新たなN700S系個室編成が登場するまで、気になる点を整理してみました
東海道新幹線に2026年度、個室が復活することになり、話題を呼んでいます。
今回は、N700S系に個室が連結された編成が登場するまでの間、注目箇所を順不同で列記してみたいと思います。
◆ 登場時期と個室車編成の新製計画
〇 登場はいつ頃か?
→N700系Sの増備計画は、2024年度7編成、2025年度7編成、2026年度3編成の予定であるが、
・2024年度の7編成分の一部から個室編成が設置されるか?
・2025年度の7編成分から個室編成が設置されるか?
〇 個室編成の新製はJR東海だけか?
→JR西日本も後に個室編成を新製するか?
〇 編成番号を変えるか?
→JR東海の編成記号「J」を踏襲するか?
新たな編成記号を使うか?
仮にJR西日本でも個室編成を新製するとしたら、編成記号「H」はどうなるか?
◆ 号車位置
〇 個室は何号車に設置されるか?
→元喫煙ルームの10号車(グリーン車内)か?
→7号車の東京側または11号車の博多側の空間を個室にするか?
〇 仮に10号車設置の場合、今後さらに7号車の東京側または11号車の博多側も個室にして計3両分、合計6室分を個室にする可能性もあるか?
◆ 個室定員と仕様
〇 2つの個室の構成は、1人用個室で2室の設置か?
→1人用と2人用を各1室での設置か?
→1人用と2人用を各1室で設置の場合、山側が1人用、海側が2人用か?(※普通車の3&2席配置に倣った想定)
〇 座席の向きは固定式か?
→固定式の場合、乗車方向によっては後ろ向き固定となって不快感を抱くことへの議論はないか?
→100系時代は海側向きだったが、海側方向への回転は不要と考えるか?
〇 固定式の場合、博多側向きの固定席か?
または東京側向きの固定席か?
あるいは、固定席でも2室で博多側と東京側とで、それぞれ向きを変えるか?
〇 個室の鍵はどのような方式か?
〇 個室のドアを閉めた状態で、通路側から個室内はどの程度見えるか?
〇 個室の窓の大きさはグリーン車と同程度か?
→グリーン車の窓より大きいかまたは小さいか?
〇 個室付近の通路の外観はどうか?
〇 個室番号は、グリーン車の列の続番か?
→ または「個室1」のような番号か?
◆ 愛称とロゴマーク
〇 個室に愛称を付けるか?
→単に「個室」とするか?
→グリーン車より上級的なイメージを描く名称を付けるか?
→JR西日本の在来線団体列車や、関西圏快速列車の指定席のような、あか抜けた名称とするか?
〇 個室車両に専用マークを付けるか?
〇 車体側に、個室付き編成として新たなロゴマークを表示するか?
◆ 個室料金とサービス
〇 グリーン車の上級的な位置づけとして、独自の料金を設定するか?
→料金は、通常のグリーン料金、JR東日本のグランクラスと比べてどの程度の額か?
〇 個室特有のサービスはどの程度か?
→列車乗務の係員からの人的サービスはあるか?
◆ 列車運用
〇 個室連結の編成は、東京-博多の運用か?
〇 東京-博多で1編成1往復の運用が基本か?
→東京発ダイヤで、毎時12分発の列車への充当か? または毎時30分発の列車への充当か?
→運用の都合により、広島または新大阪止まりの列車にも充当することがあるか?
〇 東京-博多の所要約5時間、東京折り返し約15分、博多折り返し約25分として、東京→博多→東京の1往復、または東京→博多→東京→広島(または新大阪)の1.5往復運用とするか?
〇 東京-博多毎時1往復の「のぞみ」を個室付きにすることを目標とするか?
〇 個室編成は、2024年度から2026年度の計17編成にとどめて、それ以降の新製車は再び個室のない編成とするのか?
→最終的に、全編成への個室設置を目指すのか?
→個室の利用状況及び評判を見ながら更なる増備を判断していくか?
〇 JR西日本所有の「のぞみ」用編成も個室化するか?
→あくまでJR東海所有の編成だけの話か?
〇 将来的には「ひかり」「こだま」への個室車両の運用もありえるか?
〇 山陽・九州新幹線用の8両編成で、車販準備室のある7号車も個室化していくか?
〇 個室とは別に、グリーン車の一部をJR東日本のグランクラスのような設備にする可能性があるか?
◆ 既存N700S系の個室化改造の可能性
〇 17編成の個室編成の利用が全般的に多かった場合、既存のN700S系も個室改造するか?
→改造経費、車体強度、今後の走行年数等を総合的に鑑みて、個室改造を見送るか?
→新製して間もない編成(2023年度新製、2022年度新製と逆算していく方法)を中心に個室改造を検討するか?
→改造する場合、個室の窓の設置をどう扱うか?
◆ その他1(登場後の時刻表冊子、駅構内の列車案内表示、放送等)
→時刻表冊子では、個室付き列車をどのような表記とするか?
→時刻表冊子での個室の説明及び料金案内はどのようになるか?
→駅構内やホーム上での列車案内で、個室付きであることをマーク等で表記するか?
→駅構内放送、列車内での放送はどのように案内が変化するか?
◆ その他2(JR東日本の新幹線等)
〇 JR東日本と、JR九州の九州内専用編成について、JR東海の個室評価と利用が高かった場合、自社編成にも今後、間接的に反映していく可能性があるか?
個室設置により定員減でなく、逆に定員数を増やすJR東海の空間活用の思想
東海道新幹線の編成といえば300系以降、1,323人定員で一貫してきましたが、バリアフリー関連で現在の最新車は1,319人定員となっています。
たかだか4人の減とはいえ、JR東海は1,323人定員の輸送力に誇りとこだわりを持っていました。
今回、座席数を減らさず、むしろ使わなくなった空間を活用して逆に定員を増やしたことは、いかにもJR東海らしいと思います。
それは、座席数を減らして荷物室を設置したJR東日本に対し、荷物室を設けず最後部座席の空間を荷物置き場に活用して定員数をそのまま維持したJR東海の姿勢にも共通します。
今回の個室を2人用2室にすれば1,323人定員が復活しますが、さすがにそこまではせず1人用個室は設置するようです。
個室の復活により、再び1,323人定員に近づいたことで、JR東海としては別の意味での安心感もあるのではないでしょうか。
筆者は今後、個室の利用及び評価が高かった場合、10号車?に加えて、7号車の東京側、11号車の博多側空間も個室化し、4人用個室も設けて、基本定員1,323人を超える1,330人台にすることでの、更なる意気込みと誇りをJR東海は奥側に秘めていると感じていますが、はたしてどうでしょうか。
N700S系個室編成の登場を楽しみに待ちたいと思います。
(※ 記載にあたり、旅行総合研究所タビリス、2024年4月18日付け「東海道新幹線『個室』導入、わかっている情報まとめ。2026年度営業開始へ」のほか、WikipediaのN700S系の項を中心に、参考にさせていただきました。)