北陸新幹線の時刻ページ、運賃料金表等を比較してみました
2024年3月号のダイヤ改正時刻表に見どころは多くありますが、もっとも高い関心路線は北陸新幹線敦賀-金沢のダイヤと思われます。
今回は、JR時刻表とJTB時刻表の中で、北陸新幹線に関するページを中心に比較してみたいと思います。
北陸新幹線時刻の中に大阪・名古屋の乗継特急を組み入れたJTB時刻表
両時刻表とも、上越新幹線と北陸新幹線を一体化していることは従前と同じです。
JR時刻表は、同ページに上下線の両方を入れました。
JTB時刻表は下りと上りとを分けたので、内容的には余裕があります。
また、JTB時刻表は下り線の最下段に敦賀-大阪の「サンダーバード」、敦賀-名古屋の「しらさぎ」接続列車を入れました。
上り新幹線は逆に、最上段に「サンダーバード」と「しらさぎ」の接続列車を入れています。
新幹線のページの中に在来線特急の乗り継ぎ列車を組み入れたのは実用的であり、便利です。
ただし、定期列車のみの掲載であり、臨時列車が省かれているのは惜しいと思います。
臨時列車を入れると混乱するとか、スペース上の都合でしょうか。
臨時列車の運転を知るには特急列車の巻頭ページを見る必要があり、そうなるとJR時刻表と差がなくなってきます。
JR時刻表は従来通り、他の列車乗り継ぎと同じページの中に入れています。
敦賀での乗り継ぎを見るにはJTB時刻表より億劫さがあります。
ただし、臨時列車も同時に見られる点ではJTB時刻表より勝ります。
JR時刻表の山陽新幹線全列車二重表記分を、北陸新幹線上下列車ページ分割に充ててはどうか?
北陸新幹線の話題から少し離れますが、山陽新幹線の時刻表ページにおいて、JR時刻表は東海道新幹線との組み合わせと九州新幹線との組み合わせで二重に全列車を表記しています。
山陽新幹線だけ二重に全列車を表記するなら、文字の大きい時刻表のように東海道・山陽・九州新幹線一括ページにしたらどうかと思います。
山陽新幹線を全列車二重表記するよりも、JTB時刻表のように九州新幹線については山陽新幹線の主要駅時刻だけの表記としてページを半減し、その分をJTB時刻表同様、上越・北陸新幹線の上下列車を分割して大阪・米原方面接続列車の追加に充てる方が賢明と思います。
「新幹線のりつぎ」での東京・博多方面との二重表記になるので、それを避ける見識なのでしょうか。
西九州新幹線での「リレーかもめ」のような一体化表示であり、北陸新幹線ページの場合、京都・大阪・米原だけの主要3駅のみの簡略時刻で十分です。
北陸新幹線敦賀乗継の手間と乗継割引制度廃止による新たな料金設定
北陸新幹線開業前まで、大阪-金沢の特急料金は2,950円でした。
北陸新幹線開業後、在来線特急乗り継ぎ割引廃止により、特急料金の値上がり負担を考慮して、大阪~近江今津、名古屋~長浜から、越前たけふ~富山間の乗り継ぎについては、当日中に敦賀駅で途中下車しない場合に、新幹線と在来線特急の料金合計額が安く設定されました。
一例として、大阪・名古屋-敦賀の特急料金を見てみます。
本来の大阪・名古屋-敦賀の特急料金は2,390円、敦賀-金沢の新幹線料金は3,170円、合計5,560円ですが、これを4,570円としました。
約18%相当の値引き額です。
所要時間短縮と特急料金増の対価
時刻表との関連で、大阪-金沢を例に、在来線特急直通と敦賀からの北陸新幹線の料金、所要時間を見てみます。
北陸新幹線開業前までは、大阪17:42発→金沢20:13着の「サンダーバード37号」、所要2時間31分が最速でした。
北陸新幹線開業後、大阪15:40発→「サンダーバード31号」「つるぎ32号」→金沢17:49着、所要2時間09分が最速になります。
所要時間22分短縮で、特急料金は2,950円から4,570円へ1,620円増となりました。
主要駅間の運賃・特急料金早見表の、独自料金枠の太線表記
「サンダーバード」「しらさぎ」の運賃・料金早見表において、大阪~近江今津、名古屋~長浜から、越前たけふ~富山間の特急料金が独自設定となったことを、両時刻表ではいずれも黒枠で囲んで表記しています。
JR時刻表は黒枠内と黒枠の外とが明確に判別できましたが、JTB時刻表は明確に判別しにくい印象を受けました。
鉄道ファンには該当枠範囲はすぐ分かることですが、それは知識が伴うからでもあり、一般の人の黒枠がJTB時刻表では若干判別しにくく感じました。
北陸新幹線でJR時刻表とJTB時刻表の見やすさ、使いやすさは
どちらの時刻表が見やすいか、使いやすいかは、人それぞれの好み、こだわりによるところが大きいと言えます。
過去からずっと見てきたことによる慣れや愛着もあります。
筆者は以下の理由により、JR時刻表の方を選ぶ方が多い傾向にあります。
〇 臨時列車が斜字で、定期列車と判別しやすい
〇 在来線特急の赤文字表記は、JTB時刻表の右側太線よりかりやすい
〇 新幹線の青文字表記も,JTB時刻表の全列車黒文字より見やすい
〇 北陸新幹線は青文字、上越新幹線は黒文字、「かがやき」の列車名は青枠で白抜き文字、「はくたか」は黒枠で白抜き文字、「とき」は城枠に青文字という、路線別、列車別の芸の細かさ
逆にJTB時刻表のような単色の方が落ち着くとか、路線配置の順番、列車形式の表記、私鉄特急、割引切符、国際線の飛行機時刻表等の情報が詳細で便利、親切な配慮という人もいます。
筆者もその便利さでJTB時刻表も時折り購入しますが、両方同時に並べるとJR時刻表の方に手が伸びやすい傾向はあります。
今回の内容で、筆者がJR時刻表の方を有利に見る主観的な面は否定しません。
以下は時刻表から離れた、JR西日本の列車時刻設定等の話です。
金沢開業時と同様、「かがやき」は日中、12時・13時前後を中心に定期列車は設定されません。
臨時列車の「かがやき」はありますが東京-金沢の設定であり、福井・敦賀への速達は配慮されない結果となりました。
福井県にとっては、まず臨時「かがやき」の敦賀延長、次に「かがやき」の毎時敦賀発着設定に向けて利用増を啓発してほしいものです。
敦賀乗換時間最短8分は大阪発「サンダーバード」、敦賀発「しらさぎ」に適用
敦賀での北陸新幹線と在来線特急の乗り換え標準時分は8分とされました。
敦賀駅では、大阪・米原からの特急は、米原「しらさぎ」の4分後に大阪「サンダーバード」が到着し、「サンダーバード」到着の8分後に「つるぎ」が発車するのが基本です。
「しらさぎ」の乗り換え時分は12分となります。
金沢→大阪・米原は「つるぎ」到着の8分後に「しらさぎ」、12分後に「サンダーバード」発車が基本です。
「サンダーバード」の待ち時間が長いことで、接続時間が長すぎる、全体の所要時間が長くなり、金沢直通特急と差がないと皮肉られるケースもあるかもしれません。
待ち時間12分の受けとめ方次第ですが、接続時間12分が長いと思う場合については、敦賀の乗り換えホームに趣向を凝らした演出等を行ない、乗り換え時間に余裕があった方がホームが観察できるという逆転の発想を期待します。
趣向を凝らすとは、列車関連で言えば、北陸新幹線列車内から見える光景、地上から見る北陸新幹線、北陸線敦賀-新疋田の上下線交差地点等の写真、列車画像などであり、観光地の写真や映像、買い物時間の活用、使いやすいトイレなども該当します。