平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

山形新幹線E8系 先頭17号車の乗降ドアは両側設置が望ましいのでは?

16号車と17号車の乗降扉間が開きすぎているのは不便と混雑・混乱が生じないか?

2024年春のダイヤ改正の話題の一つに山形新幹線E8系の投入があります。

E3系の後継、時速300km/h運転で話題の車両です。

定期列車としては、新庄5時40分発→東京9時12分着「つばさ122号」、東京9時24分発→新庄12時31分着「つばさ131号」に充てられています。

 

先頭車の乗降扉位置をE3系の連結部側から、乗務員室側に変更したE8系

E8系の特徴の一つに、先頭車の乗降ドア位置を、E3系のような連結部側から乗務員室側に変更したことが挙げられます。

E8系の洗面所・トイレは、12・14・15号車の東京側と、16号車の新庄側にあり、E3系の11号車グリーン車の洗面所が隣の普通車12号車に変わりました。

ほかにも全座席のコンセント配置、大型荷物スペースの全車両配置等、改善箇所が随所にあります。

 

残念だった点の一つに、16・17号車の間の連結部に乗降ドアがなくかったことが挙げられます。

その結果、駅ホームで列車を待つ際には、16号車と17号車の乗車位置の距離が遠く離れることになりました。

 

定員増にもこだわった産物?

ここで山形新幹線秋田新幹線の座席定員を見てみます。

山形新幹線の主役E3系は、普通車371席+グリーン車23席、計394席。

秋田新幹線E6系は、同じく308席+22席、計330席。

今回のE8系は329席+26席、計355席です。

E8系はE3系よりも座席数が39席少なくなりましたが、E6系よりは座席数を多くしたかったのか、300km/hの上限速度を活かして先頭部の形状を見直し、E6系より25席の増を図りました。

 

定員をE3系に少しでも近づけたかったことと、先頭車尾乗降扉位置を乗務員室側と決めた結果、新庄側の16・17号車間のドア位置が離れたように見受けます。

余談ですが、乗降ドア間が離れたドア配置は、国鉄時代の東北特急、座席・寝台両用特急電車583系はつかり」「ゆうづる」等での12・13号車の距離を思い出しました。

 

常磐線E657系、中央線E353系に見られたJR東日本特急のドア位置の配慮

JR東日本では、E8系のような乗降ドア間の距離が開くことを避けるため、在来線特急については基本的に、片側先頭車だけは両側2扉としてきました。

常磐線特急「ひたち」「ときわ」用のE657系は片側ドアで、仙台側にあります。

このうち先頭1号車だけは品川側と仙台側の両側にあります。

第一線を退いた房総の255系、新潟地区・常磐臨時用E653系、中央線E353系、中央・東海道・房総E257系でも同様の配置となっています。

これらは、先頭車の乗客が降車する際、扉のない乗務員室に行きあたって、連結部側に戻ることを避けたものであり、駅ホームで待つ際の列の位置を遠くしない配慮もあると思われます。

(「つがる」用E751系だけは片側1枚ドアです。)

 

いまさら叫んでも仕方のないことではありますが、E8系でも255系以降の乗降ドア位置の思想がほしかったところです。

具体的には新庄側の先頭車、17号車だけは16号車側にも乗降ドアがあればよかったと思います。

17号車だけ両側、2枚ドア化により、17号車の座席数は2列分が減ることになります。

そうなるとE3系との座席数39席の差が50席近くの差になります。

JR東日本としては、E8系の定員を今回の355人以下にはしたくなかったと考えられます。

ちなみにJR西日本では伯備線新型273系の乗降ドアについて、先頭車は両側とも乗務員室背後に設け、さらに片側の先頭車には両側にドアを設置しています。

 

今後の山形新幹線全編成がE8系になるのも間近です。

16号車と17号車の乗車位置だけが著しく離れているのは、新幹線全体の列車編成の乗車位置、乗客案内、乗車列車から降りる際の状況等を勘案すると、17号車だけは定員減とはなっても両側扉にした方がよかったと考えます。

あくまで1枚ドアとする考え方ならば、16号車寄りの連結部側、E751系のような形の方がよいように感じますが、いかがでしょうか。

 

※写真は本文と無関係です。