東京→米原→金沢→東京と、東京→金沢→米原→東京の経由線路の違いを見る
昨日の「東京-敦賀は北陸新幹線か?東海道新幹線米原経由か?」の続編です。
昨日の拙記事は、北陸新幹線敦賀開業後、東京-敦賀往復のもっとも安価な方法は両新幹線を使っての北陸一周であることに触れた内容でした。
今回は、北陸新幹線と東海道新幹線の両方を使って北陸の鉄道を一周するにあたり、どちらの新幹線から乗っていく方が興味深いかを中心に考えてみたいと思います。
東京→敦賀→東京の一周切符で、途中下車ができます。
敦賀で乗り換えの際、そのまますぐ接続列車に乗らずに途中下車し、敦賀赤レンガ倉庫や鉄道資料館の見学なども考えられます。(2館とも水曜定休です。)
以下、時刻の「:」は省略させていただきます。
① 東京→北陸新幹線「かがやき」→敦賀→「しらさぎ」→米原→東海道新幹線「ひかり」→東京
金沢から先、敦賀までの延伸を体感する列車方向になります。
敦賀から金沢へ向かっていくよりも、金沢→敦賀の方が北陸新幹線が敦賀まで延伸したことを体感できる点で、お勧めできるコースです。
また、以前にも書きましたが、敦賀→米原への列車の方が、敦賀→新疋田の鳩原ループ線が味わえる点で、逆方向にはない魅力があります。
【東京→敦賀 午前の主な列車時刻】
〇 東京616発→「かがやき501号」→敦賀934着
〇 東京720発→「かがやき503号」→敦賀1028着
〇 東京811発→「かがやき505号」→敦賀1129着
〇 東京920発→「かがやき507号」→敦賀1243着
〇 東京1022発→「かがやき509号」→敦賀1339着
〇 敦賀1010発→「しらさぎ54号」→米原1044着、1057発→「ひかり646号」→東京1312着
〇 敦賀1110発→「しらさぎ6号」→米原1144着、1157発→「ひかり648号」→東京1412着
〇 敦賀1210発→「しらさぎ56号」→米原1244着、1257発→「ひかり650号」→東京1512着
〇 敦賀1310発→「しらさぎ8号」→米原1343着、1357発→「ひかり652号」→東京1612着
※ 以下、敦賀発米原方面「しらさぎ」1410、1510、1609、1710、1808、1910、2015発の順にあり。
※ 米原発東京行き「ひかり」は毎時57分発
② 東京→東海道新幹線「ひかり」→米原→「しらさぎ」→敦賀→北陸新幹線「かがやき」→東京
①と逆のコースです。
大阪・名古屋方面の人は、北陸新幹線敦賀開業を体感する場合、敦賀→金沢の方向が自然な流れのコースになります。
新幹線の起点駅として誕生したという敦賀駅の感激度の角度から見れば、敦賀→金沢の方向への乗車の方が雰囲気は味わえると思います。
東京からの場合、敦賀→金沢と金沢→敦賀の二つの方向の選択肢があり、状況的に恵まれていると言えます。
敦賀→金沢のコースの場合、北陸新幹線としての車窓で上下列車の変化はないと思われますが、安中榛名→高崎と、熊谷→大宮で高架の上越・東北新幹線のさらに上を行く二重高架橋、高崎駅構内の通過線に入る際のポイント通過時の微妙な揺れの体感は上り列車の持ち味です。
なお、下り列車で「かがやき」と高崎通過「はくたか」でも、高崎駅構内を通過後に北陸新幹線に分岐していく際も特有のポイントによる揺れがありますが、下り列車の方がポイントを渡る速度は高く感じます。
〇 東京621発→「ひかり631号」→米原842着→857発→「しらさぎ1号」→敦賀927着
〇 東京733発→「ひかり633号」→米原947着→956発→「しらさぎ3号」→敦賀1027着
〇 東京833発→「ひかり635号」→米原1047着→1056発→「しらさぎ5号」→敦賀1126着
※ 以下、東京発933、1033、1133、1233の順に発車
【敦賀→東京 午後の主な列車時刻】
〇 敦賀1504発→「かがやき510号」→東京1828着
〇 敦賀1604発→「かがやき512号」→東京1920着
〇 敦賀1713発→「かがやき514号」→東京2003着
〇 敦賀1836発→「かがやき516号」→東京2156着
③ 東京→東海道新幹線「のぞみ」→名古屋→「しらさぎ」→米原・敦賀→北陸新幹線「かがやき」→東京
東海増新幹線から北陸線特急への乗り換えは米原で定着していますが、1972年9月までは「ひかり」は通過していて、「こだま」のみの停車でした。
「のぞみ」はまだ誕生していません。
そのため東京から福井、金沢方面は「ひかり」で名古屋からの「しらさぎ」乗り換えが定番で、米原で乗り換える場合は名古屋から「こだま」に乗り換えていました。
1972年10月から一部の「ひかり」が米原に停車し、1975年3月から大阪発着の「雷鳥」が米原経由から湖西線経由に変わりました。
米原発着列車が減った代替えとして、米原を起点とする「加越」が誕生し、2003年10月から米原発着のまま「しらさぎ」に統合されました。
名古屋発着の「しらさぎ」は1~10番台の号数、米原起点の「しらさぎ」は50~60番台の号数です。
以前にも書かせていただきましたが、筆者は東海道線の下り線、大垣→関ヶ原の通称新垂井線に関心があります。
特別な車窓はありませんが、この急勾配対策の貨物列車迂回線を通過するのは名古屋発「しらさぎ」、高山→大阪の「ひだ」、深夜の下り「サンライズ出雲・瀬戸」だけの貴重さがあるからです。
米原乗り換えとの列車時間を比較してみます。
東京833発→「ひかり635号」→米原1047着→1056発→「しらさぎ5号」→敦賀1126着に対して、
東京800発→「のぞみ61号」→名古屋939着→948発→「しらさぎ5号」→米原1048着→1056発→「しらさぎ5号」→敦賀1126着
となって、東京8時33分発「ひかり635号」に対し、東京8時00分発「のぞみ61号」となり、東京を33分早く発車する列車に乗ることになります。
指定席特急料金の比較で、東京-名古屋の「のぞみ」は4,920円、名古屋-敦賀の「しらさぎ」は2,390円、合計7,310円です。
東京-米原の「ひかり」5,150円、米原-敦賀の「しらさぎ」1,290円、合計6,440円よりも870円高くなります。
東京発を早い時間に乗った上に、料金が高くなるため、東京から名古屋乗り換えで敦賀へ向かう人は少ないと思われます。
それでもJR時刻表で、東京から敦賀への乗り継ぎでは米原乗換のほかに、名古屋乗り換えも掲出しているのが、過去の名古屋乗り換えの名残を思い起こさせます。
「のぞみ」を自由席にした場合は東京-名古屋4,180円、「しらさぎ」2,390円、合計6,570円で、米原「ひかり」との差額は130円に縮まります。
そんな思いをしてまで新垂井線に乗る必要があるかということになります。
新垂井線乗車の意義、価値観の次元になりますが、仮に「しらさぎ」は「垂井線」経由に変わったとしたら、筆者には楽しみが一つ減ります。
同行者と一緒に北陸一周をするならば、名古屋乗り換えで新垂井線の話をしても説得力がないので、①の北陸新幹線でスタートする方を提案します。
下りの東海道新幹線に乗りながら米原乗り換えは心残りがあるからで、逆コースでの米原→名古屋は貨物列車も含めて全列車「垂井線」経由なので、米原から東海道新幹線で心置きなく東京に帰れます。
新垂井線体感は単独旅行時に限りそうです。
JR東海・JR西日本・JR東日本の3社協調で北陸一周切符の企画はどうか?
最後に勝手な提案ですがJR東海、JR西日本、JR東日本の3社協調で、北陸一周切符の企画をしてはどうでしょうか。
東京-米原-敦賀-金沢-東京のルートで、逆回りも可、途中下車は敦賀のみ可、東海道新幹線は「ひかり」限定とするものです。
飛行機、高速道路の競合に対しても、往復の北陸外周、両新幹線乗車はJR3社に有効かと考えますが、いかがでしょうか。
(※ 記載にあたり、米原駅、特急しらさぎ・加越のWikipediaを参考にさせていただきました。)