平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

JR東日本の首都圏電車 運転士は車掌の連絡ブザー確認後の発車を

乗務員への厳重注意だけでは再発防止できない戸閉ランプ点灯だけに頼る勘違い発車

毎日新聞、2024年2月6日付け、「JR都賀駅で車掌残し発車 乗客50人降りられず ホームに積雪で」を拝見しました。

総武線下り快速列車が都賀駅に到着後、積雪のためホーム上の停止位置目標を積雪で確認できなかった車掌が、客室ドアを開けずホーム上の雪を取り除いている作業中、運転士は乗客の乗り降りが完了したと思い込み、発車したものです。

その結果、車掌はホームに取り残され、乗車予定の1人は乗れず、下車予定の約50人も降りられませんでした。

記事の最終部分を引用させていただきます。

 

(以下引用)

JR東日本)千葉支社は「ご迷惑とご心配をおかけして深くおわびを申し上げます。乗務員に厳しく指導しました。再発防止に努めていきます」とコメントした。

(以上引用)

 

車掌からの連絡ブザー後の発車を行なわないJR東日本思想の結果

JR東日本の首都圏の電車では、私鉄、地下鉄のように車掌が目視でドアが全部閉じたことを確認後、運転士にブザーで知らせ、運転士は車掌からのブザー確認までは発車しないシステムを採用しておらず、運転士は消灯していたランプが点灯すれば発車します。

今回の事案は、運転士が駅到着後、戸閉ランプは一旦消灯して乗降が行なわれ、戸閉ランプが点灯したと思い込んで発車させたとみられます。

JR東日本では、この種の事案は過去にも何度か発生していますが、私鉄・地下鉄のような車掌からの戸閉確認後の連絡ブザー音による発車はいまだに実施していません。

また、今回の事案のほか、仮の話ですが、乗客の乗降が完了して車掌がドアを閉じる操作の後、車掌が乗務員室に戻るのが遅れてホームに取り残された場合でも、JR東日本では、電車はそのまま発車してしまうことが起こり得ます。

 

「乗務員に厳しく指導」の乗務員への全責任負担だけでは再発の懸念

今回、気になったのは、JR東日本千葉支社の「乗務員に厳しく指導しました」という言葉です。

言葉の上げ足をとるつもりはありませんが、乗務員に厳しく指導することで今後の再発はなくせるのでしょうか。

厳重な注意喚起、処分だけでは今回の事案が防げないことは過去数回の同種事例から裏づけられています。

過去の教訓が今回も活かされなかったと言われても仕方のない状況です。

 

車掌からの連絡ブザー確認後の発車方式の採用を

JR東日本は今後、首都圏電車でもワンマン化を推進する方向であり、それによっておのずと連絡ブザーは必要なくなると考えているのでしょうか。

しかしながら戸閉ランプ確認漏れは、JR東日本のような戸閉ランプがすべてとする方式ではまだ起こり得ると言わざるを得ません。

再発防止のためには私鉄、地下鉄のような車掌からのブザー方式に変えることが必要です。

また、今回の総武線快速のような15両編成列車のワンマン化は当面ないと思われます。

ひとまず、ワンマン化が当面困難な15両の長編成列車、すなわち東海道、横須賀、東北、高崎、常磐、総武、外房、内房の各路線における15両編成列車では、車掌の連絡ブザーによる発車を優先導入する余地があるのではないでしょうか。

 

また、今後の首都圏でのホームドア整備によるワンマン化に際し、駅の所定位置に列車が停止後、列車側の乗降扉開閉をせずに発車することへの防止策として「乗降扉未開閉」の警告を自動的に乗務員に促す装置の併設を検討した方がよいのではないかと感じました。

 

(※ 記載にあたり、毎日新聞、2024年2月6日付け、「JR都賀駅で車掌残し発車 乗客50人降りられず ホームに積雪で」を参考にさせていただきました。)