日中、新大阪-博多直通「こだま」のない時間帯は岡山「ひかり」乗継も認めてはどうか?
2024年4月17日付けで、JR西日本が日本旅行との連名により、「【JR 西日本×ショッピング×日本旅行】EX 旅パック片道こだま商品『EX 旅パック 行こっか!こだま』を発売いたします」のニュースリリースがありました。
山陽新幹線「こだま」限定で、新大阪-博多の特定区間内乗車を対象とする片道対象の企画切符で、最長距離の発売区間は新大阪-博多となります。
JR東海の「ぷらっとこだま」のJR西日本版と言える内容です。
今回は、「EX 旅パック 行こっか!こだま」(以下、「行こっか!こだま」)の発売内容について意見、感想を書きたいと思います。
新大阪-広島8,200 円以外は、設定区間と価格が見えない
JR西日本のニュースリリースで、新大阪-広島8,200 円という一例を掲げていますが、それ以外の区間と金額は見えません。
他の区間はどこをいくらで発売するのでしょうか。
「関西(新大阪・姫路)、山陽(岡山・福山・広島)、九州(博多)の各駅を発着としたこだま号利用限定の商品(片道のみの利用が可能です)」という説明があり、新大阪・姫路・岡山・福山・広島・博多の6駅を発着対象とすることは分かります。
ただし、6駅相互間ならばすべて発売されるという訳ではなく、発売対象区間と価格はリリースからは分かりません。
2024年4月23日付けの旅行総合研究所タビリス、「『ぷらっとこだま』が山陽新幹線に進出!?『行こっか!こだま』の価格、買い方、使い方!」を見ると情報がありましたので、引用させていただきます。
なお、当記事は見やすい図表で掲載されていますが、ここでは簡略表示とさせていただきますのでご了承ください。
(以下引用)
「行こっか!こだま」料金表(円)
区間 価格 定価(参考) 割引率
新大阪~岡山 4,970 6,140 19%
新大阪~福山 6,300 8,000 21%
新大阪~広島 8,200 10,420 21%
新大阪~小倉 10,850 14,400 25%
新大阪~博多 11,560 15,280 24%
姫路~広島 6,810 8,440 19%
姫路~博多 11,280 14,070 20%
岡山~広島 4,970 6,140 19%
岡山~博多 10,130 12,630 20%
福山~博多 9,060 11,300 20%
広島~博多 7,340 9,100 19%
※「定価」はJR窓口で購入した場合の通常期の普通車指定席価格。
※子ども価格もあり。
※2024/4/22~の価格。4/27~5/6は設定除外日。
(以上引用)
以上の記事内容から、新大阪からは小倉も対象に加わりますが、他は小倉でなく博多となるほか、新大阪-姫路、姫路-岡山、姫路-福山などは対象外となることを理解しました。
このことは、JR西日本のリリースでも触れてほしかったところです。
新大阪-博多の「こだま」が少なすぎる
「行こっか!こだま」は「ぷらっとこだま」のJR西日本版と感じますが、東海道新幹線東京-新大阪の毎時1往復の「こだま」ダイヤとは大きく異なります。
山陽新幹線新大阪-博多直通の「こだま」の本数を見てみます。
なお、時刻の「:」は略させていただきます。
新大阪-博多直通「こだま」のダイヤ
【下り】
新大阪発→博多着
740 → 1204「こだま841号」
932 → 1351「(同)845号」
1037 → 1451「847号」
1137 → 1551「849号」
1737 → 2151「861号」
1837 → 2251「865号」
1937 → 2339「867号」
【上り】
博多発→新大阪着
621 → 1025「こだま840号」
704 → 1125「(同)842号」
1254 → 1725「854号」
1354 → 1825「856号」
1454 → 1925「858号」
1554 → 2025「860号」
1654 → 2118「862号」
1755 → 2212「866号」
1925 → 2318「870号」
以上のように、新大阪-博多直通「こだま」は下り7本、上り9本に限られます。
下りは新大阪発11時台の次は17時台となるほか、上りは博多発7時04分の次は12時54分発となり、いずれも約6時間「こだま」の空白時間があります。
新大阪-岡山間各駅停車の岡山「ひかり」を対象にできないのか?
「行こっか!こだま」は山陽「こだま」の利用促進策ということは理解しますが、現状の「こだま」限定乗車で、新大阪から福山・広島・小倉・博多はどこまで誘発できるでしょうか。
前記のとおり、日中の新大阪発博多行きは、新大阪11時37分発の次は17時37分発であり、同様に博多発新大阪行きは、博多7時04分発の次は12時54分発になっています。
制約された中で利用するのが企画商品というものであることは分かっていても実用性、実効性としてはどうかと考えさせられます。
「ひかり」で岡山到着時に「こだま」が約10分前に発車してしまう乗継ダイヤ
今回の「行こっか!こだま」の話とは別に、日中の「こだま」がない新大阪-岡山は東京発着の「ひかり」が山陽「こだま」の役割を担っています。
逆に言えば、東京-岡山の「ひかり」は、山陽「こだま」の役目を兼務するので、新大阪から「こだま」を設定すると二重になり、新大阪「こだま」の必要はないと割り切ったとも言えます。
しかしながら、岡山「ひかり」と、岡山-博多「こだま」の接続が悪く、岡山「ひかり」の岡山到前に岡山発博多行き「こだま」は発車してしまい、下りは48分待ち、上りは41分待ちとなります。
また、新大阪-岡山の各駅停車型「ひかり」の所要時間は、下り1時間03分、上り1時間10分となっています。
現行の列車ダイヤ状況は以下のとおりです。
なお、「ひかり」「こだま」の列車号数は略させていただきます。
【下り】
「ひかり」 (乗換)「こだま」
新大阪発→岡山着(乗換)岡山発→博多着
950 →1251
844 → 953 →→→ 1050 →1351(※岡山10時50分発「こだま」は新大阪始発)
1159 → 1302 →→→ 1350 →1651
1259 → 1402 →→→ 1450 →1751
1359 → 1502 →→→ 1550 →1851
1459 → 1602 →→→ 1650 →1951
1559 → 1702 →→→ 1750 →2051
1659 → 1802 →→→ 1850 →2151(※岡山18時50分発「こだま」は新大阪始発)
【上り】
「こだま」 「ひかり」
博多発→岡山着(乗換)岡山発→新大阪着
749 → 1055 →→→ 1136 →1246
848 → 1155 →→→ 1236 →1346
949 → 1255 →→→ 1336 →1446
1052 → 1355 →→→ 1436 →1546
1148 → 1455 →→→ 1536 →1646
こうして見ると、下りは岡山での「ひかり」から「こだま」への接続時間が長い分、新大阪-岡山の所要時間が若干短くなっています。
上りは逆に、岡山での「こだま」から「ひかり」への接続時間が若干短い分、岡山ー新大阪の所要時間が下りよりも長くなっています。
岡山「ひかり」と岡山「こだま」の組み合わせ許容が利用促進になるのでは?
「行こっか!こだま」は、山陽「こだま」利用促進策であるにしても、新大阪-博多の利用に際しては直通列車本数が少なく感じます。
少なくとも日中、新大阪発着の山陽「こだま」のない時間帯については、新大阪-岡山での「ひかり」乗車と、岡山からの博多「こだま」乗り継ぎは認めてもよいのではないかと感じます。
その次の話として、岡山での「ひかり」「こだま」の接続時間は、せめて30分以内にしてほしいものです。
現行ダイヤでは、岡山到着直前に乗り継ぎ列車が発車してしまい、1時間待ちに近い印象を持ち、「行こっか!こだま」乗り継ぎゆっくり旅の気分が失せてしまいます。
以下は山陽「こだま」の余談です。
山陽「こだま」500系の6号車は元グリーン車の座席で快適感があります。
今後、500系がN700系に置き替えられた時、4~6号車の3両の指定席がそのまま、現在の16両編成での8~10号車のグリーン車を充てるような情報もあります。
そうなると、山陽「こだま」指定席の利用は楽しみが増すと思われます。
(※ 記載にあたり、2024年4月23日付け、旅行総合研究所タビリス、「『ぷらっとこだま』が山陽新幹線に進出!?『行こっか!こだま』の価格、買い方、使い方!」、及び2024年4月17日付け、JR西日本のニュースリリース「【JR 西日本×ショッピング×日本旅行】EX 旅パック片道こだま商品『EX 旅パック 行こっか!こだま』を発売いたします」を一部引用及び参考にさせていただきました。)