智頭急行ホームページの姫路発着時刻を省略する胸中の複雑な想いと将来の活路を考えます
2024年春のダイヤ改正の話題の一つに、「スーパーはくと」の1往復増加設定があります。
京都発着を削減し、大阪止まりとすることでの車両運用見直しによって実現するものです。
JR西日本と智頭急行では2023年12月15日付けで、ダイヤ改正と増発について案内しています。
JR西日本は通常の、利便性向上を中心とした案内です。
一方、智頭急行の内容を見ると、「スーパーはくと」の乗車機会の拡大、智頭線沿線から大阪方面や、首都圏と智頭線沿線との利用が便利になる旨を案内しています。
首都圏と智頭線沿線の利用が便利になることについては、姫路駅で新幹線と「スーパーはくと」の接続を見直すことにより、「スーパーはくと」と新幹線 を利用した首都圏と智頭線沿線との所要時間が最大29分と、大幅に短縮することを謳っています。
智頭急行のニュースリリースの中では、姫路での発着時刻が明記されていませんでした。
大阪からは山陽線利用を前提に、上郡から先の自社線を中心とする停車駅と時刻案内はありますが、JR西日本区間である山陽線の三ノ宮-姫路の停車駅と時刻は省略されています。
首都圏からの大幅時間短縮の中でも、姫路接続による新幹線列車の姫路到着と、姫路からの「スーパーはくと」の発車時刻は省略されています。
大幅時間短縮の効果の背景として、姫路での拙Z区時間短縮が大きい要素を占めますが、接続までの待ち時間は知ることができません。
将来の山陽線大阪乗り入れ打ち切り、姫路折り返しの懸念?
各種の情報の中で、将来のダイヤ改正においては、「スーパーはくと」の大阪-姫路間が打ち切られ、姫路折り返しとなるのではないか、今回のダイヤ改正による姫路での新幹線接続便宜はその布石ではないかとの内容が飛び交っています。
これが地図急行の経営に与える大きさから、新幹線接続に触れたくないのではないかと想定します。
そして姫路発着時刻の明記を、今回のリリースの中では行なわなかったと感じられます。
智頭急行のホームページ自体では「スーパーはくと」の姫路発着情報は見ることができます。
しかしながらニュースリリースの中とは言え、新幹線姫路接続を意図的に隠すような方法は少し残念です。
それはJR西日本が行なうものということに帰結しますが、姫路での接続時間の省略は利用者本位とは言えないように感じます。
姫路での新幹線接続時間を掲示した上で、大阪-姫路を在来線「スーパーはくと」直通で行くか、新大阪-姫路を山陽新幹線にするかは、乗り継ぎ行為の受け止め方、所要時間や料金、神戸・三ノ宮と新神戸、大阪と新大阪との利便性の比較等での総合判断によります。
「スーパーはくと」の列車内容、直通利便に自信を持ってほしいと思います。
実際の乗り継ぎ時間を見る
来春の「スーパーはくと」の列車時間をもとに、山陽新幹線時刻は変わらないものとして、定期列車を前提に姫路での接続時間を見てみます。
姫路の到着時刻と発車時刻が異なる場合もありますが、ここでは姫路発車時刻とします。
また、以下の時刻表記では、時刻表冊子に倣って数字のみとさせていただきます。(例:1234は12時34分発を示します)
【下り】
山陽新幹線姫路着(発) → 「スーパーはくと」姫路発 → 姫路接続時間
こだま841号 817 → 「1号」836 → 19分接続
こだま845号 1013 → 「3号」1022 → 9分
のぞみ63号 1146 → 「5号」1153 → 7分
のぞみ67号 1346 → 「7号」1353 → 7分
のぞみ71号 1546 → 「9号」1553 → 7分
さくら565号 1750 → 「11号」1807 → 17分
さくら571号 1950 → 「13号」2010 → 20分
のぞみ81号 2131 → 「15号」2139 → 8分接続
【上り】
「スーパーはくと」姫路着 → 山陽新幹線姫路発 → 姫路接続時間
「2号」813 → のぞみ82号 826 → 13分接続
「4号」1025 → のぞみ90号 1059 → 34分
「6号」1224 → さくら548号 1252 → 28分
「8号」1351 → のぞみ90号 1359 → 8分
「10号」1551 → のぞみ100号 1559 → 8分
「12号」1651 → のぞみ40号 1659 → 8分
「14号」1827 → さくら564号 1852 → 25分
「16号」2009 → さくら570号 2057 → 48分接続
智頭急行のHPには利用者本位の姫路接続時間を明示を
以上ですが、山陽新幹線接続が10分以内で良好なのは下り5本、上り3本にとどまりました。
下りが5本とはいえ改善されたという見方もできますが、上りの接続良好列車が3本では物足りなさが残ります。
JR西日本としては、次回に期待というところでしょうか。
実際に鳥取方面から「スーパーはくと」で神戸、大阪へ行くなら、新神戸、新大阪の新幹線よりも「スーパーはくと」を選択することは変わらないと思われます。
万一、大阪-姫路が打ち切られた場合、姫路-鳥取のフリークエンシー、編成短縮による毎時1往復設定で、伯備線「やくも」と同様、利便性向上を伝えていくことになります。
「スーパーいなば」への運用に活路を
大阪乗り入れがなくなって余剰車両が出るならば、岡山側の「スーパーいなば」の運用を担うことはできないでしょうか。
JR西日本に対しても、大阪乗り入れをしないように変えるならば、岡山への「スーパーいなば」乗り入れに充てることを考えてもよいのではないかと感じました。
※写真は本文と無関係です。