降車時に混乱を生みかねない16号車と17号車とのドア間距離35mの長さ
山形新幹線にE8系が登場しました。
2024年春から営業運転を開始し、2026年春までに現在のE3系を置き換える計画です。
E8系は秋田新幹線E6系の思想を受け継ぎながらも最高速度は300km/hとした結果、先頭車の流線形の角度が緩やかになり、定員増が図られました。
車体色はE3系を受け継いだ形です。
E3系・E6系と異なったE8系の特徴の一つに乗降ドア位置があります。
東京寄りに各車1カ所が基本なのは3形式共通ですが、東京寄り先頭11号車(グリーン車)ドアだけはE3系・E6系では新庄、秋田寄りです。
E8系では11号車と17号車の両方の先頭車とも運転台寄りに変更しました。
11号車の場合はドア位置が東京寄りに変わっても、隣の12号車ドアが東京寄りなのでとくに問題はありません。
しかし17号車の先頭車寄り(新庄寄り)ドア位置には課題があります。
17号車ドアを運転台のある新庄寄りに変更した結果、16号車のドア位置との間の距離が広がってしまったからです。
E3系・E6系では16・17号車間のドア距離は概算20mでしたが、E8系では35mほどに拡大する結果を招きました。
そのため駅ホームで列車を待つ際は、16・17号車の列だけ著しく号車間の列の距離が空くことになります。
さらに困るのは16号車の新庄寄りに着席する乗客と、17号車に着席する東京寄り乗客が、17号車東京寄りにドアがあるだろうと思い込んで、降車時にあわてる可能性が生じることです。
実質2両分、ドアがないようなイメージであり、あまり好ましいこととは言えません。
その意味で17号車のドア位置は16号車側東京寄りの方が良かったのではないでしょうか。
すでに製造を開始しているので今更言ってもどうにもなりませんが、ドア間を広げすぎる発想は今後見直しが必要と考えます。
余談ですが、このドア配置は国鉄時代の583系寝台・座席兼用特急電車での青森寄り先頭車(12号車と先頭13号車との間の連結部付近にドアがなかった)でも行なっていた設計でした。
※写真は本文と無関係です。