平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

東海道新幹線個室は山陽新幹線に入らない又は使用不可にして乗入するか?

東海道新幹線個室編成の山陽新幹線直通と、山陽区間での個室使用の可能性について考えてみました

東海道新幹線の個室導入が一時期、話題で持ちきりになり、様々な意見等を見聞きするようになりました。

その中で、マイナビニュース、2024年4月27日付け「東海道新幹線に個室『復活』リニア中央新幹線を見据え付加価値化へ」を拝見しました。

記事の中で、興味深い内容がありましたので一部を引用させていただきます。

 

(以下引用)

個室のドアが開くと、大きな窓がある。横幅は普通車の客室窓の2倍くらいありそうで、グリーン席よりも大きく、これだけでも特別感がある。現行のN700Sにこのような大型窓はないが、2023年から登場した改良型(2次車)は窓の設置に対応済みとのこと。もとより喫煙ルームの廃止を視野に入れていたのだろう。

~中略~
料金や販売方法は決まっていない。改造可能なN700Sの編成も限られており、個室のある列車とない列車がある。JR西日本が採用しない限り、東京~新大阪間に限定したサービスになるから、山陽新幹線区間に乗り入れない運用で使われるか、山陽新幹線に乗り入れたとしても個室を施錠して閉鎖となりそうだ。ダイヤが乱れ、予約した列車に個室がなかった場合、運休と同じ扱いにして、変更・払戻しを案内されると思われる。

(以上引用)

 

ここで、「JR西日本が採用しない限り、東京~新大阪間に限定したサービスになる」のはそのとおりですが、「山陽新幹線区間に乗り入れない運用で使われるか、山陽新幹線に乗り入れたとしても個室を施錠して閉鎖となりそうだ」という点はどうでしょうか。

一考察として、可能性は考えられるわけですが、はたして東京-新大阪専用の運用に充てるか、または博多に乗り入れても個室は施錠閉鎖の措置をとる可能性があるでしょうか。

 

個室編成の山陽直通の有無と、乗り入れ時の山陽側の個室の扱い方

現在の東海道・山陽新幹線のダイヤを見ると、新大阪止まりの臨時列車、季節運転列車は多くありますが、日中の定期列車では新大阪止まりの「のぞみ」はほとんどなく、大部分は博多または広島に乗り入れています。

新大阪止まりの定期「のぞみ」であっても、期日によっては博多または広島に直通する運転パターンが多くなったためです。

新大阪止まりの定期列車は「ひかり」「こだま」の毎時各1往復に限られます。

 

個室編成の運用は臨時列車、運転日特定列車よりも定期列車の方が分かりやすく、また効果的です。

しかし「ひかり」「こだま」に個室を充てることは考えにくく、「のぞみ」充当と思われます。

仮に新大阪止まりの定期「のぞみ」に充てたくとも、該当列車が大幅に限られる中で、「のぞみ」新大阪折り返し運用に特定しても、期日により山陽乗り入れを行なうダイヤであっては運用が難しいと思われます。

 

具体的に、山陽直通のない新大阪止まりの「のぞみ」を見てみると、東京9時09分発「のぞみ215号」の次は、18時39分発「のぞみ251号」までありません。

他の定期「のぞみ」はいずれも山陽直通の期日設定がある「のぞみ」であり、確実な新大阪止まりは臨時列車に限られます。

 

したがって、博多または広島直通の定期「のぞみ」に充てることが運用上では容易であり、利用者にも分かりやすいと思われます。

JR西日本は、山陽区間では個室利用はさほど望めないと考えるのか、東海道直通効果で新たな需要開拓につながると考えるのか、受けとめ方が消極的、否定的であるか、前向き、建設的であるかによっても変わってきます。

現実に東海道専用運用を組むことは困難なこと、山陽区間での個室施錠閉鎖は山陽側にとってマイナスイメージにしかならないことから、自分は後者、すなわち山陽直通の需要開拓によるJR東海への肯定的な協力方向と考えます。

JR西日本が今後のN700S系新製に際し、個室を設けない姿勢はとらないと思われます。

むしろ、JR東海と微妙な室内の違いを出し、JR西日本独自の個室への個性を見せるのではないかと思います。

JR西日本での500系や、かつての「グランドひかり」2階建て4両連結ほどの強烈な個性は出さずとも、利用者には一見、分かるか分からないか程度の差異をみせるのではないかと想定します。

 

なお、山陽新幹線への乗り入れについて、旅行総合研究所タビリスの2024年4月18日付け「東海道新幹線『個室』導入、わかっている情報まとめ。2026年度営業開始へ」において、以下のような記述がありましたので一部引用させていただきます。

 

(以下引用)
運行区間は東京~博多間の予定で、山陽新幹線にも乗り入れます。導入時期は2026年度中とされていますので、2027年3月ダイヤ改正で登場する可能性が高そうです。

(以上引用)

 

山陽新幹線にも乗り入れます」と断言している点について、山陽区間に乗り入れるのはダイヤ構成や導入効果等からみて明らかだからか、明確な根拠によるものかまでは分かりませんが、興味深く感じます。

今後のJR東海からの運用区間の発表が待たれます。

 

N700S系の2次車は個室窓設置対応済み?

タビリスの記事でもう一点、「現行のN700Sにこのような大型窓はないが、2023年から登場した改良型(2次車)は窓の設置に対応済みとのこと」という箇所があります。

現在の情報では今後の新製車から個室編成化していき、既存車の改造は行なわないイメージがありますが、既存車でも改造可能ならばその分、個室の編成数が増えることになります。

個室が好評ゆえ、一部の既存車も個室に改造設置となるか、はたしてどうなるかも見守りたいと思います。

 

(※ 記載にあたり、マイナビニュース、2024年4月27日付け「東海道新幹線に個室『復活』リニア中央新幹線を見据え付加価値化へ」及び、旅行総合研究所タビリス、2024年4月18日付け「東海道新幹線『個室』導入、わかっている情報まとめ。2026年度営業開始へ」から一部引用及び内容を参考にさせていただきました。)