平行普通列車

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北陸新幹線敦賀経由での大阪-長野の乗り継ぎダイヤを見る

北陸新幹線敦賀開業で大阪-長野移動は北陸新幹線経由が主流になるか?

2023年3月8日付け、拙「新大阪-長野の経路は、来春から名古屋経由から北陸新幹線敦賀経由に変わるか?」の続編です。

北陸新幹線敦賀まで開業しましたので、大阪-長野の移動について、北陸新幹線敦賀経由と、東海道新幹線名古屋経由を再検証してみたいと思います。

大阪-長野の移動と言えば東海道新幹線名古屋経由、中央線が定番ですが、名古屋での1回の乗り換えが必要です。

1回の乗り換えという点では、北陸新幹線経由でも敦賀の1回乗り換えの点では同等です。

今回は、大阪-長野を北陸新幹線敦賀経由とした場合について、見てみたいと思います。

 

なお、ここでは、

新大阪-「サンダーバード」-敦賀北陸新幹線-「かがやき」-長野のコースを「北陸新幹線経由

東海道新幹線新大阪-「のぞみ」-名古屋-中央線-「しなの」-長野のコースを「東海道新幹線経由

と記させていただきますのでご了承ください。

 

運賃・料金

〇 北陸新幹線経由は、486.3キロ、16,640円(運賃8,030円+特急料金8,610円)、往復33,280円

〇 東海道新幹線経由は、437.4キロ、14,100円(運賃7,480円+特急料金6,620円)、往復28,200円

【判断】 往復では5,080円差で東海道新幹線経由が安価。

 

列車ダイヤ

〇 北陸新幹線経由は、「サンダーバード」の本数が多いこと、大阪発であることの利点はありますが、敦賀接続の北陸新幹線は東京速達の「かがやき」への接続ではなく、金沢、富山への「つるぎ」接続が主体です。

すなわち大阪、新大阪からの北陸新幹線速達は「つるぎ」による富山までであり、新大阪-長野の速達「かがやき」接続自体を直接は想定していないダイヤです。

「かがやき」はあくまで東京-敦賀速達が趣旨であり、長野-敦賀も同様です。

東京・長野-敦賀を速達「かがやき」に乗っても、敦賀からの「サンダーバード」接続、新大阪速達は考慮のないダイヤになっています。

〇 東海道新幹線経由は、新大阪-名古屋の「のぞみ」の運転本数はもとより、名古屋-長野の「しなの」も名古屋発で7時から16時までは毎時00分発のわかりやすいダイヤです。

17時台から19時台は毎時40分発に変わり、16時00分発の次は17時40分発となる時間帯だけ運転間隔が開きますが、分かりやすいダイヤと言えます。

長野発「しなの」も同様です。

長野6時09分発の次が7時44分で、運転間隔が開きますが、9時台以降はほぼ毎時00分発で分かりやすくなっています。

【判断】 新大阪-長野の北陸新幹線経由は、列車ダイヤで見る限り、速達は二の次のイメージで、日中は「はくたか」乗り継ぎになり、敦賀-長野は各駅停車。

後続列車に抜かれることはないものの、距離的には東京-名古屋の「こだま」のイメージを持ちます。

総体的に東海道新幹線の方が便利といえます。

 

名古屋と長野の乗り換えのしやすさ

〇 北陸新幹線敦賀エスカレーターでの「上下」移動、「縦」移動のイメージです。

階数で言えば1階→3階です。

〇 東海道新幹線は名古屋乗り換えですが、名古屋は長年の歴史による慣れもあって、連絡通路で「横」の移動イメージがあります。

階数で言えば2階→1階→2階の印象です。

【判断】 敦賀はまだ開業直後で、乗り換えに慣れていない人が多いこともあり、名古屋の方が乗り換えは気軽、便利な印象があります。

今後、敦賀の乗り換えに慣れてくれば評価は変わってくるかもしれません。

 

新幹線の速達性

〇 北陸新幹線敦賀-長野の「かがやき」は定期9往復で、東京発11時台から15時台、敦賀発10時台から14時台の定期「かがやき」はありません。

日中の敦賀-長野は、各駅停車型の「はくたか」になり、速達の点で不利です。

〇 東海道新幹線新大阪-名古屋の「のぞみ」は十分すぎるくらいの運転本数があります。

【判断】 「かがやき」の定期列車が毎時設定でない点で、東海道新幹線が便利。

敦賀-金沢を「つるぎ」、金沢から始発の臨時「かがやき」に乗り継ぐ方法もあるが、敦賀と金沢の2回乗り換えは億劫であり、不利。

 

サンダーバード」「かがやき」の接続ダイヤを見る

敦賀-長野を定期列車の「かがやき」前提で、乗り継ぎダイヤを見てみます。

なお、ここでは「サンダーバード」の発着駅は大阪駅とさせていただきます。

◆大阪→長野

大阪6:340発「サンダーバード1号」→敦賀7:54着→敦賀8:15発「かがやき506号」→長野10:12着(所要3:42)

(以下、駅と列車名は同上)

7:40発「5号」→9:03着→9:21発「508号」→11:10着(3:30)

13:12発「25号」→14:33着→15:04発「510号」→17:03着(3:41)

14:12発「27号」→15:33着→16:04発「512号」→17:54着(3:42)

15:40発「31号」→17:00着→17:13発「514号」→19:03着(3:23)

16:40発「35号」→18:00着→18:36発「516号」→20:27着(3:47)

18:10発「41号」→19:31着→20:11発「518号」→22:09着(3:59)

 

◆長野→大阪

長野7:38発「かがやき501号」→敦賀9:34着→敦賀10:14発「サンダーバード14号」→大阪11:36着(所要3:58)

(以下、駅と列車名は同上)

8:39発「503号」→10:28着→10:44発「16号」→12:06着(3:27)

9:40発「505号」→11:29着→12:14発「20号」→13:36着(3:56)

10:46発「507号」→12:43着→13:14発「22号」→14:36着(3:50)

11:43発「509号」→13:39着→14:14発「24号」→15:36着(3:53)

17:46発「511号」→19:37着→20:11発「46号」→21:34着(3:48)

18:49発「513号」→20:38着→21:08発「48号」→22:31着(3:42)

19:46発「515号」→21:34着→22:05発「50号」→23:29着(3:43)

 

【判断】 以上の接続ダイヤを見ると最速所要時間は3時間27分ですが、平均すると3時間30分を超えるイメージで、4時間に近い接続列車もあります。

前記しましたが、「サンダーバード」と「かがやき」の接続は考慮されていません。

また、「かがやき」の定期列車本数自体が少ないほか、「サンダーバード」の接続対象は「かがやき」ではなく富山までの「つるぎ」です。

敦賀-長野の速達需要は、毎時の「かがやき」定期列車設定ほどのものではないという見方もできます。

ちなみに、「はくたか」乗り継ぎで一例を見ると、大阪8:10発「サンダーバード7号」→敦賀9:37着→9:58発「はくたか560号」→長野12:24着で、大阪-長野4時間14分です。

ただし、新大阪からの乗降だけでなく、大阪から乗降できることは北陸新幹線ルートの強みです。

 

東海道新幹線名古屋経由の列車ダイヤ、所要時間

中央線「しなの」はほぼ毎時設定で、新大阪-長野の平均所要時間は約4時間です。

名古屋での「のぞみ」接続は、定期「のぞみ」で特定すると待ち時間が長いこともあります。

また、大阪基準で見ると東海道新幹線利用は、新大阪と名古屋の2回の乗り換えを必要とします。

大阪では乗り換え回数1回の北陸新幹線の方に分があるという見方もできます。

サンダーバード」は9両編成、「しなの」は6両編成で、輸送力は「サンダーバード」の方が勝ります。

 

普通車指定席は「サンダーバード」は8両、「しなの」は3両で大差があります。

気軽に乗れる自由席を好む人は「かがやき」「サンダーバード」の北陸新幹線コースは不向きで、東海道新幹線コースの「のぞみ」「しなの」の方になります。

グリーン車での前面展望は名古屋→長野の「しなの」だけの特権です。

 

お勧め経路は、新大阪→名古屋→長野→敦賀→新大阪

前回にも記したことと同じ内容になりますが、ご了承ください。

時間に余裕があるなら、新大阪→東海道新幹線→名古屋→中央線→長野→北陸新幹線敦賀→新大阪の信州・北陸循環コースを推薦します。

新大阪→名古屋→長野→敦賀京都市内の一周切符(11,880円)で乗車し、京都→新大阪は運賃別払い(580円)で合計12,460円です。

これに特急料金、新大阪→名古屋→長野6,620円、長野→敦賀→新大阪8,610円、合計15,230円を加えます。

運賃・料金合計額は27,690円です。

東海道新幹線往復の28,200円と比較して510円ですが、安価になります。

 

運賃・料金の安価さもありますが、往復経路を変えて両方の新幹線に乗車しての木曽路・信州・北陸・琵琶湖の湖西車窓を見て一周する方が変化に富みます。

東海道新幹線を先に乗り、大阪へ戻る際は北陸新幹線のコースをお薦めします。

篠ノ井線姨捨善光寺平の眺望は松本→長野の方が感動します。

運転席を介しての前面展望もこのコースでの「しなの」グリーン車だけの魅力です。

また、敦賀新疋田の鳩原ループ線で列車が一周する光景は敦賀→新大阪方向だけの持ち味です。

この逆のコースでは鳩原ループ線体感はできず、善光寺平の、いきなりの展望演出効果も薄れます。

循環コースは東海道新幹線が先、北陸新幹線を後に計画を立てることをお勧めします。

 

※写真は本文と無関係です。