車→福井~名古屋井直通「しらさぎ」の所要2時間13分

 

2 北陸新幹線開業後の「しらさぎ」「つるぎ」乗継時間の状況について

(1)名古屋・米原敦賀→福井

・最速列車→「しらさぎ63号」~「つるぎ50号」の所要1時間34分

※名古屋→敦賀直通「しらさぎ」では「しらさぎ11号」の所要2時間10分

・最遅列車→「しらさぎ1号」~「つるぎ8号」の所要2時間15分

・全25往復の平均→2時間00分

敦賀乗換平均時分→14分。8分間の乗換列車は1本、7%。乗換最長時分は19分

 

★列車別所要時間と、敦賀乗換時間の内訳で、号数は「しらさぎ

名古屋発 米原発 敦賀着  敦賀発 福井着(敦賀乗換時間)

(7:04)  7:48   8:19         8:31         8:51「しらさぎ51号」(所要1:47※1時間47分、敦賀乗換12分)※以下同

7:51    8:57   9:27         9:46       10:06「1号」(2:15、19分)

8:51    9:56  10:27      10:43       11:04「3号」(2:13、16分)

9:48     10:56    11:26      11:39       11:59「5号」(2:11、13分)

(11:14) 11:56    12:26      12:42       13:02「53号」(1:48、16分)

11:48   12:56  13:27      13:41      14:01「7号」(2:13、14分)

(13:14) 13:56    14:27      14:41       15:02「55号」(1:48、14分)

13:48   14:56  15:26      15:41      16:01「11号」(2:13、15分)

(15:14) 15:56  16:27      16:39      17:00「57号」(1:46、12分)

15:48   16:56  17:26      17:38      17:58「11号」(2:10、12分)

(17:14) 17:56  18:26      18:39      18:59「59号」(1:45、13分)

17:48   18:56  19:27      19:39      19:59「13号」(2:11、12分)

(19:14) 19:56  20:26      20:43      21:03「61号」(1:49、17分)

19:48   20:56  21:26      21:42      22:02「15号」(2:14、16分)

(21:14) 21:50  22:20      22:28      22:48「63号」(1:34、8分)

 

(2)福井→敦賀米原・名古屋

・最速列車→「つるぎ49号」~「しらさぎ64号」~「こだま768号」の所要1時間33分

※名古屋→敦賀直通では「つるぎ17号」~「しらさぎ6号」の所要2時間07分

・最遅列車→「つるぎ1号」~「しらさぎ2号」の所要2時間15分

・全25往復の平均→1時間57分

敦賀乗換平均時分→9分。8分間の乗換列車は10本、67%。乗換最長時分は14分

 

★列車別所要時間と、敦賀乗換時間の内訳で、号数は「しらさぎ

福井発 敦賀着 敦賀発 米原着 名古屋着(敦賀乗換時間)

6:36   6:57  7:11      7:45        8:51  「しらさぎ2号」(所要2:15

※2時間15分、敦賀乗換14分)※以下同

7:38   7:59  8:11      8:44       (9:25)「54号」(1:47、12分)

8:38   8:59  9:11      9:44   10:49 「4号」(2:11、12分)

9:41    10:02  10:10  10:44 (11:.25)「54号」(1:44、8分)

10:41  11:02  11:10     11:44  12:48 「6号」(2:07、8分)

11:41     12:02  12:10  12:44 (13:.25)「56号」(1:44、8分)

12:41   13:02    13:10     13:43  14:48    「8号」(2:07、8分)

13:41   14:02  14:10  14:44   (15:.25)「58号」(1:44、8分)

14:41      15:02  15:10     15:43  16:49    「10号」(2:08、8分)

15:40      16:01  16:09      16:43  17:49   「12号」(2:09、8分)

16:41    17:02  17:10   17 :43  (18:.25)「62号」(1:44、8分)

17:38    17:59  18:08      18:43  19:46   「14号」(2:08、9分)

18:41    19:02  19:10      19:43   (20:25)「64号」(1:44、8分)

19:42    20:03  20:15      20:49  21:54   「16号」(2:12、12分)

21:32    21:53  22:01      22:34 (23:05)「66号」(1:33、8分)

 

【結論】

名古屋→福井で(最大)4分短縮、福井→名古屋で(最大)6分短縮だった

15往復全体の平均を見ると、名古屋→福井は所要2時間00分、福井→名古屋も2時間00分で、同時間でした。

名古屋・米原→福井直通時代の最速列車1時間38分と比べ、新幹線開通後は最速1時間34分で、4分の短縮です。

福井→米原・名古屋は直通時代は最速1時間39分、新幹線開通後1時間33分で6分短縮です。

最も遅い列車で比較すると、直通時代は両方向とも2時間13分、新幹線開通後2時間15分で新幹線効果はありません。

敦賀での新幹線接続が、在来線から新幹線の場合は大阪側「サンダーバード」優先、新幹線から在来線は米原しらさぎ」優先ダイヤです。

福井→米原の場合、敦賀8分乗り継ぎが15列車のうち10列車、67%あることで速達乗り継ぎダイヤにはなっています。

米原→福井では敦賀8分乗り継ぎは1本だけで、あとは12分以上かかり、最長19分接続です。

敦賀での新幹線接続がなかったときは、「しらさぎ」と「サンダーバード」の運転間間隔は最小限でも5分は空けていました。

新幹線敦賀での同じ「つるぎ」接続で、2列車を4分に縮めた結果ですが、近江塩津敦賀での特急続行運転には4分空けることが限度とみられます。

「つるぎ」は毎時2往復が基本ダイヤであるならば、「しらさぎ」と「サンダーバード」とを同じ「つるぎ」に接続しなくてもよいのではないかとも思います。

「つるぎ」でも速達型と各駅停車型があり、金沢行きと富山行きの2種が絡み合い、さらに一部は臨時列車扱いです。

また、東京行き「かがやき」「はくたか」の接続を避けたダイヤでもあり、これらが相互に、複雑に絡み合います。

名古屋-福井に特定して見てみると、敦賀-福井で越前たけふを通過すると17分、停車すると21分で4分差です。

新幹線開通前の「サンダーバード」は京都-金沢で福井のみ停車のタイプもありましたが、「しらさぎ」は北陸新幹線の各駅に停車するタイプのみでした。

その意味では「しらさぎ」の一部は各駅停車型「つるぎ」に接続という考えもあるかと思います。

敦賀で19分待ちならば、各停「つるぎ」8分乗り継ぎにより全体時間を相殺するという考え方もあります。

それによって、「しらさぎ」「サンダーバード」の両列車の敦賀8分乗り継ぎを果たすのも一方法かと考えますが、いかがでしょうか。

 

※写真は本文と無関係です。

大阪-福井 北陸新幹線で開通前よりも所要3分短縮のダイヤをみる

北陸新幹線敦賀開通前と開通後の大阪-福井最速列車の所要時間を検証してみました

北陸新幹線敦賀開業後の時間短縮効果として、大阪-福井では3分短縮ということが広く知れ渡りました。

区間で見る限り、敦賀の乗り換えが増えて料金が上がった割には、北陸新幹線敦賀開業の時間短縮は3分だったということで皮肉られました。

今回は、大阪-福井における新幹線開業前の最速時間と、開業後の乗り継ぎ列車時間を見ながら、3分と言われる時間短縮の全体像を見てみたいと思います。

大阪→福井と福井→大阪とでは、敦賀での乗り換え時間敦賀新疋田間での鳩原ループ線による距離数の相違により、上下列車を別々に検証することとします。

 

1 北陸新幹線開業前の大阪-福井「サンダーバード」の最速列車について

(1)大阪→福井 「サンダーバード37号」→1時間47分

※(次点)同9号・33号→1時間49分

(2)福井→大阪 サンダーバード10号」→1時間51分

(次点)同6号→1時間52分

 

2 北陸新幹線開業後の「サンダーバード」「つるぎ」乗継時間の状況について

(1) 大阪→福井

・最速列車→「サンダーバード31号」~「つるぎ32号」→1時間44分

・最遅列車→「サンダーバード43号」~「つるぎ44号」→1時間57分

・全25往復の平均→1時間50分

敦賀乗換平均時分→10分。8分間の乗換列車は11本、44%

 

★列車別所要時間と、敦賀乗換時間の内訳で、号数は「サンダーバード

1号→所要1:53(乗換時間12分)、以下同

3号→1:51(8分)

5号→1:47(8分)

7号→1:54(9分)

9号→1:52(15分)

11号→1:52(8分)

13号→1:53(15分)

15号→1:50(9分)

17号→1:52(14分)

19号→1:50(9分)

21号→1:49(8分)

23号→1:49(8分)

25号→1:50(8分)

27号→1:49(8分)

29号→1:51(8分)

31号→1:44(8分)

33号→1:49(8分)

35号→1:45(9分)

37号→1:50(9分)

39号→1:46(9分)

41号→1:49(8分)

43号→1:57(15分)

45号→1:53(10分)

47号→1:55(9分)

49号→1:54(12分)

 

(2) 福井→大阪

・最速列車→「つるぎ15号」~「サンダーバード16号」、「つるぎ27号」~「サンダーバード28号」→1時間47分

・最遅列車→「つるぎ37号」~「サンダーバード38号」→1時間59分

・全25往復の平均→1時間53分

敦賀乗換平均時分→10分。8分間の乗換列車は12本、48%

 

★列車別所要時間と、敦賀乗換時間の内訳で、号数は「サンダーバード

2号→1:54(乗換時間8分)、以下同。(※所要時間は土曜・休日に該当)

4号→1:56(8分)

6号→1:55(8分)

8号→1:51(8分)

10号→1:55(8分)

12号→1:54(14分)

14号→1:57(12分)

16号→1:47(8分)

18号→1:55(12分)

20号→1:55(12分)

22号→1:55(12分)

24号→1:55(12分)

26号→1:55(12分)

28号→1:47(8分)

30号→1:56(12分)

32号→1:51(8分)

34号→1:58(12分)

36号→1:48(8分)

38号→1:59(13分)

40号→1:50(8分)

42号→1:51(12分)

44号→1:54(12分)

46号→1:52(8分)

48号→1:52(8分)

50号→1:57(12分)

 

【結論】

大阪→福井で(最大)3分短縮、福井→大阪で(最大)4分短縮だった

以上を見てきた限り、正確には「最大」という形容詞を付けた上で、「3分短縮」という表現は正しいことを確認しました。

25往復全体の平均を見ると、大阪→福井は所要1時間50分、福井→大阪は1時間53分でした。

新幹線開通前の大阪-福井直通の最速列車と、新幹線開通後の平均時間とを比べた限りにおいては、大阪→福井、福井→大阪ともに1分ですが遅くなる結果でした。

また、最長所要時間の列車で見ると、大阪発で1時間57分、福井発で1時間59分を要しており、これでは新幹線効果がないと言われても仕方ありません。

米原発着の「しらさぎ」と発着時間が重なり、同じ「つるぎ」に接続するためであり、敦賀→大阪の「サンダーバード」では「しらさぎ」が先に発車するパターンが基本のため、敦賀では12分待ちが多くなっています。

敦賀→大阪の「サンダーバード」で敦賀乗り換え時間12分の列車は11本、44%あります。

 

所要時間短縮に限度がある大阪-福井の特急料金に更なる配慮が必要では?

新幹線は遠距離乗車するほど時間短縮効果が発揮されます。

大阪-金沢、大阪-富山ならば、少なくとも大阪-福井よりは時間が短縮されます。

その意味では大阪-福井の特急料金は通常よりも下げた配慮はあるものの、往復切符の設定等によってさらに金額を下げる余地もあるかと感じました。

 

※写真は本文と無関係です。

米原「しらさぎ」全7往復の名古屋発着化運用案とその効果

米原発着を名古屋発着に変更しても必要編成数は同じ5運用で可能では?

北陸新幹線開業後、大阪-福井の移動では敦賀での乗り換えが増えました。

一方、名古屋-福井の場合は、時間帯によっては米原敦賀の2回の乗り換えが必要となり、大阪よりもさらに億劫な乗り換えコースになりました。

名古屋-敦賀の「しらさぎ」に米原止まりが半数あり、その場合、名古屋-米原東海道新幹線「ひかり」で乗り継ぐ必要があるためです。

それに加えて敦賀でも乗り継がなくてはなりません。

名古屋-米原は「ひかり」で30分、米原敦賀は「しらさぎ」30分、敦賀-福井は「つるぎ」20分の乗車時間です。

20分から30分の乗車時間の列車に3回乗り継ぐことになります。

 

名古屋から福井へ、米原敦賀の2回乗り換えが不評でも構わないのか

しらさぎ」は、名古屋発着が8往復、米原止まりが7往復で、この本数は北陸新幹線敦賀開業前と同じです。

北陸新幹線敦賀開業で金沢-敦賀の特急運用がなくなることにより、米原止まりの「しらさぎ」を名古屋に延長するかと期待したものの皆無でした。

しらさぎ」は全列車がJR西日本の車両です。

東海道線名古屋-米原を受け持つJR東海としては、車両使用料の精算関係や同区間の乗務員が増えること、あるいは新幹線と重複する区間のため、名古屋「しらさぎ」を増やしたくない事情があるのでしょうか。

 

名古屋-敦賀直通「しらさぎ」の所要時間は約1時間40分、東海道新幹線米原乗り換えの場合、乗り換え時間を含めて約1時間10分で、その差は30分です。

乗り換えがあっても名古屋-敦賀で30分の時間差があるなら、新幹線米原乗り換えでよいという人もいるでしょうが、新幹線30分→特急30分→新幹線20分の乗り継ぎは仕方ないと割り切っているでしょうか。

 

名古屋-福井は名古屋「しらさぎ」で敦賀直通の方が便利

元来、東海道新幹線「ひかり」の米原停車は、東京から福井、金沢方面へ行く際に、名古屋で「しらさぎ」乗り換えよりも時間短縮できるという趣旨のものでした。

言い換えれば「ひかり」の米原停車は、対東京が趣旨の措置であり、対名古屋は結果としてその余波を受けた形でした。

名古屋から新幹線経由米原で始発の北陸特急に乗り換えるのは、名古屋側の時間短縮効果よりも東京からの北陸速達の余波と思います。

 

他の路線でも米原「すらさぎ」と似たような事情を抱える路線はあります。

例えば、大阪-鳥取の「スーパーはくと」が今後、新大阪-姫路の設定を省略して姫路-鳥取にすることでの増発や運用合理化を図ろうとする話題と類似したものがあります。

東京-熱海の「踊り子」、小倉-博多の「ソニック」などにも言えますが、新幹線と在来線とで会社が異なるため、新幹線と在来線特急それぞれでサービスを競い合う点が、大阪-姫路での同じJR西日本所管と状況が異なります。

名古屋-米原は新幹線と在来線が同じJR東海です。

JR東海は新幹線の30分時間短縮を名目に、名古屋「しらさぎ」をこれ以上増やす必要はないという考えがあるでしょうか。

 

しらさぎ」全列車名古屋発着とした場合の5種の運用表

とはいえ、名古屋及び福井の利用者からすれば、名古屋-福井の行き来において、米原敦賀の短時間3回列車、2回乗り換えは億劫と思います。

ここで、米原しらさぎ」を名古屋「しらさぎ」にした場合、列車運用はどの程度増えるのかを見てみました。

 

下記は、「しらさぎ」の全列車を名古屋発着にした場合運用で、5種(5編成)の運用です。

結果として5運用という数値は、米原止まりの「しらさぎ」がある現在と差のないものでした。

つまり、現在の運用数のまま、米原しらさぎ」全7往復を名古屋まで延長することは可能です。

名古屋と米原の時刻が太字・下線になっているのが、米原止まり列車を名古屋へ延長したときの、目安の時刻です。

正確な時刻ではありませんのでご了承ください。

なお、発着時刻は時刻の「:」は略させていただきます。

 

名古屋発 米原発 敦賀着  敦賀発 米原発 名古屋着

【運用1】

641    747  818  → 911    950  1049

1148   1256  1327  → 1410  1444  1548

1648     1756  1826 → 1910  1943  2049

 

【運用2】

751       857   927  → 1010  1050  1148

1248    1356  1427  → 1510  1550  1649

1748     1856  1927  → 2013  2055  2154

 

【運用3】

851     956  1027  → 1110   1152  1248

1348    1456  1526  → 1609  1650  1749

1848   1956  2026

 

【運用4】

                   711   752  851

 948    1056  1126   → 1210   1250  1348

1448   1556  1627   → 1710   1750  1848

1948   2056       2126   → 2201   2234  2334

  

【運用5】

                    811    844  949

1048   1156  1226    → 1310  1351    1448

1548   1656  1728    → 1808  1850    1946

2048  2150  2220

 

名古屋-福井が米原乗換では競争力がないという認識が必要では?

拙ブログではこれまでにも何回か、米原しらさぎ」の名古屋「しらさぎ」化を書かせていただきましたが、改善したい様子がまったく感じられないのは残念です。

JR西日本は「しらさぎ」運用を含めた681系、683系車両に余剰があるはずです。

JR東海には前記、名古屋から福井はもとより金沢・富山の往来に際し、米原敦賀の2回乗り換えは得策でないこと、またJR西日本JR東海に対し、「しらさぎ」の名古屋発着効果を今一度、協議してほしいものです。

JR東海JR西日本車両の乗り入れによる車両使用料精算が絡むならば、373系または振り子装置を未使用とした383系を「しらさぎ」の一部に充てることでJR西日本と協議してもよいのではないでしょうか。

少なくとも中央線383系を385系に置き換えてから、余剰の383系を「しらさぎ」に充てるには2029年度までまだ5年を要し、それでは遅すぎると考えます。

 

松戸市内の鉄道 2024年度以降の計画と将来像をみる

常磐線を中心に6路線23駅を有する千葉県松戸市の今後の計画と将来像を探ってみました

新京成での松戸駅通勤・乗降50年の思いから、常磐線武蔵野線新京成東武野田線、流鉄流山線、北総(成田スカイアクセス線)の7路線、23駅を有する街、松戸市内の鉄道の今後についてまとめてみました。

内容は順不同で、筆者の勝手な想定によるものも含まれますので、予めご了承ください。

 

常磐線

〇 松戸駅常磐緩行線(各駅停車)のホームドアが2024年4月26日から供用開始。

松戸市内の常磐緩行線4駅ののホームドア整備完了。

常磐緩行線でホームドア整備中の駅は我孫子のみとなる。

我孫子駅緩行線ホームドアは2024年度中に整備後、常磐緩行線綾瀬-取手のホームドア設置が完了し、2025年度(2025年3月のダイヤ改正後?)から、常磐緩行線でワンマン化の計画。

→ホームドア整備により、駅での停車時分、全体の所要時間は現在よりも若干延びる(電車が駅到着後、ホームドアを開けてから電車ドアを開けること、発車時は電車ドアを閉めてからホームドアを閉める。

駆け込み乗車による、電車とホームドアとの間に乗客が挟まれる状態も想定する必要があり、ホームドアが閉まる際の乗客の感知機能も重要となる。)

〇 快速線のホームドアについて

→上野-取手間の快速と、土浦方面の中距離電車とでは、運転台付き車両(1・10・11・15号車)のドア位置が異なるほか、グリーン車の有無(4・5号車において上野-取手間の快速は4ドア、土浦方面の中距離電車は2ドアのグリーン車)により、同じくドア位置が異なるため、ホームドア設置は緩行線よりも遅れる。

また、快速線には特急車両の団体列車運用等により、臨時停車する場合もあり、ホームドア設置にはその配慮も含める必要がある。

→上野-取手の快速E231系は今後、中距離電車E531系と運転台ドアが一致するE233系E235系に置き換わっていく可能性もあるが、仮にこれが実施されると中距離電車E531系と運転台付き号車の4両分のドア位置は一致する。

仮に、上野-取手の快速をE233系等に置き替えたとしても、4・5号車における4ドアとグリーン車の2ドアの整合はできない。

現時点ではJR東日本からE231系の置き換え関係の話はない。

また、上野-取手の快速にグリーン車を連結することは、走行区間の短さと常磐線グリーン車需要から今後とも考えにくい。

臨時・団体列車の特急車両充当による松戸停車を考慮する必要がある。

〇 2026年春、松戸駅の東西通路拡幅化(幅員14m)が竣工予定

改札内コンコースの拡張

・入口専用・出口専用に分かれているJR改札口を一体化統合

新京成松戸駅の改札周辺の駅施設改良

〇 2027年春、松戸駅南側に6階建て駅ビルが2027年春開業

〇 2031年開業目標の東京駅-羽田空港直結の「羽田空港アクセス線(仮称)」については、常磐快速線から羽田空港直通列車設定の可能性について

常磐線から上野東京ライン直通列車は、特急と普通列車が品川までの乗り入れを行なっている。

→乗り入れが品川までで、東海道線横浜方面に直通しないのは、交直両用電車で車両費が高価なため交流電化区間で有効に使いたいことや、東海道線から見た場合に常磐線松戸、柏方面直通よりも、東北線高崎線浦和、大宮、宇都宮、高崎方面直通の方が需要があることによる。

〇 松戸駅への特急停車は、JR東日本が柏が停車の一本化を決めたダイヤとしたため、今後とも困難と思われる。

〇 常磐緩行線の取手延長列車の増発、休日の運転は、我孫子-取手の快速と重複し、快速の我孫子止まりは現実としてできないため、今後も行なわないと思われる。

〇 新松戸駅の快速ホーム設置、快速列車の停車については、とくに動きはない。

 

武蔵野線

〇 当面、変化はないと思われる。

〇 現在の8両編成から10両編成への輸送力増強は行なわないと思われる。

〇 新松戸-新八柱間の新駅設置の話については、進展していないと思われる。

〇 ホームドアについては、8両編成でドア位置は共通だが、新松戸などでは臨時特急停車によるドア位置の考慮が必要であることと、武蔵野線は東京都区内走行でないため、整備順序としては遅れる可能性がある。

 

北総(成田スカイアクセス線

〇 当面、変化はないと思われる。

〇 全車指定席の有料特急「スカイライナー」の東松戸停車は、青砥と新鎌ヶ谷停車を実施している状況下で、東松戸の追加停車は日暮里-成田空港の所要時間がさらに延びるため、行なわないと思われる。

〇 料金不要の「アクセス特急」は40分間隔運転で利便性に欠けるため、成田湯川-空港第2ビルの単線事情はあるが、20分間隔運転による東松戸での乗車機会の増加要望は鉄道側に行なってもよいのではないかと思われる。

〇 ホームドア関係は、京成本線整備も抱えているため、遅れるのではないかと思われる。

 

新京成

〇 2024年3月23日のダイヤ改正で、夜間の列車本数を削減した。

〇 2025年4月から新京成は解散し、京成に吸収合併される。

→松戸-京成津田沼の路線名称は不明。

→列車の運行形態は、日中は千葉中央行きと京成津田沼行きの交互設定は変わらないと思われる。

→朝夕ラッシュ時の千葉中央行き設定は行なわないと思われる。

→京成成田本線経由、成田空港行き直通列車の設定は、京成津田沼駅構内の線路配置上、出来ない。

→新鎌ヶ谷での北総線乗り入れ復活は、線路配置上からも行なわない。

新京成のホームドアは、主力の8800形と、新しい80000形及びN800形とではドア位置が異なるため、8800形・8900形が引退するまではホームドアを設置しないと思われる。

→8800形・8900形は今後、10年程度は走ると思われる。

→京成への合併に伴って、従来からの慣例に捉われない新京成路線への新たな変化が生まれる可能性はある。

新京成の名称は、例えば「京成千葉線」となるか。

→運賃は新京成独自の設定を引き継ぐか。引き継いでも一定期間内限定か。または京成本線と同一化するか。

→京成車両が松戸まで乗り入れてくるか。

→今後のワンマン化はあるか。

 

流鉄流山線

〇 2023年7月1日に列車ダイヤを一部削減した。

→平日の運転本数を72往復から64往復へ、土曜・休日は64往復を59往復へ減便した。

→最終電車時刻を10分繰り上げた。

→各駅での停車時間を若干延長しながらも、全体の所要時間は同時刻とするようにした。

→日中の20分間隔運転は変わっていない。

〇 2024年4月1日から運賃を改定した。

→馬橋-幸谷は140円だが、同区間を並走する常磐線馬橋-新松戸のIC運賃146円よりは安価となっている。

〇 以上のダイヤ改正と運賃改定から、2024年5月以降の変化はほとんどないと思われる。

〇 ICカード導入は当面行なわないと思われる。

 

東武野田線東武アーバンパークライン

〇 2025年度から大宮-春日部-柏-船橋野田線全線で、列車編成が6両から5両へと1両減となる予定。

野田線に新型車両80000系5両編成が大量配置される。

→ラッシュ時の混雑増が懸念されるが、東武野田線大宮-船橋全体で、東京への通勤線の位置づけとして見ると常磐線総武線、北総、つくばエクスプレス東武伊勢崎線東北線等への連絡の役目を果たすもので、東京直結路線ではないこと。

→コロナ禍後の利用減、テレワーク普及等による全盛期の利用回復は見込めないこと。

→以上の2点に加え、旧型電車の新型車両置き換えと併せて6両から5両への1両減車を実施すると思われる。

〇 ホームドアは、野田線車両のドア位置が共通していることから導入はしやすいものの、東京都区内発着の伊勢崎線東上線等が優先と思われる。

 

以上ですが、松戸駅ビル完成の2027年が松戸駅の一つの大きな変化になります。

完成まで状況を見守りたいと思います。

 

東海道新幹線個室編成登場前後のチェックポイントを整理する

新たなN700S系個室編成が登場するまで、気になる点を整理してみました

東海道新幹線に2026年度、個室が復活することになり、話題を呼んでいます。

今回は、N700S系に個室が連結された編成が登場するまでの間、注目箇所を順不同で列記してみたいと思います。

 

◆ 登場時期と個室車編成の新製計画

〇 登場はいつ頃か?

N700系Sの増備計画は、2024年度7編成、2025年度7編成、2026年度3編成の予定であるが、

・2024年度の7編成分の一部から個室編成が設置されるか?

・2025年度の7編成分から個室編成が設置されるか?

〇 個室編成の新製はJR東海だけか?

JR西日本も後に個室編成を新製するか?

〇 編成番号を変えるか?

JR東海の編成記号「J」を踏襲するか?

新たな編成記号を使うか?

仮にJR西日本でも個室編成を新製するとしたら、編成記号「H」はどうなるか?

 

◆ 号車位置

〇 個室は何号車に設置されるか?

→元喫煙ルームの10号車(グリーン車内)か?

→7号車の東京側または11号車の博多側の空間を個室にするか?

〇 仮に10号車設置の場合、今後さらに7号車の東京側または11号車の博多側も個室にして計3両分、合計6室分を個室にする可能性もあるか?

 

◆ 個室定員と仕様

〇 2つの個室の構成は、1人用個室で2室の設置か?

→1人用と2人用を各1室での設置か?

→1人用と2人用を各1室で設置の場合、山側が1人用、海側が2人用か?(※普通車の3&2席配置に倣った想定)

〇 座席の向きは固定式か?

→固定式の場合、乗車方向によっては後ろ向き固定となって不快感を抱くことへの議論はないか?

100系時代は海側向きだったが、海側方向への回転は不要と考えるか?

〇 固定式の場合、博多側向きの固定席か?

または東京側向きの固定席か?

あるいは、固定席でも2室で博多側と東京側とで、それぞれ向きを変えるか?

〇 個室の鍵はどのような方式か?

〇 個室のドアを閉めた状態で、通路側から個室内はどの程度見えるか?

〇 個室の窓の大きさはグリーン車と同程度か?

グリーン車の窓より大きいかまたは小さいか?

〇 個室付近の通路の外観はどうか?

〇 個室番号は、グリーン車の列の続番か?

→ または「個室1」のような番号か?

 

◆ 愛称とロゴマーク

〇 個室に愛称を付けるか?

→単に「個室」とするか?

グリーン車より上級的なイメージを描く名称を付けるか?

JR西日本の在来線団体列車や、関西圏快速列車の指定席のような、あか抜けた名称とするか?

〇 個室車両に専用マークを付けるか?

〇 車体側に、個室付き編成として新たなロゴマークを表示するか?

 

◆ 個室料金とサービス

〇 グリーン車の上級的な位置づけとして、独自の料金を設定するか?

→料金は、通常のグリーン料金、JR東日本グランクラスと比べてどの程度の額か?

〇 個室特有のサービスはどの程度か?

→列車乗務の係員からの人的サービスはあるか?

 

◆ 列車運用

〇 個室連結の編成は、東京-博多の運用か?

〇 東京-博多で1編成1往復の運用が基本か?

→東京発ダイヤで、毎時12分発の列車への充当か? または毎時30分発の列車への充当か?

→運用の都合により、広島または新大阪止まりの列車にも充当することがあるか?

〇 東京-博多の所要約5時間、東京折り返し約15分、博多折り返し約25分として、東京→博多→東京の1往復、または東京→博多→東京→広島(または新大阪)の1.5往復運用とするか?

〇 東京-博多毎時1往復の「のぞみ」を個室付きにすることを目標とするか?

〇 個室編成は、2024年度から2026年度の計17編成にとどめて、それ以降の新製車は再び個室のない編成とするのか?

→最終的に、全編成への個室設置を目指すのか?

→個室の利用状況及び評判を見ながら更なる増備を判断していくか?

〇 JR西日本所有の「のぞみ」用編成も個室化するか?

→あくまでJR東海所有の編成だけの話か?

〇 将来的には「ひかり」「こだま」への個室車両の運用もありえるか?

〇 山陽・九州新幹線用の8両編成で、車販準備室のある7号車も個室化していくか?

〇 個室とは別に、グリーン車の一部をJR東日本グランクラスのような設備にする可能性があるか?

 

◆ 既存N700S系の個室化改造の可能性

〇 17編成の個室編成の利用が全般的に多かった場合、既存のN700S系も個室改造するか?

→改造経費、車体強度、今後の走行年数等を総合的に鑑みて、個室改造を見送るか?

→新製して間もない編成(2023年度新製、2022年度新製と逆算していく方法)を中心に個室改造を検討するか?

→改造する場合、個室の窓の設置をどう扱うか?

 

◆ その他1(登場後の時刻表冊子、駅構内の列車案内表示、放送等)

→時刻表冊子では、個室付き列車をどのような表記とするか?

→時刻表冊子での個室の説明及び料金案内はどのようになるか?

→駅構内やホーム上での列車案内で、個室付きであることをマーク等で表記するか?

→駅構内放送、列車内での放送はどのように案内が変化するか?

 

◆ その他2(JR東日本の新幹線等)

〇 JR東日本と、JR九州の九州内専用編成について、JR東海の個室評価と利用が高かった場合、自社編成にも今後、間接的に反映していく可能性があるか?

 

個室設置により定員減でなく、逆に定員数を増やすJR東海の空間活用の思想

東海道新幹線の編成といえば300系以降、1,323人定員で一貫してきましたが、バリアフリー関連で現在の最新車は1,319人定員となっています。

たかだか4人の減とはいえ、JR東海は1,323人定員の輸送力に誇りとこだわりを持っていました。

今回、座席数を減らさず、むしろ使わなくなった空間を活用して逆に定員を増やしたことは、いかにもJR東海らしいと思います。

それは、座席数を減らして荷物室を設置したJR東日本に対し、荷物室を設けず最後部座席の空間を荷物置き場に活用して定員数をそのまま維持したJR東海の姿勢にも共通します。

今回の個室を2人用2室にすれば1,323人定員が復活しますが、さすがにそこまではせず1人用個室は設置するようです。

個室の復活により、再び1,323人定員に近づいたことで、JR東海としては別の意味での安心感もあるのではないでしょうか。

 

筆者は今後、個室の利用及び評価が高かった場合、10号車?に加えて、7号車の東京側、11号車の博多側空間も個室化し、4人用個室も設けて、基本定員1,323人を超える1,330人台にすることでの、更なる意気込みと誇りをJR東海は奥側に秘めていると感じていますが、はたしてどうでしょうか。

N700S系個室編成の登場を楽しみに待ちたいと思います。

 

(※ 記載にあたり、旅行総合研究所タビリス、2024年4月18日付け「東海道新幹線『個室』導入、わかっている情報まとめ。2026年度営業開始へ」のほか、WikipediaのN700S系の項を中心に、参考にさせていただきました。)

 

東武80000系のニュースリリースに隠れた部分を読む 

「減車より新車」の話題、6両編成12分間隔よりも10分間隔5両編成による現状ダイヤ維持がポイント

東武から、2024年4月16日付けで「2025年から東武アーバンパークラインに5両編成の新型車両80000系を導入します 」のニュースリリースがありました。

アーバンパークラインへの新型車両80000系の投入が話題を呼んでいます。

今回は、80000系の話題と併せ、ニュースリリースの内容から読みとれる東武側の事情を見てみたいと思います。

 

以下、リリースから引用させていただいた部分は太字で、筆者の意見・感想等は→で記載します。

毎回のことですが、筆者の意見は何の根拠もない勝手な想像ですので予めご了承ください。

また、拙ブログでは従前から東武野田線の路線名称で記載していますが、今回はニュースリリース内容の引用展開であることからアーバンパークラインの名称で表記します。

 

◆(※見出し部分)

5両編成の新型車両80000系を導入します 

(※冒頭説明部分)

東武鉄道(本社:東京都墨田区)では、2025年から東武アーバンパークラインに新型車両80000系を導入します。最新機器の搭載や5両編成化等により、省エネ・CO2削減による環境負荷低減を図ります。

→ 新型80000系はどのような車両だろうかと、話題が車両内容に向きますが、見出しの「5両編成の」「5両編成化等により」という部分で、その頭に「現在の6両編成を1両減らした5両編成の」「6両編成の5両編成化等により」といったお断り文句を入れていないところに東武の苦心を感じます。

冒頭から減車の話を持ち出したら、せっかくの新型車両の話題が弱まってしまいますから当然と言えます。

減車の話題よりも新車の話題ということです。

しかしながら6両を5両に減じることを見出しで触れないわけにもいかず、さりげなく「5両編成の新型車両を導入」と表現しています。

一般の人には、現状の編成が6両か、5両か、何両編成だろうと関心が薄い人には「5両編成」部分を気にしないまま流していく含みがあると思われます。

 

◆ 小さなお子様やそのご家族が車内で快適にお過ごしいただけるよう、全編成に『たのしーと』を設定します。

~中略~

一部箇所に『たのしーと』を設定し、子供部屋をイメージしたわくわくする内装を施すとともに、ベビーカーをご利用のお客様が隣でお座りいただける構造を実現しています。

→ 「たのしーと」は80000系のポイントの一つです。

従来の優先席発想から脱却し、子供に焦点を当てたことは思い切った発想転換です。

車端部の位置に、座席の肘掛けと同じような形状の仕切り板を設置することもよい配慮と思います。

 

たのしーと」と聞いた時、一瞬JR西日本の関西線(大和路線)とおおさか東線の「うれしート」を連想しました。

JR西日本の「うれしート」は「ト」がカタカナですが、東武は「たのしーと」で全部ひらがな表記の点が異なります。

「うれしート」を「うれシート」と誤記する例があるので、全部ひらがなの「たのしーと」の表現の方が誤記、誤字はなく、賢明な表記と思います。

 

蛇足ですが、筆者はひねくれ者なので「他のシート?」と一瞬、錯覚してしまいます。

シートの愛称が「嬉しい」「楽しい」をもじった「うれしート」「たのしーと」と続くと、通常の優先席やグリーン車もやがて「やさしーと」「すばらしーと」「うつくしーと」「あたらしーと」「いいしーと」などの愛称に変わっていくのでしょうか。

 

◆ サスティナビリティの観点から、60000系を6両編成から5両編成に改造する際に派生する1両を80000系に流用します。

→ サスティナビリティとは、持続可能性、環境や経済等に配慮した活動を行なう意味とされています。

サスティナビリティという言葉は、一般の人がすぐ理解できるなじみの言葉になっているのでしょうか。

筆者の未熟な次元では「サスティナビリティ(環境負荷低減、経済性)」のように、さりげなくフォローする表現の配慮をしてほしいと考えます。

そもそも、サスティナビリティが環境負荷低減、経済性の意味でないとすれば、単なる筆者の未熟さと自戒します。

後段に出てくる「DX」も同様で、デラックスのことかと誤認識する程度で、逆に時代の変化に追いついていけない年齢を再認識させられます。

 

◆ 東武アーバンパークラインに新型車両を導入するとともに、現行6両編成の列車を5両編成化することで、さらなる省エネ化を図り環境問題に対応し、また5両編成化後も適正な列車本数の維持に努めることで、新しい生活様式に伴うご利用状況の変化に対応してまいります。
→ 6両編成の5両編成化と、さらなる省エネ化と環境問題とは、どのように結びつくのでしょうか。

省エネ化と環境問題に取り組むために5両編成化したのでしょうか。

1両の減車化によって省エネ化されるという理屈は分かりますが、減車するということは通勤時間帯を中心に列車内が一層混雑する、着席率が下がるということでもあります。

混雑増の影響はさほど大きくなく、減車による省エネ効果の方が大きいということでしょうか。

環境問題に対応という箇所も同様です。

1両減車することが環境問題にも対応するというのは、減車後の結果であって、そもそも今回、なぜ減車したのかを理解してからの話と思います。

 

◆ ご利用動向に合わせた対応を図りながら、引き続き安全・正確かつ利便性の高い輸送サービスを継続するために、より一層の効率化を図るとともに、環境にやさしい鉄道を目指す必要があると考えています。

→ 「ご利用動向に合わせた対応を図りながら」という表現から、輸送実態からみて6両編成の輸送力が過剰であること、今後も利用回復が見込めないことの意味合いがあると思われます。

「利便性の高い輸送サービスを継続する」ことと、「より一層の効率化を図る」こととは相反しますが、それを両立化するのが、今回のアーバンパークラインでの1両減車化の結果と受けとめました。

具体的には、以下のとおりです。

 

【現在の普通電車と急行】

〇 普通電車10分間隔→毎時6本→6両で毎時36両分

〇 急行30分間隔→毎時2往復→6両で毎時12両分

◎ 毎時合計 延べ48両

 

【6両編成のままで毎時1往復減とした場合】

→ 6両編成のままで輸送力を調整すると、毎時10分間隔6往復を、12分間隔5往復とせざるを得ない

〇 6両で12分間隔の場合→毎時延べ30両分

〇 急行30分間隔→毎時2往復→6両で毎時延べ12両分

◎ 毎時合計 延べ42両

→ ただし、10分間隔が12分間隔になって、毎時1往復減の不便さが生じる。

また、編成両数は6両のままではあっても、12分間隔化、毎時1往復減により、5両編成化での毎時6往復と比較して、列車内での混雑としては大差はない。

 

【普通電車を10分間隔、毎時6往復のままで5両化した場合】

〇 普通電車10分間隔、毎時6往復で毎時延べ30両分

〇 急行30分間隔→毎時2往復→5両化で毎時10両分

◎ 毎時合計 延べ40両

→ 全車6両編成に比べて8両分が削減できる。

運転ダイヤ上も10分間隔継続で不便さを与えない。

ラッシュ時の混雑、日中時間の混雑には課題があるが、割り切る。

 

6両継続による本数減でなく、現状ダイヤ確保のための1両減車の選択

以上を総合して、10分間隔ダイヤを継続することを最重点に、編成両数削減で効率化対応したと考えられます。

減車を機に旧型車を新型80000系に置き換えることで、減車の話題よりも新車の話題で明るくしようという80000系25編成125両ものアーバンパークライン大量投入趣旨を感じます。

 

アーバンパークラインの利用状況について、コロナ禍やテレワークによる減少は分かりますが、2023年度になって利用は戻っていないのか、全盛期の回復までは見込めないのか、回復していったとしても6両編成までの需要回復は見込めないのかが知りたいところです。

来春の80000系登場後の変化を見守りたいと思います。

 

成田空港発着回数増に対して 当面は「アクセス特急」20分間隔化で対応を

成田スカイアクセス線の複線化完成までは「アクセス特急」40分間隔の20分間隔ダイヤ化が現実的な対応策と考えます

旅行総合研究所タビリス、2024年4月16日付け「成田空港アクセス、鉄道『複線化』は実現するか。検討委が提言、新駅設置も」を拝見しました。

記事の中から一部を引用させていただきます。

(以下引用)

成田空港では、C滑走路の新設やB滑走路の延伸により、年間発着回数を現在の1.7倍の50万回に増やす計画を立てています。

実現すれば利用者の大幅な増加が見込まれるため、成田空港会社では「新しい成田空港」と題する将来構想を掲げて、検討委員会を設けて議論しています。

これまでの検討では、3つある旅客ターミナルを一つに集約し、鉄道新駅を併設する方針などを示しています。

さらに、2024年4月12日に開催された検討委員会第7回会合では、新駅を設けるだけでなく、乗り入れる鉄道の複線化を提言しました。

~中略~

成田空港の新滑走路の改正目標が2029年で、新ターミナルの建設着手はその後になるので、新駅開業や複線化は、早くても2040年頃になるのではないでしょうか。

(以上引用)

 

成田空港でC滑走路新設、B滑走路延伸により、年間発着回数が現在の1.7倍の50万回となるほか、三つの旅客ターミナルを一つに集約、新駅設置、複線化という流れと理解します。

 

京成・成田スカイアクセス線JR東日本の状況比較

◆ 2022年度の乗車(乗降)人員

JR東日本は乗「車」人員(降車を除く)、京成は同年度の乗「降」人員の数値です。

〇 空港第2ビル駅:JR東日本3,621人、京成18,503人

〇 成田空港駅JR東日本3,730人、京成17,769人

◆ 列車本数

〇 京成・成田スカイアクセス線

・「スカイライナー」41.5往復

アクセス特急(料金不要列車):27往復

京成本線列車(快速等):55.5往復

〇 JR東日本

・「成田エクスプレス」27往復

・東京または千葉-成田空港直通快速または各駅停車:28往復

◆ 列車定員

〇 京成・成田スカイアクセス線

・「スカイライナー」398人

アクセス特急(料金不要列車):1,046人(3640席)※都営浅草線5500形の場合

京成本線列車(快速等):1,042人(380席)※京成3100形の場合

〇 JR東日本

・「成田エクスプレス」:580席

◆ 運賃・料金

〇 京成・成田スカイアクセス線

・「スカイライナー」2,567円

アクセス特急(料金不要列車):1,267円

京成本線列車(快速等):1,052円

〇 JR東日本

・「成田エクスプレス」:3,072円

・快速:1,342円

 

アクセス特急の20分間隔化ダイヤがもっとも現実的で迅速な対応策

記事の中で、新滑走路の改正目標が2029年、新駅開業や複線化は早くても2040年頃と書かれていますが、その間、10年以上、現状のダイヤのままでは輸送力不足になります。

列車の高速化、長編成化、複線化が求められる中では一朝一夕にはできず、2029年度時点ではいずれも実現が困難なだけでなく、2040年台頃まで延びる可能性が高くなっています。

 

上記、空港第2ビル駅と成田空港駅の、JR東日本の乗車人員数、京成の乗降人員数や列車運行実績を見る限りは、JR東日本よりも京成が主体となっています。

JR東日本の千葉駅経由という迂回路コースは、成田スカイアクセス線に比べて不利であり、誘導に限度がありそうです。

その意味で成田空港輸送量増加への設備投資は、成田スカイアクセス線の充足化を優先した方がよいと考えます。

 

JR東日本は、成田スカイアクセス線「スカイライナー」と比べ、所要時間を要することから、毎時2往復の「成田エクスプレス」、同1~2往復の快速・各駅停車列車のまま続くと思われます。

しかしながら成田スカイアクセス線京成本線は20分サイクルのダイヤであるため、毎時3往復の「スカイライナー」及び同3往復の京成本線の増発は困難です。

また定員以上の乗車対応もできません。

増発、輸送力増強の余地があるのは、成田空港と京急羽田空港運行を基本とする「アクセス特急」を、現在40分間隔から20分間隔にすることです。

アクセス特急」を毎時20分間隔運転化したとしても、成田湯川-成田空港間の単線、根古屋信号場、空港第2ビル、成田空港3駅の容量は、理屈上では毎時20分サイクルダイヤの中で、「アクセス特急」は設定有りと設定無しとの繰り返しなので、現状ダイヤには入れられると考えます。

 

これにより、「スカイライナー」、京成本線の一般列車、成田スカイアクセス線の「アクセス特急」(一般列車)、計3種類の列車で各3往復、東京地区-成田空港が毎時合計9往復となります。

本数的には毎時40分間隔運転で1日27往復のダイヤを、20分間隔のダイヤとして約20往復の増発、1日合計50往復前後のダイヤとして、2029年度以降の成田空港アクセス増に対し、成田スカイアクセス線成田湯川-空港第2ビルの複線化完成まで凌ぐことが当面の現実的な対応方法と考えますが、いかがでしょうか。

 

(※ 記載にあたり、旅行総合研究所タビリス、2024年4月16日付け「成田空港アクセス、鉄道『複線化』は実現するか。検討委が提言、新駅設置も」から一部を引用及び参考にさせていただきました。また、空港第2ビル駅と成田空港駅Wikipediaを参考にさせていただきました。)

 

4月15日は415系の日にちなんで 415系独断偏見ベストテン

常磐線を中心に415系栄光時代を振り返って特徴的な10点を選んでみました

乗りものニュース、2024年4月15日付け、「『415系の日』で激レア写真! 異形の“先頭だけ普通車2階建て” JR東日本の投稿」を拝見しました。

4月15日を415系の日として、2階建て先頭車の「クハ415-1901」の話を展開した内容です。

文中に「415系の思い出を大募集」とあり、本来なら指定の宛先に送るべきところですが、拙ブログではここで「415系の思い出」を独断偏見ベストテンとして出させていただきたいと思います。

なお、今回の内容は趣味的視点でのものであり、他意はありませんので予めご了承ください。

また、便宜上、常磐線中心の記述ですが、JR九州の関門間でも該当するケースが多々ありますので併せてご承知ください。

 

1 JR九州の門司-下関の運用

交直両用設備を活かして、415系を大事に使っているJR九州に感謝したい区間です。

門司-下関間が今後、どのような車両に置き換わるか定かではありませんが、交直両用電車の新製または既存の交流電車を交直両用化改造し、引き続き交直両用電車として運行するのは難しそうな情勢です。

門司駅停車中に交流電化設備を活かして充電し、関門トンネル経由で下関折り返しの際はパンタグラフを使用しないハイブリッド充電方式、蓄電池方式など、いろいろな方法が考えられます。

関門トンネル走行の油煙と勾配の観点から、気動車への置き換えはないと思われます。

JR東日本からE531系購入またはE531系のJR九州版新製など、かつての415系譲渡購入の思想はもうあり得ないでしょうか。

 

2 常磐線取手-藤代の交直流電流切り替え時の車内蛍光灯の消灯

415系の楽しみの一つが交直流切り替え地点(デッドセクション)での消灯です。

現在のE531系のような、交直流切り替え地点でまったく消灯しない電車は、技術とサービスの向上の成果ではありますが、趣味的には楽しみが一つ減りました。

地下鉄銀座線が駅に着く直前に消灯した風物とともに、消灯の懐かしさがあります。

 

3 取手→藤代の交直流電流切り替えの運転士のスイッチ操作

取手からしばらく走行して、藤代に着く少し前に運転士が交直流切り替えスイッチをひねります。

運転士の緊張感を感じ取れるのも風物です。

上りの藤代→取手では、すぐに電流切り替えがあり、発車後すぐの作業のため、緊張感には欠けます。

常磐線では下り線での、なかなか交直流切り替え地点に差しかからない距離の長さ、交直流切り替えスイッチをすぐには操作しない時間経過も楽しみのうちでした。

E531系での電源自動切り換えは交直切替の失念が防止され、運転操作も楽になりましたが、交流区間に入ったことさえも忘れさせ、趣味的な面白みはなくなりました。

 

4 取手→藤代の交直流電流切り替えのパンタグラフ付きモハ414の床下機器の音

交直流切り替え地点で、パンタグラフ付き車両の、パンタグラフ位置の真下の座席に座っていると、屋根上の切り替え音、床下の交直転換器の音の変化が楽しめました。

この切り替え音はE531系でも楽しめます。

 

5 ピンクの車体色、低運転台と原形ライト

415系の原形401系、421系の車体色はピンクで、運転台の位置が低く、前照灯も白熱灯でした。

その後、踏切事故対策で運転台位置が高くなり、前照灯はシールドビーム化され、車体は白色、そしてステンレスへと変わっていきました。

ピンクの車体色は、交流電化区間での2万ボルトの高圧による危険性警告の意味を込めて、北海道用711系交流電車の赤色を薄めたピンク色にした経過があります。

同じことは交流電気機関車ED75の赤色、交直流機関車のEF80、EF81のピンク色の車体色にも当てはまります。

 

6 パンタグラフ周辺機器と交直流切り替え操作時の轟音

上野駅での折り返し作業、点検時の風物です。

何も知らない人には一瞬、爆発かと錯覚するかのような轟音です。

この交直切り替えテストでのパンタグラフ付近の音量を下げることだけは、さすがに今の技術でも難しいようです。

 

415系の菱形の大型パンタグラフは、E531系のような「く」の字型の小型タイプや、711系・EF81のような下枠交差型タイプよりもは堂々としていて見栄えがあります。

直流電車と違って、パンタグラフが屋根から若干持ち上げられて設置されているのも交直両用電車ならではの外観です。

 

7 JR東日本JR九州の冷房装置改造後の外観の違い

国鉄時代の冷房装置は集中型1台方式が基本で、JR東日本JR九州ではその思想を受け継いでいます。

ちなみにJR西日本JR東海は2台の集約分散方式の思想です。

 

JR東日本では国鉄から引き継いた415系のうち、非冷房車の冷房化改造にあたって、屋根上の冷房装置は集約分散式2台方式を基本としました。

ただし屋根上機器の多いパンタグラフ付き車両に限り、集中型1台としました。

一方、JR九州では、車端部座席2ボックス分のスペースに床置式冷房装置を搭載する方式が採用され、側窓はルーバー状の外気取り入れ口となり、この位置の屋根上に巨大なグローブ型屋上排風器が取り付けられました。

同じ冷房改造でも、JR東日本JR九州の違いは興味深いものがありました。

 

真夏の時期、冷房のない列車では窓が大きく開けられていて、上野駅ではホームから座席をめがけて荷物を投げ、自席を確保しようとしたり、窓から列車に乗り込んだり、列車内では宴会が始まってアルコールの香りが漂いました。

客車列車に多かった常磐線での光景ですが、非冷房の415系でも見られました。

東北・高崎・中央・東海道・総武の各線の普通列車では、常磐線ほどには特有の香りはなく、常磐線普通列車は宴会列車の別名もありました。

 

8 常磐線用の急行型気動車の微妙な冷房装置の位置と、電車の静電アンテナ

先頭車の屋根上に常磐線固有の2基のアンテナが備わっていたのも常磐線の風物です。

常磐線を走る水郡線直通急行「奥久慈」は急行形気動車キハ28・58形で、屋根上冷房装置は1両に7基ありましたが、常磐線用車両は2基の無線アンテナ設置のため、運転台付近の冷房装置の配置間隔が通常より開いているのが特徴でした。

 

また、急行形455系「ときわ」などにも見られますが、藤代以北の交流電化区間では2万ボルトの電流が流れているかどうかを知るアンテナで、逆L字型になっていました。

直流電車の115系165系では見られない先頭部の外見でした。

 

9 急行列車運用

急行「ときわ」の臨時増発で急行形451系車両が不足した時代に、近郊形415系を急行に充てたもので、415系の一部ロングシートでも急行料金を徴収した、今では考えられない発想の臨時急行列車でした。

近郊型電車の臨時急行への代用は、中央線・高崎線115系などにも見られました。

 

10 1両だけのステンレス付随車サハ411-1701、1601

7両編成の白い車体の中間、4号車に挟まれた異色のステンレス車です。

ステンレス車の4両編成2組の中に組み込まれていれば特に異色ではなかったのですが、鋼製車体の白色の中に1両だけ組み込まれたステンレス車は不思議な光景でした。

また、座席はセミクロスシートからロングシートへと変わっていきましたが、ロングシートであっても乗降ドア付近にはタバコの簡易灰皿をわざわざ設置していました。

当時、禁煙車などはなく、全車両でタバコは自由の時代でした。

 

【番外編】 平行き、大津港行きの行き先表示

筆者はいわき行きならぬ、(旧)平行きが好みのため、ここで挙げさせていただきました。

電車先頭部の行き先に「平」の一文字が表記されていたのが印象的でした。

 

常磐線で好きな行き先の二番手として、大津港行きがありました。

一般の人には大津港とは、どこまで行く列車だろうかと思われるかもしれません。

大津なら滋賀県ですが、大津港は茨城県で、「おおつこう」という「こう」が加わった語感は「たいら」同様に好みでした。

ちなみに、当時の平駅の一つ先、草野行き、二つ先の四ツ倉行きも、どこまで行く列車か戸惑う光景がありました。

日中、土浦行きしかない常磐線普通列車を見ていると、415系の平行き、EF80型電気機関車牽引の普通列車仙台行きを懐かしく思い出します。

 

(※ 記載にあたり、415系の項を中心にWikipediaを参考にさせていただきました。)

 

※写真は本文と無関係です。

京成千葉線の今後の方向性と通勤時代の想い出話

京成千葉線は今後、どのような方向に進んで行くかを探ります

昨日の「新京成の京成合併後 京成車両が松戸まで乗り入れる可能性はあるか?」の関連編です。

昨日、新京成車両の乗務員室と客室の間の仕切り壁の窓ガラスについて、茶色の遮光幕を貼ってあることと、助士席側にも幕を設置し、暗くなった時間帯では客室側から乗務員室への視野は遮られることに触れました。

新京成では夜間の前面展望はできないということです。

今回は、以前に新京成沿線から京成の千葉中央まで通勤していた時の話と、今後の京成千葉線の今後について考えてみたいと思います。

 

新京成通勤50年の中での京成千葉線1年通勤

新京成京成千葉線への乗り入れを開始したのは2006年でしたが、まだ京成直通をしていない頃のこと、新京成で松戸への通勤とは逆方向の、京成津田沼経由、千葉中央まで新京成と京成両線で1年間通勤した時がありました。

新京成8800形の8両から、京成津田沼京成千葉線の4両編成に乗り換えました。

京成津田沼から千葉中央へは東京と逆方向ですが、千葉県の県庁所在地、千葉市へ向かう需要もあります。

新京成の8両から京成の4両への落差のほかに、総武快速線の20m車15両編成と、京成の18m車4両の差は大きいものがありました。

 

職場の最寄り駅の関係上、新津田沼総武快速線に乗り換え、本千葉で降りようかとも思う中、新津田沼駅からJR津田沼駅への徒歩5分は痛手で、当時の快速は本千葉を通過し、そもそもラッシュ時に総武快速線から外房・内房線への直通快速も限られ、本千葉発着の列車ダイヤも運転間隔がまばらなので選択しませんでした。

それ以前に、筆者は判官贔屓ゆえ、4両であってもマイペースで走る京成への応援心もありました。

京成本線は8両編成もある中、千葉線は現在も6両または4両のまま推移しています。

京成は成田空港への本線に尽力していて、千葉線は一支線的な扱いに映りました。

京成津田沼新京成8800形8両と京成4両が並んだ時は、どちらが親会社かとさえ錯覚させました。

 

新京成車両と京成車両との前面展望配慮の差

京成千葉線のラッシュ時でも4両編成の状況では混雑が目立ち、着席などはできず、駅間距離が短い点も難がありましたが、筆者の判官贔屓ゆえ、4両であっても総武線を横目に我が道を行く京成への応援心の方が勝りました。

また、京成を選ぶ別の理由として、乗務員室背後からの前面展望が、新京成では見えにくくする閉鎖性に比べ、京成ではどうぞ前面展望を楽しんでくださいという配慮、解放感が感じられました。

当時の新京成冊子で、評判の高い車掌さんの記事があり、たまたま日中に乗務中だった電車に偶然乗り合わせましたが、こちらの様子を見るなり、運転士背後の幕、中央貫通ドアの幕を下げてしまいました。

筆者の動作が目障りだったかどうか、定かではありません。

 

津田沼京成津田沼の急曲線、単線急勾配も見もので、旧型電車の時代は、この急曲線に差しかかると長さのあった吊り革が網棚に当たり、一般の人には騒々しくとも、鉄道ファンには音楽的な風物でした。

 

8800形6両編成化による京成千葉線乗り入れへの対応

新京成の旺盛な輸送需要は8800形の後継、8900形の最終1996年新製をもって終わり、以降は京成仕様のN800形6両編成に変わりました。

新京成では新たな需要開拓として、線路がつながっている京成千葉線への乗り入れに活路を見い出すこととなりました。

その際、京成千葉線は最大6両のホーム有効長で、8両は入れませんでした。

一方、新京成側でも、走行区間の長い松戸発千葉中央行きが6両、走行区間が短い京成津田沼行きが8両ではアンバランスで、京成津田沼止まりの8両編成が輸送力過剰になりました。

新京成では8両編成の8800形・8900形を全編成6両編成化し、京成津田沼止まりの運用も6両化したことで全体の輸送力の適正化を図りました。

 

東武野田線5両化と京成千葉線の今後の変化、新京成への影響度

新京成から京成への片乗り入れを見ていると、京成側では新京成に対して千葉中央まで乗り入れたいなら乗り入れてもいいよ、ただしラッシュ時は駄目だよ、京成から新京成へは乗り入れないよという暗黙の意思を感じることもありますが、京成の車両管理面から行なわないと思われます。

来春の京成合併を機に、京成は千葉線新京成とを一体化して効率化するような動きがないとも限りません。

また、千葉線を考える際には、京成成田本線に対する千葉支線、さらにその支線となる千原線も考慮する必要があります。

日中の京成千葉線では4両編成によるワンマン運転も行なっており、新京成の6両編成乗り入れが京成千葉線の輸送効率と合致しなくならないか、気がかりなところです。

京成のワンマン4両編成が新京成側に転移してくるとは思えませんが、東武野田線では近々6両編成の5両化に踏み切ります。

京成千葉線でも、コロナ禍影響で全盛期に比べて利用が戻っていないこと等を事由に6両でもワンマン化していくのか、5両、4両化への減車と合わせてそれを行なうのか、東武野田線減車の動きは、京成にとっても注目されるところです。

今後の京成電鉄が3200形で8・6・4両編成を組む自由度や、新京成での80000形とN800形になっていく中で、5両編成での可能性は少ないと思われますが、京成で今後3200形と3100形とで棲み分けるのか、3200形で進むのかも注視したいポイントです。

 

 

新京成の京成合併後 京成車両が松戸まで乗り入れる可能性はあるか?

京成車両の松戸乗り入れが条件的に難しい、京成側と新京成側とで異なる別の事情

2024年4月12日未明に、京成3000形新京成に乗り入れたことが話題になっています。

新京成で架線検測を行なうにあたり、架線検測装置を備えた京成の3002編成を充てたとのことで、京成車両が新京成に乗り入れたことに驚きがありました。

2025年4月からの京成合併を前にして、新京成線内での架線検測の効率化や合理化、架線検測装置付き3002編成の有効活用等を考慮して、京成編成の新京成乗り入れ試験も兼ねたのかと思われます。

現在まで、新京成車両の京成千葉線乗り入れは行なっているものの、京成車両の新京成乗り入れはありません。

 

今回は来春、新京成の京成合併後、京成車両が旅客輸送で新京成に乗り入れる可能性があるかどうかを考えてみたいと思います。

毎回のことですが、何の根拠もない勝手な想像ですので予めご了承ください。

 

京成編成が旅客輸送で新京成に乗り入れる可能性はないと思われる

今回の京成3002編成の新京成乗り入れは架線検測が目的で、旅客輸送としての乗り入れ試験を兼ねたものとは異なると思われます。

とはいえ、来春の合併後、京成車両も新京成に乗り入れて、現在の新京成側の片乗り入れが、京成と新京成との相互乗り入れに変わるかどうかは興味深いところです。

 

結論として、京成車両の旅客輸送における新京成乗り入れはないと考えます。

理由は以下のとおりです。(順不同)

① 現ダイヤでの必要性

現在の、新京成から京成への片乗り入れと20分間隔ダイヤにおいては、京成の車両による新京成乗り入れの必要性がないこと。

② 車両性能

仮に、京成車両が新京成に乗り入れて、新京成車両が余剰となった分、京成本線を走行するとした場合、とくに8800形において性能面で京成車両と異なり、京成のホームドア位置とも異なること。

③ 車両数での管理面

新京成の全車両数156両(6両✕26編成)に対し、京成の通勤形車両は約650両、100編成以上あり、管理が複雑なこと。

④ 編成両数での管理面

新京成の全車6両編成に対し、京成は8・6・4両編成の3種類があり、編成上の

管理も必要なこと。

⑤ 乗り入れ先の状況

新京成京成千葉線だけの乗り入れに対し、京成は都営浅草線京急の乗り入れがあること。

⑥ 路線規模の違い

新京成は松戸-京成津田沼の一区間26.5kmに対し、京成は本線、東成田線押上線、金町線、千葉線千原線成田空港線の7路線152.3kmあること。

⑦ 最高速度の違い

新京成の最高速度は85km/hだが、京成車両は120km/hの性能が必要なこと。

⑧ 保安設備の追加

新京成京成千葉線用の保安設備、仕様の追加で足りるが、京成は都営浅草線京急成田空港線等の保安設備や共通仕様及び性能が求められること。

⑨ 乗り入れ路線数による編成管理

新京成京成千葉線の乗り入れ有無により、2種の編成に分かれるだけだが、京成は電車形式、編成両数、都営浅草線京急成田空港線等の乗り入れ有無、列車種別の用途等でも車両管理を行なう必要があり、そこに京成車両の新京成の乗り入れ有無の区分も加えることは、車両管理がさらに複雑になること。

 

以下は新京成側の固有の事情です。

⑩ 運転士背後の遮光幕

新京成での乗務員室と客室との境の窓について、運転士背後の窓と、中央部の窓には茶色の遮光幕を貼っているのに対し、京成の窓は透明であるため、京成車両が新京成に乗り入れると、新京成の乗務員が嫌うことも想定されること。

⑪ 乗務員室の助士席側のカーテン

同じく、新京成固有の考え方として、新京成での乗務員室と客室との窓で、助士席側の位置の窓については、新京成独自に日除け幕を設置し、夜や早朝はこの幕を下げて、客室から乗務員が見えないようにしているが、京成は助士席側に幕を設けていないため、京成車両が新京成に乗り入れると、新京成の乗務員が夜間の安全確保を名目に嫌うことが想定されること。

⑫ 過去の、北総線車両の新京成乗り入れ時の新京成乗務員の印象度

1979年3月から1992年7月までの約13年間、北総線車両が北初富から松戸へ乗り入れていた際、北総線電車を運転する新京成の運転士は、夜間及び早朝に客室から終日運転する姿が見えることを嫌っていた印象を受けたこと。

(当時は、新京成車両に運転士背後の茶色の遮光幕はなかったが、その代わりに運転士は自身の背後の幕を終日下げていた。

逆に言えば、茶色の遮光幕は、日中の運転士背後の幕を全開することへの交換条件だったようにも感じられた。)

 

万一、京成の車両が新京成に旅客営業で乗り入れるとしたら

現在まで、新京成において、暗くなる前の時間帯以降、客室側から運転士がまったく見えない乗務員室の光景は変わっていません。

仮の話ですが、京成車両が新京成に乗り入れるとしたら、新京成側の乗務員室の幕事情により、日中10時から15時の明るい時間帯に限るのではないかと思います。

一方、そうした新京成の現況の中で、新京成に乗り入れる場合の京成車両に対し、新京成特有の乗務員室の幕を追加設置することは考えられないことです。

 

新京成側の乗務員室の幕の議論をするよりも、そもそも現在の新京成車両の数だけで京成との乗り入れは十分であり、また、京成が新京成に乗り入れることでの京成側の車両管理面の複雑さも生じないということで、議論自体を避けるかと思います。

従って京成の編成が新京成に乗り入れるのは、京成車両による検測関係に限られると考えます。

 

今回、京成3002編成が夜間に新京成線区間を走行の際、旅客は乗っていないものの、客室から入ってくる蛍光灯の明かりを乗務員室でどのように感じたでしょうか。

客室からの明かりが乗務員室に入ってくることで、新京成線内では運転がしにくかった、あるいは安全に支障をきたしかねず、望ましくなかったでしょうか。

 

合併まで1年を切りましたが、合併を機に、新京成の乗務員室の幕を除去し、今後の80000形新製車には当初から設置しないという画期的な変化が生まれるのでしょうか。

2025年4月の新京成の京成合併後、ダイヤ改正による京成車両の運用と新京成車両の乗務員室窓に注目したいと思います。

 

東海道新幹線はリニア開業までの間、長時間運休時は北陸新幹線代替輸送の検討を

東海道新幹線全線の輸送障害時に、東京-敦賀北陸新幹線の連携活用をしてもよいのでは?

静岡県知事の辞表提出により、リニア中央新幹線(以下、「リニア」)の工事や開業についての話題が多くなってきました。

リニアの開業について、JR東海は工事の遅れから2027年の開業目標を断念し、早くても2034年以降になる見通しを示しました。

 

ここで、MBSニュース、2024年4月10日付け「【リニア中央新幹線】奈良・三重では駅やルートの調査動き『リニア来てほしい』鉄道アナリストは『東海道新幹線は限界...第2ルートに』静岡・川勝知事が辞表提出」の記事から一部を引用させていただきます。

 

(以下引用)

鉄道アナリスト「のぞみがストップしたときに第2ルートがあるのは良い」

~中略~

「(Qリニアは絶対つくるべき?)限界ですからね、東海道新幹線は。のぞみが1時間に12本というのは異常なぐらい多いですよね。ちょっと何かあったら全線ストップになるわけです。そのときに第2ルートとしてリニアがあるのは良いわけですよね」

(以上引用)

 

お話のとおり、東海道新幹線に何かあって全線ストップしたときに第2ルートとしてリニアがあるのは良いわけですが、リニアの開業は10年以上先の話です。

リニア開通までの間、東海道新幹線が何らかの事情で運転できなくなった時の影響は多大なものがありますが、その際は運転再開までじっと待つしかないのでしょうか。

100キロ前後の移動なら在来線にも変更できますが、東京-新大阪となると普通列車を乗り継いで約9時間への変更は現実的ではありません。

 

2024年3月16日、北陸新幹線敦賀開業により東京-敦賀が最速3時間08分で結ばれました。

もしも東海道新幹線が長時間運休した場合、敦賀まで開通した北陸新幹線の活用はできないでしょうか。

 

東海道新幹線北陸新幹線+「サンダーバード」の比較

ここで、東海道新幹線北陸新幹線の状況を比較してみたいと思います。

なお、ここでの所要時間は最速時間で、列車本数は臨時列車を含めた最大本数で掲出します。

◆ 最短所要時間

〇 東海道新幹線東京-新大阪2時間21分

〇 北陸新幹線東京-敦賀3時間08分

〇 敦賀-新大阪1時間16分

→ 敦賀乗り換え時間を含めて、東京-敦賀-新大阪は4時間32分

◆ 1時間当たりの最大運転本数(臨時列車を含む)

〇 東海道新幹線東京-新大阪15往復(「のぞみ」12往復、「ひかり」2往復、「こだま」1往復)

〇 北陸新幹線5往復(金沢での「つるぎ」「かくたか」「かがやき」乗り換えを含む)

〇 「サンダーバード」2往復、新快速1往復

◆ 座席定員

〇 東海道新幹線N700系1,323席

〇 北陸新幹線E7系934席

〇 「サンダーバード」9両編成536席

◆ 運賃・料金(東京-新大阪)

〇 東海道新幹線「のぞみ」14,720円(運賃8,910円+特急料金5,810円)

〇 北陸新幹線「かがやき」+「サンダーバード」19,960円(運賃10,340円+特急料金7,230円+2,390円)

 

東海道新幹線の輸送障害時にはJR東海JR東日本の垣根を越えた乗客本位の姿勢を

「のぞみ」1列車単位の輸送力と毎時の列車本数は、北陸新幹線では賄いきれませんが、だからといって北陸新幹線JR東海と無関係だからとまったく連携協調せず、リニア開通まで待つスタンスでよいのでしょうか。

以前からJR東海JR東日本は互いにあまり仲がよろしくない、連携協調がないイメージがありますが、利用者への配慮は自社管内での努力範囲に終始し、連携体制は二の次の印象を受けます。

JR東海は万が一の東海道新幹線の長時間不通時に備えて、JR東日本JR西日本北陸新幹線敦賀経由での東京-敦賀-新大阪輸送体制を組む体制があってもよいのではないでしょうか。

 

連携協調による振替輸送とするか、振替輸送ではなく各利用者個人の判断として、東海道新幹線分を払い戻して北陸新幹線を購入し直すかはそのあとの話で、まず代替輸送体制をとるという、鉄道相互の協調が必要と思われます。

先般、羽田空港での航空機事故の際、通常は運転しない深夜24時を越えての新幹線による補完連携は評価されるところであり、それが同じ鉄道同士では行なわないという姿勢は一般的に見ても不自然に感じます。

北陸新幹線経由での東京-敦賀-新大阪は最短4時間32分ですが、通常は5時間程度となります。

北陸新幹線経由「約5時間」を、「のぞみ」の倍以上の所要時間であり、通常の「こだま」よりも遅いのでは話にならないということで除外するか、「こだま」と1時間差で東京-新大阪が移動できるなら変更しようか、選ぶのは利用者側ですが、JR東海北陸新幹線を活用してのJR東日本JR西日本への話の持ちかけをしてもよいのではないでしょうか。

「のぞみ」利用者が全部「かがやき」「はくたか」に移動したら北陸新幹線の輸送力ではパンクするということで、マイナス面の方だけを拡大し、検討材料の土俵にも挙げない姿勢は見直す余地があると思われます。

JR東日本でも敦賀-東京の直通列車には限りがあっても、緊急対応の臨時列車として敦賀-大宮、敦賀-高崎の設定(高崎以南は上越新幹線列車)など、JR東海に協力する姿勢も望まれるところです。

 

(※ 記載にあたり、MBSニュース、2024年4月10日付け「【リニア中央新幹線】奈良・三重では駅やルートの調査動き『リニア来てほしい』鉄道アナリストは『東海道新幹線は限界...第2ルートに』静岡・川勝知事が辞表提出」の記事から一部引用及び参考にさせていただきました。)

 

大阪環状線京橋駅構内入出区線での乗務員の昇降台転倒事故で思うこと

線路上から乗務員室に簡単、安全に乗れる乗降台設置について考えます

JR西日本から、2024 年4月9日付けで「乗務員の交代に伴う列車の遅延・運休について」のニュースがありました。

同日6時12分頃、京橋駅構内入出区線で8両編成の回送列車の出区時に、車掌が昇降台で転倒し怪我をした事故が発生し、50本が運休、109本に遅れが生じ、約106,000人が影響を受けたとの内容です。

今後の対策としては「乗務員に本件事象を周知し、注意喚起を実施します」とのことです。

JR西日本以外でのネット情報を見ると、

・駅係員が点検する車両の乗車時に転落し肩と頭部を負傷

・30代の女性係員1人がけが

・車掌が乗降台から足を踏み外して頭を打った

など、複数の情報がありました。

 

決して容易ではない、線路上から乗務員室への出入り作業

駅ホーム上で乗務員が乗務員室に出入りする時や、車両基地などにおいては、簡素な設備であっても乗務員室との高さが一致した台が備わっている位置に停車すれば、乗務員室への出入りは容易にできることは想像できます。

しかし、地平の線路上から乗務員室のドアが閉まっている状態で入り込むことは容易にはできません。

それなりの気合が必要と思われます。

また、暑い夏、寒い冬、強風、豪雨、降雪など、いかなる条件下であっても自力でハイリこまなければなりません。

乗務員室から地平に降りる時は、重力の法則の分だけ、上がるよりは降りる方がまだよいかという感じもしますが、気を許すと落下してしまいそうです。

今回の事故が、地平での乗降によるものかどうか定かではありませんが、乗降手順の中での事故発生の可能性はあると思われます。

今後の対策について、「乗務員に本件事象を周知し、注意喚起を実施します」とありますが、これだけでは、乗務員の落下事故の防止はできないのではないかと感じます。

この事情は、LRT路面電車以外の車両に共通しています。

とくに駅ホームとは無縁の、貨物列車の機関車での乗務員室への乗り降りは外から見ているだけでも大変さが伝わってきます。

鉄道車両現場の人にはそれらの心配はないでしょうか。

国鉄時代のEF15、EF57のようなデッキ式機関車時代の運転室乗降は、機関士の人には容易だったと思います。

 

車両基地内の所定停車位置付近に簡易乗降台を設置してはどうか

トラックでの荷物積み下ろしを見ていると、リフト式に担当者が地面と荷台とを上下している光景を目にすることがあります。

鉄道車両の運転台にこのような装置を導入するのは無理なことです。

しかしながら、今回の事故は全国的に行なわれているケースであり、注意喚起だけでは今後も事故は起こり得ると思われ、安全確保の観点から対策が必要と考えます。

ひとまず車両基地において、所定の位置への停止、車両整備での停車、夜間滞泊の場合など、列車編成の乗務員室の停止位置に、簡素な物であっても乗降台を設置した方が安全確保上、現場の人には望ましいのではないでしょうか。

トラックの世界でも高い運転室に全国で乗り降りしているよと言われるかもしれませんが、鉄道車両の乗り降りはトラックとはまた異なり、左右2本の手すりで体を支えての、特有のものがあります。

 

今後、高齢者も長く働く時代を迎え、女性の鉄道社会進出も多くなった現在、乗務員や車両基地関係者が車両基地内等での乗務員室出入りの簡単、安全、安心な乗降方法にしていくことは鉄道会社にとって必要な措置と思われます。

今回のJR西日本に限らず、全国の鉄道会社に検討していただきたいと願います。

 

※写真は本文と無関係です。