平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

大阪環状線京橋駅構内入出区線での乗務員の昇降台転倒事故で思うこと

線路上から乗務員室に簡単、安全に乗れる乗降台設置について考えます

JR西日本から、2024 年4月9日付けで「乗務員の交代に伴う列車の遅延・運休について」のニュースがありました。

同日6時12分頃、京橋駅構内入出区線で8両編成の回送列車の出区時に、車掌が昇降台で転倒し怪我をした事故が発生し、50本が運休、109本に遅れが生じ、約106,000人が影響を受けたとの内容です。

今後の対策としては「乗務員に本件事象を周知し、注意喚起を実施します」とのことです。

JR西日本以外でのネット情報を見ると、

・駅係員が点検する車両の乗車時に転落し肩と頭部を負傷

・30代の女性係員1人がけが

・車掌が乗降台から足を踏み外して頭を打った

など、複数の情報がありました。

 

決して容易ではない、線路上から乗務員室への出入り作業

駅ホーム上で乗務員が乗務員室に出入りする時や、車両基地などにおいては、簡素な設備であっても乗務員室との高さが一致した台が備わっている位置に停車すれば、乗務員室への出入りは容易にできることは想像できます。

しかし、地平の線路上から乗務員室のドアが閉まっている状態で入り込むことは容易にはできません。

それなりの気合が必要と思われます。

また、暑い夏、寒い冬、強風、豪雨、降雪など、いかなる条件下であっても自力でハイリこまなければなりません。

乗務員室から地平に降りる時は、重力の法則の分だけ、上がるよりは降りる方がまだよいかという感じもしますが、気を許すと落下してしまいそうです。

今回の事故が、地平での乗降によるものかどうか定かではありませんが、乗降手順の中での事故発生の可能性はあると思われます。

今後の対策について、「乗務員に本件事象を周知し、注意喚起を実施します」とありますが、これだけでは、乗務員の落下事故の防止はできないのではないかと感じます。

この事情は、LRT路面電車以外の車両に共通しています。

とくに駅ホームとは無縁の、貨物列車の機関車での乗務員室への乗り降りは外から見ているだけでも大変さが伝わってきます。

鉄道車両現場の人にはそれらの心配はないでしょうか。

国鉄時代のEF15、EF57のようなデッキ式機関車時代の運転室乗降は、機関士の人には容易だったと思います。

 

車両基地内の所定停車位置付近に簡易乗降台を設置してはどうか

トラックでの荷物積み下ろしを見ていると、リフト式に担当者が地面と荷台とを上下している光景を目にすることがあります。

鉄道車両の運転台にこのような装置を導入するのは無理なことです。

しかしながら、今回の事故は全国的に行なわれているケースであり、注意喚起だけでは今後も事故は起こり得ると思われ、安全確保の観点から対策が必要と考えます。

ひとまず車両基地において、所定の位置への停止、車両整備での停車、夜間滞泊の場合など、列車編成の乗務員室の停止位置に、簡素な物であっても乗降台を設置した方が安全確保上、現場の人には望ましいのではないでしょうか。

トラックの世界でも高い運転室に全国で乗り降りしているよと言われるかもしれませんが、鉄道車両の乗り降りはトラックとはまた異なり、左右2本の手すりで体を支えての、特有のものがあります。

 

今後、高齢者も長く働く時代を迎え、女性の鉄道社会進出も多くなった現在、乗務員や車両基地関係者が車両基地内等での乗務員室出入りの簡単、安全、安心な乗降方法にしていくことは鉄道会社にとって必要な措置と思われます。

今回のJR西日本に限らず、全国の鉄道会社に検討していただきたいと願います。

 

※写真は本文と無関係です。