平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

米原発着「しらさぎ」7往復の今後を考える

短距離特急に活路を見い出すなら米原から京都経由、奈良への一部列車延伸?

鉄道時刻表ニュース、2023年9月29日付け、「特急しらさぎ米原敦賀シャトル列車大量発生も15往復毎日運転をするのか JR西日本特急しらさぎダイヤ改正予測(2024年3月予定)」を拝見しました。

米原発着の「しらさぎ」について今後、運転日は少なくする可能性や2025年以降に本数減、廃止の可能性があることについて触れた内容です。

拙ブログでも何回か触れたことがありますが、今回はJR西日本JR東海の考え方を想定しながら、米原しらさぎ」の今後について考えてみたいと思います。

(以下、名古屋発着の「しらさぎ」は名古屋「しらさぎ」、米原発着の「しらさぎ」は米原しらさぎ」と表記します。)

 

米原しらさぎ」をまったく名古屋「しらさぎ」にしなかった背景

しらさぎ」が敦賀-金沢の運行をしなくなるのを機に、車両の余剰、有効活用も含めて、米原しらさぎ」は名古屋「しらさぎ」になるだろうというのが筆者の予測でした。

実際には現行のまま、米原しらさぎ」を名古屋に延伸することはありませんでした。

なぜ、米原しらさぎ」を1本たりとも名古屋「しらさぎ」にしなかったのかと言えば、JR西日本の所属車両であることとJR東海との関連ということになってくると考えます。

JR東海にとって名古屋「しらさぎ」をこれ以上多くすることは、車両使用料精算の関係上、行ないたくないということになるかと思います。

輸送量逼迫の東海道新幹線とはいえ、毎時1往復の「こだま」は新大阪発着から名古屋発着となり、名古屋-新大阪の「こだま」削減分は東京-新大阪「ひかり」の岐阜羽島米原停車で「こだま」の代役を担い、なおかつ東京-名古屋-米原敦賀の速達連絡の位置役も兼ねるという、とても賢明な列車ダイヤです。

名古屋からも東京からも敦賀へは、名古屋「しらさぎ」もありますが米原停車「ひかり」なら30分の時間節約ができること、さらに米原しらさぎ」の場合は同「ひかり」しか選択肢はないことで、「ひかり」に誘導させる方法を継続するという判断と考えられます。

 

名古屋-敦賀移動を利用者本位に考えた場合

JR東海の考え方はさておき、利用者の視点で見れば名古屋-敦賀の移動は、米原しらさぎ」の名古屋「しらさぎ」化により毎時1往復ダイヤにしてほしいということに帰結します。

その際の車両不足分があればJR東海373系383系で賄えばよいと思います。

それが同時に、JR東海にとってはJR西日本への車両精算の削減にもなります。

ただし逆にJR西日本JR東海車両の米原敦賀乗り入れに伴い、車両精算が発生します。

JR西日本JR東海の経営状況の相違もあり、JR西日本としてはJR東海への車両精算はしたくない、むしろ余剰の681系・683系で名古屋延長は賄えるという考えと考えられます。

その結果、利害は一致せず、JR東海にとっては名古屋-米原で新幹線に乗ってもらう方がよいことと併せ、現状ダイヤ踏襲になったと思われます。

すなわち名古屋「しらさぎ」の増発がないのは、利用者利便性向上の前に、2社間の営業上の利害の結果と考えます。

 

北陸線普通列車近江塩津30分待ちは「しらさぎ」誘導策?

日中の米原敦賀普通列車で移動するには近江塩津乗り換えが伴い、なおかつ「しらさぎ」誘導施策で近江塩津乗り換えで約30分待つのは意図的とするのは、鉄道時刻表ニュース記事での指摘のとおりと感じます。

普通列車を便利にすると米原しらさぎ」の利用者が減ることへの懸念は頭の奥にあると思われます。

その懸念があるなら、名古屋「しらさぎ」に変更して、名古屋からの利便性を向上すればよいと思いますが、車両使用料や東海道新幹線誘導の絡みで、それも行なっていないため近江塩津接続時間が長いままという面は否定できないと思います。

 

今後の米原しらさぎ」週3日運転化や廃止もあるかどうか

また、鉄道時刻表ニュース記事の中では、米原しらさぎ」7往復の今後について、週3日の曜日運転化や、今の運転日のさらなる削減や減便、廃止についても触れています。

いずれにしても列車の乗車率状況次第ですが、普通列車での近江塩津接続の長時間も加味すると米原しらさぎ」であっても、6両編成を4両または3両に減車してでも設定は続くかと思われます。

 

米原しらさぎ」の活路を見出すには京都延伸、さらに奈良志向があるか

中央線に385系が投入され、383系余剰の時点でJR東海383系を名古屋「しらさぎ」増発の対価も兼ねて投入するかどうかですが、683系に余剰がある以上、現状踏襲が続きそうに思います。

ただし、そうなるとJR西日本にとっては米原しらさぎ」の発展性がありません。

米原敦賀の新幹線接続だけでは短距離のため、まず米原から京都へ延伸し、京都からは奈良へ直通、あるいは「はるか」と合体して関西空港への直通に活路を見い出すかとも思われますが、どうでしょうか。

 

サンダーバード」がすでに敦賀-京都で速達していますが、奈良へ向かうとすれば「サンダーバード」ではできず、米原しらさぎ」が適材です。

また、奈良以外で、大阪経由で関西空港へ足を延ばすなら「サンダーバード」があります。

奈良は米原しらさぎ」で、関西空港は「サンダーバード」で棲み分けということを行なうかどうかも今後、着目していきたいと思います。

 

(※ 記載にあたり、鉄道時刻表ニュース、2023年9月29日付け、「特急しらさぎ米原敦賀シャトル列車大量発生も15往復毎日運転をするのか JR西日本特急しらさぎダイヤ改正予測(2024年3月予定)」を参考にさせていただきました。)