新幹線で最短2時間24分、安く行くには「キュン♥パス」の復活?
2024年4月26日から、新潟-仙台にトキエアが就航しました。
同区間の飛行機は26年ぶりの復活ということです。
今回は、新潟-仙台の飛行機、新幹線状況を見てみたいと思います。
トキエアは1日2往復で、運行時刻等は以下のようになっています。
【新潟→仙台】
7:35→ 8:20
18:50→19:35
【仙台→新潟】
8:50→ 9:40
20:05→20:55
【運行日】
月・水・金・土・日曜日(火・木曜日は運休)
夏前には毎日の運行を目指す
【運賃】
9,000円から19,500円
【機材・定員】
ATR社のATR72-600型
72席(2&2席✕18列)
搭乗時間約50分で、最少運賃9,000円は格安です。
定員72人ですが、搭乗率はどのようになっていくか、夏前に火曜と木曜も追加して毎日運航になった後の効果も期待されるところです。
トキエアのサイトを見た限りでは、予約状況で全般的には座席にいくらかの余裕がみられるようですが今後、いかに定着していくでしょうか。
今後は、新潟から中部、神戸、また佐渡-首都圏を結ぶ路線の開設を目指すとのことで、上越新幹線独壇場の東京-新潟輸送も変わってくるでしょうか。
高速バスの状況
1日8往復、所要約4時間30分、片道運賃3,900円から5,500円となっています。
安価さでは一番ですが、トキエアの移動50分、最少9,000円は搭乗時間50分を考慮すれば破格といえます。
鉄道の状況
かつて、新潟-仙台には直通急行列車がありました。
磐越西線経由の急行「あがの」で所要約6時間、米坂線・仙山線経由の急行「あさひ」で所要約5時間、それぞれ2往復設定のダイヤでした。
現在、米坂線は災害により運休、磐越西線は新津-会津若松は観光列車「SLばんえつ物語」も走りますが普通列車のみの運行で、新津-新潟は信越線列車への乗り換えも伴います。
新幹線乗継ダイヤの状況
鉄道での新潟-仙台は上越新幹線と東北新幹線による大宮乗り継ぎになります。
一部の列車乗り継ぎ時刻を見てみます。
時刻の「:」表記は略させていただきます。
【新潟→大宮→仙台】
新潟発→大宮着→大宮発→仙台着
612 →745 →757 →904「とき300号」→「はやぶさ5号」
913 →1020 →1029 →1139「とき312号」→「はやぶさ15号」
1818→1947 →2005 →2113「とき338号」→「はやぶさ111号」
1858→2031 →2041 →2147「とき340号」→「はやぶさ45号」
【仙台→大宮→新潟】
仙台発→大宮着→大宮発→新潟着
635 →742 →813 →951「はやぶさ2号」→「とき305号」
817 →925 →934 →1041「はやぶさ6号」→「とき311号」
1725 →1903 →1917 →2059「やまびこ152号」→「とき339号」
1831 →1939 →2001 →2136「はやぶさ38号」→「とき341号」
現在は大宮乗り換え、上越・東北新幹線経由で、最速2時間24分、平均2時間50分から3時間程度です。
運賃は片道9,790円、特急料金は上越「とき」4,830円、東北「はやぶさ」5,150円、合計で19,770円、往復39,540円です。
土曜・休日有効の「週末パス」は8,800円で、この切符は運賃に相当し、特急料金は別払いです。
往復運賃が19,580円と考えれば、運賃相当部分での8,800円は新潟-仙台で見れば安価とは言えます。
ただし特急料金の割引はないほか、平日は使えません。
週末パスでは往復28,760円となります。
JR東日本の決め手は第一に「キュン♥パス」、第二に「週末パス」?
2024年2月14日から1か月間だけの平日限定で、JR東日本は「キュン♥パス」を企画・発売しました。
1日1万円、自由席は乗り放題、指定席は2回使えたため、上越新幹線は「とき」自由席、東北新幹線は「はやぶさ」指定席で、日帰り往復1万円はトキエア同様に破格と言え、利用者の評判も高かったようです。
通常、キュン♥パスの利用は東京-青森を中心に発想しますが、新潟-大宮-仙台にもぴったりの使い方ができる企画切符でした。
片道所要約3時間、新潟から仙台を目指すのに一旦、東京方向に向かうというのはいささか妙な心境になりますが、その移動変化を楽しむ発想転換をすることがポイントです。
新幹線の速さ自体は、JR東日本の強みではありますが、上越新幹線「とき」は各駅停車型が多いダイヤなのが惜しまれます。
トキエアが新潟から仙台へ直進50分は新幹線も及ばない短絡・短時間ルートです。
72人の輸送力ゆえ、すぐ満席になるでしょうか。
トキエアの満席時や、火曜・木曜の運休曜日には新幹線に流れてくるでしょうか。
トキエア、高速バスに対するJR東日本の鉄道誘導策として、価格1万円のキュン♥パスを越える切符はないでしょう。
前回、発売時期が真冬の平日1か月間に限定されましたが、次回のキュン♥パス企画に期待したいところです。