米原発着を名古屋発着に変更しても必要編成数は同じ5運用で可能では?
北陸新幹線開業後、大阪-福井の移動では敦賀での乗り換えが増えました。
一方、名古屋-福井の場合は、時間帯によっては米原と敦賀の2回の乗り換えが必要となり、大阪よりもさらに億劫な乗り換えコースになりました。
名古屋-敦賀の「しらさぎ」に米原止まりが半数あり、その場合、名古屋-米原を東海道新幹線「ひかり」で乗り継ぐ必要があるためです。
それに加えて敦賀でも乗り継がなくてはなりません。
名古屋-米原は「ひかり」で30分、米原-敦賀は「しらさぎ」30分、敦賀-福井は「つるぎ」20分の乗車時間です。
20分から30分の乗車時間の列車に3回乗り継ぐことになります。
名古屋から福井へ、米原と敦賀の2回乗り換えが不評でも構わないのか
「しらさぎ」は、名古屋発着が8往復、米原止まり
北陸新幹線敦賀開業で金沢-敦賀の特急運用がなくなることにより、米原止まりの「しらさぎ」を名古屋に延長するかと期待したものの皆無でした。
東海道線名古屋-米原を受け持つJR東海としては、車両使用料の精算関係や同区間の乗務員が増えること、あるいは新幹線と重複する区間のため、名古屋「しらさぎ」を増やしたくない事情があるのでしょうか。
名古屋-敦賀直通「しらさぎ」の所要時間は約1時間40分、東海道新幹線米原乗り換えの場合、乗り換え時間を含めて約1時間10分で、その差は30分です。
乗り換えがあっても名古屋-敦賀で30分の時間差があるなら、新幹線米原乗り換えでよいという人もいるでしょうが、新幹線30分→特急30分→新幹線20分の乗り継ぎは仕方ないと割り切っているでしょうか。
元来、東海道新幹線「ひかり」の米原停車は、東京から福井、金沢方面へ行く際に、名古屋で「しらさぎ」乗り換えよりも時間短縮できるという趣旨のものでした。
言い換えれば「ひかり」の米原停車は、対東京が趣旨の措置であり、対名古屋は結果としてその余波を受けた形でした。
名古屋から新幹線経由米原で始発の北陸特急に乗り換えるのは、名古屋側の時間短縮効果よりも東京からの北陸速達の余波と思います。
他の路線でも米原「すらさぎ」と似たような事情を抱える路線はあります。
例えば、大阪-鳥取の「スーパーはくと」が今後、新大阪-姫路の設定を省略して姫路-鳥取にすることでの増発や運用合理化を図ろうとする話題と類似したものがあります。
東京-熱海の「踊り子」、小倉-博多の「ソニック」などにも言えますが、新幹線と在来線とで会社が異なるため、新幹線と在来線特急それぞれでサービスを競い合う点が、大阪-姫路での同じJR西日本所管と状況が異なります。
JR東海は新幹線の30分時間短縮を名目に、名古屋「しらさぎ」をこれ以上増やす必要はないという考えがあるでしょうか。
「しらさぎ」全列車名古屋発着とした場合の5種の運用表
とはいえ、名古屋及び福井の利用者からすれば、名古屋-福井の行き来において、米原と敦賀の短時間3回列車、2回乗り換えは億劫と思います。
ここで、米原「しらさぎ」を名古屋「しらさぎ」にした場合、列車運用はどの程度増えるのかを見てみました。
下記は、「しらさぎ」の全列車を名古屋発着にした場合運用で、5種(5編成)の運用です。
結果として5運用という数値は、米原止まりの「しらさぎ」がある現在と差のないものでした。
つまり、現在の運用数のまま、米原「しらさぎ」全7往復を名古屋まで延長することは可能です。
名古屋と米原の時刻が太字・下線になっているのが、米原止まり列車を名古屋へ延長したときの、目安の時刻です。
正確な時刻ではありませんのでご了承ください。
なお、発着時刻は時刻の「:」は略させていただきます。
【運用1】
641 747 818 → 911 950 1049
1148 1256 1327 → 1410 1444 1548
1648 1756 1826 → 1910 1943 2049
【運用2】
751 857 927 → 1010 1050 1148
1248 1356 1427 → 1510 1550 1649
1748 1856 1927 → 2013 2055 2154
【運用3】
851 956 1027 → 1110 1152 1248
1348 1456 1526 → 1609 1650 1749
1848 1956 2026
【運用4】
711 752 851
948 1056 1126 → 1210 1250 1348
1448 1556 1627 → 1710 1750 1848
1948 2056 2126 → 2201 2234 2334
【運用5】
811 844 949
1048 1156 1226 → 1310 1351 1448
1548 1656 1728 → 1808 1850 1946
2048 2150 2220
名古屋-福井が米原乗換では競争力がないという認識が必要では?
拙ブログではこれまでにも何回か、米原「しらさぎ」の名古屋「しらさぎ」化を書かせていただきましたが、改善したい様子がまったく感じられないのは残念です。
JR西日本は「しらさぎ」運用を含めた681系、683系車両に余剰があるはずです。
JR東海には前記、名古屋から福井はもとより金沢・富山の往来に際し、米原と敦賀の2回乗り換えは得策でないこと、またJR西日本はJR東海に対し、「しらさぎ」の名古屋発着効果を今一度、協議してほしいものです。
JR東海がJR西日本車両の乗り入れによる車両使用料精算が絡むならば、373系または振り子装置を未使用とした383系を「しらさぎ」の一部に充てることでJR西日本と協議してもよいのではないでしょうか。
少なくとも中央線383系を385系に置き換えてから、余剰の383系を「しらさぎ」に充てるには2029年度までまだ5年を要し、それでは遅すぎると考えます。