他線の非常用はしご設置場所と、新京成のはしご対応の今後予測
新京成のリニューアル編成8802が約2カ月間の重要部検査を終えて5月31日から本線復帰しました。
外観的に変化はありませんでしたが車内では1か所、変化がありました。
乗務員室仕切りで、3枚ある仕切り窓の中央位置の客室側の床上に非常用避難はしご(以下、「梯子」)の箱が設置がされました。
重要部検査を機に設置したと思われます。
全26編成の防犯カメラ設置を完了したので、その次の施策の一環でしょうか。
8800形は正面非貫通タイプのため、非常時に列車から地上に乗客が降りる際、乗務員室にもっとも近いドアからの降車の迅速、安全を図る趣旨で配置したものと思われます。
その結果、乗務員室仕切り壁付近の立席面積はわずかながら減少しました。
新京成ホームページでは6月2日現在、8800形先頭車への梯子のニュースリリース等は見当たりませんでした。
◆他の鉄道車両の梯子設置位置の状況
ここで、梯子の設置位置について、他の鉄道車両のごく一部ですが、見てみたいと思います。
なお、いずれも同形式の全車両ではなく一部の車両の事例です。
京成3100形は、座席下の空洞を利用して梯子を横向けで設置。
京成3700形は網棚の上に梯子を設置。その位置の網棚に荷物を載せることは不可。
京急1000形アルミ車の更新車は、車椅子スペースに並べて梯子の箱を設置。
常磐線E531系は座席袖の端、ドアと座席袖の空間に梯子箱を設置。
JR北海道721系電車は、1人用座席を撤去して梯子箱を設置。
JR西日本225系5100番台は、紀勢線等の運用編成を中心に、各車両の中央ドア付近にクロスシートのドア側裏面、立客の腰置き用簡易クッションの下側空間を利用して設置。
JR西日本227系1000番台は、座席端の袖仕切りと乗降ドア側に梯子を袋に詰めた形で、袖仕切りの高さに合わせて設置。
梯子の袋は電車の床とは接していない配置で、消火器も同様。
◆正面貫通式の非常時の車外降車方法は
電車の場合、正面に非常用のスイングプラグドアを配置した正面貫通型タイプと、正面非貫通型とがあります。
正面貫通型タイプは通常、乗務員室内の床上に梯子を備え、非常時の降車方法としては以下の3つが考えられます。
① 乗務員室の正面扉からの降車
② 客室ドアからの降車
③ 基本は客室内からの降車で、トンネル内など客室ドアから降車困難な場合等に限り乗務員室の正面扉からの降車
通常は③ではないかと思われます。
正面非貫通型の場合は②のみです。
新京成の場合、8800形以外は正面貫通型です。
新京成の他形式の設置場所を勝手予測すると、N800形は床下が空間なので京成3100形同様、梯子のみを床下に設置。
床下空間のない8900形は、運転士背後の2人席の前側、乗務員室から客室への開閉ドアとの空間に設置と思います。
8802以外の8800形14編成への梯子箱はまだ見かけませんが、順次設置されるのはほぼ確実と思われます。
梯子箱設置工事自体は比較的容易なため、案外迅速に完了かと思われます。
防犯カメラ設置の次は8800形全車両の車端部車椅子スペース確保と勝手予測しましたが、梯子設置が先でした。
蛇足ですが、新京成は旅客運賃の上限変更認可申請に関し、6月2日付けで旅客運賃設定の届け出を行ないました。
10月1日から運賃改定の予定です。

