防犯カメラ設置による安心乗車推進、犯罪抑止効果の反面、鉄道ファンに影響は?
国は、鉄道事業者に対して新製車両投入の際、防犯カメラ(以下、「カメラ」)設置を義務づけていく方向のようです。
鉄道側でも乗客が安心して駅や列車を利用できる環境を整えるため、カメラの設置を進めています。
カメラ設置費はJR東日本の4扉通勤電車10両編成の例で約5千万円前後とも聞きます。
東海道・山陽新幹線では1両当たり、デッキ乗降口2カ所に各2台、客室内に2台、洗面所デッキに1台、計7台でのカメラ体制です。
列車内だけでなくホーム上や乗り換え通路、改札口付近の内外まで、あらゆる場所にカメラを見かけるようになりました。
録画方式からリアルタイム伝送式への切り替えも進んでいます。
カメラ設置と併せて係員や警備員により駅構内や車内巡回の強化も行なわれています。
さて、カメラの設置充実は良いことですが、鉄道ファンにはある悩みというか、手間が一つ増えた気がします。
カメラが完備されていなかった時代は同じ駅に長くいたり、列車内で動き回ったりしても駅員、乗務員、警備員などから質問や注意を受けることはあっても、あくまでその人たちの直接目視での話でした。
それがカメラによって駅はもとより、本部で四六時中の映像監視が可能になりました。
映像上で不審者かもしれないと、本部からも駅や列車内に連絡が入るようになりました。
そして駅員、乗務員、警備員から急に「何をしているのか?」と問われ、どこでこちらの行動を始終監視されていたのかと驚くケースが生じました。
以下は、筆者の体験も含めての話です。
カメラ映像上で不自然な行動に見えて職務質問されることがあります。
しかしそれは映像での受け止め方の問題です。
鉄道側や他の利用者に迷惑をかけていないこと、趣味で駅や通過列車を観察していること、写真が趣味であることをきちんと説明します。
もちろん行き過ぎた行動で、列車に近づきすぎたり駅員、乗務員、他の利用者に迷惑をかけるのは論外です。
少なくとも自分では許容範囲の行動と認識して動いています。
とはいえ、各所に多数設置されたカメラ目線は気になります。
そのカメラ自体をこちらが撮影しようものなら、カメラを逆に撮影する行為が怪しいと受け取られるのは困りものです。
防犯カメラ撮影も単なる写真趣味対象の一環ですが、それ以上の何物でもありません。
係員や警備員の方々から質問されたら「鉄道が趣味です。鉄道関係の方や利用者、沿線の方などに迷惑をかける行動は一切しませんから」と自信を持って言いながら続けていきましょう。
鉄道を楽しく撮影、観察するために極力、不信行為、迷惑行為感を抱かせないことも頭の片隅に置きながら。